二次創作小説(新・総合)

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逃走中#CR03 カービィ!バトルデラックス!!【完結】
日時: 2020/05/26 22:10
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1332

どうもです、灯焔です。
マイペースに我が道を進んでいく逃走中#CR03!前回異世界のゲートが完全復活し、ボルテージも盛り上がりも限界突破中!
今回の舞台は、某カービィの大乱闘ゲーとも呼ばれる『カービィ バトルデラックス!』より『バトルデラックス会場』。デデデ大王がカービィを倒す為用意したエリアで、逃走者とハンターとの駆け引きが三度、始まる―――!

前回、遂に道化師が動き始め緊迫した様子の運営本部。どうやら彼ら、『JOKER』が生きていると断定し魂を消滅させようと動き始めているようで…。果たして『JOKER』、どこにいるんでしょうかねー。
ミニドラマはカービィ&バンワドがバトルデラックスで大暴れ!コピー能力を駆使して、逃走者の力も借りデデデ大王の罠をかいくぐって優勝せよ!
神々、人間、魔族。それぞれの思いが交差し世界は更に変化を遂げていく―――。



<ルール>
逃走エリア:『バトルデラックス会場』 
デデデ大王がカービィをコテンパンにやっつける為、自ら創り上げたアトラクションが豊富なエリア。
本来は10個のアトラクションに挑戦できるのだが、今回は逃走中verの為、デデデ大王と運営本部によって選ばれた5つのアトラクションとエントランスを繋いだ逃走エリアとなっている。
また、『地下には会場を創ったデデデ大王ですら分からない秘密』があるのだとか…?
エリア詳細 >>1
ミニドラマ紹介 >>2


逃走時間:80分

賞金:48万(1秒100円)

ハンター:初期4体(OPゲーム会場のハンターボックスに2体)


<参加者>

【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>3
DTO
ハジメ
ジャック

【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>4
エリウッド
ヘクトル
リンディス

【白猫プロジェクト】より (3人) 詳細>>5
チタ・チタ
クレア・スチーブンソン
シェリル・コーエン

【ハイキュー!!】より (3人) 詳細>>6
日向翔陽
影山飛雄
月島蛍

【ぷよぷよシリーズ】より (3人) 詳細>>7
アルル・ナジャ
アミティ
あんどうりんご

【作者枠】 (3人) 詳細>>8
おろさん
Ga.c=evo.
konakun.

【逃走中#02 MVP】 (2人) 詳細>>9
七海千秋
キュベリア

計20名



逃走中#CR04 次回作出場権(シード枠)争奪予想アンケート実施中!
※締め切りました


逃走中#CR04 次回参加者募集中! 逃走&確保MVP投票受付中! 
※締め切りました
作者枠発表 >>135

※『お手伝い』として参加してくださる方向けの案内※
 版権キャラ応募用紙 >>136 ※5/25(月) 20:00まで


◎AfterBreakTime

 ①『新しい希望の朝』 >>10
 ②『全知全能を司る神』 >>26
 ③『炎の紋章を掲げて』 >>39
 ④『その蒼き目は何を見る』 >>47-48
 ⑤『我ら、虚構の魔術師』 >>67
 ⑥『全知は語る、全能は悟る』 >>72
 ⑦『はじまりの作戦会議』 >>79
 ⑧『幼き姿の神』 >>82
 ⑨『救出作戦、始動』 >>98
 ⑩『道化師と呼ばれた男』 >>103
 ⑪『勝ってくるぞと勇ましく』 >>109-110
 ⑫『打ち上げパーティ』 >>141-142 >>145-146 >>149



以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

ABT⑧『幼き姿の神』 ( No.82 )
日時: 2020/05/08 22:04
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

本部による救出作戦が開始されましたが、その時MZDとソティスは一体何をしているのか…。
そして、『彼女』にもある心境の変化が―――。

------------------------





『……―――なさい』



……誰?ぼくは眠いんだ、話しかけないで。もう少しだけ寝かせて。



『……――きなさい』



…うるさいなあ。今日は休みなんだから、もう少し眠っていたっていいじゃないか。



『―――おぬしおぬしおぬしー!いつまで寝ているのじゃ!いい加減起きろ!』

「――――――?!」





~処刑場 檻~



一瞬にして視界がクリアになり、少年は未だぼやけた頭を横に振りながら起き上がりました。目の前には緑色の長髪の少女…。『彼女』の姿を見て、自分に何が起こったのかを少年はすぐに思い出しました。



MZD「―――あっ。オレ達、攫われたんだっけ…」

ソティス「わしより長く眠りにつくとは何事じゃ!…まさかあの小童共を襲うと見せかけて、わしらを攫う算段だったとはのう。今回は一本してやられたわ」

MZD「やべっ。サングラス本部に落としてきちゃった…。あー、あれがないと槍で戦えないんだよな…」

ソティス「『さんぐらす』とやらがあってもこの状況じゃ無理じゃろうて。わしの力が戻っているような感覚がしない。…彼奴等に奪われたままじゃろうな」



悔しがるソティスを見やしながら、MZDは檻の外を遠目で見てみます。両手が自由に動かせないのと、少し足を動かした時に『チャリ』と鎖の音がしたことから、自らが縛られているのだと判断しました。
―――檻の外には、殺風景な空間が広がっています。所々に黒く錆びの様なものがこびりついており、空間の生々しい情景が浮かんでくるようでした。



ソティス「音の神よ。ここは…どこなのじゃ?」

MZD「オレも古い文献で見ただけだから詳しくは話せないんだけど…。多分、『処刑場』なんだと思う。しかも、『地位の高い魔族が使う』レベルの。…まさか、今の時代に残ってるとは思ってなかったけど」

ソティス「『処刑場』…?にしては、何もないのう。あるのは、この地を渦巻く居心地の悪い魔力だけじゃ」

MZD「…やっぱ『純粋な神族』は居心地が悪いって思うもんなのか。魔族の『処刑』ってさ、道具は最低限のものしか用意してなくて…。ほとんど自分にありあまる『過剰な魔力』を放出する為の実験台だったんだって」

ソティス「俗にいう『すとれすはっさん』と同じようなものかのう。…全く、当時の魔族は趣味が悪いことばかりしておったのじゃのう。…して音の神よ。この際だから話しておきたいことがある」

MZD「なーに?『オレの素顔が凄く女顔で幻滅しました』とか?」

ソティス「確かにおぬし、可愛らしい女物の服を着ればよく似合う……って違う!!」



話をはぐらかそうとMZDは別の話題を振りましたが、そうはいきません。ソティスはすぐに彼の話をぶった切り、本題に入ります。
―――本部では絶対に言えないと彼女が思っていた、『あの話題』を彼にふかっけてみることにしたのです。



ソティス「以前わしがおぬしの中で蠢いていると言った『魔の力』の話じゃ。―――『JOKER』の話を聞いた時、わしの中に1つ考えが浮かんでのう。…『JOKER』が『運営本部の中に入り込んでいる』可能性をじゃ。単刀直入におぬしに質問をさせてもらう。『JOKER』は、本部の中にいるのじゃな?」

MZD「……『いない』って嘘ついてもこれは問い詰められるだろうし、外にいる監視も正気じゃなさそうだし。ここいらが隠し通す正念場ってところかな。―――うん、『いるよ』。『JOKER』」

ソティス「サクヤもおぬしも『JOKER』の話題になると途端に話を逸らすからのう。ここいらではっきりできて良かったわ。…して、彼奴等が狙っている『JOKER』が、おぬしにとんでもないことをしでかしたということもな」

MZD「…………。『ポップンの世界が、ここに混ぜられる前の話』をしてもいい?」

ソティス「なんじゃ急に。…じゃが、わしの考えに確信が持てるかもしれぬ。いいじゃろう。聞かせてみよ」



これはソティス、『JOKER』の正体に気付いているっぽいですね。彼女に隠し通すのが無理だと断念したMZDは、軽く息を吐いて昔話を始めたのでした。



MZD「ソティスはオレの呪縛が『JOKER』によるものだって気付いてるんだよね?」

ソティス「そうしないとおぬしの話や行動に辻褄が合わなくなるからのう。…それに、呪縛があったとはいえおぬしと彼奴に『敵対していた時期』があったとも話を聞いておる。それとも関係しているのじゃろう?」

MZD「正しくは『向こうから一方的に煙たがられていた』って感じだけどなー。ゼウスのヤツ、あいつがオレを殺しかけた記憶を『曇らせやがって』。思い出してもらうまでに1回ガチで死にかけたし。…いや、死ねないんだけど」

ソティス「『忘れていた時期があった』…?どういうことじゃ?」

MZD「オレの創った『ポップンミュージックの世界』では、数節に1回『ポップンパーティ』っていう大きな世界的な音楽の催しを主催として開いてたんだよね。世界中の音楽をもっと知りたいっていう欲があったのも事実だけど、今ここで本音として言えば…『どこかで生きているJOKERを探したかった』ってのが根底にあった。

   そして、14回目のパーティを開くにあたって…とある噂を聞いた。『魔界の奥地に大きな城があって、そこに仮面姿の恐ろしい魔王がいる』というものを。御伽話になってた『JOKER』の話に似てるなって思ったオレは、すぐに魔界に向かってその『仮面姿の魔王』を探しに行ったよ」

ソティス「おぬしが魔界へ自由自在に行けていたのは当時からじゃったのか…」

MZD「『JOKER』に呪縛付けられたのが人間だった時からだから、ポップンワールドを創った時から行き放題だったよ?…それはいいとして。数日に分けて探していた末、オレはついにその『魔王の城』と呼ばれる場所に辿りついた。…で、忍び込んだのはいいんだけど―――案の定城の主に見つかってオレは捕らえられた」

ソティス「馬鹿かおぬしは?!本来ならば我々と相容れぬ存在である魔族の城に、しかも『魔王』の噂のある城にずけずけと忍び込むとは!!」

MZD「当時はまだヤンチャしたい頃だったからねー。あいつにも同じこと言われたっけ。…で、オレはその城の主の魔力の波長で気付いた。『こいつが探していたJOKERだ』って。でも、言えなかった。…あいつは、『JOKER』としての記憶を一部失っていた。失っていたっていうか、さっき言った通り『ゼウスに曇らせられていた』ってのが正しいんだけど…。そのせいでオレのことも覚えてなくて。

   相手からしてみれば勝手に自分の城に忍び込まれた不審者だろ?しかも自分が忌み嫌う『神』。オレにとっての再会の第一印象はあいつにとっては最悪で、しばらくは目を合わせる度に不機嫌になられてたなー」

ソティス「そのまま交流を続けようとしたおぬしもおぬしじゃぞ…」



そう言うと、MZDは当時を思い出すように目を細めます。本当に思い出深い事柄なのか、その言葉1つ1つを噛み締めるように…彼は大事に話してくれました。
しかし、そこでソティスに1つ疑問が湧いてきます。彼女の思っている『JOKER』は、現在はMZDととても仲のいい印象しか持っていません。寧ろ、彼を最優先に守護する為に動いているような…。そう思ったソティスは、MZDにこう聞いてみました。



ソティス「しかし妙じゃのう。ならば、なぜ覚えていないはずの記憶を彼奴は取り戻しておるのじゃ。今の彼奴からは当時の関係など想像できぬ」

MZD「話の続き聞けば分かると思うよ?そんじゃ続きな。

   最初は断られ続けていたパーティの誘いも、粘りに粘って何とかOK貰ってな。かなり渋々って感じだったけど。そして、パーティ当日―――。イベントで『ヒーローvs悪者』ってのを企画していて、オレはあいつに『ラスボス役』をやってくれってお願いしていたんだ。…それで、イベントも最終局面。ラスボスであるあいつとイベントの主役であるヒーローがガチでバトルをしていた時…とんでもないことが起きた。
   
   ヒーローのレッド役が、力の加減を誤って『仮面を粉々に砕いてしまった』んだ。…あいつの仮面が有り余る魔力の封印先だってことは知ってるよな?」

ソティス「FE30周年の宴の時にも言っておったからの。覚えておるぞ。そんな大事な仮面が壊れてしまうとは…相手の者の力が余程強かったのじゃな…」

MZD「…まあ、それも一つの原因ではあるけど。仮面が砕けて、仮面に封じられていた魔力はあいつの中に戻ってしまった。それで…ポップンワールドは、1回『破滅の危機』に瀕したんだ。みんなは今でも知らないけど、かつて『JOKER』と呼ばれていたあいつの魔力が完全に戻っちゃえば世界がどうなるか―――ソティスには想像つくよね?」

ソティス「そうじゃな…。強すぎる力のせいで世界が滅ぶことなど、想像に容易い」

MZD「うん。どうしても世界の崩壊を止めなきゃって思って…それに、パーティに招待して、大事な仮面を壊しちゃった責任もあったから。オレはミミとニャミに観客とパーティ参加者の避難をお願いして、暴走し始めたあいつとタイマンの状況を創って『精神世界』に一旦一緒に堕ちることを選んだ。

   その後は大変でなー。こっちも全力で行かなきゃ魂消されるし、相手はフルパワーだしで防戦一方。そして…一瞬の隙を突かれて喉を引き裂かれそうになった」

ソティス「…………」

MZD「だけど…あいつがオレの喉を貫こうとしたけど…出来なかった。あいつも自分が何をしているのか理解できなかったみたいで、かなり焦ってたよ。そして―――オレの心臓部分にある『呪縛』が偶然あいつの目に映った時―――。

   あいつの表情が変わるのが分かった。…自分が『JOKER』だった頃にオレに何をしたのか思い出したようで、喉元にあった手を退けた。それから、謝られた。『私は二度も、お前を殺そうとした』と。そこでオレも気付いたよ。あいつが…『ゼウスの記憶を封じる魔法を打ち破った』って。…思い出して、くれたんだよ。オレのこと」

ソティス「…かの全知全能の神が、『ワシの術を打ち破る者がいるとはのう』と以前言っておったのはそういうことだったのか…。それにしても、おぬしも数奇な人生を送っているようじゃの。自身の命が、魂が、何度も狙われてどうしてそこまで前線に立とうとするのじゃ。わしには理解が出来ん」

MZD「…オレが前線に立つことで味方の被害も敵の被害も減らせるならそれに越したことはないじゃん?それだけの話だよ。

   それからだよ。あいつがオレに好意的になってくれたのは。元々信頼するヤツには凄い世話好きで献身的だったみたいだから、オレに対する態度がガラッと変わったのには少しビックリしたけどな」



一区切り話し終わったのか、MZDはふぅ、と一息吐いてソティスに向き直ります。
それにしてもゼウス、彼の『JOKERの記憶を一部消す』とは思い切ったことやりますね。…恐らく、お互い再び出会わずに暮らしている方が双方の精神的に楽だとでも思ったのでしょうか。
ソティスは彼の話を聞き終わった後、小さく頷いて彼にこう返しました。



ソティス「…その話を聞くと、余計に『JOKER』は渡せぬな。単なる世界の崩壊を止める為ではない。『JOKER』は、彼奴でなければならない理由がきっとあるのじゃ」

MZD「そう、思ってくれるんだ。ありがとうソティス。その言葉が聞けただけでオレは嬉しいよ。
   …交換条件として道化師達が『JOKER』を求めている以上、交換に応じさせることは出来ない。何とかしてここから脱出しないと―――」

『残念だケド、それは無理な話ヨ』

ソティス「おぬし…」



『JOKER』の力を余計に彼らに渡してはならないと改めて思った2人は、どうにかしてここから脱出できないかと考えを巡らせ始めます。
しかし、その声を遮る足音が1つ。MZDとソティスが音のした方向を向いてみると、そこには腕を組んだべリアがいました。



MZD「…何しに来たの?お前さん達が思いっきりやってくれたから、オレ達今何も出来ないの知ってるよね?」

べリア「エエ。抵抗出来ないように神の力を封じているんだモノ。アタシは単に様子を見に来たダケヨ」

ソティス「おぬしの想像ではわしらはもっと絶望に満ちた顔をしていたのかのう?残念じゃったな。力を奪われたとて、心まで奪われるような軟弱者ではないわ!」

べリア「……ソウネ。そうかもしれないワ」



ソティスの威勢のいい返しにもどことなくそっけない返事をするべリア。前回の逃走中とは打って変わって随分としおらしいですね。何か企んでるんでしょうか。
そのまま警戒を解かずににらみ合いを続けていると、ふとべリアが2人にこう告げました。



べリア「アンタ達に良いコトを教えてアゲルワ。セーリュー達が、アンタ達2人を助ける為に動いているソウヨ。…もうすぐこっちに来るんじゃないかしらネ?」

ソティス「えっ…?」

MZD「敵に塩を送るなんて、らしくないな。何か企んでる?」

べリア「…道化師の気まぐれヨ」




何か彼らに言いたげでしたが、彼女はその言葉だけを残してその場を去ってしまいました。
前回との変貌に首を傾げるばかりの2人。べリアの指示なのか、監視が強まり始めた為大人しく本部の助けを待つことにしたのでした。

Re: 逃走中#CR03 カービィ!バトルデラックス!! ( No.83 )
日時: 2020/05/09 22:03
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

【30:02】





~あつめて!リンゴマッチ会場~





エリウッド「ここはまだコピーカービィがいるはずだよね。ミッションの終了時間まで5分を切りそうだし、急いで取り掛からないと」



まだコピーカービィがうろついている会場の1つである『あつめて!リンゴマッチ会場』にやってきたエリウッド。うろうろしているカービィ達を見つけ、早速帽子を取ろうと動き出しました。
しかし、そんな彼の足を止める声が後ろから聞こえてきたのです。



ジャック「おい。もしかして丁寧に1体ずつ帽子を剥ぎ取るつもりか?それだといくらあっても時間が足りないぞ」

エリウッド「え?君は確か…ジャック殿だったね。ジャファルに雰囲気が似てるなぁ」

ジャック「リンディスとお前といいなんで俺のことをお前達の仲間と重ね合わせるんだよ」

エリウッド「何となく雰囲気が似ているんだよね。既に捕まってしまったけれど、ヘクトルも君をじっくり見たら同じ名前をあげるんじゃないかなぁ」

ジャック「からかうのもいい加減にしろ!上司といい神といいお前らといい俺を振り回すな!!」

エリウッド「別に振り回しているつもりはないんだけど…。本題に戻ろうか。1体ずつ帽子を回収しなくてもいい方法があるのかい?」

ジャック「他の会場ならそれが手っ取り早いだろうが、ここには『あいつらの大好物』があるからな。それを餌にして6体一気におびき寄せれば早いだろ」

エリウッド「なるほど、カービィの好物を利用するんだね。コピー体といえど食べ物には目が無いはずだから、君の方法は理に適っている。協力しよう」



やって来たのはジャックでした。エリウッドが1体ずつ帽子を剥ぎ取ろうとしていた為、それよりも効率のいい方法があると提案をしに来たのです。流石現役暗殺者。
リンゴを餌にしてコピーカービィ達をおびき寄せるとは…。この会場ならではの方法ですね。エリウッドも賛成し、まずは餌となるリンゴを用意することにしました。
2人は早速ミニスピーウッズの近くに移動し、少し揺らしてみます。すると…。



ごとん!



エリウッド「リンゴが落ちてきたね」

ジャック「ルールには反してないから使えないわけではなかったか。良かった。10個くらい用意して1箇所にまとめるぞ」

エリウッド「承知したよ」



どうやら競技以外でもリンゴは落とせるみたいですね。
ジャックの指示通り、2人で協力しながらミニスピーウッズのリンゴを落としていきます。そして、10個程集まったところでミニスピーウッズの近く1箇所に集め、おびき寄せる餌は完成しました。



ジャック「ふぅ。これくらいでいいか。次はあのカービィ達をここにおびき寄せるんだが…。エリウッド。これを使ってカービィ達を6体こっちに連れてきてくれ」

エリウッド「普通のリンゴじゃない…?金色?」

ジャック「最後に俺の頭の上に落ちてきた。悪趣味な金色だ…。俺の脳天に直接落とせる奴なんか1人しかいねえ。上司め…!」 ※違います。



あとはコピーカービィ達をここまで追い込むだけですが、彼らを釣る餌としてジャックは金色のリンゴをエリウッドに渡しました。
どうやらリンゴを集めた直後に自らの頭上に落ちてきたんだとか。それを彼は上司の仕業だと思って憤慨しています。その上司、今そんなことしている余裕はないんだけどなぁ…。
こちらの思惑はさておき、エリウッドは彼をなだめながらもカービィの引き付け役を受けました。



エリウッド「君は木々の後ろに隠れて機を伺うんだね」

ジャック「そういうことだ。一気に仕留めるならば俺の方が適任だろう」

エリウッド「やっぱりそういうところもジャファルに似ているよ。…うーん、口調は似てなかったかもしれないけど」

ジャック「その名前は出すな!!さっさと行け!!!」



あーあ。最早エリウッドの手のひらの上ですね。
彼はジャックの言動にくすくすと笑った後、カービィ達を引き付ける為に彼に背を向け歩いていきました。
それと同時に、ジャックはカービィ達を確実に仕留める為木々の影に潜みます。と、その時。彼のスマホが勢いよく鳴り響きました。





【29:00】








ピリリ ピリリ








ジャック「なんだよタイミング悪いな!『前回の通知から3分が経過した為、残りのコピーカービィの数を通知する。残りのコピーカービィの数は、10体だ。』6分経過で残り10体。のうちの6体を今消滅させるから…。割と順調ではあるな」



そうでしたね。そろそろそんな時間でした。3分間で先程七海さんとおろさんが消滅させた4体だけのようです。
ジャックは頭の中で残りのカービィの数を計算しながら、そのままエリウッドの方向を見て機を伺っていました。

一方その頃エリウッドはというと。







エリウッド「…この辺でいいかな」



リンゴマッチ会場のレバー近くで立ち止まり、エリウッドは黄金のリンゴを天高く掲げ高らかに言いました。



エリウッド『コピーカービィ達!このリンゴが見えているかい?これは『黄金のリンゴ』といって、普通のリンゴと違って味も風味も画然と違うんだって!…こんなリンゴがあの場所に沢山あるんだ!食べたい人は僕についてきて!』

トルネイド「りんご?!」

ファイター「りんご!!りんご!!」

ジャック「(チョロすぎるだろ…!)」



エリウッドの巧みな話術にバラバラに動いていたコピーカービィ達は一斉にエリウッドの元へ集まります!そして、我先にと黄金のリンゴを求め手を伸ばし始めました!
そのままエリウッドは少しずつ後ずさります。あの場所へ向かって。コピーカービィ達もエリウッドに続き少しずつ前進!



ファイター「りんご!りんご!」

トルネイド「りんごりんごー!」

エリウッド「ここまで単純だとは思わなかったよ…。とにかく、あと少しだ!」

ジャック「…………」



あと少し、もう少し…!
エリウッドはリンゴを掲げたままミニスピーウッズの近くに後ずさり続け…遂に『あの場所まで』到着しました。そして―――



エリウッド「さあ。『リンゴだよ!召し上がれ!』」

コピーカービィ共『りんご!りんご!いっただっきま―――』



エリウッドがその場をどき、コピーカービィ達が目の前に広がったリンゴに飛び付いた瞬間―――





ジャック『―――背中ががら空きだぁっ!!!』

コピーカービィ共『りんごぉーっ!』

エリウッド「(食べ物しか見えなくなると断末魔まで食べ物になるんだね…)」





その隙を突き、背後からジャックが飛び出しコピーカービィ達の帽子を全て剥ぎ取りました!
コピーカービィ達は涙目の状態、所詮『ぴえん』状態に一瞬なり煙となって消えてしまいました。…私の名前に半濁点をつけないでくださーい。
まとめて取ったジャックの手元には、淡い光を放ち2枚のメダルが現れました。



エリウッド「作戦成功だね。良かった。ジャック、流石だよ」

ジャック「褒められるようなことは何もしていない。ほら、報酬のメダルだ」

エリウッド「え?実際に帽子を取ったのは君なのだから、君が持っているべきだと僕は思うけれど」

ジャック「そんなわけないだろ。お前が引き付け役を担っていなければ出来なかったことだ。黙って受け取りやがれ」

エリウッド「…それもそうだね。なら、有り難く頂戴するよ」



ジャックはメダルを確認し、1枚エリウッドに手渡しました。
ジャックの持っているものには『鉢巻の模様』が、エリウッドが受け取ったものには『風の模様』が描かれています。
これであと4体!逃走者達が取り損ねていなければ、残りは1箇所のはずです!
エリウッドはポーチにメダルを仕舞いがてら、タイマーで時間を確認する為スマホを取り出しました。




【28:26】




エリウッド「残り3分30秒か。僕達が行って間に合うかどうか、という瀬戸際だね。…ここは既に向かっている他の逃走者に任せた方がいいかもしれないね」

ジャック「向かっている途中にハンターにでも追われたりしたら元も子もないからな。府に落ちんが、俺もお前の意見に同調するぞ」




残り3分30秒!逃走者8名vsコピーカービィ4体!ハンターも4体!
次回、コピーカービィを消滅させる戦いもいよいよ結末を迎えます!

Re: 逃走中#CR03 カービィ!バトルデラックス!! ( No.84 )
日時: 2020/05/10 22:01
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

【28:12】





~こたえて!アクションシアター会場~





クレア「ふぅ~。なんとか見つけられましたよコピーカービィさん!さぁ、観念してください!」

DTO「おー。タイミング良かったかー。この人数なら間に合いそううへな」

シェリル「クレアちゃーん!やっほー!」

クレア「DTO先生!それにシェリルさんまで!もしかしてミッションを?」

シェリル「もちのろんだよ!社長道その181!『三歩進んで二歩下がる』!つまり一歩一歩歩き続けた結果だよ!」

DTO「…ハジメの奴が聞いたら『そんな使い方じゃなーい!今ここで授業っすよ!』って言いそうころ」



残りの1箇所は『こたえて!アクションシアター』会場でした。会場全体にカービィ4体がうろうろしているところをクレアが発見した直後に、彼女の背後を見つけたDTOとシェリルが合流しました。
シェリルの言葉の真意はともかく、時間も惜しいと3人は早速別々にうろついているカービィ達の帽子を回収しに走ります!



クレア「残りの能力は…ニンジャさんとドクターさんですね!こんな能力持ちが通報部隊になるなんて想像するだに恐ろしいです!剥ぎ取っちゃいますよ!」

DTO「単に歩いて見つけた奴を通報するわけじゃなさそうだな…。アクロバティックにやられたらこっちも困るうへ。そんじゃ、遠慮なくっ!」

シェリル「えいえいえ~いっ!」

ニンジャ『うわっ!』

ドクター『きゅ~!』



3人は素早くコピーカービィに追い付き、彼らの頭から帽子を取りました!シェリルは近くにいた残り1体のコピーカービィの帽子も剥ぎ取り、3人でエリア全体を見回します。そして、カービィが全て消滅したことを確認したのでした。
手の中に固い感触を覚えたクレアとDTOはその手を開いてみます。クレアのメダルには『手裏剣の模様』が、DTOのメダルには『カプセルの模様』が描かれていました。



シェリル「うまくいったねー!これでわたしはまたかし子になれた!」

クレア「ハンターも来ませんでしたし、無事にクリア出来て良かったです!」

DTO「それにしても…このメダル一体何なんだうへな。今後のミッションに使う、的な奴かー?」





【27:03】
ミッション③ クリア







ピリリ ピリリ








アルル「通達だ!何だろう?『逃走者全員の活躍により、エリア内をうろついていたコピーカービィが全て消滅した。ミッション③クリア』 よ、よかったー!クリア出来たんだー!」

影山「これで通報部隊が発生する危険性は回避できたという訳っスね。何とかうまく行って良かったっス」

おろさん「コピーとはいえカービィが通報部隊になんて考えたくもなかったからなー。クリア出来て良かった…」



ミッションクリア通知が流れると共に、通報部隊の恐怖を回避できたと喜ぶ逃走者一同。
こんなに余裕をもってミッションをクリアできたのも灯焔版逃走中史上初かと思われます。





シェリル「そういえば、DTOせんせーもう1枚メダル持ってたよね?なんの模様が描かれてたの?」

DTO「『槍の模様』が描かれてたなー。影山と一緒にぽいぽいトレイン会場で手に入れたうへ」

クレア「手つかずのエリアだったんですね!間に合ってよかったですよー」



そう言ってDTOは懐からもう1枚メダルを取り出し、シェリルとクレアに見せてくれました。確かにそのメダルには『槍の模様』が描かれています。
このメダル…。一体何に使用するというのでしょうかね?そんなことを考え始める一同でしたが、『ある者』の接近により中止を余儀なくされなければならなかったのです。
































ハンターKI「…………!!」







ダッダッダッダッダ!!!!






シェリル「わー!ハンター!!」

DTO「ったく…毎回とんでもねータイミングだな!」

クレア「逃げましょう!」



ハンターが接近していました!これは逃げないと!3人はバラバラに逃げ始めます。
ハンターが捉えたのは――――――




























ROCK ON 【SHERYL COEN】





ピーーーーーーーーーーーー





シェリル「うわっ!わたしだーーー!よーし、追いかけっこスタート!」



ハンターが捉えたのはシェリル!ってシェリル、なんか楽しそうですよ?!
別方向に消えたDTOとクレアを尻目に、彼女はそのまままっすぐ道を突っ切ります!





シェリル「わたしのスピードについてこれるかなー?」



ハンターKI「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!





流石の運動神経を持つシェリル、どんどんハンターを突き放していきます!
このままなら撒けるかもしれません!





~vsロボボンカース会場~





シェリル「円形のステージを回り込んで撒いちゃおう!」



そろそろ撒けそうだと判断したシェリルは円形のステージを利用してハンターを撒く為に方向転換をしました。
しかし――――――





















ハンターDD「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!





シェリル「あっちゃー。挟み撃ちはちょっと無理かなー」









ポンッ








【25:27】
シェリル・コーエン 確保 残り7名





シェリル「捕まっちゃったー。楽しかったし活躍できたからいーや!」



なんと逃げた先に別のハンター!シェリルは挟み撃ちされそのまま確保!
いくら運動神経が良くても、挟み撃ちは流石にきついようです。








ピリリ ピリリ









クレア「な、なんなんでしょう?『シェリル・コーエン 確保 残り7名』 えーっ?!ってことは…。残りの白猫勢私だけですかー?!」

DTO「あんな運動神経の子が捕まったのに逃げられる気がしなくなってきたころ」

影山「アトラクションに挑んだ後も全然体力を消費している感じがしなかったもんな。そんな奴が捕まるなんて…。油断大敵だ」

ジャック「そして、1ペア全滅だな。これからそれが増えていくかもしれないってことか。…気を引き締めないとな」




【25:00】 ミッション③終了時 逃走者詳細


確保者 13名 ※()内はペアベストの色


あんどうりんご ヘクトル キュベリア

チタ ハジメ(赤)

月島蛍 アミティ 日向翔陽(黄色) Ga.c=evo.(桃色)

リンディス(緑) konakun.(青) 七海千秋(紫) シェリル(赤)




既存逃走者 残り7名 ※()内はペアベストの色


DTO ジャック(緑)

エリウッド(黄色)

クレア(桃色)

影山飛雄

アルル(青)

おろさん(紫)




ミッション③を見事クリアしましたが、ハンターの猛追は止まりません。遂に1ペア全滅!
残り25分となり、終盤戦真っ只中の逃走中!本部の作戦も逃走中も無事に完遂出来ますように!


To be continued……

Re: 逃走中#CR03 カービィ!バトルデラックス!! ( No.85 )
日時: 2020/05/11 19:06
名前: YUMA (ID: 3NeFJuEp)

ユマです。最近Ryu氏の新作CD購入しましたぞー。

嗚呼、JOKERの正体の件は原作的な意味でジャックが微妙に怪しいかなー、と思っていたのです。変な解釈や勘違いなら失礼。

*ここから本題

いよいよ神様とソティスの奪還作戦開始しましたね...スタッフの方々はゲームの続行もしないといけない以上...ってkonakun.氏、自首しようとして不意打ちは恥ずかしいですぜ...

そしてデデデや他の今回の関係者の洗脳原因かと思われる謎の壺...どういう代物なんでしょうか...詳細が知りたいですね

では失礼しました

Re: 逃走中#CR03 カービィ!バトルデラックス!! ( No.86 )
日時: 2020/05/11 22:20
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

どうもです。灯焔です。
暑くなってまいりましたね。熱中症にどうかお気を付けください。



>>YUMA 様

どうもです。コメントありがとうございます!
そうだったんですね。描写不足で申し訳ございません。えむぜさんがクルークに前回語った話、そして今回ソティスに語った話。2つともヴィルさんに関する話だったわけです。
うちの世界のジャックはですね、単にコネクトワールドで自我を得ただけですね。MZDと絡んだのもポップンワールドが初です。えむぜさんが人間時代に会ったことがあるのは当時『JOKER』と呼ばれていたヴィルさんだけになります。

奪還作戦開始。うまく行ってくれるといいんですが…。
運営本部ではそんな壺なんて用意しておりませんので、また道化師絡みかと思われます。今後に注目です。





皆様、いつも暖かいコメントをありがとうございます。


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