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第24話「ふゆのヤナギの真骨頂、チョウジジム!」パート2
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、オオタチ、アローラゴローン、ゴローン、ルージュラ、ウソッキー
「ジュゴンもダメージを負ったようだな、ねむると行こうか?」
ヤナギの指示でジュゴンは眠りに付いて体力を回復させた。
「寝てるとなりゃあこっちのもんだ!ゴローン、まゆげ、ロックブラストだ!」
「ゴロ!」
「ワッシ!」
ヒビキの指示でゴローンとアローラゴローンはロックブラストを飛ばした。
「パウワウ、ハイドロポンプだ!」
「パウーっ!」
ヤナギの指示でパウワウが顔を上に向けてハイドロポンプを噴水のように飛ばした。水が円形に飛んでパウワウとジュゴンを包むように流れていき、その姿を隠していく、岩は水に当たったが、強力な水力で弾かれてしまった。
「弾いた?!」
「うそ!」
「まだまだこれだけではないぞ」
すると水が凍り出してドーム状になった。動向を見ているヒビキ達だが、ドーム状になった氷は突然砕けて粉々になるとふぶきになって襲いかかった。
「うわ、こいつは凄えふぶきだ!」
あまりの強風にヒビキ達は怯んでしまう。ふぶきが晴れると、ジュゴンと一緒にパウワウも寝ていた。
「あらー、あの二匹、まだ寝てるわ」
「一体これは・・・」
二匹揃って寝ているとなればかなり不利な展開のはず、だがヤナギから焦りの表情は一切なかった。
「そうだ、眠り状態でも・・・!」
「よっしゃあ、まだ寝てるとなりゃあ!」
「ヒビキくん、待つんだ!」
ツクシが待ったをかけるがもう遅く、ゴローンとアローラゴローンがロッククライムで攻撃に出た。
「今だ!」
ヤナギが合図を出すとジュゴンとパウワウは口を開けて凄まじい轟音を立てて来た。その声は地鳴りが鳴るほどの強烈な音で聴くものを不快にさせるものだった。
「うわあ何この音?」
「これは、いびきだよ!」
「ちくじょう、その手があったか、しっかし凄いいびきだぜ!」
建物が倒壊するのではと思うほどのいびきにゴローン達は耳を塞いで動けずにいる。その間にジュゴン達が目覚めてしまった。
「さて、氷の切れ味を見せてあげようか?」
ヤナギが言うと、ジュゴンとパウワウは口から冷気を吐いて前足と尻尾に当てた。すると一瞬でこ冷凍して刃物のように光り輝いた。
「まさか・・・!」
「そう、さあ行け!」
ジュゴンとパウワウは飛び跳ねてゴローンとアローラゴローンに襲いかかった。
前足や尻尾を振るい切り裂き攻撃に出て来る二体にゴローン達は鈍足ながらも必死でかわしていく。
「よくかわしてはいる。だが、そこまでだ!」
ジュゴンが前足を振るってアローラゴローンを切り裂くと、パウワウが駄々っ子をこねるように前足をじたばたさせてゴローンを滅多切りにした。ダメージを受ける二体。ジュゴンがアローラゴローンを掴むと尻尾をサソリのように振り下ろして凍った尻尾で突き刺し攻撃をした。更にパウワウも回転してゴローンを切り刻んでいく。
「氷のくせして中々切れ味があるじゃねえか」
「では、更に凄いものを見せてやろう」
ヤナギが合図を出すと、ジュゴンとパウワウはアイスボールで氷の球体に入った。そしてふぶきを飛ばすと、アイスボールは雪玉のようになった。それはもう一つのボールに乗って巨大化すると手足が出て来た。
「ええ、これは・・・!」
「わ、わわ・・・!」
ツクシとアカネは仰天していた。
「巨大な雪だるまじゃねえか!!!」
ヒビキも愕然とした。目の前にいたのはゴローン達よりも遥かに巨大な雪だるまだったからだ。ジュゴンとパウワウがボールに入って合体した雪だるまの怪物が目の前にいた。
「ジュゴオオオ・・・・!」
唸り声をあげた雪だるまは拳を振り下ろして氷の衝撃波を飛ばして来た。
「守れ!」
ヒビキの指示でアローラゴローンとゴローンはストーンエッジをして衝撃波から身を守った。そしてグロウパンチでストーンエッジの岩を砕いて巨大な雪だるまに飛ばしたが・・・。
「甘い!」
岩は雪だるまの体に当たったがその攻撃をものともしていなかった。逆に岩を吸収して体内に取り込んでしまった。
「わ、わわ、こいつはやべえ雪だるまだ・・・!」
威圧感たっぷりの巨体、そして岩を飲み込んでしまう能力にヒビキは背筋が凍る思いがした。
「いわなだれだ!」
続けていわなだれを指示したが雪だるまは腕を振るって回転させてこれを弾いてしまった。そして雪を飛ばすと氷柱に変形させて連射し、ゴローン達にダメージを負わせた。
「さあ、どう立ち向かう、ヒビキくん、君に策はあるかね?」
「・・・・・・・」
ヤナギのポケモン達が合体したこの雪だるまをどうるか。ヒビキは何か出来ることは無いかと策を考える。辺りを見てみる、アローラロコンの近くにある小さな雪だるま。そして周りに散らばってある岩の欠片、それを見て何かを閃いた。
「そうか、それだったら!ゴローン、まゆげ、岩を掻き集めるんだ!」
ヒビキが指示を出すとゴローンはアローラゴローンの上に乗って雪だるまのような姿になった。
「ほう、だがそれでは何も変わらぬぞ」
「へへ、まださ。ここから飛びっきりの反撃が始まるぜ!」
「何?」
「行けえ!」
指示を出すと、アローラゴローンが磁力を出した。ちらばっていた岩が二体に引き寄せられて積まれていく。
「ああ・・・・」
「こ、これはまた凄いわあ・・・・」
「なんと・・・」
「はは、どんなもんでい!」
目の前に現れたのは岩の欠片が集まって出来た巨大な雪、ではない、巨大な石だるまだった。走り出すと、岩の拳でパンチを振るい、雪だるまを吹っ飛ばした。転んだ雪だるまは起き上がってれいとうパンチをしたが岩の固さに逆にパンチを振るった腕が砕かれてしまった。
「ようし、かみなりだ!」
体内にあるじりょくでかみなりを飛ばして雪だるまを攻撃すると、雪だるまはあっと言う間に砕けてしまい、ジュゴンとパウワウが出て来た。
「今だ!」
石だるまはストーンエッジをしてジュゴンとパウワウにダメージを与えてこれを倒したのだった。
「やりー、ヒビキさん!」
「はあ、良かった・・・・」
石だるまは磁力が切れて散らばってしまった。そして・・・、
「あれ・・・?」
ヒビキ達は驚いた。出て来たゴローン達は姿を変えていたのだ。そう、二体はゴローニャとアローラゴローニャに進化したのだ。
「やった、ヒビキさんのポケモンが進化した!」
「よっしゃあ、進化したぜ、どうだヤナギさん!」
「はっは、君を見くびっていたようだな。その強さは確かに本物だ。だがこおりタイプの恐ろしさはこんなものではないぞ」
そう言うとヤナギはボールを二つ投げて最後の二体を飛ばして来た。一体はイノムー、そしてもう一体は・・・。
「わあ、こいつはたまげた・・・」
「これは、凄く・・・」
「綺麗や・・・」
そのポケモンの神秘的な美しさにヒビキ、ツクシ、アカネは見とれてしまっていた。目の前にいたのはキュウコンだったが、普通のキュウコンとはどこか違っていた。炎のような金色の毛は水晶のように透き通った淡い水色で神秘的な雰囲気を漂わせているキュウコンだった。
「コン?」
そのキュウコンを見てロコンが首をかしげて反応する。
「あのキュウコン、青い・・・・」
「このふゆのヤナギが使うキュウコンはただのキュウコンではない。そう、こおりタイプのキュウコンなのだ」 続く・・・。