二次創作小説(新・総合)

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逃走中#CR03 カービィ!バトルデラックス!!【完結】
日時: 2020/05/26 22:10
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1332

どうもです、灯焔です。
マイペースに我が道を進んでいく逃走中#CR03!前回異世界のゲートが完全復活し、ボルテージも盛り上がりも限界突破中!
今回の舞台は、某カービィの大乱闘ゲーとも呼ばれる『カービィ バトルデラックス!』より『バトルデラックス会場』。デデデ大王がカービィを倒す為用意したエリアで、逃走者とハンターとの駆け引きが三度、始まる―――!

前回、遂に道化師が動き始め緊迫した様子の運営本部。どうやら彼ら、『JOKER』が生きていると断定し魂を消滅させようと動き始めているようで…。果たして『JOKER』、どこにいるんでしょうかねー。
ミニドラマはカービィ&バンワドがバトルデラックスで大暴れ!コピー能力を駆使して、逃走者の力も借りデデデ大王の罠をかいくぐって優勝せよ!
神々、人間、魔族。それぞれの思いが交差し世界は更に変化を遂げていく―――。



<ルール>
逃走エリア:『バトルデラックス会場』 
デデデ大王がカービィをコテンパンにやっつける為、自ら創り上げたアトラクションが豊富なエリア。
本来は10個のアトラクションに挑戦できるのだが、今回は逃走中verの為、デデデ大王と運営本部によって選ばれた5つのアトラクションとエントランスを繋いだ逃走エリアとなっている。
また、『地下には会場を創ったデデデ大王ですら分からない秘密』があるのだとか…?
エリア詳細 >>1
ミニドラマ紹介 >>2


逃走時間:80分

賞金:48万(1秒100円)

ハンター:初期4体(OPゲーム会場のハンターボックスに2体)


<参加者>

【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>3
DTO
ハジメ
ジャック

【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>4
エリウッド
ヘクトル
リンディス

【白猫プロジェクト】より (3人) 詳細>>5
チタ・チタ
クレア・スチーブンソン
シェリル・コーエン

【ハイキュー!!】より (3人) 詳細>>6
日向翔陽
影山飛雄
月島蛍

【ぷよぷよシリーズ】より (3人) 詳細>>7
アルル・ナジャ
アミティ
あんどうりんご

【作者枠】 (3人) 詳細>>8
おろさん
Ga.c=evo.
konakun.

【逃走中#02 MVP】 (2人) 詳細>>9
七海千秋
キュベリア

計20名



逃走中#CR04 次回作出場権(シード枠)争奪予想アンケート実施中!
※締め切りました


逃走中#CR04 次回参加者募集中! 逃走&確保MVP投票受付中! 
※締め切りました
作者枠発表 >>135

※『お手伝い』として参加してくださる方向けの案内※
 版権キャラ応募用紙 >>136 ※5/25(月) 20:00まで


◎AfterBreakTime

 ①『新しい希望の朝』 >>10
 ②『全知全能を司る神』 >>26
 ③『炎の紋章を掲げて』 >>39
 ④『その蒼き目は何を見る』 >>47-48
 ⑤『我ら、虚構の魔術師』 >>67
 ⑥『全知は語る、全能は悟る』 >>72
 ⑦『はじまりの作戦会議』 >>79
 ⑧『幼き姿の神』 >>82
 ⑨『救出作戦、始動』 >>98
 ⑩『道化師と呼ばれた男』 >>103
 ⑪『勝ってくるぞと勇ましく』 >>109-110
 ⑫『打ち上げパーティ』 >>141-142 >>145-146 >>149



以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

ABT④『その蒼き目は何を見る』-1 ( No.47 )
日時: 2020/04/22 22:03
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

行方不明者の安否は分かりましたが、何者かに操られている可能性が高そうで心配ですね。
それも気になりますが、別方向からも運営本部への魔の手が…?

------------------------



~運営本部 入口前~



クルーク「…ふぅ。これで大体の掃除は終わったかな。マルクさん、こっちは大分綺麗になったよー!」

マルク「お?マジ?仕事が早くて助かるサ。いや~、クルークもすっかり本部の仕事が板に付いちゃって。流石は優秀な魔導師見習いサ!」

クルーク「褒めても何も出ないよ…。でも、ありがとう。こうして褒められて素直に『嬉しい』って思えるようになったのも、きっとこの世界に来たお陰だ」

リピカ「今までマイナスの面でしか考えられなかったけど、クルークみたいな奴を見てると案外『世界の融合』って悪くないものだと考えさせられるなー。…元の世界に二度と戻らない、ってのは辛いけど」

マルク「でも『世界の融合』に巻き込まれなかったら本部に来ることも無かったし、リピカやクルークともトモダチになれなかったのサ!そこは、ボクはちょー感謝してるんだからな!」



エイリークが満身創痍の状態でパーティ会場に戻って来た関係で、本部は少々騒ぎになっていました。理由は…皆様、お分かりですね?
いつまでもそうしてはいられない、とのサクヤの判断で、エイリークはしばらく医務室で精神的なケアを。それ以外のメンバーは通常通りの業務に戻ることになりました。
現在はクルークとマルクが牢獄ルームに差し入れを届けた後、サクヤに頼まれて2人で運営本部の入り口前の掃除をしていたところでした。そこに、業務を終えたリピカが合流し3人で話をしていました。



リピカ「エイリーク、絶対大丈夫じゃないよな。行方不明の兄が見つかったと思ったら、誰かに操られているかもしれない光景を直に見ちゃったって…」

マルク「うん。エイリークはファイアーエムブレムの面子の中で一番純粋で争いを好まない性格だからな。マルスも似たような性格だけど、マルスと違うところは所詮『覚悟が薄い』ってヤツだからな。…ボクも話を聞いただけだけど、つらい気持ちは何となくわかる」

クルーク「今はゆっくり休ませるべきだよ。…仮に助けられる機会があったとしても、彼女は連れて行かない方が…『それは駄目さ!』―――リピカさん?」



エイリークの心情について話す3人。彼女のこちらにまで伝わる辛そうな表情を思い出す度に、哀しい気持ちが沸き上がってきます。
…クルークは例えその『兄』が助けられる機会があったとしても、エイリークは連れて行かない方がいいと提案します。確かに今の彼女では、エフラムにあったとしても精神的に耐えられるかわかりませんからね。
しかし、リピカは彼の言葉を遮ってまでその提案を否定します。



リピカ「…相手がどんな状況であれ、私は肉親に会いに行けないなんて絶対に嫌だ。だから…エイリークもちゃんと直接会って話をすべきだと思うさ」

クルーク「分かってる…。分かってるんだけど…。でも、お兄さんが普通の状態で現れるなんて想像できないよ!もしかしたらエイリークさんがお兄さんに攻撃されてしまうかもしれないんだよ?!」

マルク「……ここで無関係なボク達が言い争いをしている場合じゃないのサ!決めるのはエイリーク、ボク達じゃないよ」

リピカ「…ごめん」

クルーク「ごめんなさい…」



どことなく気まずい空気が流れる中―――それを遮る『音』を、彼は聞き逃しませんでした。
ずり、ずり、と、何かを引きずっている音―――。誰かが近づいているのだと、マルクは一瞬で気付きます。



マルク「……待って。誰か近付いてる」

リピカ「敵襲さ?!」

マルク「分かんない。でも…様子を見た方がいいかもしれない」



そのまましばらく待っていると―――『音』の正体は、3人の前に現れました。











ジルク『…………』

マルク「なっ……!ジルクファイド……?!」

クルーク「でも凄いボロボロで…どうしたんだろう…?」

リピカ「クルーク、油断するなよ。こいつはお前がここに来る前―――前の逃走中で運営本部を襲った奴さ。何をしてくるか分からない」



音の正体はジルクファイドでした。その身体には痛々しい傷が。
リピカはマルクとクルークを守るように槍を召喚し彼に向かって構えます。
しかし……彼が3人に敵意を向けることは無く、それぞれの顔を苦し気に見た後―――そのまま、地面へと倒れてしまいました。
彼が生気を失ったことにクルークはいち早く気付き、彼に近付きます。



クルーク「大丈夫ですか?!……息が無いよぉ、どうしよう?!」

マルク「落ち着けクルーク!こいつは『アンドロイド』。息をして無くて当然サ。……こんなところで放置している訳にはいかない。サクヤに報告してコイツを医務室に連れていこう。……リピカ、悪いんだけどコイツ背負って先に医務室に連れてってくんない?」

リピカ「敵意は無いみたいだし―――仕方がないな…。2人はサクヤを連れてくるのさ。頼んだぞ!」

クルーク「うん。サクヤさんに連絡したら僕達も医務室へ行くよ!」



アンドロイドであることをクルークは知らない為、息をしていないジルクファイドに涙目になる彼。
そんな彼を宥めた後、子供であるクルークと体格的に背負えない自分ではなくリピカにジルクファイドを医務室まで連れていくようリピカに頼みました。
……ボロボロで現れたジルクファイド。確か前回魔界で、メフィストの元でスリープ状態になっていたはず。一体どうしてここに―――。
そんな思いが渦巻くも、首を振って考えを振り払いマルクはクルークを連れてメインサーバへと急ぐのでした。










~医務室~



リピカ「ごめんなのさ!怪我人が本部の前で倒れてたから連れてきたのさ!」

エイリーク「酷い怪我…!」

コハク「―――随分と満身創痍じゃねェか。傷の付き方からして生身の存在じゃねェな」

罪木「私もコハクさんもアンドロイドさんは専門外なんですぅ…。応急処置はすぐしますが、機械に強い方がいて下さった方が助かりますぅ」

コハク「ヴィオラをこっちに連れて来れれば良いンだが、生憎今頃部屋に引きこもってゲームやってるだろうからなァ…。オッサンに連絡するにしても時間がかかるし…」

リピカ「本部に機械に強い奴なんていたっけ…?」



リピカが素早く医務室に連れていくと、元気のない様子のエイリーク。そして、コハクと罪木さんが待っていました。
流石は医者志望、コハクはすぐに彼が人間ではないことを見抜きリピカにベッドに横たわらせるよう指示しました。
…しかし、コハクも罪木さんも生物の治癒は得意でも『アンドロイド』である彼は専門外。すぐに罪木さんが応急処置を施しますが、難しい顔をしています。どう治療すればいいのかを必死に考えているのでしょう。

その様子を見守っていると、サクヤと先程合流する約束をしたマルクとクルーク、そしてルーファスが部屋に入ってきました。
え?なんでルーファスがいるのかって?OPゲーム開始後、シェリルの様子を直接見守る為に観客として本部に来ていたのです。



サクヤ「…大体の事情は2人から聞きました。確かに…ジルクさんで間違いなさそうですね」

クルーク「コハクさん、蜜柑さん、何とか治してあげられないかな…?」

罪木「応急処置は頑張ってますが…。ふぇぇ…難しいですぅ…」(号泣)

ルーファス「…………。すみません、その応急処置、僕に変わってもらえませんか?」

コハク「ン?オマエ、機械に強かったりすンの?」

ルーファス「元々やっていた仕事の関係上、アンドロイドの構成についても頭の中に入っています。…彼がどういう造りになっているかは分かりませんが、出来ることはやってみます」

コハク「…なるほどな。分かった、蜜柑。変わってくれ」

罪木「は、はいぃ…。役立たずですみませぇん…」

マルク「専門外ながら頑張ってたんだから『役立たず』はないだろ…」



なんとルーファス、苦戦している罪木さんに変わって自分が応急処置をすると申し出ました。
確かに彼、現在のシェリルのメンテナンスも担当していますし機械には滅法強い人物。…過去のことを思い出させない限りではかなり頼りになる人物です。
『彼に任せよう』コハクはそう判断し、罪木さんにその場を譲るよう指示します。彼女は素早くその場を立ち退き、ルーファスにバトンタッチしました。



ルーファス「この構造…。かなり古代のもののようですね。見たことはありませんが…。類似の知識を辿って行けば処置は出来そうです。サクヤさん、誰か魔法工具を持っていませんか?何でも良いので…」

サクヤ「魔法工具…。えむぜさんがDJセットをいじる時に使っていたものがあったような…。確認してみます」



流石ルーファス。ジルクファイドの傷を見て『何とかなりそう』と判断し、サクヤに道具が無いかを訪ねてみました。
サクヤは思い当たるふしを辿り、MZDに連絡してみることにしました。



サクヤ「―――えむぜさん、すみません。サクヤです。折り入って頼みたいことがございます」

MZD『うっす。…随分と口調が焦ってんね、どーしたの?』

サクヤ「ジルクさんが運ばれたというのはご存知だと思いますが…。彼の処置に『魔法工具』が必要だそうで。貴方がDJセットをいじる時に使用しているものをお借りしたいのですが」

MZD『ん?あー、OK。オレの部屋にあったと思うから神パワーで今そっちに移動させる。…他に必要なものは?』

サクヤ「感謝します。今は魔法工具だけで大丈夫です。―――早速手元に……マルクさんの上に落ちました」

MZD『え?落としちゃった?ごめんごめん、後でマルクに謝りに行くって言っといて。…あと、もう1つお願いがあんだけど。ジルクが起きたら、『目の色』を確認してほしいんだ』

サクヤ「…メフィストさんに操られているか否か、の確認ですね」

MZD『そゆこと。『赤じゃなかったら』アイツの意志で動いてるってことだから。そんじゃ業務に戻るけど。―――ジルクのこと、よろしくな』

サクヤ「はい。…ありがとうございました」



サクヤが連絡を取り終えベッドの方を見てみると、そこでは既にルーファスがジルクファイドの処置を始めていました。
手際よく治療を進めていく彼に、思わずコハクも『おォ…』と感嘆の声をあげます。
―――しばらく様子を見ていると、ベッドの上から漏れていた光が収まりました。…どうやら処置が終わったようですね。



ルーファス「…はい、終わりましたよ。外傷がメインで、特に中身に異常は見当たりませんでした」

サクヤ「ありがとうございますルーファスさん。お客様としてお迎えした方に処置を頼んでしまい申し訳ありませんでした」

ルーファス「いやいや、僕も自分の得意分野を生かせてよかったです!何にせよ、彼が無事に起床できるならそれに越したことはありませんからね」

マルク「あとは…コイツが起きてから『ボク達を襲わないか』が問題だよな」

サクヤ「…………。とにかく、彼が起きるのを待ちましょう」



ルーファスがジルクファイドの元から離れてしばらくした後―――。
彼の『眼』は、ゆっくりと―――光を認識するように、開かれました。その眼の色は―――『青』。前回対峙した時とは違う色でした。



ジルク「…………。ここ、は―――?」

罪木「起床したばかりです、急に動くと身体に毒ですよぉ」

サクヤ「ジルクさん。この場所を覚えていますか?」

ジルク「…………。覚えているような、覚えていないような…。だが、神と乱闘した記憶はある」

マルク「あれ?襲って来ない…?」

リピカ「…『目が赤くない』。ってことは、ちゃんと自分の意志で動いてるってことか…」

ジルク「先のことは悪かった。俺の意志ではないとはいえ、本部を襲うような真似をしてしまうなんて…」

サクヤ「結果的に本部に損傷はございませんでしたし、私は気にしておりませんよ。…それで、何故傷だらけになって本部へと現れたのですか?」



ジルクファイド、前回本部を襲った記憶はあるようです。『自分の意志ではない』と言っていることから、記憶を持ちながら道化師共に操られていたことになりますね。随分と厄介な…。
サクヤが何故傷だらけで本部に来たのかを尋ねると、彼は少し黙った後…ぽつぽつと言葉を紡ぎました。



ジルク「…あの道化師に魔界に連れてこられた後、俺は長い眠りについていたんだ…。眠る前、『JOKER』捜索の駒にするとかなんとか声が聞こえてきたからさ。本当ならメフィストが動く時に目が覚める予定だったんだろうけど…。その前に俺は『目覚めた』。だから、ここからすぐ逃げようって判断して、壊されることを前提で地上まで這い上がって来たんだ」

サクヤ「なるほど。その傷は逃げる際に魔族や魔物に付けられたものなのですね」

ジルク「ああ。記憶回路を辿って、本部のことを思い出して。襲ったことは無かったことにはならないけど、逃げこむならそこしかないと思って…。逃げてたんだが、途中で魔物に深い傷を負わされてな。引きずりながら本部まで何とか辿り着いたんだ」

クルーク「だから、ボク達を見た時倒れちゃったんだね…。でも、助けられて良かったよ。やっぱり悪い人じゃなかったんだ!」

サクヤ「そもそも彼は一度ミミさんやニャミさんと戦って、改心している存在ですからね。余程のことが無ければ襲うなんてことはしないと思うのですが…。戦闘欲が非常に高いことに関しては目を瞑っておきましょう」

リピカ「心当たり有るんじゃん…」

罪木「それで…どうするんですか?このまましばらく預かるんですか?」

マルク「今は道化師の手から離れてるとはいえ、アイツらがコイツに何をしてるか分からない以上…。安易に『はい』と首を縦に振っちゃ駄目な気がするのサ」

サクヤ「ですが、このまま本部から追い出してはなりません。―――道化師が『JOKER』の捜索に当たっている今、少しでも彼らの支配から逃れられたこともあります。責任は私がすべて取ります。彼を……『本部でしばらく預かりましょう』」

クルーク「サクヤさん…!」



なるほど。ジルクファイドは自分で目覚めて地上まで逃げてきていたわけですね。
それで、本部にたどり着くまでに深い傷を負ってしまったと。…正直天の声もジルクファイドが何もされていないとは思えないんですが。―――まぁ、サクヤの気持ちも十分分かります。彼女は私ですし。
苦渋の決断でしょうが、サクヤはジルクファイドをしばらく本部に滞在することを許しました。ジルクファイドはまさか滞在許可が出るとは思っておらず、驚きの表情を見せています。



ジルク「…いいのか?この紫球の言うことも一理あるんだぞ」

マルク「紫球…」

サクヤ「確かに彼の言う事柄も分かります。むしろ…道化師が貴方にそういう呪縛をかけていないとは思っておりません。だからといって、貴方を追い出していい理由にはなりませんよ。実際、ここで暴れていない以上私は貴方を信用しようと思っただけです」

リピカ「サクヤは相変わらずお人好しだなぁ…。まぁ、だからこれだけ状況が違う生命同士を束ねることが出来ているんだろうけどさ」

ジルク「…分かった。匿ってもらう以上お前らの指示には従う。よろしく頼む」

サクヤ「―――ありがとうございます。まぁ、別に仕事を割り振る訳ではないので…。好きにお過ごしくださいな」

ルーファス「良ければ後で君の構造について知りたいんだけど…。ああ、今後君が本部に所属するなんてことがあったら僕も本部に移籍したいなぁ…!」

コハク「早速興味持ってるヤツが喰いついてら」

サクヤ「…ルーファスさんがいる限りは大丈夫でしょうねぇ。多分」

罪木「そこは断言してくださぁい…」





ジルクファイド、何だかんだで本部に匿ってもらえることになりました。
この行動が吉と出るのか凶と出るのか…。それは天の声にも分かりません。

ABT④『その蒼き目は何を見る』-2 ( No.48 )
日時: 2020/04/23 22:08
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

ジルクファイドを一時預かることになった運営本部。
―――そこで、彼は『種族を超えた友情』を目の当たりにするのです。

------------------------



~運営本部 住居区~



MZD「ちはす。元気そうだなジルク!」

ヴィル「瞳が青いままだと聞いて様子を見に来たが、どうやら自我は取り戻しているみたいだな」

ジルク「神に幽玄紳士!…2人が一緒だとはとんだ発見もあるもんだな…。先のことについては迷惑をかけた。悪い」

MZD「いーのいーの。お前だって色々苦労してるのはサクヤから聞いて分かってるから。今はゆっくり自然でも眺めてリラックスしてなよ」



現在、ジルクファイドはお言葉に甘えて住居区をフラフラと当てもなく歩いていました。…右も左も分かりませんでしたが、せわしなく働いている本部の人間に声をかけるわけにもいかなかったのでしょう。
そんな彼に、MZDが気さくに声をかけてきました。例の如くヴィルヘルムも一緒です。…種族が違うのに一緒に行動していることに驚くジルクファイドでしたが、彼はそれよりも前回襲い掛かったことを謝りました。
言われた本人はそのことを大して気にしていないようで、今ジルクファイドが無事ならばそれでいいと優しく返します。



ジルク「…それで、お前達はどうしてこんなところに?」

ヴィル「バトルデラックス会場の縁日に使用する食事を作ってほしいとサクヤから頼まれてな。他の2名は既に仕込みが終わってエリアまで向かっているそうだが、私は立場上表に立つわけにはいかないし、宴用の料理を作るのに手いっぱいだったからな…。今から手軽に作れそうなものを提供しようとキッチンに行こうとしていたのだ」

MZD「パーティの料理もみんなで全部食い切っちまったし、ヴィルに至っては牢獄用の差し入れも準備しなきゃならなかったからなー…。本当手際の良さとその天才的な料理のセンスは凄いと思うよ」

ジルク「…………。お前の料理に毒は入ってないのか?」

MZD「暗殺業務でもないのにどうして料理に毒を混ぜるんだよ」

ヴィル「確かにそういう『毒殺』方法も実際にあるからな。ただ、私のポリシーに反するからやっていないだけだ」

ジルク「こだわりがあるのか…」

MZD「どうせだから一緒に来る?今の時間帯なら誰か他にいるかもしれないし」

ジルク「…アンドロイドに食事は必要ないが。いいだろう、一緒に行こう」



どうやら用事があったのはヴィルヘルムの方で、サクヤに頼まれてドラマ用の料理を作ってほしいと依頼されていたそうです。既に他の料理上手2人―――カラ松とノアに関しては、縁日に出す料理の仕込みを終えてエリアへ向かっています。
暗殺者が普通に料理をすると聞いてまたもや驚くジルクファイドでしたが、彼の料理へのこだわりを聞いて何となく自分が答えたことは『失礼ではないか』と思ってしまい、彼に詫びを入れました。
MZDに一緒に来ないかと誘われた彼は、行く宛もなかったので彼らについていくことにしました。









~運営本部 住居区 キッチン~



jun「うーん…。好きに使っていいとは言われたけど…。どれも扱いに困りそうな材料ばっかりだよ…」

霊歌「普段自分の世界で使っていない材料が沢山あるから、どう料理したらいいか困るなぁ…」

ねこ「れいかさん…。おなか…すきました…」

MZD「…あれ?予言しちゃった?」



3人がキッチンへやってくると、冷蔵庫を覗き見ながらjunrisと霊歌が渋い顔をしていました。どうやらねこが空腹になってしまい、それを満たす為に料理をしに来たようです。
…困り顔を見て放置しておけないと思ったのか、冷蔵庫を開けっぱなしにしていることに耐えられなかったのかは分かりませんが、一瞬でヴィルヘルムは2人の背後に移動しこう告げました。



ヴィル「冷蔵庫の中身を長時間眺めるな。食材が痛むだろう」

jun「わっ?!びっくりしたぁ…!ヴ、ヴィルヘルムさん!すみません…」

霊歌「みけがお腹空いちゃって、本部の人に許可を取ってキッチンを使わせてもらうことにしたんだけど…。冷蔵庫の中に見たことが無いお野菜が沢山入ってて、どう使えばいいのか悩んでいたの…」

MZD「…なるほどねー。100%マモニスのせいだな」

ヴィル「見せてみろ。……魔界産の野菜を冷蔵庫に入れるなとあれほど言ったのに。彼奴、後で『オシオキ』だな…」

jun「…それじゃ、ここに入ってる食べ物はねこさんには」

霊歌「ミケにそんな危険な食材食べさせるわけにはいかないよー!ど、どうしよう…」

ヴィル「…………。MZD、棚にブレッドが余っていたら取り出して私にくれないか」

MZD「おっ?良いアイデア思いついたの?オッケー、任せといて!ジルクも折角だし食って行けよ!」

ジルク「俺はアンドロイドだから『アンドロイドでも食事くらいできんだろー?コーヒー飲めるくらいなんだし』…………」

jun「(ここの世界のジルクファイドさんはアンドロイドなんだ…)」



冷蔵庫の中にはマモニスが丹精込めて育てた『魔界産の野菜』が。…彼、サクヤが何も言わないからと冷蔵庫に勝手に育った野菜を仕舞っていたようです。魔界産だから冷蔵庫に入れなくても普通に保存できるのに…。しかも勝手に動き出す習性を持っている為、実は冷やしてはいけない野菜なのです。
あーあ、これはマモニスが黒焦げにされるのは確定ですね…。

ヴィルヘルムはため息をつきながらマモニスの入れていた野菜を全て保管用の箱に入れ直し、落ち込む彼女の為に何か軽食を作る決意をしました。
彼の思いを汲んだMZDはすぐに棚を物色します。その息の合った動きに思わずジルクファイドは釘付けになります。



MZD「あった。前買い置きしてたヤツが残ってる。……ほいっ。ココアオレの方で準備しとくー」(パンを投げる)

ヴィル「ありがとう。冷蔵庫の中身で無事なのが卵とショルダーのベーコン…。ここで作れそうなのは…あれか」(パンを受け取る)



MZDからパンを受け取ったヴィルヘルムは素早くホットサンドメーカーを取り出します。ちなみに、彼のこだわりで直火用しか置いていません。
冷蔵庫から卵とベーコンを人数分取り出し、手際よく切ったパンの上に載せていきます。プロ並みの手の動きに、思わず作者2人とねこも釘付けに。



ねこ「す……すごい、です……」

霊歌「手際がいい…!私も負けてないけど!」

jun「うちのメシマズ組に見せてあげたいくらいだ…」

ジルク「(…どうして、2人は種族が違うのにこんなに気が合うんだろうか)」



…しばらくしていると、ホットサンドメーカーから美味しそうなベーコンの焼ける匂いが。頃合いだと感じたヴィルヘルムは、ホットサンドメーカーの蓋を開け焼き具合を確認します。小さく頷いた彼は、ホットサンドメーカーから料理を取り出し包丁で半分にカットした後、更に盛り付けて4人の元まで持ってきました。



ヴィル「軽い食事で申し訳ない。良ければ食べてくれ」

MZD「ココアも丁度いい感じで完成ー!はい、これも!」



タイミングを見計らったMZDも人数分のマグカップを持ってやってきました。
すんすんと小さく香りをかぐ3人。美味しそうな卵とベーコン、小麦のの匂いが食欲をそそります。
…ジルクファイドは、目の前に出されたホットサンドをまじまじと見つめています。



霊歌「お、美味しそうな匂い…」

ねこ「いただきます……」

jun「い、いただきます!」



彼が見つめているのを尻目に、3人は勢いよくホットサンドにかじりつきました。
…丁度いいベーコンの焼き加減。外はカリカリ、中はふわふわのパン。そして、とろとろと口の中で広がる半熟の卵。

『美味しい』。一口食べた瞬間から、頭の中にはその言葉しか浮かんでいませんでした。



jun「お、美味しい…!なんだこれ、お店の料理?!」

霊歌「ベーコンも卵も最高…!ねぇ、レシピ教えて?!帰ったら作ってみたい!」

ねこ「おいしい……ここあもおいしい……」(ぱくぱくと休みなく食べて飲んでいる)

ヴィル「…やはり、喜んでいる姿を見るというのは気分がいいものだな」

MZD「これもヴィルの日々の努力と趣味の幅広さの賜物だぜー?…ほんっと、そんな顔出来るようになったなんて。成長したよなぁお前」

ジルク「…………」



パンを食べ進める手が止まらない3人を見て、ジルクファイドも無意識にホットサンドに手が伸びます。
そして―――ぱくりと小さく一口かじりました。



ジルク「……美味い」

MZD「だろー?ヴィルの料理は天下一品!本部にも料理上手増えてるけど、そこは絶対にオレは譲らないぜ!」

ジルク「…美味いだけじゃない。何と言うか…『作った奴の暖かさ』が感じられる味だ」

ヴィル「……ほう?」



…そう言った後、無言で食べ進めるジルクファイドのココロネを彼はこっそり覗いてみます。
―――前回は透明だったココロネが、少しだけ『青く』色づいているのが視えました。…アンドロイドの彼に『心が生まれた』。かれはそれを見つめながらそう考えたんだそうな。



MZD「……勝手に人の心視んなってオレいつも言ってるよね?まぁ、今回ばかりは別にいいと思うけど。ジルク、『心を取り戻しつつ』あるんじゃない?」

ヴィル「すまん、つい。…だが、そうかもしれないな。このまま自我を完全に取り戻すことが出来れば、『ココロネ』も元に戻る可能性も十分にあるだろう」

MZD「曲がりなりにも一時的に保護する選択肢は間違ってなかったってことだよな。…その先がどうなるかは分かんないけど」

ねこ「あの……おふたりとも……。すっごく、おいしかったです。ごちそうさまでした。ありがとう、ございました……」

MZD/ヴィル『お粗末様でした(!)』



いつの間にか4人の皿の上に乗っていたホットサンドは空っぽ。
皿とマグカップを持ってきてお礼を言ったねこに、ポップン界のM&Wは微笑みながらそう返したのでした。



ジルク「―――幽玄紳士。この食べ物を屋台に出すのはどうだ?」

ヴィル「ホットサンドを?いや、これは軽食用に出したもので…」

MZD「確かに『屋台用』なら軽く片手間に食える方が手軽でいいよな。…ヴィル、試しに作って屋台に置いてみない?心配するな、売り子はオレがやるから!」

ヴィル「…………。分かった。やってみよう」

霊歌「私達もエリアに行きたい…。もう一口…」

jun「逃走者じゃないから駄目だよ霊歌さん…」

ねこ「おぶじぇとしてこっそり……たべたい……」



ジルクファイド、なんと屋台の提案をしてきました!確かに今作ったホットサンドならば片手間に出来る上にエリア内でも焼けそうですね。元々ホットサンドメーカーってキャンプでも使えるサイズですし。
MZDの後押しもあり、ヴィルヘルムは試しに自作のホットサンドを屋台に出してみることにしました。
……おーい。作者2名&ねこさーん。こっそりエリアに行こうとしないでくださーい。





―――その後。





~バトルデラックス会場 縁日~



サクヤ『……えっ?ドラマパートが始まる前に売り切れてしまったのですか?!』

MZD「うん。誰かがヴィルのホットサンドについて漏らしたらしくて、ワドルディが沢山来て、1人1人に売ってる間に…。原材料もなくなりました。ごめん」

サクヤ『私も食べたかった…ではなく。会場に連れてきたワドルディさんの数を把握しておくべきでした…。すみません、ドラマパートはカラ松さんとノアさんの2名で回していただけますか?』

カラ松「ノープロブレム!オレ達の料理も同じくらい美味いって味わわせて『わにゃわにゃわにゃ~!』……ん?」

ノア「あーーーーっ!!!ワドルディにパンが食い尽されるーーー!!!」

カラ松「オレの丹精込めたビーフシチューがーーーー!!!」

サクヤ『不運2人が揃うとこうなるか。…えむぜさん、その場は任せました。後でワドルディさんに沢山のリンゴを与えてあげてください…』

MZD「…被害が最小限になるよう最善を尽くすよ」





ジルクファイドに心が戻ってきている様子。このままいけば…もしかするかもしれません。
それにしてもワドルディは数の暴力が凄い。いくら美味しい料理でも本番に無くなっては意味がありません。無事に料理が残っていることを祈ります…。

Re: 逃走中#CR03 カービィ!バトルデラックス!! ( No.49 )
日時: 2020/04/23 22:03
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

【58:48】





~バトルロイヤル会場~





アルル「誰かペアを組んでくれる人はいないかなー…」



現在バトルロイヤル会場では、アルルがきょろきょろと周りを見回していました。
誰とペアを組むか迷っていた彼女。未だに相手が見つからず少し焦っているようです。



アルル「どんどん他の人達がペアの相手を見つけるから、少し不安になるよ…。アミティに連絡しても全然出ないし…」



どうやら最初は数少ない知っている人物であるアミティに連絡を取り、ペアを組もうと考えていた様子。しかし、当の彼女が電話に出ない為計画は破綻に終わりました。
…エリアを歩いてみても人の気配はありません。ペアを組みたい気持ちが強いアルルの心の焦りが少しずつ強くなっていきます。



アルル「…こうなったら、次に出会った人に声をかけてペアになってもらおう!このまま歩き続けても埒が明かないと思うし!」



よーし、と改めて歩みを進めるアルル。
歩いていると、そんな彼女の目の前にお目当ての逃走者が見えてきました。



アルル「よし、あの人とペアになろう。すみませーん!」











konakun.「どこからエリアに入り込んできたんだろうか」



ん?konakun.が何かを見つめて呆れ顔のようです。
一体何が現れたと―――



(^ω^)<ヤァ!イセカイゲートカラキッチーダヨ!

(×>ヮ<)<ドウモ

<('ヮ')><YO!



konakun.「OPゲームの時にはいなかったよなぁ…。ということは、最初からエリアに紛れ込んでいたか途中から本部出し抜いてここまで来たか…」



……ぎゃーーー!!またキッチー?!種類が増えてますがどこから入って来たんですか一体?!
konakun.、どうやらキッチー達を見つけて呆れていたようですね。



アルル「すみません!すみませーん!すみませんってば!」(konakun.の肩をポンポン叩く)

konakun.「あばっ!?ちょ、ビックリしたーマジヤメテ」

アルル「うわわっ!驚かせるつもりはなかったんだよ。ごめんね~?立ち止まってるから何をしてるか気になってさ」

konakun.「ハンターかと思ってビックリした…。―――僕の連れてきた(×>ヮ<)が他の奴らと仲良くしてるみたいなんだよね…」

アルル「顔文字が動いて話してる…」

(×>ヮ<)<コナクンノトモダチダヨ!

アルル「この子はちょっと可愛いかも…?」



立ち止まっているkonakun.にアルルも合流。キッチー達も彼女が気になり近付きます。
アルルは(×>ヮ<)が元気よく返事をしたのを気に入り、可愛いと思っているようです。



(^ω^)<ボクハ?ボクハカワイクナイノ?

アルル「きみはちょっとねぇ…」

(^ω^)<…………(しゅん)



キッチー、アルルにあまり可愛くないと言われて少し落ち込んでいる様子。
彼女はそんなキッチーに目もくれず、konakun.に本題を振りました。



アルル「あっ そうだkonakun.さん。通知のことで話があるんだけど…」

konakun.「ペアのこと?…あれ、ってことはもしかしてアルルちゃん、まだペアの人見つかってない?」

アルル「実はそうなんだよー。アミティに電話しても中々出てくれなくて…。もしよかったらkonakun.さん、『ボクとペアを組んでくれない』かな?」

konakun.「いいよー。自首もいいと思ったけど、アルルちゃんと組んで今後に備えるってのも面白そうだし」

アルル「面白そうか面白そうじゃないかで判断基準を決めないでほしいなぁ…。とにかく、ベストを今渡すね!」



快く承諾してくれたkonakun.でしたが、彼の発した『自首』という言葉に少し尻込みしてしまうアルル。
しかし折角OKしてくれたのに無下にするわけにはいかないと、彼女は素早くトランクケースから青いベストを取り出し、彼に渡しました。



konakun.「青かー。いい色だね」

アルル「元々ボクの衣装も青基調だけど、これなら見分けがつきやすいかも?」

konakun.「…よし、僕も着終わったよ。それじゃよろしく」

アルル「ペアが出来て一安心だよー…」

<('ヮ')><折角会えたんだから2人の逃走成功を祈っているYO!

(×>ヮ<)<ガンバッテー!

(^ω^)<ドッチモカクホサレタラカルカラネ!



キッチー達の邪魔立てはあったものの、何とかペア成立!
…キッチー、バリカンは異世界に置いてきてくださいね?



(^ω^)<…カッチャダメ?



駄目。





【58:09】
アルル     青ペア成立
konakun.    青ペア成立











…無事4ペア目が成立しましたが、今回はここで終わりません。
どうやらトランクケースをまだ持っているどちらかに進展があったようです!様子を見てみましょう。







~vsロボボンカース会場 通用口~





リン「そろそろ相手を見つけないと…。トランクケースを持ったまま逃げるのは億劫ね」



当初エリウッドとペアを組むつもりだったリンディス。しかし、彼は先に翔陽とペアを組んでしまい右往左往していました。
…確かに彼女の言う通り、トランクケースを持ったままだとハンターから全力で逃げられません。



リン「どうしようかしら。ペアになる、とはいってもゲーム中頼りになる人がいいわね…。誰かいい人は―――あっ。あの人に交渉してみましょう!」



彼女、何か思いつきスマホを取り出します。そして素早く誰かに通話をかけました。





リン「…もしもし?リンディスよ。今時間大丈夫かしら?」

ジャック『何だよ。ペアの相談なら遠慮するぞ』

リン「良く分かったわね!流石の洞察力だわ。でも私も引き下がらないから」

ジャック『まるでミミニャミだな…。前にも言っただろ。俺は群れるのが嫌いなんだよ』



なんと、かけた相手はジャック!単独行動を好む彼に交渉とは勇気のある公女だ。
彼は端からペアを組む気はないようで、彼女の電話をかけてきた理由をすぐに察し断ります。
…ですが、リンディスはそんな言葉で引き下がるような女ではありません。勢いよく交渉を続けます。



リン「貴方の強さは前に魔物を倒してくれたことで良く分かっているわ。だからこそ、私はペアを組みたいと思って貴方に電話をかけたのよ」

ジャック『強さを認めてくれるのは嬉しいが、俺はお前とペアを組むつもりはない。他にも強そうな奴らなら沢山いるだろ。そいつと組めばいいだろ?』

リン「…それに、前の打ち上げで貴方と貴方の上司らしき人が話しているのを…こっそり私も聞いちゃったのよね。それで、貴方言われてたでしょう?『心を学べ』って。貴方がどんな考えを持ってこの逃走中に参加したのかは分からないけれど…。私は貴方とペアを組んで、貴方がどんな動きをするのか…どんな人なのか…知りたいと思ったの」

ジャック『…………』



―――ジャックはリンディスの言葉を受けながら、独り考えていました。
どうして上司がこの催しに参加しろと言ったのか。何故友達がこの催しを進めてきたのか。自分の身体能力を確かめる為だと最初は思っていた。だけど―――違うのかもしれない。



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ヴィル「私もかつては『心が無い』存在だったからな。だが…MZDと再会し、ミミやニャミと出会って、匿われ、同居し…私は変わった。彼らが変えてくれたのだ。そして、今の『心を得た』私がいる。私と同じようになれとは言わぬが、お前もミミやニャミとの出会いを通じて変わりつつある…。だからこそ、学んでほしいのだ」


ニャミ「そうだよ!ジャックはもう心の無い暗殺人形じゃないんだから!あたし達が保証するよー!」


ミミ「わたし、見てみたいな!ジャックがハンターから逃げるところ。絶対かっこいいよ!わたし惚れちゃうかも~」

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ジャック「……ちっ。なんで最後の最後まで上司の言葉に引っ張られなきゃならないんだよ…」

リン『どうしたの?舌打ちなんかして…。あ、本当に嫌だったのかしら?』

ジャック「―――いーや。お前の言うクソ上司の言葉を思い出してただけだよ。…仕方ない、今回はお前と組んでやる。上司の言ってた『心を学べ』ってのがまだいまいち分からないが…お前と組むことで見えてくるものがあるなら、それに越したことは無い。そう思っただけだ」

リン『そう…なのね!考えを変えてくれて良かったわ!ねぇ、今どこにいるの?ベストを渡す為に合流したいのだけれど。場所を言ってくれればそっちに行くわ』

ジャック「…………。『ぽいぽいトレイン会場』にいる」

リン『あら、すぐ近くじゃない!じゃあ待ってて。すぐに行くわ!それじゃあね!」



彼女と組むことで何か分かることがあるのなら…。自分の『意志』で、彼はリンディスとペアを組むことを決めたのです。
リンディスは彼がペアを組むと答えると嬉しそうにしつつも、彼の居場所を聞き出しそこに向かうとだけ告げて電話を切りました。



ジャック「―――『心を学べ』、か」



動かなくなったスマホを握りしめながら、彼はそう小さく呟きました。
……そのまま待っていると、遠目に手を振る人影が。リンディスで間違いなさそうですね!





リン「待たせてごめんなさい。早速ベストを渡すわね」

ジャック「あまり待っていないと思うが。素早い行動は悪くないな」



リンディス、ジャックに近付き素早くトランクケースを開けて、ベストをジャックに1枚渡しました。



ジャック「緑か。(……ミミみたいな優しい色だ)」

リン「何を眺めているの?ベストが珍しいのかしら?」

ジャック「―――!いや、そういうわけじゃない!……気にするな」

リン「ふぅーん?まぁいいわ。それじゃあ、これで私と貴方は『ペア』ってことで。よろしく頼むわね!」



おやおや~?ジャック、ゲーム中に気になっている女のことを考えるとは余裕がありますね。
それはともかく、緑色のベストを身に纏ったジャックとリンディス。無事ペア成立です!





【56:24】
ジャック     緑ペア成立
リンディス    緑ペア成立








ピリリ ピリリ












ハジメ「おっと!通達っすね。『アルル konakun. 青ペア成立 ジャック リンディス 緑ペア成立』 ……トランクケース持ってるのは俺だけっすね。先輩には断られたし、どうすっかなー…」

シェリル「いつの間にか残り1ペアだけになってるね!うーん…ハジメ先生どこにいるんだろー?」

アミティ「わーん、アルルからの連絡無視しちゃったー!ど、どうしよう~!」




【56:00】 ペア成立状況 逃走者詳細


ペア成立 5ペア


紫:おろさん 七海千秋

黄色:エリウッド 日向翔陽

桃色:クレア Ga.c=evo.

青:アルル konakun.

緑:ジャック リンディス




ペアベストを持っている逃走者 1名

赤:ハジメ





いよいよペアを組むことが出来るのは残り1組!ペア決めも大詰めです!

Re: 逃走中#CR03 カービィ!バトルデラックス!! ( No.50 )
日時: 2020/04/24 15:46
名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: N0SZnmuB)

こんにちは。おろさんです。

ジルクファイドが久々に登場したと思ったら顔文字も出てきおった;;;


ガノン「よし、こっちに乱入してきたら害虫駆除だな。」

ロボット「それもそうだな。」

エミリア「ねえ、害虫駆除って何のこと?」

パック「あんまり気にしない方がいいんじゃない?」


そんなこんなで次回も楽しみにしています。
それでは。

Re: 逃走中#CR03 カービィ!バトルデラックス!! ( No.51 )
日時: 2020/04/24 22:03
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

どうもです、灯焔です。
ペア探しもそろそろ終わりそうですが、結末はどうなることやらです。



>>おろさん 様

どうもです。コメントありがとうございます。

ジルクさんが再び登場。今は自我を持っているみたいなので安心して良さそう。そして、本編ではキッチー達がまたもやエリア内に…。増殖していないみたいなのでまだ前回よりはマシです。

害獣駆除…。最早虫扱いされてる…。





いつも暖かいコメント、ありがとうございます。


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