二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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cross×world
日時: 2018/09/05 23:26
名前: 柊 (ID: PF4eFA6h)

こんにちは、柊と申します!
掛け持ちですが、またも小説投稿をさせていただきました!

下記は注意事項になります、大丈夫な方はどうぞお楽しみください!
・私得クロスオーバー
・オリキャラが主人公
・他作品同士のキャラのCP、オリキャラとキャラのCPがある
・主人公がキャラの子ども
・主人公以外にもオリキャラあり
・流血、暴力表現あり
・ところどころねつ造入る
・気まぐれ更新
・都合により、登場させられないキャラクターがいます。遅くて申し訳ありません
もしかしたら注意事項は増えるかもしれません。では、よろしくお願いいたします!

本日、2016/12/01に閲覧が1000突破しました!
いつもありがとうございます!しかも今日誕生日だから余計に嬉しくて…本当にありがとうございます、これからも頑張ってまいります!

登場作品、目次 >>1

お知らせ>>148

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Re: cross×world【閲覧1000突破!】 ( No.129 )
日時: 2017/01/23 19:42
名前: 柊 (ID: /IDVKD3r)

「……?」

痛みはない。それどころか、何かに刺さったような感触すらも。

薬研が顔を上げれば、そこにはルイージがいた。彼の息は少し粗く、複数の切り傷が彼に付けられている。

彼の目の前の床は抉れ、到底飛び越えられそうにない大きさの穴が開いていた。

「大丈夫かい?」

「あ、ああ……ルイージの旦那は」

「少しだけ手間取ったけど、大丈夫だよ」

見れば、彼の足元にははたき落としたらしい多くの羽が。

そんな間にも、飛行船は全員を乗せて飛び立とうとしている。

「! 父ちゃん、母ちゃん!!」

「よせっ、こんな穴飛び越えられる訳ないだろう!!」

しんのすけが目の前の穴なんてないかのように飛び出そうとしたが、薬研に止められる。それでもジタバタともがき、何とかして飛行船へ駆け寄ろうとしていた。

しかし、体の小さな幼稚園児が細身とは言え自分より体の大きな薬研に敵うはずもなく。

飛行船は、徐々に要塞を離れて空高くへ飛んで行った。

後ろでは、どうやらファイアたちと合流したらしく、彼らの声が聞こえる。

しんのすけはそれを気にすることもなく、薬研の腕の中で呆然と飛行船を見つめ続けた……。

Re: cross×world【閲覧1000突破!】 ( No.130 )
日時: 2017/01/23 19:47
名前: 柊 (ID: /IDVKD3r)

飛行船内。女性の泣き声が響いている。

「しんのすけ、しんのすけっ……!」

彼女は野原みさえ。名で分かるように、しんのすけの母親だ。

みさえに寄り添い、背を撫でているのは野原ひろし。しんのすけの父親で、みさえの夫。

みさえはしんのすけの名前を呼んで涙を流していた。ひろしはそんなみさえに上手い慰めの言葉もかけてやれないことに己の無力さを感じていた。

「野原さん……」

周りにいるのはネネやトオル、マサオの母親たち。狭苦しい船内の一室にはしんのすけたちが通う幼稚園の先生らや、まる子たちの家族、カイトの姉がいる。

誰もが、嘆き悲しむみさえに何の言葉もかけられずにいた。

「……そう嘆くだけのことでもないぜ?」

唐突に、一つの声がする。全員がそちらを見ると二人の男女。

一人は黒いスーツに身を包んだ美丈夫。服の上からでもその身体にしっかりとした筋肉が付いているのが分かった。

もう一人は同じように黒い服に身を包んだ美少女。彼女は彼女で服の上からでも見事なプロポーションだと言うのが分かる。

そして、彼らは写し鏡のように正反対の目に眼帯を付けていた。

「どうして、そう言えるの……」

みさえがかき消えそうなか細い声で言う。

……実の子どもを見つけられたのに、抱きしめてあげることもできなかった。そんな悔しさが、彼女に分かるというのだろうか。

そんなみさえの考えを分かっていたのか分からなかったのか、彼女は口を開く。

「確かあんたの子どもは二人だったな?
その内の一人の無事が確認できたんだ。それにこの軍団に捕らえられていた訳でもない。
……例え、抱きしめてやれなくてもそれだけでも充分喜ばしいことだろ?
あの子どものそばにいたやつらなら、きっと守ってくれるだろうしな。
……オレは、自分の子どもをどっちも見つけられてないんだ」

そう言われてハッとした。彼女は見た目こそ少女だが、立派な母親なのだ。

みさえが謝ろうとするのを、彼女の言葉が遮る。

「だけど、あいつらはオレと光忠の子なんだ。絶対に生きてる。絶対に捕まってなんかない」

彼女はそう言って微笑んだ。そうして美丈夫になあ! と声をかけた。

「そうだね。不安じゃないと言えば嘘になるけど……信じてるよ。
僕と天龍の子どもを。竜太と、このはを」

そうして二人はーー天龍型一番艦、天龍と燭台切光忠は自信を持って微笑んだ。

あの場に、竜太がいたことなど知らずに。
第19話-END-
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Re: cross×world【閲覧1000突破!】 ( No.131 )
日時: 2017/01/25 23:35
名前: 柊 (ID: /IDVKD3r)

第20話
剣が空気を切る。その剣はカイトに向けられていた。

「うおっ!」

カイトが何とか避ける。空振った剣はそのまま床へ落ち……小さなクレーターを作り出した。そのせいで飛んだ小さな床の破片はカイトを襲った。ダメージはそれほどない。

しかし、カイトも、熱斗やナガレも信じられなかった。テオの体には確かに筋肉が付いている。そうだとしても、これは異常と言えた。

テオは冷静に剣を引き抜く。

「どうした、まさかこれだけで怖気付いたとは言うまい」

片目の赤い瞳が、三人を捉える。

その瞳には揺らぎがなく、真っ直ぐに三人を見据えていた。

「……一体、何をすればこんな威力が……!」

「……何をすれば、か。別に、こんな力いらなかったんだがな……」

ぼそり、と呟かれた言葉は三人には聞こえない……はずだった。だがナガレだけは、微かにその声を聞き取っていた。微か、だから詳しい内容までは分からなかったが。

いずれにしても、勝てない訳ではない。むしろ、相手が生身であるならば勝機はいくらでもある。

それに、テオは右目を負傷しているようで白い医療用の眼帯をしている。そちらから攻めれば勝利を手にしやすいかもしれない。

だが周りは隠れるものなどない。ならば。

「二人とも、彼の気を逸らしてほしい」

「分かった」

カイトと熱斗が走り出す。カイトは拳で、熱斗はロックバスターでテオを攻撃し始めた。

テオが冷静に拳を受け止め、ロックバスターを最小限の動きで避けていく。しかし確実に気は逸れている。

ナガレは素早く、それでも自分の動きを悟られないように動く。右目側に、そしてテオに近づいて行く。

距離は徐々に縮まっていく。

テオが、剣を左手に持ち替えてロックバスターを弾いた。

ーー今だ!!

ナガレがライフルのストックを振り上げる。『スラッシャーヒット』の構え。

「バカが」

そんな冷たいテオの声とともにゴリ、と額に押し付けられたのは……銃。

避ける暇も、それを除ける暇もなく、テオが引き金を引いた。

Re: cross×world【閲覧1000突破!】 ( No.132 )
日時: 2017/01/25 23:40
名前: 柊 (ID: /IDVKD3r)

ガゥン、と音が部屋に響く。衝撃にナガレの身体が吹き飛ばされた。

「ナガレっ!!」

「ぐ、ぅ……!?」

……死んではいない。かなりの衝撃はあったが、血も流れていなかった。

「今この空間は、お前らに致命傷を負わせることはない」

「どういうことだ!?」

熱斗が言えば、テオはちらりと見て口を開く。

「剣と銃。これですぐに致命傷を負われても困るのでな。
ただ、ダメージはしっかりと体に蓄積されていく。そうすれば内部から破壊されていく。
そうならないように精々足掻いてくれ」

そう言ってテオは銃をしまい、また剣を構える。

そして、また剣を振りかぶった。

ーーおかしい。

ナガレは何となく、ではあるが違和感を感じていた。

テオがここで自分たちを待ち受けていた理由。それは自分たちを倒す以外他ならないだろう。

だからこそ、テオの先ほどの言葉に矛盾を感じていた。

手っ取り早く倒すなら、致命傷を負わせた方が明らかに早い。なのにそれをむしろ避けるようにこの部屋全体にそんな不思議な細工を施した。

さらには、致命傷を負われても困ると言った。じわじわといたぶって楽しむ人間かとも思ったが、それなら三対一より一対一の方がやりやすいに決まっている。アームのことを知らなくとも、この部屋にそんな細工を施すことくらいは簡単なはずだ。

そもそも、敵の親玉であるタブーは何故そんな細工を許可したのか。謎が尽きない。

ーーだけど、これじゃあ、まるで。

……彼が、人を殺すことを嫌がっているように感じた。

Re: cross×world【閲覧1000突破!】 ( No.133 )
日時: 2017/01/25 23:45
名前: 柊 (ID: /IDVKD3r)

剣の一閃、銃の一撃。それらが上手い具合に組み合わさって近付くことすらできない。

「くっそぉ!!」

「どうすればいいんだ……!!」

カイトと熱斗は息を切らせながらそう叫ぶ。しかし、諦めることを知らない二人は数撃ちゃ当たると言わんばかりにまた突撃していく。

牽制のようなリーチのある剣がまた振られる。突撃で勢いが付いてしまっていた二人は何とか避けるが、その隙に銃弾が熱斗に迫っていた。

咄嗟に熱斗がロックバスターで銃弾を撃ち落とす。

「バカの一つ覚えのように突撃ばかりだな。それで俺に勝てるとでも?」

明らかに挑発と分かるような言葉。しかし二人はそれでカッとなってしまえば相手の思う壺だと何とか冷静になる。

銃も剣も厄介だ。剣はリーチが長く、銃は遠距離での攻撃が可能。剣を避けられても銃が襲う。

何とか、どちらかを封じることができれば。

考えても考えてもいい案は浮かばない。弾切れを待てればいいが、それまでに倒されてしまったら意味がないしそもそもあとどのくらいで切れるのか、テオ以外には分からない。

『聞こえますか!?』

「! ミツオ!?」

突然、耳元に聞こえてきたのはミツオの声。しかしテオには聞こえていないようだ。カイトが熱斗とナガレを見れば、二人にも聞こえているようで驚いた顔をしていた。

『クレイジーハンドさんがちょっとヒーロー着に通信機能を付けてくれたんです! 熱斗くんにはロックマンを通じて話しかけてます!
キョウジュさんに分析してもらった結果、眼帯をしている右目側に対する反応は僅かにですが遅れがあるようなんです!』

「……だけど、さっきは」

『諦めないでください! 大丈夫、きっと何かあるはずです!』

何かある、そう言われてカイトはまた考えてみる。

僅かに遅れがあるなら、何とかしてその間に攻撃を当てられないだろうか。しかし先ほどナガレがそれを失敗してしまっている。

「……一瞬で、近くに移動できればな」

「……! それだ」

熱斗が、呟いた。


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