REVERSE WORLD

作者/ 将軍



第4話



野々村たち第109特別遊撃小隊が善戦している頃、第1防衛ラインでは
「戦車が破壊されました」
「敵に囲まれました、援軍を! 援軍を!」
「第1防衛ライン負傷者・死者合わせて100名を超えました」
「これ以上の戦線維持は不可能です。」
と悲鳴の様な声ばかりが無線で飛び交っていた
「我々は第1防衛ラインを放棄、第2防衛ラインと合流する」
第1防衛ラインの隊長が決断した
「全軍撤退し、第2防衛ラインと合流だ」
この瞬間、第1防衛ラインが崩壊した

 その頃野々村たち第109特別遊撃小隊は
「梁嶋、軍艦の破壊はまだか?」
野々村が無線越しに言った
「今、全部の破壊を確認しました、合流ポイントまで移動します」
梁嶋が答えた
「全隊員に告ぐ、軍艦の破壊が終了した、合流ポイントまでの移動を開始する。煙幕弾を放ち、敵を攪乱」
と言って懐から煙幕弾を出して投げつけた。隊員達も投げ、あたりは煙幕に包まれた
「今の内に合流ポイントまで撤退だ」
野々村が号令をかけた

 「全員いるな」
野々村が分隊長に声をかけ
「A分隊全員います」
「B分隊も同じく」
「Cもーいるぞー」
と分隊長たちが確認した
「こちら第109特別遊撃小隊、軍艦を全艦破壊しました」
無線で連絡していた
「こちら本部、了解だこちらは第1防衛ラインが崩壊、第2防衛ラインと合流し、今は敵が来るのを迎え撃つ状態だ、負傷者はいるか?」
「負傷者は5名、いずれも軽傷でこちらで手当てしました」
「了解、次の作戦に移行せよ」
「了解」
無線で受け答えした
「状況はどうなっているの?」
美鈴が声をかけていた
「第1防衛ラインが崩壊、第2と合流して敵を迎え撃つだとさ」
野々村がぶっきらぼうに答えた
「瓦解するのが早かったわね」
美鈴が言った
「まぁ、俺たちは任務遂行したら良いだけだよ」
野々村が答えた
「こんなところで死にたくないしね」

 「くそっ、これまで瓦解が早いとは」
中山が愚痴った
「俺も第2防衛ラインに向かう」
中山が銃を持って立ち上がった
「いけません、もしものことあったら誰が戦闘の指揮を取るおつもりですか」
部下たちが数名がかりで抑えた
「やめろっ、俺も行かせろ」
中山が暴れ始めた
「准将すいません」
部下の一人がスタンガンで気絶させた
「長崎が敵の手に落ちたら……終わりだ」



第三章 END