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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第39話「チャンピオンワタル、友情の旅の終わりと始まり」パート3

ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、アローラロコン、モルフォン(戦闘中)、ルージュラ、ホウオウ、アクジキング


 回転した体は宙に浮いて突風を巻き起こしながら上昇した。
「首をプロペラに?!」
「そうだ、首を回転させて空を飛べるのさ!」
 回転しながらモルフォンに迫って来る。
「飛べ、モルフォン!」
 モルフォンも飛翔して空中戦に入る。向かって来るアローラナッシーと距離を取り、隙を窺う。
「ナッシー、風を飛ばせ!」
 ワタルの指示でアローラナッシーは回転している首から円形の風の衝撃波を連射して来た。モルフォンは羽を羽ばたかせてこれをかわしていく。
「首を回転させてるんじゃ迂闊に近寄れねえぜ!」
「あの首の動きさえ止めれば何とかなるよ!」
「おし、だったら・・・!」
 ツクシの言葉にヒビキは策を思い付いた。
「モルフォン、壁に蜘蛛の巣を張るんだ!」
「モルフォン!」
 ヒビキの指示でモルフォンは左右の壁にネットを飛ばして蜘蛛の巣を三つずつ張らせた。アローラナッシーが迫って来ると、後ろに下がりながら誘導させる。ナッシーが真ん中の辺りに来た時だった。
「今だ!」
 ヒビキの指示でモルフォンはサイコキネシスをした。するとネットから糸が伸びて来てアローラナッシーに巻き付いた。粘性の意図に絡まれて首を回せなくなりアローラナッシーは地面に叩き付けられた。
「むしのさざめきだ!」
「モルフォン!」
 むしのさざめきを放って爆発を起こさせた。爆風が晴れるとアローラナッシーは力尽きていた。
「よくやった、戻れ!」
 ワタルはアローラナッシーをボールに戻した。
「では次も一風変わった奴だ!」
 ボールを投げると、赤い帽子をかぶったような頭に菱形の伸びた鼻、傘のような先は赤の黄色の棘の付いた甲羅、バクガメスが現れた。
「何か、亀みたいなポケモンだね?」
「こいつもドラゴンタイプなのか?」
「ああ、バクガメスはほのおとドラゴンのポケモン、炎の熱さとドラゴンのような屈強さがある。さあ、ヒビキ君、君はどうする」
「よし、じゃあ、俺はこいつで!」
 ヒビキはモルフォンを戻してアローラロコンを出した。
「こおりタイプで来るとは、考えあっての事かな?」
「ああ、そのつもりさ!」
「ではバクガメス、燃え上がれ、回転するんだ!」
「バクガーっ!」
 ワタルの指示でバクガメスは体を引っ込めて殻にこもった。すると甲羅を回転させて炎を纏わせて突進して来た。
「ロコン、氷を纏うんだ!」
「コーン!」
 ヒビキの指示でアローラロコンは冷気を纏うと突進した。氷と炎がぶつかり合い、コマのように弾け合った。ぶつかる度に水蒸気が飛び散っていく。アローラロコンはバック転して着地してバクガメスは体を出して地響きを立てた。
「バクガメス、かえんほうしゃだ!」
「バクーっ!」
 バクガメスが鼻からかえんほうしゃを飛ばして来た。アローラロコンは雪を纏って大きな雪だるまになった。かえんほうしゃが当たると雪だるまが蒸気を上げて爆発した。アローラロコンが出て来ると、ふぶきで蒸気をバクガメスに飛ばした。蒸気で視界が塞がれた所でれいとうビームを飛ばして蒸気を凍らせた。
 凍った蒸気が無数の氷柱になったバクガメスに次々と突き刺さった。
「さすがだ、だがこれはどうかな、バクガメス!」
 ワタルが指示を出すとバクガメスは尻尾を向けて火を噴いて燃える糞を無数に飛ばして来た。
「わ、ばっちい!」
 糞を飛ばして来たことにヒビキが尻餅を付いた。
「あの糞、燃えている?」
「ああ、バクガメスの糞は爆発する事がる!」
 そう言って指を弾くと糞が爆発して、炎が跳ねるように向かって来た。これをかわしていくロコンだが、バクガメスが殻にこもって回転してアローラロコンを攻撃した。吹っ飛ばした所でUターンしてアローラロコンを攻撃する。
「中々あちい攻撃だぜ」
「糞が厄介だ、あれを防げば・・・!」
「そうか、ようし!」
 バクガメスが再び後ろを向けて来た。アローラロコンはれいとうビームを飛ばして下半身を凍らせてしまった。
「何?!」
「よし、これで糞は飛ばせないぜ、行くぞ!」
 ヒビキが指示を出すとアローラロコンはジャンプして冷気を纏うと自分の顔を模した巨大な雪だるまを作り出し、バクガメスを圧し潰した。
 雪だるまが砕けてふぶきが舞い、その威力の前にバクガメスは力尽きた。
「ようし!」
「やった!」 
 遂にワタルの手持ちを一体まで追い詰めた。
「さすがだ、ここまで俺を追い詰めるとは。だが俺もチャンピオンとして簡単には膝を屈さない、俺一番の切り札で形成を逆転させてみる!」
 ワタルはバクガメスを戻すと最後の一体を繰り出した・・・。


続く・・・。

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