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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第32話「尖った性格のジムリーダー、VSフスベジム」パート3

ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、アローラロコン、コンパン、ルージュラ、ホウオウ、アクジキング


「ほっほ、ジジーロンがまたやって来るとは・・・」
 一人の老人がヒビキ達の前に現れた。見た目は温厚な好々爺と言う面持ちだがどこか威厳に溢れている風格がある、その人物がジジーロンを見て何度も頷き、微笑んだ。
「ジジーロン?」
「子供達と戯れているポケモン、それがジジーロンじゃ」
「へえ、お前の名前か、確かに老けてる感じがするもんな」
「ジジーロンはこのフスベシティに古くから住んでいるポケモンでな、迷子になった子供を探したり、子供の遊び相手になってあげたり、凶暴なポケモンから守るなど、心優しいポケモン・・・」
 子供達と遊んでいるジジーロンはとても穏やかな顔をしていた。子供が好きである事が伝わって来る。
「ほう、お主、バッジを七つもっておるのか」
 老人がヒビキのバッジを見て言う。
「ではこの街のジムに挑戦するのか?」
「おう、ここでバッジを取れば晴れてポケモンリーグに行けるさ」
「若い、それでいて清々しい、まあ頑張りなされ、その心を忘れぬ限りは・・・」
 意味深な言葉を残して老人は去って行った。
「あのおじいさん、何者なんだろう」
「さあな、ジジーロン、ありがとな、俺は行くぜ。さあ、フスベジムに挑戦だ!」
 一方、ジムの前では先程ヒビキが出会ったあの女性が立っていた。子供達と遊ぶジジーロンを見ている。
「イブキ様、あのポケモンが来ていますが」
「だから、何?私は大人なの、あんな子供のお遊びしかしないポケモンなんかに興味は無い」
 ヒビキが来た事に気付いたのだろう、足早にジムへと戻ってしまった。
「頼もーっ!」
 ドアを開けてステージに足を運ぶ。中央では腕を組んでジムリーダー、イブキが立っていた。
「貴方が挑戦者?ふうん、見た感じ弱そうね・・・」
 開口一番に棘のある台詞をヒビキに言う。挑戦者を下に見ているのは明らかだった。
「な、てやんでえ、こう見えてもバッジを七つ持ってるんだぞ!」
 カチンと来たのか今まで手にして来たバッジをイブキに見せた。
「だから何?バッジを七つあるからって浮かれない事ね、上には上がいるのだから、うん?」
 イブキがツクシとアカネに目をやる。
「貴方達?」
「お久しぶりです、イブキさん、ツクシとアカネちゃんです」
「ど、どうも、こんにちは・・・」
 ツクシは毅然と振る舞っていたが、アカネは緊張でたどたどしく挨拶していた。しかし二人を見るイブキの目は冷たかった。
「思い出した、ミカンの下で修業してたひ弱な子供達でしょう。その二人がジムリーダーになったと言うのは聞いていたけれど、仲良しごっこでそこにいる軟弱な子供と旅に出ていたとはね・・・」
 二人をひ弱と呼ぶイブキ、未だにツクシとミカンの事を未熟な子供と思っている様だ。
「おいあんた、ツクシくんとアカネちゃんに失礼だろう!」
「事実を言っただけよ、本来の役目をすっぽかしてブラブラしている様ではジムリーダーとして半人前ね」
「それは、でもヒビキくんは友達ですから、彼は言いました。チャンピオンになった姿を見て欲しいと、友達として僕にはそれを見届ける役目がある、その思いで旅をしたのです」
「ツクシくん」
 ツクシの言葉にヒビキは感慨深そうになった。あの時親友となった彼に交わした約束、それを覚えていてくれた事を。
「物好きな事、本当になれるのかどうかも解らない様な子供のために健気ね・・・」
 溜息を吐いて、呆れた顔をした。
「ツクシくん、この人、こんな感じなのか?」
 ヒビキはイライラした感じで言う。
「あ、ああ、でも根はそんなに悪い人じゃないと思うよ」
「余計なフォローは結構、さっさと始めるわよ、ポケモンリーグに挑むのは簡単じゃない事を、思い知らせてあげる」
 ボールを高く投げると、そのポケモンは霧を纏って着地した。霧の中で尻尾を地面に叩いている、霧が晴れると青いボディのドラゴンポケモン、ハクリューが咆哮を上げた。
「まずは一手、さあ、貴方は?」
「俺はこいつだ、ロコン!」
 ボールからアローラロコンが出て来た。
「コン!」
 可愛いいななきを上げてハクリューを見上げた。
「ロコン?」
 普通のロコンとは違う白いロコンにイブキは珍しそうに見ていた。
「見くびっているのかしら、ハクリューに進化もしていないポケモンで挑むなんて・・・」
「やってみなけりゃ解らねえよ!」
「ふん、なら見せてみなさい、どこまであがけるのか!」
 イブキが手を伸ばすと、ハクリューは後ろを向くと尻尾を何度も地面に叩き付けて衝撃波を飛ばして来た。
「かわせ、ロコン!」
 ヒビキの指示でロコンはかわしながら前進してこおりのいぶきを放った。
「りゅうのいかり!」
 イブキの指示でハクリューはりゅうのいかりを放ってこおりのいぶきを打ち消した。尻尾の先をロコンに向けるとクルクルと回して来る。するとロコンに巻き付いて電流を流し込んで攻撃し、尻尾で払って攻撃した。
「コーン!」
 地面に叩き付けられるロコン。ハクリューが頭に付いている二つの羽を動かして来た。すると羽根が分離してアローラロコン目掛けて飛んで来た・・・。


続く・・・。

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