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*4*
第3話「ポケモンリーグへの旅、そしてポケモンの捕まえ方」パート1
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ
注目すべきポイント
・犯人扱いされるヒビキを・・・
「頼もーっ博士!何かあったのか!」
赤い髪の少年と戦った後、ヒビキとツクシはワカバタウンに戻り、研究所に入った。
「ヒビキくん、今来たのですか!」
助手がヒビキに駆け寄った。
「助手さん、何があった?!」
「実は、研究所のポケモンを盗まれてしまったのです・・・」
「盗まれた?!」
ヒビキが驚くと、助手はことのいきさつを説明した。
「この研究所には三匹のポケモンを保管していたのですがちょっと目を離した隙に、窓ガラスが割れて少年が飛び込んできたのです。そして三匹のうちの一匹、チコリータを盗んで・・・突然のことでどうすることもできず逃してしまいました・・・」
「そうだったのか・・・、って!」
「チコリータってまさか!」
ヒビキとツクシは顔を合わせて思い出した。そう、ヨシノタウンに来た時に戦ったあの赤髪の少年が持っていたポケモン、そう、チコリータだったのである。
「はあ、盗まれたポケモン。どうなってしまったのでしょう・・・。悪いトレーナーに育てられると悪いポケモンになってしまうって言いますし・・・」
「そうだろうな、ポケモンもトレーナーを見て育つって言うし・・・。で、博士は」
「博士なら今、警察に事情を説明しています」
ヒビキとツクシは研究室へ入った。そこでウツギ博士が警察の事情聴衆を話していた。
「おい、博士!研究所のポケモンが盗まれたって?」
「ああ、ヒビキくん、やっと来てくれたね」
「なんだね君は、私は警察だが」
ウツギ博士から事情を聞いていたおまわりさんがヒビキの所に来た。
「私の推理では犯人は必ず犯行現場に戻ってくるという。と言うことは、君が犯人か!」
「て、えええええ!!!ちょっと待ってくれよ、おまわりのとっつあん、俺、そんなことしてねえって!」
「いーや、怪しいぞ、犯人の子供は君と同じ背丈だったそうじゃないか、怪しい、断じて怪しい!」
「違うって、俺、ポケモン欲しい時があるけどさ、人の物を盗むほど浅ましくねえって!」
ヒビキは大慌てで汗をかきながら否定したが、おまわりさんは食い下がらない。
「その慌てっぷりからすると、やはり犯人である可能性は高いな。ちょっと署まで来てもらおう」
「う、嘘だろ。この年で、刑務所行きになるのか、俺・・・」
おまわりさんの言葉にヒビキは目の前が真っ白になりそうだった。色々なことが浮かんできては消えていき、もうおしまいだと思っていた時、
「待って下さい、ヒビキくんは何も悪いことはしてません!」
ツクシがヒビキをかばっておまわりさんに今までのことを説明した。
「ヒビキくんはポケモンを盗んでいません。僕、見たんです。赤い髪をした少年が盗んだポケモンでヒビキくんと戦ったのを、犯人は赤い髪に切れ長の目、黒の長袖に白紫のズボンを履いた男の子です」
「なるほど、その少年が犯人なんだな、細かい情報、ありがとう。それと君、疑ってしまって済まなかった。許してくれ、ではこれで」
おまわりさんは研究所を出て、その少年、レイの目撃情報は無いか研究所を出た。
「ヒビキくん、濡れ衣をかけられずに済んだね」
「ありがと〜う、ツクシくん!やっぱ持つべきは友達だよな!」
ヒビキは大泣きに泣いてツクシの手を握って振り続けた。
「ま、まあ、君があんな感じの子じゃなくて良かったよ・・・はは」
ヒビキの感激ぶりにツクシは少し苦笑いをしていた。
「いや〜、ヒビキくん、いい友達を持ったね」
「あの、貴方がウツギ博士ですか?」
「うん、そうだけど」
ツクシは憧れの人を見ているような目でウツギ博士を見ていた。
「僕、虫使いのツクシっていいます。こう見えても研究家を目指していて、博士の研究にも一目置いているんです。ここで会えて僕、感激してます」
「そう言われると照れるな、君も見た感じ、中々のトレーナーのようだね、君の頑張りには期待してるよ、さて、ヒビキくん」
「おう、博士」
「見ての通り、大変なことが起きたよ。でも、これにくじけずに僕は研究を続けていこうと思う。それと、君に言っておきたいことがあるんだ」
「俺に言っておきたいこと?」
「ヒビキくん、ポケモンリーグを知ってるかい?」
博士が言うと、ヒビキは思い出したとポンと手を叩いた。
「ポケモンリーグってあれだろ、カントー地方にある、強いトレーナー達が集まる・・・」
「そう、君もこうしてトレーナーになったからどうかな、と思ってね。各地のジムに挑戦して、ゆくゆくは・・・」
「おうよ博士、その言葉を待ってたぜ!頼りになる相棒とのポケモンリーグへの制覇の旅、夢にしていたんだ!」
「それじゃあ、僕も先輩として君に色々教えてあげないとね」
「お、いいのか、ツクシくん」
「もちろん、君とは友達だしね」
「ツクシくん、よろしくお願いします!」
ヒビキは屈託のない笑顔でツクシにお辞儀をした。ウツギ博士は二人を微笑ましく見ていた。彼等ならこの先どんな困難が待ち受けてもきっと大丈夫だろうと、そんな気持ちになれた・・・。
続く・・・。