REVERSE WORLD
作者/ 将軍

第4話
強襲隊と野々村が本隊を目指しているとき、無線が入ったいつもの教官の声ではなかった
「現在、我々は戦線であるグラウンドを放棄、兵舎前まで戦線を引き下げました、こちらの損害は教官3名候補生13名死亡43名が負傷で、兵器などは対人用重機関銃が1問、対空迎撃砲が2問、戦車2台が破壊されました。対するISUの損害は戦闘ヘリ1機、チヌーク2機は撃墜したのだが、兵力は50名ぐらいいる、敵も侵攻はしていないから、今の内に戻ってください」
「了解……尾崎教官は」
「…亡くなられました」
それだけ聞くと無線を切り、足を速めた
本隊に到着すると作戦会議が行われていた
「ここは敵の言うとおりに従ったほうが…」
「馬鹿ッ! 軍人の誇りはねぇのか」
「ここは特攻でも…」
壮絶な議論を繰り広げていた
「強襲隊および野々村帰還しました」
「了解、作戦に対する意見があったら発言してくれ」
「堀倉教官、ここって、確か地下ありましたよね?」
野々村手を上げて聞いた
「確かにあるが、それがどうした?」
「今敵がいるところと、ここが地下で繋がっているからここから行く部隊と陽動部隊に分かれて攻撃したらいいなぁと思って」
「……座学のときもそれぐらいしっかりしてくれ、それでは、強襲に参加する隊員を発表する」
「まずは、紅鳥 美鈴、野々村 ジン、それから…」
「俺っすか!」
「作戦立案者だからな」
「では、私が陽動部隊を率いるから、今から出発しろ」
「「了解」」
地下は暗く、じめじめしていた
「なんか、出てきそうだな」
「そんな事言わないで」
美鈴はガタガタ震えていた
「お前は昔っからお化けとか嫌いだったもんな」
笑っていると、無線が入った
「こちら陽動隊、敵と交戦中だ」
「了解、今は地下の8割ぐらいは進んだから、後1分で着く」
「了解、時間は稼ぐ」
言う事を言ったばかりに無線を切られた
「さて、急ぐか」
地下の出口のところまで来た
「いいか、合図と同時に飛び出し、両翼の陣で敵を囲み殲滅、数名は生かして」
「いくぞ、3…2…1…突撃」
野々村の合図と同時に兵が出て行き、両翼の陣で攻撃をしていった
「後ろからの敵襲だぁ!」
敵の兵士が叫び、それが全部隊広がり、敵は統率を取れなくなっていた
「今だっ! 敵を全員で囲め」
堀倉教官の合図と同時に敵を囲むように円になっていった
敵は動揺を隠せないでいた
「我々は君たちに降伏勧告を行う、従う者は銃を捨て、こちらに来い」
堀倉教官がスピーカー越しに叫んだ、敵は銃を捨てこちらに投降してきた
これによりこの戦いは終結、13名の敵兵は捕縛した、4時間の攻防の末、勝利を手にしたが損害はあまりにも激しかった、生き残ったのは120名中90名だった
戦闘が終了し休息を入れていると美鈴が近づいて来た
「なんとか、勝てたね」
「そうだなぁ、まぁ地下があったからだけど」
野々村はそう答えた
「あの…助けてくれて…ありがとう」
「あぁ、別に…」
全部言う前に美鈴がキスをしてきた
「じゃあね」
顔を真っ赤にしながら美鈴は走っていった、野々村はただ動揺していた
第一章 END

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