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第6話「ダイナマイトギャル登場、アルフのいせきで大ピンチ」パート4
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、オタチ、イシツブテ、オニスズメ
だがそこへ、プテラがはかいこうせんを飛ばしてきた。
「わ、危ね!」
「ヒビキくん、避けよう!」
ヒビキ達は既のところでこれをかわした。しかし、爆風の火がヒビキのズボンに着火してしまう。
「わわわ、あちち!」
ヒビキは暑さで飛び跳ねたが、ワニノコがみずでっぽうを吹いてズボンに着いた火を消した。
「ふう、助かった。ありがとよワニノコ、うん?」
ヒビキはある物に目を向けた。遺跡にある正方形に並んだ四本の柱、それを見てワニノコと、ツクシのイトマルに視線をやった。
「これだ!」
ヒビキの中で何かが閃いた。
「ツクシくん、頼みがある!」
「頼み?」
「おう、イトマルにあの四本の柱に糸を吐いてクモの巣を作ってくれ、それもでっけえクモの巣を!」
「解った、何か考えがあるみたいだね。任せて!イトマル!」
「マルイト!」
ツクシの指示でイトマルは柱に向けて糸を吐いた。柱が支えになって巨大なハンモック型のクモの巣が完成した。
「出来たよ、ヒビキくん!」
「ありがとう、ようしワニノコ、みずでっぽうだ!それもありったけの水を飛ばすんだ!」
「ワニワニ!!!」
ヒビキの指示でワニノコはみずでっぽうをクモの巣に目掛けて噴射した。巣に水が大量に入って大きなプールになった。
「おし、これで。オニスズメ、オタチを頼む!」
「イーっ!」
ヒビキの指示を聞いてオニスズメはオタチを乗せると、プテラ目掛けて飛び立った。プテラはオニスズメにはかいこうせんを飛ばしてきた。オニスズメは素早く旋回してこれをかわしていく。一方、オタチはオニスズメに必死に捕まっていた。プテラの目の前に来た所で、
「今だ!」
「イーっ!」
ヒビキの合図でオニスズメはオタチをプテラに向けて投げ飛ばした。
「タチーっ!」
オタチはプテラに飛びかかると、その頭に乗って左右の角を掴んだ。プテラは暴れだしたが、オタチはこれを必死に押さえていた。すかさずオニスズメがお尻ペンペンの仕草をして挑発した。
「ギャオオオオオ!!!」
プテラは逆上してオニスズメに向けて飛んで来た。オニスズメはすぐに下降していき、プテラをあのクモの巣の方へと誘い込んだ。オニスズメが下へと下がっていくとプテラもその後を追いかけて下降していく。
「これは・・・、そうか!」
ツクシはすぐにヒビキの考えを理解した。オニスズメは水スレスレの所でUターンした。だがプテラは勢いの強さで曲がれず、クモの巣に溜まった水に音を立てて浸かってしまった。
「おし、作戦通りだ!」
「クモの巣は油が含まれていて、水は通さないんだったね」
水に浸かったプテラは羽ばたこうとするが、オタチが逃がすまいと抑えていた。
「オタチ、もうその辺にしてやれ!」
「オタチ!」
ヒビキの言葉を聞いてオタチはジャンプしてプテラから放れた。開放されたプテラは飛び上がり、空高くへと飛び去っていった。
「よっしゃあ、撃退成功!」
ヒビキはサムズアップを、ワニノコ、オタチ、オニスズメ、イシツブテは一回転して喜んだ。
「やったね、ヒビキくん」
「ああ、皆の活躍があっての勝ちさ」
ヒビキとツクシはハイタッチする。同時にツクシは凄いトレーナーと戦うことになるかもしれないとこれから先の展開を予想した。
その後、アカネを呼び出して、プテラを追い出したことを伝えた。
「俺とツクシくんがやっつけたからもう大丈夫だぜ」
「良かった・・・、ありがと、ヒビキくん、ツクシくん。うち、ちと迷惑をかけたかも・・・」
「ん、何が?」
「珍しいポケモン欲しさであんなにはしゃいどった自分が恥ずかしいわ。それであんな目に、やっぱうちって・・・」
アカネはポロポロと涙を流した。
「おうおう・・、そんなに泣くなよ。別に俺達は迷惑をかけられたなんてこれっぽっちも思ってないさ。アカネちゃんはもう俺達の仲間さ。そう水臭いことは言うなよ」
ヒビキはアカネにハンカチを差し出した。これで涙を拭いておけと照れ臭そうな顔をする。
「うん、そうやったね、ありがとう、ヒビキくん・・・。ヒビキくんは優しいわ」
アカネは涙を拭うとこれ以上ない可愛い笑顔でヒビキに感謝した。その光景を眺めている少年に、ヒビキ達は気付いていない。
「ふん、あんな強そうな奴を逃がすとはな。まあいい、この先の洞窟に行けばあいつがいるはずだ・・・」
果たして、洞窟にいるポケモンとは何なのか?