REVERSE WORLD
作者/ 将軍

第3話
「日本軍の犬どもとはどうなっている?」
箋は副官に聞いた
「はっ、現在は…その…我が軍が押されています」
副官は躊躇いながら言った
「ちっ、犬の分際で生意気な、このペースで行けば到着予定は何分後だ?」
怒りを抑えながらも箋は聞いた
「到着予定は3分後です」
怒鳴られると身構えていた副官は安堵の表情で言った
「日本の犬どもを蹴散らしてくれるわ」
第2防衛ラインでは
「迅乃少佐、敵主力が1km地点を突破しました、此処にもうすぐ到着してしまいます。」
通信兵は無線越しに慌てた声で言った
「予定より随分早いな、第109特別遊撃小隊に早急に連絡を取り「急いでくれ」と連絡してくれ」
迅乃は銃を撃ちながら無線越しに言った
「了解」
通信兵は短く言うと無線を切った
「敵の主力がこちらにもうすぐ到着する、我々も援軍が来るまでは何としても此処を死守するぞ」
迅乃は無線のチャンネルを切り替えて、部下たちに激励した
「「了解」」
無線越しに部下たちが答えた
「こちら第2防衛ライン、第109特別遊撃小隊応答願います」
「こちら第109特別遊撃小隊 隊長の野々村だ、どうかしたんですか?」
戦車の中で野々村は首を傾げていた
「敵主力が到着時間が早まったのですぐそこまで敵主力が来ていますので急いでください」
通信兵は怖いのか声が少し震えていた
「了解、私たちも急ぎます。敵主力が来ても持ちこたえて下さい」
「了解」
野々村は通信兵と無線を終了すると
「梁嶋さん、戦車の速度を上げてください、敵主力がすぐ近くに来ているそうなので我々も急がなくてはいけませんから」
野々村は操縦席に顔を出して言った
「了解、しっかり捕まっていて下さいね」
梁嶋はそう言うとアクセルを思いっきり踏んだ
「敵防衛隊発見しました。」
斥候の兵が戻ってきて報告した
「ご苦労 貴様らは休んでおけ、皆の者日本軍の犬どもを蹴散らしてやれ」
部下たちに激励すると箋は自分の戦車に乗り込んだ
「日本の犬どもに目に物を見せてやる」
箋はそう言うと砲台を敵戦車に向けて、砲弾を撃った
「敵主力が到着、敵戦車隊 隊長機と思われる戦車からの攻撃を受け、戦車が一台破壊されました」
通信兵が声を震えさせながら言った
「早かったな、戦車を軸として拠点防御型の陣を組め」
迅乃は陣形を指示しながら、敵目掛けて銃を撃っていた
野々村たち第109特別遊撃小隊が到着したのは5分後だった

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