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第31話「ジョウトの明日を掛けた戦い、決戦、アクジキング!」パート4
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル(戦闘中)、オオタチ(戦闘中)、オニドリル、ゴローニャ、メタモン、デンジュモク
「絡め、包め、切れ!」
ムシZ、ぜったいほしょくかいてんざんを発動、糸を飛ばしてアクジキングを繭に閉じ込めて地面に叩き付け、空中へ投げ飛ばした。
「遊びは終わりだ、これで、鎮め!」
クサZ、ブルームシャインエクストラでメガニウムは地面から光線を飛ばして繭を飲み込んだ。
「この激流に全てを掛ける!」
ヒビキがミズZ、スーパーアクアトルネードを発動、オーダイルが水の竜巻を飛ばして繭を渦に飲み込んでいった。渦の中で水が繭を切り刻んでいく。竜巻が消えると繭からアクジキングが出て来た。皮膚が破ける様に体から破片が飛び散りながら崩れ落ちた。ヒビキ達が後ろを向いた瞬間、灰が散る様に消滅していったのだった。
「ヒョロロロロ!」
戦いを見届けたホウオウが翼を広げて光を放つと曇り空だった空が晴れて太陽の光が差し込んだ。地下の入り口から避難していた人達が出て来て平和が戻った事を確認する。
「太陽が・・・」
ミカン、そしてジムリーダー達も晴れ渡り、希望に照らされたジョウト地方の空を見上げていた。
「おーい、勝ったぜ!」
ヒビキとツクシが手を振っている。
「ヒビキさん!」
「皆よく頑張ってくれたわ、ジョウトの皆に代わって、ありがとう!」
ジョウトの人達を救ってくれた事への感謝をミカンが綺麗な笑顔でヒビキ達に伝えた。
「いや、俺達皆がいたからの事さ」
照れ臭くなったのかヒビキは頭を掻いて言った。
「喜んでる所で水を差して悪いんだが・・・」
そこへクチナシが後ろを覗く様に何かを見ていた。ヒビキ達も見ると黒い色にギザギザ模様のタマゴが置かれていた。
「あれは、タマゴ?」
「まさか奴が?」
アクジキングが死の間際に残したタマゴなのかと、リラとハンサムは思った。その考えは的中した。タマゴが動き出すとひびが割れて中から人間大サイズのアクジキングが出て来た。
「何?!」
小さなアクジキングが現れた事にハンサムは驚いた。ジムリーダー達もまた暴れ出すのかと緊張した。
「くそ、だったらここで完全に倒してやる!」
ハヤトがポケモン達をアクジキングに差し向け様とした。すると生まれたばかりのアクジキングはガクガクと震えだした。
「待って!」
それを見てミカンがハヤトを止めた。
「な、何故止めるんだ!」
「あのポケモン、何だか怯えているわ」
見ると、体を屈めて怖がっている様に見えた。
「ほんまや、生まれたばかりでよく解ってないみたいや」
「だから何だ、赤ん坊だとしても危険な事には変わらない。今ここで潰しておいた方がベストだ!」
幼体であっても所詮は怪物だ、倒しておいた方がいい、とハヤトは言った。
「でも、危険な存在だとしてもポケモンである事には変わりない。あのような怪物の子供でも幼い命を奪う事は避けたいわ」
何とかこの小さなアクジキングを助ける方法は無いのかとミカン達は考える。
「だったら、俺が引き取ろうか?」
ヒビキがアクジキングのトレーナーになると名乗り出た。
「な、お前正気なのか?」
ハヤトがびっくりした目で見ていた。
「ヒビキくん、幾ら君でも難しいのではないか?」
マツバが忠告する。元があの暴威を振るったポケモンなだけに使いこなせるのか半信半疑だったからだ。
「確かに危険なのは承知さ、けど、小さい奴を寄ってたかってとっちめるなんざ弱い者いじめにならねえか、第一俺は縁起の悪い事なんざしねえ!」
弱い者いじめになる事はしないと言って胸を張った。
「だ、だけどねえ、この街を破壊したほどのパワーを誇っているんだよ、さすがにそればかりは・・・」
「よろしいではございませんか・・・」
ミナキが言ったその時、下駄の音が聞こえて来た。取り巻きのポケモン達を連れてその人、コチョウが煙草を吹いて現れた。
「貴女・・・!」
「コチョウさん!」
「ミナキはん、マツバはん、どうも、そして・・・」
ヒビキの方に視線をやるとニコリと微笑み、頬を撫でる。
「上手くいったようですな・・・あらまあ、あんなけったいなのがこんなに小さく・・・」
赤ん坊のアクジキングを見てうんうんと頷く仕草をする。
「これぐらい小さく、それでいて生まれたての赤ん坊どすか・・・それをヒビキはんが面倒を見ると?」
コチョウが言うとヒビキはしっかり頷いた。
「偉いどすえ、そうですもの、元は悪でも生まれた物は皆尊い」
「ですが・・・」
「ミナキはん、いいではありまへんか。このジョウトを救ってくださった方ですもの、きっとこのポケモンを正しく導いてくれますえ、皆さんもここはヒビキはんを信じてみてはいかがどす」
コチョウが言うとジムリーダー達は考えて納得する。
「そうですね、他のトレーナーには無い優しさを彼は持っている、信じて見ましょう」
「全く、どうなっても俺は知らないぞ」
「この子ならきっと大丈夫だわ」
マツバ、ミカンがヒビキなら大丈夫だろうと納得した。ハヤトは渋々ではあるが納得する事にした。
「おし、今日からお前のトレーナーは俺だ、俺に付いて行くか」
ヒビキが言うと小さなアクジキングは頷いた、ヒビキはボールでゲットしてアクジキングをゲットした・・・。
続く・・・。