完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~

*68*

第16話「アサギのとうのアカリちゃん」パート2

ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ、コンパン、ウソッキー



「着いたぜ」
 ヒビキ達はアサギシティに到着した。ジョウト地方、唯一の港町で大型船が船舶する港やふなのりたちの憩いの場である食堂、そして船の安全を守るとうだいが置かれていた。
「港があるってことは海があるよな」
「うん、もちろん」
 ヒビキが聞くとツクシは海はあるよと頷いた。
「かーっ、早く海の潮風を浴びて背伸びがしてえな」
 ヒビキは街中で背伸びをして風に当たろうとした。
「そうだ、この子、海を見るのは初めてかな。どんな反応するか楽しみや」
 アカネは抱いているアローラロコンを高く上げて海を見せてやりたいといった。
「そいつはいいな、お、目の前にジムがあるじゃねえか」
 ヒビキが見ると街の入口の近くにジムがあるのが見えた。
「そうだ、このアサギシティにもジムリーダーの人がいてね」
「どんな人だ?」
 ヒビキが聞くとツクシはそのジムリーダーについて話した。
「とても綺麗で可憐で優しい人だよ。何しろ、滅多に相手に懐かない、とうだいのポケモンも心を許しているからね」
「とうだいにポケモンが?」
「そうやで、このアサギシティのとうだいで光を灯してるのはそのポケモンなんやで、確か名前は・・・」
 アカネが名前を言おうとした時、ジムから一人の少年が出て来た。
「う・・・!」
「お前・・・!」
 ツクシとヒビキはその少年を見て険しくなる。そう、赤い髪に黒い長袖、切れ長の鋭い視線、あのレイである。
「何だ、お前等か?」
 レイもすぐにヒビキ達に気付いた。
「てめ、こんな所に・・・」
 ヒビキ達はボールを構えたが、
「おいおい、どうした。何を身構えている?俺がお前等の相手をすると思っているのか?」
「何だって?」
「何度も言わせるな。俺はお前等など眼中に無い。弱い奴と戦っても先が知れてるからな」
 いつも通りにレイはヒビキ達など対象外だと薄く笑った。
「てめ、俺達のどこが弱いって言うんだよ!」
「そうやで、ヒビキさんなんかうちやマツバさんも倒して・・・」
「二人がかりでも、俺に勝てなかったくせにか?」
 レイの言葉にヒビキ達は思い出した。つながりのどうくつでレイからラプラスを守ろうとした時、ヒビキとツクシが二人合わせて戦うも、後一歩まで追い詰められていたことを。
「弱いといえば、ここのジムリーダーもいないぜ」
 レイはジムの方に視線を向けて言った。
「いない?ミカンさんが?」
「ミカン?」
「この街のジムリーダーの人の名前や」
 ここで初めてジムリーダーの名前が解ったが、
「ミカンさんがどうしたの?」
 ツクシが言うとレイは何故いないのかを話した。
「何でも、とうだいのポケモンが病気で苦しんでその看病をしてるんだとよ。ふん、くだらない、弱いポケモンなど放っておけばいいものを・・・」
 レイが不気味に笑うと、ヒビキ達は血相を変える。
「病気で苦しんでる奴を放っておけとは何事だべらんめえ!病気で困ってたら助けるのが当たり前だろうが!」
「そうや、アカリちゃんがいなくなったらとうだいの光がなくなって皆が困るんやで!どうしてそんなひどいこと言うん?」
 あまりの冷徹さにアカネは泣きそうになる。
「だから何だ?俺が求めているのは強いポケモンだけだ。他のことなどどうなろうが俺の知ったことか。病気の奴を助けて何になる。足でまといに過ぎないようなものを・・・」
「足でまといだって、ミカンさんにとってアカリちゃんは大切な存在なんだ。それなら助け合うのが当然だよ!」
「よく言ったぜツクシくん、じゃあ聞くけどよ、お前、自分のポケモンが病気になったら放っておくのか?」
 ヒビキの言葉にレイは予想してなかった問いかけにすぐに言葉が出なかった。
「どうした、反論出来ないのか?」
「・・・・俺に、余計な台詞を吐くな。まあいい、とうだいにでも言ってみろ。少しは強くなれるかもな・・・」
 とうだいに視線をやると、レイは背を向けてアサギシティを去っていった。
「やな感じ、足でまといとか、人間として最低や!」
「へん、味噌汁で顔でも洗いやがれってんだ。けど、とうだいに行ってみるのはいいかもな・・・」
 ヒビキはそう言ってとうだいの方を向いた。
「ヒビキさん、あいつの言うことを聞くん?」
「てやんで、そいつのことじゃねえ。あいつの言うとおりにするのは癪だけど、腕試しにはいいんじゃねえか。それに、ミカンさんって人もそこにいるかもしれないしな。あって俺達に何か出来ないか、行ってみようぜ」
「それはいい考えやね、ヒビキさん」
「だろ、じゃああいつのことはさっぱり忘れてとうだいに行こうぜ!」
 ヒビキ達は早速とうだいに足を運んだ。そして、とうだいの内部に入る。そこではたくさんのトレーナー達がひしめいている。
「うへえ、結構いるじゃん・・・」
「アサギのとうだいはトレーナーの修行の場とも言われているからね」
 ツクシが説明すると、ヒビキがある物を渡した。
「ヒビキくん?」
「カゴのみ、取り敢えずもってけや。何も勝負するのは俺だけとは限らないしさ」
「ありがとう、ミカンさんはきっととうの最上階、ライトルームにいると思うよ」
 ヒビキ達が歩いていくと、
「待ちたまえ、君達、冷やかしか?」
 ジェントルマンの男性、ジョージが勝負を仕掛けてきた。ヨルノズクを繰り出して、ツクシに勝負を仕掛けてくる。
「え、僕?」
「頑張れよツクシくん!」
「そや、ガツンと見せたってや!」
 ヒビキとアカネが応援する。ツクシはボールを投げてイトマルを繰り出した・・・。


続く・・・。

67 < 68 > 69