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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第34話「届け、ジジーロンの思い イブキが掴むクリスタル」パート6

ヒビキ現在の手持ち
オーダイル(戦闘中)、アローラロコン、コンパン、ルージュラ、ホウオウ、アクジキング


 オーダイルとジャラランガはクロバットに向かって走り出した。クロバットが口からベノムショックを吐くと、オーダイルは片手を突きだしてこれを防ぎながら進んでいく。クロバットの翼を掴むオーダイルとジャラランガ、かいりきを振るってクロバットを押し出していく。
「ワッツ?!」
 クロバットは押し出されていき、投げ飛ばされた。しかし肥大化した翼からシャドーボールを飛ばしたが、オーダイルはみずでっぽうを連射してクロバットの放ったシャドーボールを相殺していった。
「今だ!」
「ジャラランガ、ドラゴンクローよ!」
 イブキの指示でジャラランガはジャンプしてドラゴンクローをしてクロバット地面に叩き付けた。
「行くわよ!」
 腕に装着しているリングにジャラランガZを装着させてZ技を発動させた。
「全てを穿て、龍の咆哮よ!」
 全身の鱗を鳴らして振動エネルギーを溜めていく。空中に飛び上がると、衝撃波を剣を振るう様に飛ばした。ブレイジングソウルビートがクロバットを両断する様に命中、爆発が起こり、クロバットは遂に力尽きた。
「よし!」
「よっしゃ!」
「オーマイガーっ!!!」
 手持ちのクロバットが破れてしたっぱの男は絶叫した。
「へへん、あんたの悪事もここまでだな」
 ヒビキが指を差すとしたっぱの男はすぐに冷静になると高笑いをした。
「ハッハーっ、ミーは敗れても、ロケット団は不滅デース!何故ならコノ地方にはラジオのタワーがアリマース、イマゴロ復活宣言をサレテイルデショウ!」
「え、こいつ何言ってるんだ?」
 したっぱの言葉にヒビキ、ツクシ、アカネの三人はポカーンとしてしまう。このしたっぱはその組織がどうなったのか知っていないのだろうか?
「あのー・・・ちょっといいかな?」
「ワッツ?」
「ロケット団はもう解散して無くなったよ?」
「エ?」
「うち等がやっつけてもうたで?」
「ああ、俺と皆でな」
 ヒビキ達が自分達が倒して解散に追い込んだと話した。
「オ、オ、オーマイガー!!!ミーはコレカラドウナルノデスカーっ?!!」
 したっぱの男はクロバットを戻すとあたふたしながら去って行った。それをヒビキ達は笑い合った。
「まあ、何はともあれ、こいつも助かって良かったな」
「そうね・・・」
 目の前にいる優しいドラゴンポケモンを見上げる。
「ありがとう、貴方は教えてくれた。ただ強くなるだけじゃない、ポケモンの心に向き合い、寄り添って絆を深めていく、その大切さを思い出してくれた。それが解ったからこのクリスタルを手に入れる事が出来た・・・」
 大切な事に気付いてくれた事が嬉しかったのか、ジジーロンは穏やかな顔でイブキを見つめていたのだった。


「ジジーロンを救ってくれてありがとう、そして、イブキに大切な事を教えてくれた事も感謝する」
 フスベシティを去る時、ちょうろう達が来てヒビキに礼をした。イブキとジジーロンもいる。
「いやあ、それ程でもねえよ、何か偉くなったと思っちまうじゃねえか・・・」
「さて、ヒビキとやら、これでバッジが全て揃った。となれば挑むのかね?」
「ああ」
 ちょうろうが言うとヒビキは力強く頷いた。
「ポケモンリーグ、俺は挑戦に行くぜ」
「ほっほ、これは力強い、まあ、トレーナーとして大事な心構えを解っているお主ならきっと乗り越えられるじゃろう、カントーのポケモンリーグ、そこに待ち構えるチャンピオンがワタルじゃ」
「あの人か、確かにそう言ってたもんな、遂にワタルさんのいるリーグに行くか、何だかワクワクしてくらあ!」
 ポケモンリーグ、その頂点に立つワタルとの戦いが待っている、その事にヒビキは心躍らせていた。
「ようし、早速ポケモンリーグに出発だ!」
「待って!」
「うん?」
 イブキがヒビキに声を掛ける。歩み寄ると、ヒビキの手を握った。
「何だ?」
「ヒビキ、貴方にも大切な事を教えられた。相手を思いやる優しさ、それを思い出させてくれた事、感謝するわ」
「何だ、素直に礼が言えるじゃねえか」
「そうね、貴方と彼のお陰よ。ヒビキ、頑張って来なさい、貴方ならきっと彼を超えられる、そんな気がするの・・・」
「へへ、いい笑顔じゃん。あんたのその笑顔、最高にいいぜ」
「そ、そうかしら?」
「ああ、俺が言うんだから間違いはねえ」
 胸を張るヒビキにイブキは笑ってしまった。
「ヒビキ、気を付けていきなさい、貴方なら大丈夫よ」
「おう、じゃあ、行って来るぜ!」
 ヒビキ達を見送りながらイブキは思った。
(彼が、ジジーロンが私を変えてくれた。本当にありがとう。貴方はきっとどんな辛い事も乗り越えて行ける、頑張ってね、ヒビキ・・・)
 ヒビキ達の冒険も終幕を迎えようとしていた。挑むは、ポケモンリーグ・・・!

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