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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第32話「尖った性格のジムリーダー、VSフスベジム」パート2


ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、アローラロコン、コンパン、ルージュラ、ホウオウ、アクジキング



 ヒビキを乗せたポケモン、ジジーロンは両脇が坂になっている道を歩いていた。そして開けた場所に付いて歩を止めた。所々に柔らかい草が生い茂っていて、恐らくここが巣であると思われる。ヒビキのシャツの首の部分を咥えると、草の上に乗せた。
「な、何すんだよ・・・」
 不安になるヒビキを余所にジジーロンは背中を向けて歩を進めた。近くにある木の枝を噛み千切って口に含むとそれを噛み砕いていった。枝が砕かれている凄い音が響いていた。そしてヒビキに歩み寄ると舌を出して傷口を舐めた。
「あ、あひゃひゃ、よせって、俺、怪我人何だぞ!」
 舌触りがくすぐったく思わず笑ってしまう。
「あ・・・」
 見ると傷口にすり潰した歯が粘性の唾液でしっかりと貼られていた。葉に付いた成分が影響しているのか血も止まっている。
「俺の治療をしてくれてたのか?」
 ヒビキが言うとジジーロンは頬を擦り付けて来た。
「ありがとな、俺、探し物をしているんだ、ミニリュウを探しててさ。欲しい奴がいるから、ここで休む訳にはいかないんだ」
 目的を聞いていたジジーロンはヒビキをまた背中に乗せた。そしてどこかへと連れていく、そうして連れていかれた先、そこには大きな泉があってミニリュウ達が泳いでいた。
「へえ、こんな所にいたのか、何だか至れり尽くせりだな、ありがとよ」
 ジジーロンから降りると♀のミニリュウを探してボールに収めるのだった。
「お前、いい奴なんだな、まあ、確かに好々爺見てえな顔してるけどよ・・・」
 ふと視線を変えると、一人の人物の姿が見えた。水色のポニーテールにマントを羽織った水色の腋と太腿を露出したスーツにブーツを来た女性が神妙な面持ちをしていた。
「誰だろう、おーい!」
 ヒビキが手を振って声を掛けると、その女性は驚いて足早に去ってしまった。
「何だったんだ、あいつ?」
 ヒビキが首をかしげていると、ジジーロンはどこか寂しげな顔をしていた。しかしヒビキの前では穏やかな顔になり、彼を背中に乗せた。
「もしかして街まで連れてってくれるのか?」
 フスベシティまで乗せてってくれるのかと聞くとジジーロンはゆっくりと頷いた。


「はいツクシくん、搾りたてのモーモーミルクをどうぞ」
 フスベシティではアカネがツクシに自分のポケモンのミルクをツクシにあげていた。
「ありがとう、やっぱアカネちゃんのミルタンクのミルクが一番美味しいね」
「ヒビキさんも一緒だったらあげてたのに」
「まあ、ヒビキくんは人助けが好きだからね、どうしているのかな・・・うん?」
 すると地面からズルズルと何かが動いている様な音がして来た。
「何、何なんこれ?」
「まさか、ヤバい奴が出て来るなんて事は、わわ!」
「はああ・・・!」
 目の前を見ると一回りも大きな首の長いポケモン、そう、ジジーロンが現れたのだ。
「ひいい、あのポケモン何?!」
「何か、凄い大きい、て言うか、老けてる?」
「おーい!」
「あ、ヒビキくん!」
 背中にヒビキが乗っていて自分達に手を振っている事に気付いた。
「ヒビキくん、そのポケモンは?!」
 ツクシ達が驚いているとヒビキが降りて来た。
「いやあ、ミニリュウさがしてたら怪我しちまってよ、そしたらこのでっけえ奴に助けてもらってさ。そうそう忘れる所だった」
 早速探していた♀のミニリュウを欲しがっていた子に渡した。
「わあ、ありがとう!」
「いやいや、礼には・・・」
 照れているのも束の間、突然子供達が出て来てもみくちゃにされてしまった。
「ジジーロン、ジジーロンが来た!」
 子供達の目線はジジーロンに向けられている。ジジーロンも歓迎しているようだ。
「おいおい、偉い人気じゃねえか・・・」
 どうやらフスベシティでも知られている存在の様だ。ジジーロンは子供達を背中に乗せたり縄を咥えてブランコをしてあげたりと楽しんでいた・・・。

続く・・・。

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