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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第30話「雅なる決戦!激突、おねえはん!」パート7

ヒビキ現在の手持ち
オーダイル(戦闘中?)、オオタチ、オニドリル、ゴローニャ、メタモン、デンジュモク


 その後も玉を弾ませる動きは続いた。二人だけで仲良くバレーボールを楽しんでいるようにも見える。するとメガデンリュウは足で蹴って飛ばして来た。
 オーダイルがそれを掴んで投げ飛ばそうとしたが、メガデンリュウが歩み寄って来た。何をする気だと警戒するオーダイルだが、メガデンリュウは攻撃はせず、玉を取るとそうじゃないと首を横に振って玉を再び蹴った。
 蹴り返してほしいのか。オーダイルが蹴るとまた蹴り返して来た。すると台座から次々とポケモン達が上がって来た。
「な、どうなってんだ?」
 ヒビキとオーダイルが戸惑っている。メガデンリュウが違うポケモンに玉を飛ばした。飛んで来た玉をキレイハナがクルンと縦に回って蹴り、次にプリン、クサイハナ、ラフレシア、ピッピと飛んで行った、さながらポケモン達による蹴鞠大会が開催されているかのようだった。
「あ、あれ、俺達勝負してるんだよな・・・?何か違うような・・・」
「ヒビキはん、少しお時間を取ってもいいでしょか?」
 コチョウがヒビキの肩をポンポンと叩いてお遊びをしようと誘って来た。
「お時間、けど今はバトルの最中だろ?」
「ええ、ですが、もう勝負は着いています。ですから、少し話でもしましょうえ?」
「話?」
 コチョウが手を叩くとサワムラーとカポエラーがやって来てある物を差し出した。それは平たい黒のゲーム機、そして取っ手が三つあるコントローラーが二つあった。
「へ、ゲーム?」
 差し出された物に目を丸くした。まさかゲームをしながら話をする気なのだろうか。
「コチョウさん、これって・・・」
「大分昔にあった電気遊具どす、これで遊びながら、ふふ・・・」
 台座の壁から張り付いた大きなモニターが出て来た、それを繋げると64と叫ぶ声が出て様々なポケモンが出て来てデモ画面になった。
「ポケモンスタジアム、へえ、ポケモンのゲーム何てあるのか?」
 スタートすると何かが表示された。
「あ、あれ、何か必要みたいだぜ」
「そう細かい事は気にせず、さあ」
 構わず進めて対戦モードに入る。
「げげ、とりつかいなのに伝説のポケモンを持ってんのか?!」
「うちはこれで、ヒビキはんもどうです?」
「じゃあ俺もとりつかいで行くぜ!」
 二人ともつりつかいのポケモンを選びバトルが始まった。ヒビキがサンダー、コチョウがファイヤーである。ボタンを押しながら会話を始めた。ラッキー達が膳を二人の前に置いて酌を注いだ。モモンの果汁が入った甘酒である。膳にはオレンのみのあんが入った青い色の饅頭にズリのみの味のかりんとうが置かれていた。
「ヒビキはん、あんさんにお話ししなければならない事があります」
「それって何だ?」
 ヒビキの方を振り向くとコチョウはニコリと微笑んだ。
「ワニノコを立派なオーダイルに育ててくれて、まいこはんを束ねるおねえはんとして、感謝致しますえ」
「オーダイル、どういう事だ?」
 自分のオーダイルとどう関係しているのか、ヒビキは不思議で仕方なかった。
「この勝負はあんさんの力を試すため、そしてあんさんを勝たせるための勝負どす」
「勝たせる、その割には容赦がなかったじゃん」
 ヒビキのサンダーがファイヤーに勝った。
「ふふ、あれはほんのお遊び・・・」
 コチョウのフリーザーがヒビキのサンダーを倒した。
「ヒビキはん、うちらおいらんとまいこはんは、あるポケモンを守護し、正しき人間に授ける役目を代々担ってきました」
「あるポケモン?」
 ヒビキのギャラドスとコチョウのフリーザーが対峙している。
「エンジュシティの塔は知っていますか?」
「ああ、あの焼けた塔だろ?」
「そう、塔で死んだとされる三匹の伝説のポケモン、それを蘇らせたとされる伝説のポケモン、それがこのジョウト地方に古くから伝わるポケモン、ホウオウ・・・」
「ホウオウ?」
「日輪のように輝く虹色の羽を纏いし、ジョウトを美しく照らす・・・うち等はそのホウオウを守り伝えて来ました」
 ヒビキのギャラドスがフリーザーを倒した。
「ホウオウを守護し、そして正しき心を持つ者にホウオウを授ける。それがうち達の役目どす。そして今、コガネシティにあのけったいなポケモンが現れました」
 画面ではギャラドスとプテラが対峙していた。
「あのポケモンは遥か昔にもこのジョウト地方に現れました。そしてこのジョウトに厄災をもたらしました。その時、ホウオウを授かった者がこれを打ち破った、ジョウトに伝わる昔話どす」
 あのアクジキングが昔にも出現したのだとヒビキは知った。
「しかしあのポケモンは再び現れる、そうお告げが来ました。それは遠くはありまへん。災厄をもたらすそのポケモンを祓うため、ホウオウを授けるにふさわしい方を探さねばなりまへん、しかし、ただ探せばいいと言う訳ではありまへん、ポケモンと真摯に向き合える正しいお心を持った方でないと・・・その時、目に入ったのが・・・」
「俺だってって事か?」
「ご名答」
 ゲームでバトルをしながら話を続ける。
「あんさんはホウオウのように日輪の太陽な方。お調子者でやんちゃだけれども情に深く友誼に厚い、この方にならタマゴのポケモンを授けられる・・・」
「じゃあ研究所に届けられたあのタマゴは・・・!」
「そう、うちが研究所の博士はんに差し出したタマゴから生まれたのがあんさんのオーダイル、この子をちゃんと育てられるかどうかを見させてもらいました」
 テレビ画面でギャラドスがプテラを倒してヒビキの勝利となった。
「どう育つのかは検討はつきませんでしたが、あんさんは見事にオーダイルを立派に育ててくださいました。あんさんは粋のいいトレーナー、あんさんならホウオウを授けられます・・・」


続く・・・。

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