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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第6話「ダイナマイトギャル登場、アルフのいせきで大ピンチ」パート1

ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、オタチ、オニスズメ、イシツブテ


今回の注目ポケモン
・イトマル
・オニスズメ
・オタチ
・ワニノコ

今回の注目ポイント
・ヒロインが登場
・序盤で強力なポケモンが出現
・このポケモンをどう倒すか・・・。



 キキョウシティに暖かな陽の光が差し込んだ。涼しく冷たい寒気が吹き飛び、温暖な空気が流れ込む。
「う、うーん、いい天気だぜ」
 ポケモンセンターの外に出てヒビキが背伸びをした。
「ツクシくん、この先には何があるんだ?
「そうだね、西側を通ったところに36番道路があってそこを南に進むと、あれ・・・」
「うん?」
 ヒビキとツクシは目の前にいる人物に目を向けた。その人は頭に艶やかなかんざしを差していて、紅色の振袖、白い足袋に草履を履いた美しい女性だった。
「うっつくな人だな・・・・」
 ヒビキはその女性に釘付けになっていた。
「まいこはんだよ、エンジュシティで皆に踊りを披露しているって言うけど、どうして僕達の前に・・・?」
 ツクシは何があったんだろうと考えていたが、
「もし、そこの方・・・」
 そのまいこはんは艶やかな声でヒビキに声をかけた。
「お、俺?」
 ヒビキが自分の顔に指を差すとまいこさんは静かに頷いた。ヒビキはラッキーだな、とツクシの手を握ってブンブン振った。
「あんさんが、ヒビキはんどすか」
「あ、ああはい、そうですけど・・・」
「うちはまいこはんのタマオといいます。どうぞよろしゅう。あんさんのワニノコ・・・、ふんふん・・・」
 まいこはんのタマオはヒビキのワニノコをまじまじと見て何度も頷いた。
「なるほど・・・、あのタマゴから孵ったんどすね・・・」
「え・・・、それって・・・」
「あ・・!ううん、何でもないんどすえ、ただの独り言です、あまり気にしないでおくれやす。ヒビキはん、そのワニノコ、大事にするんどすえ」
 まいこはんのタマオは一つお辞儀をすると、ヒビキ達の前から去っていった。ヒビキとツクシは袖をたなびかせて去っていくまいこはんを美しさを感じながら見送るのだった・・・。

<36番道路>
 まいこはんと出会った後、ヒビキとツクシは36番道路にいた。
「ようし、ここから南の方へ行くと、アルフのいせきだよな」
「うん、そこを超えた先に・・・」
「ブイブイーーーっ!」
「な、何だ?!」
 ツクシが説明しようとした矢先、ヒビキは目の前に自分達目掛けて走ってくるポケモンに気付いた。走っているそのポケモンをヒビキは捕まえて持ち抱えた。
「お、可愛いなこいつ」
 ヒビキが抱えていたのは茶色の毛並みにウサギのような尖った耳、胸元には白いふわふわの毛が覆われていて、ふさふさの尻尾を生やしたつぶらな瞳のする四足歩行のポケモンだった
「あーん、イーブイそないに走らんといて!」
 そこへイーブイの後を追いかけて一人の少女が必死で走っていた。しかし、石につまずいて転んでしまう。
「きゃん、痛い・・・」
 少女の白く綺麗な太ももに擦り傷がついてしまった。ヒビキはバッグから救急箱を取り出して布に痛み止めの薬を漬けてその少女に来て擦り傷に付いている汚れを拭いた。
「きゃ、染みる。これ、染みちゃうう・・・」
「べらぼう、こんぐらいで泣くやつがあるか、我慢しろい我慢を」
 ぶっきらぼうな言葉ながらも丁寧に優しく拭いて、ヒビキはその少女の傷に布を巻いてあげた。
「ようし、取り敢えず応急処置って奴はしといたぜ、立てるか?」
「う、うん。あんた優しいんやね、おおきに」
 紅色の紙に下に髪を二つ結った、白の半袖に白のショートパンツ、黒いソックスを履いた、白く綺麗に太ももをした少女ははにかんでヒビキに礼をした。
「それと、こいつ」
 ヒビキはその少女にイーブイを返してあげた。
「ああ、イーブイ。あんたが捕まえてくれたん、ありがと。もう、イーブイ、うちから離れたらあかんやろ」
 少女はイーブイにめっと言って注意した。
「へへ、いいトレーナーじゃん、とーんとするくらい可愛いし」
「可愛い?それってうちのこと?!」
 すると少女は目をキラキラさせてヒビキを見てきた。
「お、おう、そりゃすごく、とーんてするぐらい・・・」
 ヒビキは少女の押しに押されながらも首を縦に振った。
「いやあ、うちを可愛い何て言うてくれるなんて、いい人や。あ、名前を言うてなかったわ。うちはアカネ、コガネシティでジムリーダーをしてはるんよ」
「へえ、ジムリーダーをしてるのか。なら、いつか俺とバトルすることになるな、ほら」
 ヒビキはアカネにウイングバッジを見せた。
「わー、あんたハヤトさんに勝ったん?じゃあ、次は・・・て、そこにいるの、ツクシくん?!おーい!」
 その少女、ジムリーダーのアカネは元気よく手を振ってツクシに駆け寄った。
「ツクシくん、久しぶりやね、元気やった?」
「やあ、アカネちゃん、凄く元気そうだね・・・」
 アカネの高いテンションにツクシは少し押され気味だった。
「あれ、ツクシくん、アカネちゃんとも知り合いだったのか?」
「う、うん、僕とアカネちゃんは・・・」
 ツクシが話そうとしたがアカネが割って話しだした。
「そうそう、一緒にいることが多い腐れ縁なんよ、前もツクシくんに似合いそうな洋服をうちが選んでやってね、そうやあんた、これからヒワダタウンに行く?それならツクシくんと・・・」
「わーーーっ、待って待って!」
 アカネが何かを喋りだそうとした時、ツクシは大慌てでアカネの口を塞いだ。そして話題を変えた。
「そうそう、ここから先にアルフのいせきがあるからそこへ行こうよ」
「お、それはいいな。じゃあ行ってみるか」
「それならうちも一緒に行っていい?うち一人じゃ心細いし、皆と一緒なら楽しそうやし、ダメ・・・?」
 アカネがヒビキにお願いするとヒビキは二つ返事で受け入れた。
「おう、いいぜ。とーんとしちまう子を放っておけねえしな、ツクシくんもいいか?」
「まあ、友達だからね。それにアカネちゃんは面白くていい子だから、一緒にいて損はないと思うよ」
「わー、ありがと、ヒビキくんにツクシくん、じゃあこれから、よろしくお願いしまーす!」
 アカネはぺこりとお辞儀をしてヒビキ達のお供に加わった・・・。


続く・・・。

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