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*3*
第2話「謎の少年、ヒビキ初のバトル」パート2
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ
「避けろ、ワニノコ!」
「ワニ!」
ヒビキの指示でワニノコはマジカルリーフをかわした。
「どんなもんだい!」
ヒビキが調子よく鼻をこすった。
「ヒビキくん、あれを見て!」
ツクシが指を差した。ヒビキが見ると、かわしたはずのマジカルリーフがワニノコを追いかけていたのだ。
「何、避けろ!」
ヒビキはワニノコにもう一度かわすよう指示を出した。しかし、
「かわしても無駄だ。マジカルリーフは必ず命中する技だ!」
マジカルリーフはワニノコに命中、ワニノコは大ダメージを受けた。
「ワニノコ!」
ヒビキが叫ぶと、ワニノコは何とか起き上がった。
「あの少年、中々強い。このままじゃ・・・」
ツクシはヒビキが負けてしまうかもしれないと思った。
「ふん、所詮はそこらの雑魚と同じだな。不運な奴だな、このポケモンも」
少年は勝ち誇ったようにチコリータに止めを刺すよう指示を出そうとした。その時、ヒビキは頬を両手で叩いて、本気を出した。
「てやんでえ、俺は諦めがものすごく悪いんだよ。こっからが本番って奴よ。いくぜワニノコ!」
「ワニーーーっ!!!」
ヒビキが声を出すと、ワニノコはいかりを使ってエネルギーを放出した。そしてチコリータに前進する。
「ほう、弱いなりに悪あがきに出たか?」
「チコ?!」
少年は余裕の表情を崩さないがチコリータはワニノコがエネルギーをフルに出して突進してくる姿に後退りをしそうになるも、はっぱカッターを連射した。
「ワニワニ!!!」
ワニノコは直撃しながらもこれに耐えてチコリータの前に来て、みだれひっかきとかみつくをして攻撃した。
「チ、チコ!」
予想外の事態にチコリータはつるのムチでつるを伸ばしてワニノコにまきつけに出たが、ワニノコはつるを掴んで、スイングでチコリータをぶん回して、投げ飛ばした。チコリータは地面にぶつかりダメージを受けた。
「チコチコ!」
チコリータは頭の葉っぱを振り回した。そしてワニノコ目掛けて前進した。ワニノコも走り出して攻撃に出ようとしたが、
「待て!」
少年がチコリータを止めた。ワニノコも動きを止める。
「な、何でえ、こっからが勝負だろ」
ヒビキが言うと少年は、
「弱い奴相手にムキになる所だったぜ。こいつを相手にするよりも強い奴を探した方がいいな」
薄笑いをしてバトルを中断して、去っていこうとした。
「お前との勝負はこれで最後だ。あばよ」
「待てよ、勝負の途中で逃げるのか!」
「弱い奴などと関わりたくないだけだ」
「弱いって何だ、べらんめえ!せめて名前ぐらい言えや、べらぼう!」
「お前のような弱い奴に名乗る名などない」
少年はヒビキなど眼中にないとばかりに歩き出した。
「俺はヒビキだ!おい、俺は自分の名前を言ったぞ。先に自分の名前を言ったら相手も名を言う。筋ぐらいはあるだろ!」
ヒビキが叫ぶと、少年は歩を止め、顔を横に振り向いて言った。
「ふん、熱苦しくてうっとおしい小僧だ。いいだろう、お前とはこれで最後だからな。俺の名は、レイ。最強のトレーナーになる男だ」
レイはそう言ってヒビキ達の元を去っていった。
「レイ・・・、お前の名前、覚えておくぜ」
「ヒビキくん・・・」
ヒビキはレイの後ろ姿を息を飲んで目に焼き付けた。今後もあの少年と出会うかもしれない。そして自分に必ず大きな壁として立ちはだかってくる。それを思うと、競いあえる相手に会えた喜びと、強力な相手に出会ってしまったと言う恐れが交錯していた・・・。