完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~
*53*
第14話「エンジュジム、VSマツバ」パート1
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、ウソッキー、メタモン、オニスズメ、コンパン(手持ち一体チェンジ)
・今回の注目ポケモン
・ゴース
・ゴースト
・ゲンガー
・今回の注目ポイント
・ジムリーダー、マツバ戦
・ゲンガーの擬似空間
・ゴース、ゴースト、ゲンガーの戦い
やけたとうにいるとされている伝説のポケモンを見にやってきたヒビキ達。途中、ライバルのレイが現れるもジムリーダー、マツバがこれを撃退、地下で伝説のポケモン、エンテイ、ライコウ、スイクンと邂逅して、その後マツバの挑戦を受けるのだった・・・。
<エンジュジム>
「頼もーーーっ!」
エンジュジムの扉をヒビキが開けた。
「マツバさん、いるーっ?」
「うわ、ここ、少し暗いね・・・」
アカネとツクシも一緒に入ると、ツクシは内部がほの暗いことに気付いた。
「何か薄気味悪いな・・・」
「マツバさんはゴースト使いだからね。それらしいといえばそれらしいかな?」
「ま、早くマツバさんの所に行こうで!」
アカネが一足先に走り出した。
「あ、待ってアカネちゃん!」
「ほらほら早く、きゃああああああ!」
ツクシが止めるもアカネは足場のない暗闇に落ちていった。
「げげ、まずいじゃねえか!!アカネちゃーーーーん!」
ヒビキが叫んだ。もしや奈落の底に落ちてしまったのか・・・。最悪の考えが脳裏をよぎったが、
「どしたん?」
「どうしたって、アカネちゃんが、てうおわあああああああ!!!」
隣を見てヒビキとツクシは仰天した。目の前に落ちたはずのアカネがいたからだ。
「アカネちゃん、あの穴に落ちたんじゃなかったの?!」
「うん、けど気付いたら何か元の場所に戻ってたんや」
「て、軽い、軽いよアカネちゃん、そんな簡単に説明がつくことじゃ・・・」
ツクシはこのジムの内部はどうなっているのかと深く考えた。
「まあまあ、無事でよければいいじゃねえか。とにもかくにも注意が必要だぜ、この部屋・・・」
ヒビキはツクシの肩をポンと叩いて終わりよければいいじゃないかと言った。目の前を見ると、人が一人通れるくらいの細い足場があった。
「ははーん、ここを通っていくんだな・・・」
ヒビキ達はその足場を歩いた。足場はとても細く少しでもバランスを崩せば落ちてしまいそうだった。下の方はとても暗く、底が見えない。
「う、うわあ・・・、何も見えねえ。落ちたら本当に怖いって・・・」
ヒビキは下を見て背筋が凍った。動けなくなりそうだったが、下は見ないようにして歩き出した。
「はあ、やっぱり気になるな。このジム本当、どうなってるんだろ。何かしらの力があるのかな・・・いや、まさか・・・」
「ツクシくん、気にしなくてもえんちゃう?でも、うち、こんなおっかない所に落ちたって思うとヒビキさんと一緒で背筋が凍るわ・・・」
ツクシは歩きながら考察していた。マツバのジムは一体、どんな仕組みになっているのか。それが気になって歩みを止めてしまうこともあった。そして細い足場を抜けて、ようやくまともな広いスペースのステージに付いた。
「お、あそこにいるのって」
「マツバさんだ」
ステージの中央、ヒビキとツクシが見るとそこには背中を向けて立っているジムリーダー、マツバの姿があった。
「あの、マツバさん・・・」
アカネが声をかけるとマツバは振り向いて穏やかな笑顔を向けた。
「やあ、君達、来たんだね」
「お、おうマツバさん、あんたに挑戦をしに来たぜ!」
「ヒビキくん、君が来るのを待っていたよ。心から歓迎する。さて、このエンジュシティは昔から伝統に溢れる街でね。伝説のポケモンにまつわるものが他にもう一つあるんだ」
「もう一つ?」
ヒビキが言うと、マツバがそのポケモンに付いて話した。
「スイクン、エンテイ、ライコウ、この三匹を蘇らせたとされる伝説のポケモン。そのポケモンを迎える場がこのエンジュシティにある」
「へえー、そうなん?」
アカネが納得したような顔をする。
「僕は子供の頃から伝説のポケモンについてを教えられてね、そのポケモンに少しでも近付けるよう励んで来た。その手伝いを、ヒビキくん、君に頼んでもらうよ」
マツバはボールを手に取って、ゴース、ゴースト、ゲンガーの三体を繰り出して来た。
「おう、来たな。レイを倒したお化け組か!」
「さあ、来るんだ、ヒビキくん。バトルはトリプルバトルの形式で行こう、どちらかが三匹を全滅させた方が勝ちだ。それでもいいかな?」
「おう、合点だ。どんなバトルでも受けてたってやるぜ!俺はこいつらだ!」
ヒビキはボールを投げてオオタチ、ウソッキー、メタモンの三体を出した。
「なるほど、それで行くんだね。それでいいなら僕は構わない。けど、我ながらに思うけれど、少し物騒に見えるかな?」
マツバはジムの内部を見て呟いた。ゲンガーに視線を向けるとゲンガーはしっかりと頷いた。
「ングググググ、ゲンガーーーーーっ!!!」
ゲンガーは念じると、目を見開いて体に溜まったエネルギーを放出した。するとほの暗かった内部が紅葉溢れる紅葉の森に変わった。
「わああああ、ここ、一応ジムの中なんよね」
「いろんな空間が出来るなんて、すごいな・・・」
アカネとツクシは建物の中なのに外の世界にいるような不思議な感覚になった。
「僕のゲンガーは子供の時から一緒でね、僕と修行をしていくうちに、こんな能力を手に入れたんだ。この方が中々風情があっていいだろう。さて、始めようか、ヒビキくん」
「お、おう・・・!」
早速、バトルの準備に入った。マツバのポケモンとヒビキのポケモンがバトルのステージで三つ巴になってそれぞれの相手と対峙する。
(ヒビキくん、マツバさんは油断ならないよ。穏やかさの裏にはどんな相手にも勝利する実力の高さがあるんだ・・・)
ツクシは心配になってヒビキを見ていた。
「メタモン!」
「キニュン!」
ヒビキの指示でメタモンはへんしんを使ってゴーストになった。見分けがつくよう色は水色である。
「中々、芸達者な子を連れてるね。さて、この僕、マツバに勝てるかな、行くよ!」
マツバの合図でゲンガー達は突撃した。
「よっしゃあ、行くぜ!」
ヒビキも指示を出してオオタチ達も走り出した。バトル始まりである・・・。
続く・・・。