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第30話「雅なる決戦!激突、おねえはん!」パート4
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、オオタチ、オニドリル、ゴローニャ(戦闘中)、メタモン、デンジュモク
笛の音が奏でられる中、ゴローニャとキュウコンは静かに立っていた、しばらく止まっていたが、笛の音が止んだのを合図に岩と火炎を飛ばして来た。炎と砕けた岩が体中に当たる中、攻撃をする二体、やがて爆炎の中からゴローニャが転がって来た。
キュウコンの火炎弾や超速のかえんほうしゃを転がりで防いで接近してグロウパンチに出ようとしたが、
「フシャーっ!」
キュウコンが口から硫黄のガスを吐いて来た。悪臭のガスが広がってゴローニャは怯んでしまい、そこへでんこうせっかを受けてしまう。
そしてコチョウが人差し指をクルンと回すと、キュウコンは体を縦に回転させて尻尾を振るってゴローニャを怯ませた。
「げほ、げほ、匂いがきついぜ・・・!」
硫黄のガスが自分の方へと広がって来てヒビキは鼻を塞いでしまう。
「そうしている隙に・・・」
コチョウが手刀を作って何かを切るような所作をした。それを見てキュウコンが尻尾を逆立てて来た。尻尾に念力を込めていく、すると尻尾の先が大きく変形した。尻尾を念力で伸ばすとゴローニャに振るって攻撃した。
「何い?!」
尻尾が当たるとゴローニャの岩の体に火花が飛び散った。見ると尻尾が四角くなっていて下の方が鋸のようなギザギザの刃になっていた。九つの尻尾全てが鋸状になっていた。
「鋸だって、器用な尻尾だな!」
「ほほほ、早く手を打たないと行けまへんえ、ほら!」
「コーン!」
キュウコンが吠えると走り出して鋸の尻尾を振るって切り刻んでいく、縦に連続的に振るったと思えば横向きに切っていく。
反転して後退すると、一吠えして二つの火の玉を呼び出した。火の玉は狐の顔になってゴローニャに向かって体当たりをして攻撃していった。
「こうなったらじめんタイプの技だ、ゴローニャ、じしんだ!」
ヒビキの指示でゴローニャはじしんをして攻撃した。ほのおタイプにはじめんタイプの技が効く。
「何?!」
しかし見るとキュウコンは全く微動だにしていない。ダメージを受けている様子が無いのだ。
「何でだ、もう一回だ!」
ヒビキが再びじしんを指示したがまだ聞いてない、じならし、マグニチュードを使ったがキュウコンには効いている様子が無かった。
「そうそう、言い忘れておりましたがうちのキュウコンは常に炎でふゆうしている状態どす」
見ると、キュウコンの足元には炎が雲のように浮いていた。今のキュウコンは雲に乗って浮いている状態なのだ。
すると笛の音が聞こえて来た。見ると台座の背景に二体のレディアンが出て来て二つのくすだまを吊るしていた。
「なんだなんだ、今度はおめでたい時に使うあの玉か?」
「ふふ、キュウコン!」
コチョウが指示を出すとキュウコンはひのこを吐いてくすだまを開けた、するとレディアンやバタフリー達が笛を吹いて当たりである事を知らせた。
「言い忘れておりましたが、くすだまには当たりとはずれがありまして、当たりを取ればサプライズがもらえますえ」
「サプライズだって、いや、おねえはんがサプライズなんて言葉使うなんてなあ」
おいらんが現代の言葉を使った事にヒビキは驚いていた。だが、本当に驚く事が待っている事をまだ知る由も無かった。
するとキレイハナととっくりを持つクサイハナと頭に蝶足膳を乗せたラフレシア、大きな平たい椀を持ったプリンがキュウコンの前に現れた。キレイハナ達が舞っている中、ラフレシアが膳を置くとプリンが皿を置き、クサイハナがとっくりから透き通った酒をなみなみと注いだ。酒の中でクラボのみの赤い果汁が混ぜられていて赤い煙が漂っている。
キュウコンは皿を咥えると顎を上げてグイグイと飲み干していった。皿をペッと吐き捨てると気分が高調したのか大きく吠えた。口元には飲んだ酒や果汁が垂れている。
「フーッ、フーッ!」
「さあ、そろそろ本番どすえ?」
「何だって?!」
キュウコンが吠えると淡い黄色の体毛が一気に燃えるような真っ赤な色に染まった。瞳の色が黄色く染まり、耳も一本角のようにくっ付き合う。さながら赤鬼のような姿だった。赤色のキュウコンは走り出すとでんこうせっかでゴローニャを攻撃した。ダメージの反動で後ろへ長く引き摺られる。
「さっきよりもパワーがある?」
普通の姿と比べて打撃攻撃が強くなっている。姿が変わったことに大きく係っていた。
「この姿の時は物理攻撃が大きく上がるんどす、ですから・・・」
指をパチンと鳴らすと尻尾を鋸に変えて来た。さっきよりも切れ味と固さが上がっており、火花が大きく飛び散っていた。振り下ろすように畳み掛け、最後に後ろ蹴りをして転ばせる。
「コーーーーン!!!」
大きくいななくと尻尾がまとまって大きな鋸に変わった。それを強く振り落して地面を叩き、衝撃波を飛ばしていく。
「ゴローニャ、かわせ!」
ヒビキの指示でゴローニャは衝撃波をかわして大きな岩を赤いキュウコンに投げ飛ばした。だが鋸が岩を真っ二つに切り裂いてしまった。
そこへまたあのくすだまが現れた。
「今度は当てるぜ!」
「さーて・・・」
ヒビキが左、コチョウが右のくすだまに指を差して中身を開けさせた。
「ええ?!」
「ふふふ・・」
しかし結果はヒビキがはずれでコチョウが当たりだった。するとまたあの一行がやって来てキュウコンに酌を注いだ。今度の酒はヤチェのみのの果汁が混ざった酒、それを飲み干すとまた姿を変えた。今度は青い色に染まり耳も分かれ、鼻先が先程と比べて尖った形になった。
「青くなった・・・。ゴローニャ、ロックブラストだ!」
ヒビキの指示でゴローニャは岩を連射したが青い色のキュウコンはねんりきで止めてしまった。すると岩がゴローニャの方に飛んで攻撃して来る。
「これはほんの序の口、さあ・・・」
コチョウが片手で狐の顔を作って来た。するとキュウコンが尻尾を逆立ててくる。すると鋸だった尻尾が形を変えて自身と同じキュウコンの顔になった。尻尾に着いた顔がいななき牙をぎらつかせて唾液を垂らしていた。八岐大蛇よりも顔が二つ多い10の狐の顔を持つ青い怪物がヒビキ達の前に立っていた。
「こいつはやばいぜ・・・」
見た事もない怪物に姿を変えたキュウコンにヒビキは背筋が凍る感じがした。コチョウが片手を前に付き出すと、尻尾に着いた顔が触手のように伸びて襲いかかって来た。岩を飛ばして凌ごうとするゴローニャだが尻尾は次々と噛み付いて攻撃していき両腕を噛み付いて持ち上げると吹っ飛ばして火炎を浴びせて攻撃した。
更に一斉に火炎弾を吐いてダメージを与えて怯ませると尻尾を纏めて巨大な顔を作ってゴローニャを咥えて縦横に振るって台座にぶつけてダメージを与えていく。
吹っ飛ばされたゴローニャに青いキュウコンが尻尾の顔から炎を吐いて前進して来る。そしてゴローニャに噛み付こうとしたが、
「おや?」
ゴローニャはすんでの所で巨大な顎を掴んで持ち上げに出た。
「さあて、やられっぱなしもここまでだぜ!」
ゴローニャは尻尾を持ち上げると、ジャイアントスイングのように振り回して投げ飛ばした。
「ようし、軽くなれ!」
ロックカットをして無駄な岩を削り、体を軽くさせる。だがキュウコンの尻尾に着いた顔が口を開けて襲いかかって来た・・・。
続く・・・。