二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- cross×world
- 日時: 2018/09/05 23:26
- 名前: 柊 (ID: PF4eFA6h)
こんにちは、柊と申します!
掛け持ちですが、またも小説投稿をさせていただきました!
下記は注意事項になります、大丈夫な方はどうぞお楽しみください!
・私得クロスオーバー
・オリキャラが主人公
・他作品同士のキャラのCP、オリキャラとキャラのCPがある
・主人公がキャラの子ども
・主人公以外にもオリキャラあり
・流血、暴力表現あり
・ところどころねつ造入る
・気まぐれ更新
・都合により、登場させられないキャラクターがいます。遅くて申し訳ありません
もしかしたら注意事項は増えるかもしれません。では、よろしくお願いいたします!
本日、2016/12/01に閲覧が1000突破しました!
いつもありがとうございます!しかも今日誕生日だから余計に嬉しくて…本当にありがとうございます、これからも頑張ってまいります!
登場作品、目次 >>1
お知らせ>>148
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- Re: cross×world ( No.19 )
- 日時: 2015/11/02 15:13
- 名前: 柊 (ID: sIzfjV5v)
「本当に乱ちゃんは可愛いわ〜。男の子だとは思えないくらいよ」
「肌も綺麗ですし……羨ましいです」
「髪もさらさらしているわね」
「えへへ、ありがとうっ。お姉さんたちも可愛いし綺麗だよ!」
……一通りの騒ぎのあと、女性陣を中心にあっさり溶け込んだ乱はピーチやゼルダ(あの時、電と一緒にいた女性だ)、凛とした美人のサムスと話している。
少し心配していたが、どうやらそれは無用のようだ。
次にこのはを見る。このはの小さな体では負担が大きい、とは思っていたが息が粗く、顔色も悪い。汗も少しかいていてあとの二振を顕現させるのはまず不可能だ。よくてあと一振。
「……このは、もうキツいだろ? 今日はここまでにしておこう」
「や! する!」
「だが一振が顕現できるかどうかだぞ」
「いっしょにやる!」
「は!?」
やるー! と言ってこのははそのまま二振を抱きしめた。竜太が止める暇もなく、力が込められる。
「うらしまにぃに、ぶしにぃにもどってきて!!」
「このはっ」
桜が二つ降って、また光を放つ。その中から二つの人影が現れ、光が引いていく。
一人は修行僧を思わせる格好をしており、足は高下駄を履いている。顔立ちも整っており、左目の下には小さく十字の傷があった。もう一人はその男よりだいぶ幼い、だが薬研たちよりは年上の背丈でふわりとした金髪を軽く頭頂部で纏めていた。
その二人が床に足が着いたと思った次の瞬間には膝を着いてしまっていた。二人は薬研たちとは違い、傷だらけだ。
「山伏さん、浦島さん!」
「ぐぅっ……竜太、か……」
「うぅ、主さん、主さん……!」
山伏、と呼ばれた男は苦しげに顔をしかめてはいるがしっかりと竜太を見ている。一方で浦島、と呼ばれた少年はぼろぼろと大粒の涙を溢していた。主さん、主さん、と呟きながら。
竜太がすぐに駆け寄ろうとするが、このはの体がぐらりと傾く。それを咄嗟に電が抱き抱えた。
「このはちゃん、このはちゃんっ!」
「っ、このは……!」
「え、あ……この、は?
このは、このはっ、大丈夫!?」
ようやくこのはたちの存在に気付いた浦島が、また涙を溢しながらこのはに駆け寄る。傷による痛みなど、まったく気にしていなかった。
その場は騒然となり、しばらく誰もが、落ち着くことなどできなかった。
第2話-END-
コメントおkです。
- Re: cross×world ( No.20 )
- 日時: 2016/01/07 01:53
- 名前: 柊@あけましておめでとうございます (ID: P/XU6MHR)
第3話
「よし、これでも無いよりかはマシだろう」
「すまぬ」
あの後、このははマリオたちに抱えられて竜太が寝かされていた部屋へ運ばれ、他の者はそれぞれ割り当てられた部屋へ戻っていた。何人かは誰かの部屋に集まっているとは思うが。
薬研は浦島と山伏の二人を治療したいと医務室に来ていた。とは言えど、先ほど浦島はこのはが気になる、と出て行った。
治療が終わった上半身を軽く見て服を着直す。手入れはこのはが目を覚まして、ある程度安定してからになるだろう。そうなるとやれることはかなり制限される。
「あと、山伏の旦那。これを飲んでおいた方がいい」
「これは?」
「痛み止めだそうだ。俺たちに効くか分からないが、少なくとも毒にはならないだろう」
「ありがたい」
山伏は薬研から錠剤を受け取ると躊躇うことなくそれを口に含んだ。そのまま飲み込もうとする山伏に薬研が水を渡す。
それだけで意味が分かった山伏はそれも受け取り、水で薬を流した。
「して、先ほどの話は真か」
「ああ。正直、俺もいまいち信じきれなかったんだが、あの人たちのまっすぐな瞳を、魂を見て、嘘を言っているとは思えない」
「……となれば、主殿は敵の手中か」
「間違いない。俺がそれを見ているからな。
……多分、浦島も」
「……」
山伏は静かに目を閉じる。そして、そうか、と一言呟いた。
突如、破られることはないとされていた結界が謎の集団ーー真亜空軍に破られた時。本丸にいた全刀剣男士で斬りかかっていった。それにも関わらず、終始劣勢を強いられ、主を含めたほぼ全員が敵に連れ去られた。
普通ならば、勝てるのか、また負けてしまうのではないかと不安になるだろう。しかし、この山伏国広という刀剣男士は違った。
「拙僧もまだまだであるな。不意を打たれたと言え、あれほどあっさり敗れ去るとは……」
「山伏の旦那……」
「だが、諦めん! 敵の手中には主殿だけでなく、我が兄弟もいる。
諦めるなぞ、できん!」
山伏は力強く拳を握った。それで怪我に響いたのかぐぅ、と呻く。
薬研が少しだけポカンとして……小さく息を吐いた。そして、廊下に続くドアへ向かう。
「それなら、今は安静にしておけ」
そう言って、薬研は医務室を出た。
- Re: cross×world ( No.21 )
- 日時: 2016/01/07 09:19
- 名前: 柊 (ID: P/XU6MHR)
「……らしくない、な」
ドアに寄りかかり、そう呟いた薬研は俯いている。その表情は暗い。
思い出したのは主が連れ去られるまさにその瞬間。運良く刀剣破壊を免れ、元の姿に戻ってしまった薬研が見たのはぐったりとした主が敵によって運ばれていくところで。体を持たなくなった薬研がどんなに叫んでも無意味で。あれほど後悔したことはない。
しかし正直なところ、薬研は諦めかけていた。あの敵には勝てない、負けてしまう、と。
それに対して山伏は諦めていなかった。強い目を持って諦めない、と言い切った。
いつもだったら自分もそう言い切っただろう。なのに今回は諦めてしまっていた。
……自分らしくない。
「……怖いんだろうな」
もしまた戦って負けて、折られてしまったら。そう思うと息もできなくなりそうだ。
兄弟たちや主に会えないまま折れてしまうなんて、嫌で。
怖くて。
だから薬研も悩んでいた。戦うべきか、否か。だが山伏の言葉を聞いてそれは決まった。
上げた顔には先ほどまでの表情はなく、晴れ晴れとしている。薬研はドアから離れて歩き出す。
「まずは、竜太たちから探すか」
- Re: cross×world ( No.22 )
- 日時: 2016/01/07 02:07
- 名前: 柊 (ID: P/XU6MHR)
浦島はこのはが眠っているベッドの横に座っていた。目にはうっすらと涙が溜まり、時折ぐす、と鼻を鳴らしている。
「……守れなかった」
そう呟いた彼が思い出すのは、主が連れ去られるその直前。
あの場にいたのは重傷の自分と、同じく重傷の前田藤四郎。そしてところどころが己の血で汚れた、年老いた主。あの時にはもう自分たち以外は倒された後だったのかもしれない。
主はそれを微かながらに分かっていたのだろうか。彼は舌打ちをしながら自分と前田の名前を呼んでわざわざ元の姿に戻したのだ。
元の姿に戻ってしまえば、どんなに叫んでも手を伸ばしても彼に届くことはなく。
結局自分は、主が倒されて連れ去られるその時まで意識を保ってしまい、こうして後悔している。
「……オレが、もっと強かったら」
守れたかもしれない。主だけじゃなく、みんなを。そう考えては次々と襲いかかる後悔に潰されそうになっていく。
また涙が滲んで、浦島はまた、泣いた。
「こんなっ、こんな思い、するくらいならっ、折れたかった……!!
主さんを守って、折れたかったよぉ……!!」
「……うらしまにぃに」
「! このは……?
ちょ、ちょっと待ってて、今薬研くんを」
「おれちゃ、やー……」
「え……」
きゅう、と小さな手が浦島の手を掴む。その小さな手の力は弱いはずなのに、強く感じる。
「おれちゃ、や……。にぃに、いなきゃ、や……」
「このは……」
「だめー……」
今度は縋るように手を抱きしめる。そんなこのはを、浦島は優しく撫でた。
「うん、ごめんね。折れないよ。
折れないから、大丈夫」
「ほんと……?」
「本当だよ」
「よかったぁ……」
優しく微笑めばふにゃり、と笑いながらこのははまた眠った。その優しい微笑みのまま、浦島はつぅ、と一筋涙を流す。
けれどそれは、悲しみではなかった。
「……ありがとう、このは」
そう言い、浦島はこのはの頭をゆっくりと撫でた。
- Re: cross×world ( No.23 )
- 日時: 2016/01/07 02:22
- 名前: 柊 (ID: P/XU6MHR)
「何だか大変なことになっちゃったね」
「ああ。歴史を守ってたらこんなことになるとはなぁ」
乱と厚は夜空が広がる屋上に来ていた。時間が過ぎるのは早く、空は暗く、いくつもの星が瞬き、月が淡く優しい光を放っている。
二人の目にはそんな月が写っていた。
「ところで厚はどうするの?」
「何がだ?」
「あの真亜空軍とかいうのと、戦うの?」
「当たり前だろ」
乱の問いに、厚は迷うことなく答えた。
あまりにあっさりとした答えに同意はしても予想外だった乱はきょとん、と厚を見ている。それに気が付いたのか厚は何だよ、と返す。
「いや、もう少し躊躇うかなぁ、って思っていたから」
「そりゃ少しはな。だけど戦わなきゃ負けたまま終わりだし、大将やいち兄たちも捕まったまま。
それだけじゃなく何もかもがよく分からねえやつらに奪われるんだ。
今まで俺たちが守ってきた、全てを。俺はそんなの、我慢できない」
「……そうだよね。そんなこと、ぼくだって嫌だよ。だけど、正直怖いんだ」
乱は自分の体を抱きしめる。
あの時、敵によって重傷を負わされた時。
彼は誰にも言わなかったが、まるで遊ぶかのようにじわじわといたぶられた。折られると思っていたが、今にして思えばあれは折る気などなかった。ある程度……それこそ自分が人の身を保てなくなるまで力を削れれば良かったのだろう。
その思惑通り、乱は人の身を保てなくなった。あの時、竜太が来ていなければどうなっていたか。それが容易に想像できてしまうのだから恐ろしい。
次に想像したのは、もしもまた同じようになったら、だ。いくら何でもそうタイミングよくまた助けが来るとは思えない。そうなれば……と考えてゾッとする。
小刻みに震える乱の頭を、厚の手がぽん、と撫でた。
「平気だって。ここにはあいつらとの戦い方を心得ている人たちがいる。
それに、今回は不意を突かれて多少の違いはあっても全員判断が遅れたり、逆に急ぎすぎたりしていた。今度から油断しなきゃいいんだ」
「厚……」
「だろ?」
厚は歯を見せてニッと笑った。見た目の年相応なその笑顔に、乱も自然と笑顔になる、
「……そうだね!」
「お。厚に乱。ここにいたのか」
「あ、薬研。山伏さんたちの様子は?」
「重傷なのは変わりないが、治療は終わった。相当な無茶さえしなけりゃそうそう折れることもない」
「そっか、良かった」
「ところで竜太は?
包帯を取り替えてやりたいんだが、見当たらないんだ」
「え、竜太なら……」
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