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第6話「ダイナマイトギャル登場、アルフのいせきで大ピンチ」パート2
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、オタチ、オニスズメ、イシツブテ
<アルフのいせき>
「お、着いたか」
「ここがアルフのいせきだよ」
アカネを加えたヒビキ達は36番道路を抜けてここ、古い石室で作られた遺跡がある場所へと到着した。かなり古い時代に作られたようで一部苔に覆われた所もあった。
「このアルフのいせきはかなり古い年代に作られた遺跡でね、何でも文字の姿をしたポケモンが眠っているとされているんだ」
「えええ、文字の姿をしたポケモンがいるのか?!」
「わあ、うちそれ初めて聞いたわ」
ツクシの説明にヒビキとアカネは初耳だと口を開けて驚いていた。
「うん、アルファベットの文字に似ているらしいんだ」
「何か面白くなってきた。ねえねえヒビキくん、ツクシくん、うちらでそのポケモン探さない?見つけたら面白そうやし、ね」
アカネがヒビキに目配せをすると、ヒビキも頷いた。
「そりゃいいな。何か宝探しみたいな気分になるしさ」
「ちょ、まだしなくてもいいと思うよ。探検となるとそれなりに準備が・・・」
「じゃあうち、あの遺跡を見てくるね!」
「おし、俺も行ってくらあ、早く来いよツクシくん!」
ヒビキとアカネはそのまま遺跡の中へと入っていった。
「ヒビキくん、アカネちゃん!やれやれ・・・、先が思いやられそうだな・・・」
ツクシは頭を掻きながら二人の中を追い掛けていった。遺跡に入ると、その奥である仕掛けのようなものが置かれていた。
「遅いぜ、ツクシくん。アカネちゃんが聞きてえことがあるんだとよ」
「はあ、聞きたいことって何かな?」
ツクシが聞くと、アカネはその仕掛けのことを話した。
「ツクシくん、これパズルみたいになってるねん。せやけどうちもヒビキくんもちんぷんかんぷんや。ツクシくん、どうにか出来へん?」
アカネに言われてツクシはその仕掛けの前に立った。
「どう?」
ヒビキが尋ねるとツクシは頭を少し捻って推測した。
「うーん、やっぱりアカネちゃんの言う通りだ。これはパズルだよ、正しく並べることで元の絵が浮かんでくるんだ。よし」
ツクシはすぐに石版のパズルを並べ始めた。研究家を目指しているだけあってツクシにとってはそれほど難しくはなく、パズルはすぐに完成した。完成したパズルに描かれていたもの、それは翼竜のようなポケモンだった。
「出来たよ」
「やったな、さすがツクシくん、黒だなあ」
「うん・・その黒って、何かな」
ヒビキの言葉にツクシはよく理解出来ないでいた。
「わーい、これであの文字みたいなポケモンに会えるんやね!」
アカネが嬉しそうにパズルの前に立った。
「あ、あれ、何や?」
すると、突然地響きがして足元が揺れた、と思われたその時、アカネの足元の床がパカっと開いた。
「きゃあああああああ!!!」
アカネはその穴の下へと落ちてしまった。
「アカネちゃん!!!」
「やべえぞ、早く助けに、て何だ!!!」
ヒビキが除くと穴から何かが飛び出て遺跡の屋根を突き抜けた。
「ツクシくん!」
「もしかしたら、見てみよう!」
ヒビキとツクシは外へ出た。そこで二人が見たものは、
「ギャシャオオオオ!!!」
大きな翼を羽ばたかせているあのパズルに描かれていたポケモン、かせきポケモンのプテラだった。
「うげげ、何かやばそうな奴が出てきてねえか?!」
「ああ、ヒビキくん、あれ!」
「むん?!」
ツクシが指を差した先をヒビキが向いた。それを見てヒビキは重大な事態になったと絶句した。プテラが足で捕まえていたのは、アカネだったからだ。気を失っているのがすぐに解った。
「アカネちゃんが、これじゃ下手に攻撃するわけにはいかねえぞ!」
「ヒビキくん、まずはアカネちゃんを助けないと!」
「解ってらあ、どう助けるんだ、どうやって・・・」
ヒビキが考えていた矢先、プテラがはかいこうせんを飛ばしてきた。
「何て考えている前に、避けろーーーーーーっ!」
ヒビキ達は一斉にこれを避けた。しかし、はかいこうせんの爆風で体が吹っ飛ばされてしまう。
「わあああ、オニスズメ!」
ヒビキはオニスズメを出して足先に掴まって地面にぶつかるのを防いだ。
「ツクシくん、掴まれ!」
「ヒビキくん!」
ヒビキはツクシの手を掴んで一緒に着地した。
「トランセル、コクーン!」
ツクシはトランセルとコクーンを出して、糸を吐かせてプテラの翼に巻き付かせた。プテラをしばらく動けなくさせようというのである。
「ヒビキくん!」
「おう!」
ヒビキはイシツブテとオタチを出した。
「岩を投げろ、イシツブテ!」
「イッシーっ!!」
ヒビキの指示でイシツブテは岩を投げた。
「オタチ!」
そこへオタチがジャンプして尻尾で岩を打って勢いをつけさせた。豪速級のスピードになった岩はプテラの腹部に命中した。プテラはその痛みで暴れだし、アカネを放した。ヒビキは落下したアカネを姫抱きでキャッチした。急いでプテラから放れて近くの遺跡にアカネを仰向けに置いて避難させた。
「ここなら大丈夫だ。後は任せとけよ、行ってくるぜ」
ヒビキは走り出して戦いの場へと戻った。プテラは自分を拘束していた糸を引きちぎり、がんせきふうじを落としてきた。
「わ、危ない!」
ツクシはトランセルとコクーンを抱えてその場を回避して、オタチ、イシツブテ、オニスズメもこれをかわしていく。
「悪い、遅くなった!」
「ヒビキくん!」
「タチ!」
「イシ!」
「オニーっ!」
ヒビキの登場にツクシとオタチ、イシツブテ、オニスズメはやっと来た、と安心した。
「ワニノコ!」
ヒビキはワニノコを出してツクシ達と合流した。そして空に羽ばたくプテラと対峙する。
「行くぜ、絶対に負けやしねえぞ!」
続く・・・。