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第30話「雅なる決戦!激突、おねえはん!」パート8
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル(戦闘中?)、オオタチ、オニドリル、ゴローニャ、メタモン、デンジュモク
そしてポケモン達による蹴鞠大会、デンリュウが玉をポーンと上を上げて蹴り上げると頭上にパワージェムを飛ばした。
「ダイ?!」
攻撃か、そう思ったオーダイルがみずでっぽうを飛ばしてパワージェムを砕いた。その衝撃で弾も綿のように弾けてしまった。砕けたジャムと綿が辺り一面に雪のように降り注ぎ台座一面に積もっていった。
「あれ?」
空から何かが落ちている事にヒビキが気付いた。歩いてそれを手に取ると、青い色のクリスタルだった。
「これ、Zクリスタル・・・?」
するとメガデンリュウが腕を水平にして身をヒビキ達に向けた。
「どういう事なんだよ?」
「ヒビキはん、さあ、最後の攻撃を・・・」
コチョウがメガデンリュウに攻撃するよう頼んだ。メガデンリュウは一切の素振りも見せず、ただ立っている。ヒビキは悩みながらもハイドロポンプをさせた。攻撃を受けたメガデンリュウは元のデンリュウに戻り、倒れ込んだ。
「!」
オーダイルの中で、大きくなったのね、坊や・・・。そう聞こえた気がした。
「ヒビキはん、お見事にございました・・・さあ・・・」
げんきのかたまりを上げてデンリュウを回復させた。
「あんさんは見事にうちとの勝負に勝ちました、先程申し上げたようにホウオウを授けましょう」
「あの、これは?」
「それはミズZのクリスタル、デンリュウのパワージェムの中に仕込ませておきました。これでオーダイルに強い技を出せますえ」
「コチョウさん、そのデンリュウ、オーダイルとはどう言う関係なんだ?」
他のポケモン達とは違い戦いらしい戦いはせず、どこか遊んでいるような感じ、そして敗けても終始穏やかでオーダイルと何か関係がありそうだった。
「そうでした、このデンリュウ、オーダイルのおかあはんどす」
「え、お、お母さんだって?!」
ヒビキが驚くとデンリュウがお辞儀をした。歩み寄るとオーダイルの額に自分の額をくっ付けた。
「この子はオーダイルと結ばれまして、タマゴを授かったんです。そして生まれたのが・・・」
「こいつだって事か?」
ヒビキがオーダイルに指を差すとコチョウはその通りと頷いた。
「そう、この子の産んだタマゴをヒビキはん、あんさんに・・・、どう育つかは解りませんでしたが、本当に立派にしてくださいました。さあ、お膳立ては整いました。ヒビキはん、付いて来てくれまへんか?」
「ここじゃないのか?」
静かに頷くとまいこはんと取り巻きの童子達、ポケモンを連れてヒビキを案内した。
「ここか?」
「そう、ここどす」
進む中、ポケモン達が演奏を奏で、童子達が舞ながら行進して辿り着いた。そこはエンジュシティにある関所を通った紅葉の木の先にある塔だった。
「スズのとう、古くからホウオウを呼ぶ場所とされており、うち等は代々この塔を守り奉って来ました」
「へえ」
「さあ、中に入りましょう・・・」
ポンポンと手を叩くと門の前に無数のアローラコラッタとゴースが現れた。
「門をお開け」
コチョウが言うとゴースが鉤を取り出してアローラコラッタが仲間に肩車で乗せてもらって鍵穴に鍵を差し込んだ。そして仲間達と共に門を押し開けて通れるようにした。
「こいつら、どこかで見たような気がするんだけど」
「ええ、この子達とはヒビキはんと出会ってますえ」
「じゃあ?!」
思い出した。そう、初めて会った時、そしてアカネを救出しようとした時、必ず現れたポケモン達、コラッタとゴース達、彼らは主人の命でヒビキ達と戦っていたのだ。
「そう、この子達も塔を守護する者、うちのお仲間どすえ」
「て事はあの時は?」
「はい、全てはあんさんを試すため、そして今腕に着けているZリングを使いこなせる器かどうかを計るためどす」
腕に着けているZリング、全ては彼女がヒビキがホウオウを授かるにふさわしいのか、それを試すための試練だった。
「綺麗な顔して結構計算高いんだな、あんた」
「ええ、念には念を入れませんと・・・けど、その心配もなくあんさんはZリングを手に入れました。そして見事に使いこなす事も」
塔の上を目指しながら二人の会話は続いた、そしてその後を追うようにポケモンとまいこはん、童子たちの演奏は続く・・・。
続く・・・。