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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第31話「ジョウトの明日を掛けた戦い、決戦、アクジキング!」パート5

ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、オオタチ、オニドリル、ゴローニャ、メタモン、デンジュモク、ホウオウ


「よし!」
 アクジキングの入ったボールを手に取る。そんなヒビキを前にしてもレイは表情を崩さなかった。
「何だ?」
 ツクシが不思議そうに見ているのに気付いて腕を組んで言う。
「いや、珍しいポケモンをヒビキくんが取ったのに奪い取らないんだなって・・・」
「ふん、生憎、手持ちは間に合ってるんだよ、そんな弱い奴からポケモンを奪ってまで勝とうとは思わないからな・・・」
「な、弱いだって、俺も一応強いんだぜ」
「俺が来るまでは押されていたくせにか、まあいい、今から見ものだぜ。お前がそいつを使いこなす事が出来ずに惨めな様を晒す姿を見るのがな、まあ、精々頑張る事だな・・・」
 薄笑いを浮かべてレイは去って行った。
「全く、最後まで本当に嫌な奴や」
 アカネが頬を膨らませているとヒビキは首を横に振った。
「いや、あいつ、そうならない様に頑張れよって言ってたんじゃないか?」
「そう思った?」
「何となくさ」
 ビーストとの戦いが終わりジョウト地方に平和が戻ったのだった。そして破壊されてしまったコガネシティの復興が始まった。



<ウバメのもり>
「皆さん、本当にありがとうございます」
 復興が終わり、ヒビキ達はウバメの森にいた。リラ達を元の世界に戻すためである。森の神のセレビィが社に座っていた。
「頼みましたえ」
(任せておいて、この人達はちゃんと送り返してあげるから)
 コチョウの頼みに胸に手を当てて自信ありげに言う。
「それじゃあ、このロコンともお別れだね」
 ツクシがアカネが抱いているロコンに目をやる。思えばあの出会いからロコンとは常に一緒だった、ビーストに襲われる事もあったがそれでも過ごした日々は忘れられない思い出になっていた。
「じゃあ、元気でな」
 アカネが地面に下ろしてリラ達の所へ行く様促した。歩を進めるロコンだったが、
「コン!」
 すぐにヒビキ達の元へ戻ってしまった。
「あかん、アンタはこの世界のポケモンやないんやから、ここにいたらあかん、元の世界にお帰り、な」
 アカネが説き伏せてもロコンは動こうとしなかった。それを見てリラ達は何かを考えていた。ハンサムとクチナシが納得した様に笑みを浮かべると、リラが歩み寄ってある提案をした。
「皆さん、皆さんの中からこの子の、ロコンのトレーナーになってくれませんか?」
「ええ、ロコンの?!」
「いいのですか、重要な役割があるんでしょう?」
 ツクシの言う通り、このアローラロコンは通常のロコンとは違いウルトラホールを通っているため、フォールと呼ばれるロコンだ。
「はい、グラトニー、アクジキングは倒され、ビーストは無くなりました。このロコンの役目も終わりとなりました、この子には幸せな一生を送って欲しい・・・」
「まあ、どうせ連れ帰ったとしてもいいように使われるか処分されるのが見えているからな。あんちゃん達が引き取ってくれるなら大助かりだぜ」
「我々からも、どうかアローラロコンを引き取ってもらえないだろうか」
 誰がアローラロコンのトレーナーになるか、アカネはヒビキに目を向けると抱いているアローラロコンをヒビキに差し出した。
「ヒビキさん、この子のトレーナーになって」
「え、俺が?」
「うん、うちじゃこの子を守りきれない、でもヒビキさんだったら、うちよりも強いし、この子に広い世界を見せてあげられる、だから・・・」
 アカネの思いを聞いてヒビキはロコンを受け取った。
「お前、俺と一緒に来るか?」
「コン!」
「おし、じゃあ決まりだな!」
 トレーナーを失ったアローラロコンに新しいトレーナーが出来た。ヒビキに抱えられているロコンは幸せだった。


「おし、じゃあ皆、行って来るぜ!」
 リラ達が帰るのを見送った後、ヒビキ達はホウオウに乗り込んだ。
「ヒビキはん、次のジムはフスベシティにあります。そこでドラゴン使いのリーダーはんがいるどすから、見事に打ち勝って下さい」
「おう、じゃあ、またな皆!」
 ジムリーダー、コチョウに手を振ってホウオウと共に上空へと上がっていった。
「伝説のポケモンが彼に受け継がれた、そして次のトレーナーへと、それは大きな大河となって受け継がれていく・・・」
 ホウオウが空を飛んでいる中、ヒビキはアローラロコンに語り掛けた。
「いいか、お前は今日から俺のポケモンだ、ビシバシ強くしてやるからな、覚悟しとけよ」
「コン!」
 全てのジムを制覇するまで後一つ、大きな夢を膨らませている彼等を乗せながらホウオウは虹を生み出しながら大空を羽ばたいていた・・・。

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