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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第30話「雅なる決戦!激突、おねえはん!」パート9

ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、オオタチ、オニドリル、ゴローニャ、メタモン、デンジュモク



「さあ、着きましたえ」
 コチョウ達の後を追い、辿り着いた場所は塔の頂上だった。
「ここは何だ?」
「スズのとうの天辺どす、ホウオウを呼ぶ場所にしてトレーナーにホウオウを授ける場・・・うちらおいらんとまいこはんは親から子、子から孫へとそしてホウオウをトレーナーへ、そしてそのまたトレーナーへと受け継いでいく・・・代々その儀式と伝統を伝え守り続けて来た・・・」
「へえ、昔からずっと続いて来たんだな・・・、じゃああんたの母さんもおいらんだったのか?」
「ふふ、さあ、どうでしょう?」
 クスリと笑ってコチョウは素知らぬふりをした。自身の事についてはあまり語らないこの女性をヒビキは本当に不思議な人だと思っていた。
「さあ、あんさん達、準備はいいどす?」
「はい、おねえはん」
 まいこはんのコモモ、そして童子達が準備は出来たと頷いた。
「では、始めましょう・・・」
 手に持っているスズを持つと、まいこはんと童子達が一斉に踊り出した。コチョウとまいこはん達の持つスズが静かに、そして涼しい音色を奏でていた。童子達は扇子を持って手取り足取り動き、蝶が舞うように踊っていて、ポケモン達がそれぞれの楽器を奏でていた。銀杏の葉が舞い落ち、涼しいそよ風が頬を薙ぎ、清涼感ある鈴の音色が塔の頂上に響いている。
 やがて、頂上に何者かの存在が感じられた。上を見上げると太陽の中で羽ばたいている黒い影がいた。それは徐々に大きくなっていき、遂に姿が明らかになった。虹色に輝く大きなポケモンが現れた。円を描くように羽ばたくと虹が出て来て塔を囲った。
「シャーオオオオ!!!」
 塔の天辺に降り立つと首を上げて大きな声を上げた。翼を広げると虹色に光り輝き、光の粉が美しく降り注いだ。
「こいつが・・・」
「ええ、ホウオウどす、さあ、ヒビキはん、ホウオウと向き合うのです」
 頷くとホウオウの前に立った。
「頼む、力を貸してくれ、ジョウト地方が大変な事になってるんだ。俺は皆を、ジョウトを救いたい!お前の力を貸してくれ!」
 ヒビキの願いををホウオウは静かに聞いていた。しばらく沈黙が続き、ホウオウはヒビキの前でこうべを垂れた。それを見てコチョウはニコリと微笑んだ。
「ヒビキはん、あんさんはホウオウに認められました。これからはあんさんがホウオウのトレーナーどす」
 微笑を浮かべてヒビキがホウオウの新たなパートナーとなった事を祝福した、まいこはんや取り巻きの童子、ポケモン達も歓声を上げて喜んだ。
「コチョウさん、俺、ホウオウに・・・」
「ええ。さあ、お仲間さんの元へ、あんさんの助けを必要としております」
「解った」
 ホウオウに乗せてもらうとデンリュウがやって来た。
「大丈夫、オーダイルはちゃんとやっていける。安心してくれよ、じゃあ行くぜ、皆が待っているコガネシティへ!」
 ホウオウはヒビキを乗せて羽ばたくとコガネシティへと向かって飛び立っていった。それをコチョウとまいこはん達が託すように見届けた・・・。


続く・・・。

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