REVERSE WORLD
作者/ 将軍

第5章 第1話
「これじゃ、撃つ前に蜂の巣にされるわね」
梁嶋が戦車の中で呟いていた、それもそのはず敵戦車は徹甲弾を嵐のように【陽炎】に当てていて、シールドでギリギリ守っていたのだった
「くっ…今私に出来る事は精々敵の注意をこちらに引き寄せること」
徹甲弾が直撃し大きく車体を揺らした【陽炎】の中で呟いた
「ったく、敵多すぎだろ」
野々村は木陰に隠れながら弾丸を避け、波が収まった時銃口を敵に向け撃っていた
「小隊の被弾した隊員は8名、全て軽傷で迅乃少佐に引き取ってもらったわ」
美鈴が無線を使って報告していた
「迅乃少佐から伝令ー、立て直したら救援にー向かうー、いじょー」
土嚢に隠れて通信装置を使って本部からの伝令を隊員達に伝えていた
「了解、B分隊の様子はどうなっているか確認してくれ」
「今はねー、敵の側面辺りにいるねー」
B分隊に持たせておいた発信機の座標を確認して野々村に伝えた
「あともう少しか…維持できるかギリギリだな」
難しそうな表情で考えていた
「ま、瀧上たちのためにも維持しなきゃね」
「だな」
「くそっ、なんという戦車だ、硬すぎる、犬の分際で小癪な」
0式戦車の中で箋は苛立っていた
「で、ですが敵は一個小隊に過ぎません、このまま押し続ければ勝てますよ」
副官が苛立っている箋を宥めていた
「そうだな、全部隊に通達、陣形を両翼の陣に変更、敵を囲め」
通信兵に命令を下していた
「! ジン、敵の陣形が変わってきている」
銃を撃ちながら妙な異変に気づいた美鈴が野々村に言った
「だな、阿木、B分隊の瀧上に伝令、敵が陣形を変えたので注意されたし」
「りょーかいー」
通信機を使ってB分隊に伝令を飛ばしていた
「B分隊から伝令、了解 いじょー」
数分後に伝令が返ってきた
「グワッ」
一人の兵が腕に銃弾があたり被弾した
「羽鳥伍長! 美鈴、俺が敵を引きつけてる間に伍長を救助しろ」
野々村が木陰から飛び出し、敵に向かって銃を乱射していた
「無茶し過ぎないでよ」
羽鳥伍長を担ぎ上げて後退していった
「行ったか」
後退したのを確認すると閃光手榴弾を投げ、その間に土嚢の潜った
「柔欄寺、今残っている隊員人数は」
土嚢に隠れながら銃を撃っていた
「現在はB分隊を入れ27名中20名です」
「何としてもB分隊に早く着いてもらわなくては」
銃を撃ちながら呟いていた
「まだ部隊の再編は終わらないのか」
迅乃が少し怒ったような態度だった
「はっ、その…現在68%が終了しておりますが…今しばらくかかるかと」
部下が少し怯えていた
「くそっ」
迅乃が拳を思いっきり戦車の装甲に叩きつけた
「何とか…耐えてくれ」

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