REVERSE WORLD
作者/ 将軍

第2話
毎日と同じように野々村は15周走らされ、午前の訓練が終わり
座学が始まるというときにスピーカーから震えた声で
「哨戒中の警備より緊急入電、ISU空挺団と思しき部隊を発見、直ちに候補生各員は第1種型装備で作戦室に集合せよ、繰り返す……」
一瞬にして学校内の空気が変わり候補生も教官も慌てて言われたとおりに準備に取り掛かった
「私たちも早く準備して作戦室に行かないと」
「あぁ」
野々村と美鈴は走って部屋に戻り、第1種型装備に着替え始めた
「まさか、これを着ることになるとは」
クローゼットから取り出して着替え始めた
第1種型装備とは大規模な作戦や特殊任務の時に着る戦闘装備である
兵科によっては武装が変わる
大体の場合の武装は、拳銃、92式歩兵用小銃、グレネード8個、手榴弾4個、チタン合金で出来たヘルメット、防刃防弾チョッキ、マガジン15個
というかなりの武装を施している
着替えが終わり作戦室へ向かうとそこには先に来ていた美鈴や他の候補生、教官たちがいた
「全員そろったな、これから本作戦の内容を説明する、分かった情報は敵の戦力は一個大隊で計270名、装備は戦闘ヘリ2台、チヌーク3台だ、対するこちらの戦力は私たち教官を含めて120名、装備は戦車3台、対空迎撃砲2問、対人用重機関銃3問だ、我々は戦車を主軸としそこから扇状に歩兵を展開、地上に降りてきた奴らを叩き、対空迎撃砲でヘリとヌチークを落とし、数名を捕虜として捕縛するのが今回の作戦だ」
尾崎教官が作戦を説明し終えた後、1人の隊員が疑問を口にした
「教官、WDAに非常事態として援軍要請しないのですか?」
「したいところだが、ジャミングされていて要請できないのだ」
それ以上は何も言わずに疑問を口にした候補生は黙った
「敵の到着は7分後と予測されている、本作戦の開始は敵が来たのと同時に行う、各員気を引き締めておけ…以上だ」
教官らは出て行き、候補生たちも足早と駆けていった
「まさか、此処が攻撃されるなんて思わなかったわ」
「まぁ、ISUの奴らは兵器工場とかよく狙ってたからな」
美鈴と野々村は作戦が行われる場所に向かいながら話をしていた、作戦開始まで後4分ある
「私たち死ぬのかな?」
美鈴の声が微かに震えているのに気づき
「俺は死ぬ気もないし、お前を死なせる気もない、いざとなったら助けてやるから大丈夫だ……逆になる可能性が高いがな」
笑って美鈴の頭をなでてやった
「たぶんそうなるだろうね」
美鈴も笑いながら答えた
(俺たちは絶対に生き残る、必ずな)
心に決めた、野々村だった
作戦開始まであと1分

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