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*6*
第4話「マダツボミのとう、ちょうろうとのバトル」パート1
ヒビキ今回の手持ち
ワニノコ、オタチ、オニスズメ、イシツブテ
今回の注目ポケモン
ワニノコ、マダツボミ
今回の注目ポイント
・ヒビキ初のタッグバトル
ツクシからポケモンの捕まえ方を教わったあと、ヒビキとツクシはヨシノシティを抜けて31番道路に足を運んでいた。
「ツクシくん、ここらで一番近いジムってどこなんだ?」
ヒビキが尋ねると、ツクシは笑顔で答えた。
「ここだとこの31番道路を抜けた先にキキョウシティがあってね。そこにあるよ」
「どんな奴がリーダーなんだ?」
「そうだね、その人はひこうタイプの使い手でね・・・」
「ひこうタイプ?」
ヒビキが首をかしげると、ツクシはキキョウシティのジムリーダーのことを話した。
「大空を華麗に舞うひこうポケモン。彼はそう呼んでるよ。それぐらい、ひこうタイプをこよなく愛してるんだ。ただ・・、愛が凄く強すぎて時折暴走しちゃうことがあるんだ・・・・・・」
そう言ってツクシは、頭をかいて苦笑いをした。どうやらそのジムリーダーと交流があるようだが、その彼に振り回されているんだな、とヒビキはすぐに理解出来た。
「苦労してんな、ツクシくん・・・」
「まあ、それだけ愛情が溢れてるってことだよ・・。あれ?」
ヒビキとツクシは足を止めた。目の前にはたんぱんこぞうやむしとりしょうねんといったトレーナー達が待ち構えていたのだ。
「ありゃりゃ、これは簡単には通してくれなさそうだね・・・」
「洒落た歓迎してくれやがる、ちょっくら相手をしてやるか、行くぜ!ワニノコ、皆!」
ヒビキはワニノコ、オタチ、オニスズメ、イシツブテを前に出して、トレーナー達との勝負に挑んだ。
「僕も一緒に行くよ!」
ツクシもトランセルとコクーンを出してヒビキに加勢した。並み居るポケモン達を蹴散らしていき、先へと進んでいくのだった。
そして、ようやく抜けてキキョウシティの一歩前・・・、
「はあ・・・けっこう多かったね・・・」
「ああ、けど俺とワニノコ達にとっちゃあ、これくらい何ともねえさ。なあ」
ヒビキが後ろを向くと、イシツブテは力なく両手を地面につけてへばっており、その上でオタチがグテーっと倒れていて、オニスズメは座って羽を休めていた。
「なんでえ。おめえら、そのへっぴり腰はよう、これぐらいでへこたれちまってどうする!」
仲間達のへたばった姿にヒビキは怒っていた。
「まあまあヒビキくん、疲れちゃったんだからさ。まずは労ってあげなよ」
「てやんでえ、ワニノコを見てみろい、ピンピンしてやがらあ」
ヒビキが指を指すと確かにワニノコは何ともなさそうな顔をしていた。
「おめえらも少しはこのワニノコを見習って・・・・」
その矢先、ワニノコが表情変えずにドテッと倒れてしまった。
「え、ワ、ワニノコーーーーっ!」
ヒビキは叫んでワニノコに駆け寄った。
<キキョウシティ、ポケモンセンター>
キキョウシティに入ったヒビキ達はポケモンセンターに足を運んだ。手持ちのポケモン達の体力を回復するためだ。ヒビキはワニノコとオタチ達を心配そうに見ていた。
「貴方、ポケモントレーナーとして思いやりに欠けているわ」
ポケモンセンターのお姉さんは厳しい顔でヒビキに注意した。
「ワニノコはあまり感情を表には出さないポケモンなのよ。見た目では疲れてなさそうだけど、ここにいる子達と同じなの」
「くう〜、そうだったのか〜、俺は何て丸太ん棒な奴なんだ、ちくしょう!これじゃあの赤髪のレイと同じじゃねえか。それに気づかねえであんなでけえこと言っちまって・・・・、すまねえ、皆!」
ヒビキは大泣きに泣いてワニノコ達にどけ座して謝った。
「ああ、ヒビキくん、そこまでしなくても・・・」
「いや、させてくれや!こうでもしなきゃこいつらに申し訳がたたねえ!」
ツクシがやめなよ、とヒビキを起こそうとするが、ヒビキは頑としてどけ座をやめなかった。
「ヒビキくん、顔を上げなさい」
「え?」
それを見ていたお姉さんが立ちなさいと穏やかな声で言った。ヒビキが立つと彼の頭を優しく撫でた。
「貴方が善良なトレーナーなことは充分解ったわ。ポケモンにどけ座をする人なんて今までいなかった。貴方なら、この子達も安心ね」
「ポケセンの姉さん・・・、ありがてえ・・・」
ヒビキは感激してペコリとお辞儀をした。
「さあ、この子達も元気になったわ。気をつけて行ってらっしゃい」
ワニノコ達を元気にしてもらい、ヒビキとツクシはポケモンセンターを出た・・・。
続く・・・。