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第17話「うずまきじまの伝説ポケモン」パート2
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ、コンパン、ウソッキー
周囲を見ても目に見えるのはあたり一面に広がる海だけだった。
「なんてこったーーーーっ!!!」
ヒビキは両手を頬に付けて愕然とした。
「やばいぜ、どうする!これじゃあタンバシティに行けないじゃねえか!」
「落ち着いて、これからどうするかを考えなきゃ!と言っても・・・」
ツクシはヒビキを落ち着かせるも困り果ててしまう。いまいる場所を見ても筏作りに役立ちそうな漂流物などどこにも無かったからだ。ため息を吐いて途方にくれてしまう。
「それなら助けが来るまで待つって言うのは?」
アカネが提案すると、ヒビキがブンブンと首を横に振った。
「ダメダメダメ、それじゃあ時間がかかっちまう。アカリちゃんは急病なんだぜ!」
「そやった。ああ、神様の奇跡の力とかで何とかならへんのやかなあ・・・」
咄嗟に呟いたこのアカネの一言にヒビキは何かピンと来た。
「ヒビキくん、何か思い付いたの・・・?」
<うずまきじま内部>
「ヒビキさん、本気なの?」
アカネは正気なのかと思わずにはいられなかった。
「まさかいるとも解らない伝説のポケモンにお願いしてくるなんて君が言うとは思わなかったよ」
「仕方ねえだろう、急を要するんだから。こういう状況だ。だったらほんのわずかな可能性に希望を賭けるのもいいもんだろう」
「だけど、そう簡単に見つかるのかな」
「あー、うち歩くのしんどくなってきた・・・」
「もう少しの辛抱だ、伝説ポケモンにはすぐ会える。黙ってこの俺に付いて来ーい!」
冒険するかのように鼻歌を鳴らして進んでいく。ツクシとアカネは本当に大丈夫なのだろうかといささか不安を隠せなかった。すると、洞窟の天井からズバットとゴルバットの群れが襲いかかって来た。
「ヒビキくん、襲いかかって来たよ!」
「来やがったな、こっちもやってやるぜ、ツクシくん!」
ヒビキとツクシはボールを投げてオニスズメとレディバを出した。ズバットとゴルバットの群れがちょうおんぱを飛ばしてくる。
「レディバ、スピードスターだ!」
レディバは飛び上がってちょうおんぱをかわしてスピードスターで牽制した。
「オニスズメ、つばめがえし!」
その隙にオニスズメがズバット達に向かっていく。
「イーっ!!!」
つばめがえしを次々と振るい、ズバット達を攻撃、ズバット達は一目散に逃げていった。
「やったな、ツクシくん!」
「ヒビキくんもね」
勝った印のハイタッチをすると、オニスズメとレディバの体が光りだした。
「カーっ!」
「ディプ!」
姿を変えてオニドリルとレディアンに進化した。
「わー、進化した!」
アローラロコンを抱えているアカネが二人のポケモンの進化を喜んだ。すると、
「パウ」
突然三人の前にひょっこりと一匹のポケモンが現れた。
「あ、可愛い!」
「うん、アザラシ見てえな奴だな」
「パウワウだね、でも何で僕達の前に?」
そう言っている間にパウワウは動き始めた。だが所々で動きを止めてヒビキ達を振り向いて手招きをしていた。
「何だありゃあ?」
「もしかして、僕達を案内してるのかな?」
「あいつに付いて言ってみるのもいいかもな・・・」
自分達を伝説のポケモンの所へ案内しようとしているのかもしれない。三人はパウワウの後を追った。
「うわあ、何だよここ・・・」
「真っ暗だね・・・」
「一面何も見えへん」
そして付いていった先にあったのは、辺りが真っ暗で何も見えない暗闇の場所だった。
「ねえ、ここに何かあるの?」
ツクシが聞いて見るとパウワウはパチパチと拍手しただけだった。
『誰だ・・・?』
するとどこからか荘厳で厳かな声が聞こえて来た。
「ええ、誰なん?」
「やいやい、もしや伝説のポケモンって奴か!」
『いかにも、その通り・・・』
「て、以外に素直だな・・・」
あっさりと明かしたことにヒビキはズッコケそうになった。
『ここへ何しに来た・・・』
「何って、俺達あんたに頼みがあるんだ。どうしても助けたい相手がいるんだ。そいつは病気で治すために薬がいるんだよ。頼む、あんたの力を貸してくれ!」
『なるほど、だがその前に試させてもらうぞ・・・』
すると地響きがして来た。
「何だ何だ!」
「あ、見て!」
アカネが指を差した下の方では満ち潮のように海水が上がって来た。
「あ、うわああ!」
するとつむじ風が飛んで来てツクシが巻き込まれて彼は海に落ちてしまった。
「きゃああ、ツクシくんが!」
「ちくしょう、待ってろ!」
ヒビキは迷うことなく飛び込んで必死でクロールをして泳ぎ、溺れているツクシを掴んだ。
「うわあ、もうダメだ、え、ヒビキくん?!」
「もう大丈夫だツクシくん、急いで丘に上がるぞ!」
「でも、この流れじゃとても上がれないよ!どうしてこんな無茶なことを・・・」
泣きそうになるツクシにヒビキは言った。
「べらんめえ、大事な友達がピンチなのにそれを放っておけるかよ!心配すんな!この俺が絶対に助けてやるからな!」
「ヒビキくん・・・・」
目の前にいる友達は命の危機とも言える状況にもかかわらず落ち着いていた。それを見てツクシも嬉し涙を流した。すると、
「あ!」
アカネが驚く。満ちていた海水が干上がって来たのだ。ヒビキとツクシの体が地面に着いた。
「ヒビキくん、僕達・・・」
「ああ、助かったんだ!」
ヒビキはツクシの肩を揺すって安心させた。アカネが丘を降りて二人に駆け寄る。
「ヒビキくん、ツクシくん、良かった二人とも無事で・・・」
「おう、この通り俺とツクシくんもピンピンしてるぜ」
胸を叩いて元気な所をアピールした。すると中央で何かが光り始めていた。パウワウがその方向へと走り出した・・・。
続く・・・。