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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第29話「まいこはんとの一直線勝負!ブイズ軍団との戦い!」パート6

ヒビキ現在の手持ち
オーダイル(戦闘中)、オオタチ(戦闘中)、オニドリル(戦闘中)、ゴローニャ(戦闘中)、メタモン(戦闘中)、デンジュモク



「グワシャオオオ!」
 グラードンが一際大きな二つの氷の弾を口から放って来た。オーダイルとゴローニャがグロウパンチをして吹っ飛ばしてグラードンの彫像にダメージを与えた。
「シャワ!」
「シャワーっ!」
 シャワーズが指示を出すとグラードンが大ジャンプして地面に地響きを立てた。地面が揺れて振動が流れてオーダイル達を痺れさせた。そこへ口から冷凍光線を吐いて怯ませて来る。
「うへえ、こいつは寒いぜ」
 冷気がヒビキの所まで来て悪寒がして鼻水が出てしまった。そうしている間にグラードンの彫像が地面を爪で切り裂いて氷の衝撃波を飛ばして来た。
 オーダイルがきりさく、ゴローニャがすてみタックル、オオタチがほのおのパンチ、オニドリルがドリルくちばしで氷を砕いて前進していく。飛んでくる氷の弾を翻しながらかわしていき、次に飛んだれいとうビームをオーダイルがアクアリングのバリヤーを張って防ぎ、オオタチがメガトンパンチをしたがオーロラビームを直撃してしまう。
「やりやがるぜ、けど負けねえぜ!」
 ヒビキの指示でオーダイルがグロウパンチをして攻撃したがびくともしない。続いてきりさくに出たが爪でガードされてしまう、再びきりさくに出たがまたもガードされてしまい、爪を地面に突き刺して飛ばした衝撃波を受けてしまう。
「ゴロ!」
 ゴローニャがロックブラストを放ったがグラードンは氷の壁を張ってこれを防いでしまう。そこへオニドリルが背後からドリルくちばしをして攻撃するが大きなダメージにならず振り払われてしまう。
「タチ!」
 オオタチがほのおのパンチを顔面に浴びせて反転した。走りながらだいもんじ、かみなりを放ったが、グラードンの彫像はふぶきと氷のバリヤーで防ぎ、れいとうビームを放って来た。オオタチは思わず身構えてしまった。
「タチ?」
 しかし何も受けていないことに気付いた。目の前を見ると遥かに大きな巨体の存在がいた。
「へへ!」
 ヒビキがサムズアップをしている。そこにいたのは彫像と良く似た、本物に近いグラードン、メタモンがへんしんした姿だった。
「なるほど、メタモンどすか?」
「ああ、メタモンにへんしんさせたのさ!」
 グラードンにへんしんしたメタモンはとくせいで晴れ状態にした。するとグラードンの彫像が溶け出して来る。シャワーズ三体が一斉に慌てだした。
「おし、ソーラービームだ!」
 メタモンはエネルギーを溜めてソーラービームを放った。彫像は簡単に溶けてなくなりシャワーズ達は吹っ飛ばされて遂に力尽きるのだった。
「よっしゃあ!」
 勝利したことを見届けるとメタモンは元の姿に戻った。分離していたシャワーズは元の一体に戻ってボールに戻って行った。
「よしよし、よくやりましたえ・・・」
 コモモはシャワーズの健闘を褒めるのだった。
「ヒビキはん、お見事でした。ほんにお強いお方で・・・」
 コモモがヒビキの勝利を称えてその強さを称賛した。
「いやあ、それほどでもねえよ」
 美人のまいこはんに褒められてヒビキも悪い気はしなかった。
「さすがは、うちらのおねえはんが目を付けただけの事はありますえ」
「お、おねえはん?」
 コウメの言葉にヒビキは何かが引っかかった。彼女達の他に誰か別の存在がいると言うのだろうか。
「うちらまいこはんと観客席にいる子達の面倒を見てくださっているお方どす、きっとおねえはんもあんさんのことを気に入るでしょう。そろそろ、こちらへ・・・」
 コモモが言うと突然外から鈴の鳴る音が聞こえて来た、玄関の方を見ると扉が開かれて・・・。
 かぶれんじょうに入って来たのは煌びやかなポケモンの行列だった。美しく雅な音楽が聞こえて来る。左右の列にポケモン達が練り歩いている。
 美しい横笛の音色をレディアンが吹いている。そしてキレイハナ、プリン、ピッピ、ピチュー、マリル達がクルンと回って踊っている。そしてカラカラが鼓を鳴らし、ユンゲラーがねんりきで琵琶を奏でていて、スリーパーが棒の上で房のように連なる鈴を鳴らしていた。真ん中でラッキー達が日傘を差していてタマタマを転がしている。その中央にプクリンの持つ日傘に入る美女がいた。
「あの人?!」
 その人を見てヒビキは気付いた。客席にいる子供達もその人が誰なのか解っていて歓喜している。
「おねえはん!」
「うちらのおねえはんや!」
 おねえはんと呼ばれる人、バタフリーの羽根のような髪型にスピアーの簪にシェルダーの櫛を着けている。モルフォンのような淡い紫の、蝶のポケモンの刺繍が施された着物を着ており、手にはピカチュウの尻尾の形のキセルを持って、足にはコイルの腕ほどの高さのある下駄を履いていた。
 彼女を守っているのだろう、弓を携えたゴーリキー、サワムラー、エビワラー、カポエラーが歩いており、後列ではポニータに乗ったマンキーが三味線を弾いていて、モンジャラが蔓で太鼓を叩き、ヤドランがゆっくりした手付きで琵琶を弾いていた。そしてラフレシアがはなびらのまいを躍っていた。空ではピジョン達が羽ばたいて翼に施された金箔を花びらのように落としていた。
 雅なポケモンによる行列、どこか違うとすれば、ポケモン達は皆衣装を着ていたことだ。キレイハナ達踊っているポケモンは金襴や冠を被っており上衣と袴を着けており、スリーパーやレディアン達、吹奏を担当しているポケモンは烏帽子に束帯を着て、ゴーリキー達四体は束帯に頭に衣冠を被っていた。
 台座の近くまで来るとポケモン達の演奏が止まり、左右に一列に並んだ。傘がたたまれるとその美女はゆっくりと歩み、台座付近まで来ると一体のマンキーがかし付いて来た。キセルを置かせると、台座に上がる。それを見て五人のまいこはんが正座してお辞儀をした。
「あんたは、コチョウさん・・・?」
「お待たせしました、ヒビキはん・・・」
 その人、おいらんのコチョウはヒビキにお辞儀をしてゆっくりと微笑んだ・・・。


続く・・・。

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