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第10話「ウバメの森、カモネギ大追跡」パート3
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ
カモネギを何とか捕まえたヒビキ達は早速、そのカモネギをその少年に渡してあげた。
「ありがとう、君達のお陰で助かったよ。でも、カモネギはまだもう一匹いるんだ。お願いしていいかな」
「まだ一匹いんのか・・・」
ヒビキは顎を拳に乗せてどう捕まえるかを考えた。
「うん?」
アカネはある物を見た。その先にはあるポケモンがこちらへ走っているのが見えた。
「ヒビキくん、ツクシくん。何か来てるで!」
「何い?」
「あれって・・・」
ヒビキとツクシが見ると、あれは紛れもないカモネギだった。
「やった、カモネギじゃねえか。こっちへ来るなんて丁度いいじゃん、よし早速・・・」
「待った!」
ヒビキが袖をめくって行こうとするとツクシが冷や汗をかいて待ったをかけた。
「何だよツクシくん、カモネギが来てるんだぜ!」
「そうだけど・・・もう一体、何か来てるよ・・・」
「あ、あわわわわわ・・・」
ツクシとアカネ、そして少年は顔面蒼白になって怯えていた。そしてカモネギもこちらに戻ろうとしているのではなく何かに追いかけられていて、必死で逃げていたのだった。カモネギを追いかけていたのは、
「グマーーーーーーーっ!!!」
とうみんポケモンのリングマだった。よく見るとカモネギはきのみを持っている。餌のきのみを取られたことに腹を立てて追いかけていたのだ。
「そうか、あいつに追いかけられていたんだ!」
「わ、わ、わ、取り敢えずボールボール!!!」
ヒビキは慌てて手持ちの入ったボールを取ろうとしたが突然の事態だったので動転していたので腰に付けていたボールが取れずにいた。
「きゃあああああ!こっちに向かってくるーーーーーーっ!」
アカネはイーブイを抱きしめて目を閉じた。リングマはヒビキ達の前に出て、きりさくに出ようとした。その時だった。
キーーーーン!
ヒビキ達の前にまばゆい光が出てきて、一体の小さなポケモンが現れた。黄緑色の小柄な体型に妖精のような羽根、まさしく精霊のような姿をしたポケモンだった。
「何だ、あのポケモン?」
ヒビキは突如現れた神秘的なポケモンに釘付けになっていた。
そのポケモンはいやしのはどうを放ってリングマを沈静化させた。
「・・・・・・・・」
はどうを浴びたリングマは急に落ち着いて、何事もなかったようにヒビキ達の前を去っていった。
「はー、寿命が10年縮まったぜ・・・・」
ヒビキはすっかり腰砕けになってしまい地面に座り込んでしまった。
「何やったん、あのポケモン?」
「まさか、この森に伝わる精霊ポケモン?」
ツクシはこの森の祠に伝わるポケモンなのでは、と考察した。一方、木炭を作る少年は二体のカモネギを抱きしめて助かった、と大泣きしているのだった。
「いやー、あの時は肝が潰れそうだったぜ」
その後、ヒビキ達は少年と別れて先を進んでいた。お礼の品としてもくたんをもらい、歩いていくと、
「あれ」
「どうしたん、ヒビキくん?」
「誰かいるぜ」
ヒビキは目の前に誰かがいることに気付いた。一目で目立つ、綺麗な単に華美なかんざしを差した女性、
「ヒビキくん、あの人って・・・・」
「まちげえねえ、キキョウシティで会った人だ」
ヒビキ達はその女性、そう、キキョウシティで出会った、まいこはんに声をかけた。
「あの、どうしたんですか?」
ツクシが声をかける。
「あらあ、あんさん達もこの森の出口を探してますの?」
「おう、久しぶり、キキョウシティ以来だな」
「はて、それって何の話ですのん?」
「え、ちょっと待てよ、キキョウシティであんたに会ったじゃねえか」
まいこはんの台詞にヒビキはキキョウシティでタマゴの話をしてくれたことを話した。
「まあ、それはきっとタマオのことやね、うちはコウメと言いますの。あんさんがヒビキはんやね。いきなり悪いんけど、うちを出口へ案内して、ってあんさん等も同じやったな」
まいこはんのコウメはヒビキ達に出口は解らないだろうと思った。
「心配ねえよ、俺にはこいつがいるぜ!」
ヒビキは鼻を擦ると、ボールを投げてオニスズメを繰り出した。オニスズメは羽ばたくと、出口へ向けて羽ばたいていった。
「まあ、あのポケモンはんに付いていけばええのね」
「そう言うこった」
ヒビキ達はまいこはんを連れてオニスズメに付いていった。そして、ようやくそのゲートに到着した。
「ああ、やっとここから出れますわ。うち、方向音痴なもんやから。本間にありがとう」
「いやあ、礼をされるほどでもねえぜ・・・」
まいこはんに感謝されてヒビキは照れ笑いをした。
「ヒビキはん、ワニノコも立派に進化されたようで、どうか、そのポケモンのこと、大事にしてくんなはれ」
まいこはんはそう言ってヒビキ達に礼をして去っていった。
「ヒビキくん」
「何だ、アカネちゃん?」
「ここを抜ければいよいよコガネシティ、つまり、うちと勝負が出来るで!」
「お、そうか、アカネちゃんとの勝負か、そいつは楽しみだ、おーし、早いとこここを出てコガネシティに行くぞ!」
ヒビキは全力になった、ゲートをくぐっていった。だが彼はまだ知らない。アカネがどれほどのジムリーダなのかを・・・。