REVERSE WORLD
作者/ 将軍

第4章 第1話
「敵の位置は此処から…東か」
野々村は軍から支給された携帯端末を見て、敵の位置を確認していた
「我々だけで奇襲が成功するでしょうか?」
瀧上が不安そうに言った
「まぁ…なる様になるんじゃない? 俺らは敵を攪乱したら良いだけだから、本陣はWDA軍、日本軍、義勇軍の統合軍が援軍として向かって来てるって言ってたから大丈夫だろう」
野々村は答えた
「頑張るしかないってことかぁ」
美鈴が言った
第2防衛ラインの現場指揮を執っていたのは迅乃だった
「良いか! 援軍の到着予定の1時間後まで此処を死守するぞ」
迅乃が隊員たちに激励していた
「迅乃少佐、斥候より入電、敵先行部隊はこちらに向かって進軍中、主力は進軍を停止し後方部隊と合流する様であります」
通信兵は言った
「総員戦闘準備」
迅乃が号令をかけた、部下たちはそれに従った
「こちらB分隊、敵主力を発見、現在は進軍を停止中です」
瀧上が無線で連絡してきた
「了解、B分隊はそこで待機、今からそちらに向かう」
野々村が答えた
「了解」
瀧上は短くそう言った
「いくぞ、敵主力が見えたら、そのまま奇襲を仕掛けるぞ」
野々村は移動しながら隊員に言った
「箋将軍、先行部隊と敵防衛部隊が現在交戦中です」
ISUの兵が言った
「ふむ、そうか、奴らに軍艦を破壊されたのが痛かったがこのままだと余裕で占拠できそうだな」
箋 昌嬰が言った
「たっ大変です将軍、敵の奇襲です。」
兵の一人が慌てた声で言った
「なら、その部隊をさっさと潰してしまえ」
箋は命令した
「無理です。敵の奇襲により味方が混乱しており軍としての体をなしておりません」
兵が言った
「なら、此処にいる近衛兵を向かわせろ、その間に部隊を立て直せ」
箋は再度命令した
「はっ」
兵は敬礼して、近衛兵と一緒に駆けていった
「おのれっ! 日本軍の犬めっ」
箋は怒りを露わにした
「ったく、敵の数が多いな」
野々村は愚痴りながら木の裏に隠れつつ撃っていた
「そんな事言ってないで敵を狙って撃って」
美鈴はマガジンを変えながら言った
「敵部隊がー持ち直しー始めーましたよー」
阿木が言った
「敵の損害はどれくらいだ?」
野々村は聞いた
「敵の4割を倒しました」
柔欄寺が答えた
「よしっ、戦車を盾にしながら撤退するぞ」
野々村が号令をかけた、敵主力はこれにより弱体化した
第2防衛ラインでは
「敵戦車撃破しました。」
「敵の3割を殲滅」
「敵主力の奇襲が成功したことによって部隊に動揺が走っています」
と無線に流れていた
「援軍到着予定時間まであと10分です」
副官から言われた
「よし、このまま守りきれば勝てるぞ」

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