コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 翼と自転車【更新停止です。】
- 日時: 2016/03/06 22:04
- 名前: ビタミンB2 (ID: f/YDIc1r)
どこかの世界の、ある場所で。
少年は決めた。
死なない、と。戦う、と。
一人じゃないから、出来た決断。
隣に誰もいなくても、一人じゃない。
どうも! 初めましてのビタミンB2と申します。
まだ初心者で初めてなので、色々と駄作ですがよろしくお願いします!
コメントを下さった方々
詩織さん(キャラ:リーパス)
せいやさん
黒い月さん(キャラ:コルヴィス)
ジルさん
杏莉さん
てるてる522さん
cocoaさん
星飯 緋奈さん
どうぞこれからも、よろしくお願いします!
ぜひぜひ、翼たちの頑張りを見届けてやってほしいです!
第一章 ドラゴンの卵 >>1
第二章 昼と夜の王女 >>26
第三章 十二の天柱 >>35
第四章 学びの日々 >>100
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- Re: 【800突破! コメ大歓迎!】翼と自転車 ( No.88 )
- 日時: 2015/07/29 23:23
- 名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)
ビタB2「ねえ、なんか黒い月さんが物凄い形相で『ちょっとこっちこいや』って言ってるけど。」
良目の奴「怖っ……行きたくねえよ……ん? うわあああああ!!」
ビタB2「ご苦労様です、GJです、黒い月さん。そして応援ありがとう!
頑張って更新します!」
本文↓
「パフォーマンス……?」
三人はカラスに乗って、キャッスルストリートを後にした。
「なあ、ホントにどうしたんだよ!」
「王城に入れば分かるって。まあ大丈夫だと思うよ。」
「『だと思う』なのか!」
耳元で羽根の音がする。大きく、少しうるさかったが、カラスはとても速く、あっという間に王城に着いた。窓を全開にし、カラスから直接、城の廊下に移る。翼は少しもたついたが、なんとか移れた。そこに、ばたばた走るピスケスが通りかかった。
「あ! 弟子組の皆! なんか大広間に集合らしいよ〜!」
翼は、ピスケスの服装が変わっている事に気づいた。さっき自己紹介したときは灰色の服だったが、今は濃い紫と銀の鎧をまとっている。正直言って、凄く格好いい。
正装しなければならないほどの事態なのだろうか。でも、緊急なのは確かだ。とても慌てて来たのだろう、武器の大きな針のようなもの数本を脇に挟んで、手を守る防具を着けようとしている。
「それ……多分聖銀器だよな……そんな扱いして良いのか……?」
「大丈夫! 私の<ビーナス>はこれぐらいで怒ったりしないもん!」
四人で、廊下をひたすら走る。コルヴィスがいるのでペースは落としたものの、案外早く扉の前に来た。
「開けるよ〜!」
ギッ、と音がして、扉が開いた。翼は、息を飲む。
「翼……何ポカーンとしてんのよ……」
リーパスが呆れるほどに呆気にとられていた翼は、はっと我に返った。
「え……でも、これっ……!」
翼達の前に広がっていたのは、巨大な遺跡だった。森の中、柱や神殿、石像が古くなりながらも残っている。とても壮大な眺めだ。
「ああ、これはね、大広間の向こうの空間をちょいと歪めて、別の場所になるように仕向けられた魔術だよ〜。」
「出来るのかそんなこと!?」
「うん、強力な魔力を持つフェアリーの双子がやってくれてるよ。それでも、聖銀器のチカラを借りる必要はあるけどね。」
ジェムとミニィの事か。二人はもうすでに来ており、怯えるミニィをジェムがなだめている。水色と銀の鎧がよく似合っていた。
集まっている十二の天柱の中から、こちらに気づいてサジタリウスが近寄ってきた。
「翼! 説明は今からあるから、聞き逃すなよ!」
彼は銀とネイビーの鎧だ。背中に、弓と矢筒を背負っている。
「弓が聖銀器か?」
「ああ、<ケイローン>だ。俺の相棒。」
「相棒か……」
不意に、遺跡群にクリュテムストラの声が響きわたった。凛とした、いい声だ。
「皆さん、今回集まってもらった理由と、任務をお伝えします。」
皆の間に、緊張が走る。
「今日、王都に近いこの遺跡に封印している危険種、ヒドラが暴走しました。ヒドラにかけた封印は破られ、神殿そのものの結界で、なんとか神殿内にヒドラを押し込んでいるような感じです。」
翼は結構驚いたが、他の皆はこの空気を楽しんでいるようだった。なんて不謹慎な。
「そこでです。全員でかかると一瞬でカタがつきますので、少しつまらないですよね。弟子への教えも兼ねて、サジタリウスさん、レオさん、バーゴさん。討伐を命じます。」
三人の反応は様々だった。サジタリウスは顔をしかめたし、レオの顔は輝いた。バーゴは黙って、鎧を直している。だが、返事は一つなのだろう。
「よろしいですか?」
「了解……」
「了解っ!」
「了解。」
レオはとてもはしゃいでいて、渋い顔のサジタリウスに絡んでいた。
「どしたんや、サジタリウス! 自信なかったら見てるだけでもええんやで!」
「ちげーよ! お前ら二人に比べて技が地味だから渋ってんだ!」
「久々の狩りなんや、もっと明るい顔せえって!」
そんなレオを、バーゴが止めた。戦闘の前だというにもかかわらず、変わらず冷静だ。
「あんまはしゃぐと、隙ができて死ぬぞ。」
「わかっとるわ!」
翼は、サジタリウスに声をかけた。少しでも励まそうと思っていた。
「サジタリウス、俺は地味でも気にしないからな。」
「おう……地味なことは確定なんだな。」
「……その……」
もうすぐ神殿が突破される、と、クリュテムストラの声が言った。翼は、ある言葉を口に出そうか迷っていた。笑われるかもしれない。でも……。
「……武運を祈ってる…………師匠。」
サジタリウスは、黙っていた。しかし、不意に笑顔になると、一言言った。
「勝ってくるぞ。」
ヒドラの暴れる音が、すぐそこまで迫っていた。
- Re: 【師匠三人がヒドラと戦闘!】翼と自転車 ( No.89 )
- 日時: 2015/07/30 16:23
- 名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)
ついにバトルモード突入です!
上手く書けるかな……あとなるべくサジタリウスが地味にならないようにしなきゃ……
本文↓
神殿の壁が崩壊し始めた。もったいない。遺産が一つ、無くなってしまう。
俺は背中から弓と、矢を取り出して、少し後ろに下がる。弓は後方支援が基本だ。
……それにしてもあいつ、この世界に来て6、7時間でようやく師匠、って呼んでくれたな。
「カッコいいとこ見せなアカンなぁ。」
レオが笑って、俺を見た。こいつは狩りとなると喜ぶわ喜ぶわ。対してバーゴは平静そのものだ。
「まあヒドラの力はどの程度が大体分かるな?」
「ん? 俺はヒドラ見たことねえぞ?」
バーゴがため息をつく。
「そうか、お前ヒドラ封印の時熱出して寝てたもんな……三人じゃちょいキツい、ぐらいの相手だ。」
ああ、思い出した。俺は熱出して、城で唸ってたな。
「まあ頑張れば何とかなるやろ。」
「そうだな……それぞれ弟子の勉強になるように、頑張ろうぜ。」
いよいよ神殿の壁が崩れる。戦闘しない奴らは後ろまで下がっていた。ジェムとミニィが防御の魔壁を張っているから大丈夫だろう。
ヒドラの叫ぶ声が聞こえた。神殿の扉、柱が壊され、遂に、ヒドラが姿を現す。
「……首多くね?」
思わず呟いてしまった。バーゴが鼻で笑う。
「九本だってよ……一人三本か?」
九つの、蛇の様な首が、毒々しい紫の体に繋がっている。それ全てをくねらせ、ヒドラは暴れていた。
いち早く動いたのは、レオだった。地面を蹴り、一瞬で首のところまで跳び、右端の首を切り落とす。
レオは、手の防具を着けていない。その代わりに、手に付け爪型の聖銀器<エウリステウス>を着けていた。爪一つ一つが刃になっていて、とても危険なシロモノだ。
「よっしゃ…………ん?」
ヒドラの様子がおかしい。苦しんでもいない。やがて、切り落とされた所から、首が再生して生えてきた。
「先に言えよ! 再生するって!」
「昔、封印した時は首を切っていない……想定外だな。」
ヒドラの首が動き、三本で、それぞれ俺たちを攻撃しに来る。俺は、咄嗟に矢を放った。
<ケイローン>は、とても便利だ。
通常、一本しか放てない矢。しかしこの弓矢は光の弓矢。光の残像を使い、連続で放てる。矢は、喉辺りに命中した。しかし、鱗が邪魔だ。深くは刺さらなかったようだ。
「固てぇなあ……」
攻撃が緩んだ隙に、バーゴとレオが首を絞め上げる。切っても駄目なら絞めてみろ、ということだ。
だが、ヒドラの方が力が強い。振りほどかれて、二人は地面に落ちた。
「もう、こうなったら埋めろ! バーゴ!」
バーゴは顔をしかめたが、すぐ技をかけた。
「大地鳴動。」
バーゴの銀の肩当てが光った。<デメテル>は、大地を司る。地割れが起き、土がもりあがり、岩が転がり、ヒドラを地面に埋めていく。この技が発動したら、もう大地はバーゴのものだ。
大技だけあって、三日に一度ぐらいしか使えない。だが、もう勝負は決まった。ヒドラは、完全に地面に埋まった。もう出てこれないだろう。俺はほっとして、ため息を一つついた。
その時、おもむろにレオが空に鼻を向け、直後、舌打ちをした。
「何なんや、こんな時に!」
あっという間に暗雲が立ち込め、豪雨が降り始めた。
「なっ……!」
地面は水浸しになり、緩んでいく。緩んだ地面の下から、叫声をあげながら、泥だらけのヒドラが出てきた。バーゴが歯ぎしりをする。
戦局は振り出しに戻った。
- Re: 【師匠三人がヒドラと戦闘!】翼と自転車 ( No.90 )
- 日時: 2015/08/01 17:22
- 名前: 詩織 (ID: uqhP6q4I)
>ビタミンB2さん
応援ありがとうございますー!
すっごく嬉しい。暑いけどがんばります。
私はB2さんの切り替え好きですよ〜。
すごく笑えるテンポいい部分と、深い意味があるような一言がでてくる場面がどちらもあって。
翼、リーパス、コルヴィスの話は、それぞれ背負ってるものがあるけど、それでも3人のやり取りが、なんだか暖かくって好きです。
もっと読んでいたいと思いました。
次はバトルシーンですね!師匠たちの戦いっぷりが楽しみです。
がんばってくださいね。
- Re: 【もうすぐ900! 伸びろおお!】翼と自転車 ( No.91 )
- 日時: 2015/08/04 07:03
- 名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)
もっと読んでたい……?
……ちょっと部屋の隅で泣いてくる。
やっぱ年とってくると涙腺が緩くなって……(現役学生です)
みなさんの(現在2人だけど)応援が心にしみます……応援がなかったら私はとっくに書くのをやめてます!
あれ、弟子の二人がなんか言いたそうにしてますね。
「B2のバトルシーンに期待しない方がいいよ? ……このバトルと一連の展開では、私は絡まないけど……私の活躍は、ぜ〜んぶ生みの親の詩織さんに捧げるよ! あなたがいなかったら、私は生まれてないもんね! ……生んでくれて、ありがとう!」
「……僕はいつも、自分が死ぬのが不安だよ。でも、これは自信を持って言える。黒い月さんに、生みの親に、体も心も強くなった、って認めてもらうまで、絶対、僕は死なない。絶対に。……生んでくれて、僕に強い意思を与えてくれて、ありがとう。」
↑ 誰が言ったか分かりますよね?
きっと弟子達なりの「ありがとう」なのでしょう。もちろん私も感謝してますよ!
あと2日3日書けないので、朝早いですすみません!
- Re: 【もうすぐ900! 伸びろおお!】翼と自転車 ( No.92 )
- 日時: 2015/08/08 07:25
- 名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)
お久しぶりです!
暑い暑い暑い蒸し暑い……
扇風機は神だ……
そう言えば最近、あるFEifパロディの動画を拝見しました。危うく中毒になるところでした。ジョカム超いい、可愛い……
本文↓
「バーゴ。」
「あ?」
「……もうそろそろ本気出してええん
やないか?」
いきなりレオが、不満をあらわに言う。バーゴは濡れた顔をしかめた。
「もうか?」
俺も、あまりレオには賛成できない。
「もう少し、やられたって……」
「ええやん! こんなの茶番にしかならへんわ!」
「……レオの言う通りよ。」
後ろから、唐突に声が聞こえた。よく通る、いい声だ。
俺は、後ろからやってきた人物を見て、驚き、目を見開いた。
「お前……何しに来た!」
緑の髪が揺れ、黄金色の双眸が鋭く光る。
「何って……色々と、ね。」
アリエスはむっとした仏頂面で腕を組んだ。そして、唐突に喋り始めた。
「あんたたち。弟子たちの心臓に悪いから、茶番はもう終わりよ。大体、ヒドラ程度の危険種に苦戦していたら、十二の天柱としての示しがつかないわ! なんでちゃっちゃと片付けないのよ!」
俺は少し頭にきて怒鳴る。
「手早く片付けたら、弟子たちの勉強にならないだろ! そこらへん分かれよ……」
「お前ら、仲良しなのはいいがほどほどにしろ。ヒドラを倒してから話せ。」
バーゴに呆れられた。
仲がいい、と言われさらに頭にきたが、言っていることはもっともなので言い合いを止めた。
「で、アリエス、なんでお前が来たんや?」
「見苦しかったからに決まってるじゃない。あんたたちの戦いが。私の意見に賛同した人たちの代表で、伝えにきたのよ。つまんない、ってね!」
「何だと羊女……!」
「ちなみに、私の意見に賛成した人の中には、翼もいるわよ。」
ズバッと言われ、少しショックを受ける。翼あの野郎……!
「『せっかく武運を、と言ったのにかっこ悪い。もっとかっこいいところが見たい。』だって。」
俺は頭を掻いた。
「まったく、疲れること言いやがって……」
でも、せっかくここの世界まできてくれた翼のためにも、師匠らしいところを見せなくてはいけない。
「じゃ、頑張ってヒドラを狩ってね。」
「「「……え?」」」
盛大にハモってしまった。まあ、仕方ない。
「な、何よ。」
「お前……手伝わねえの? 狩りを。」
「なんであたしが……」
「せめて雨を止めるぐらいやっていけ。視界が狭くて殺りづらいからな。」
バーゴにも要求され、アリエスは渋々といった感じでOKした。
「いいわよ。雨を止めるだけやってあげる……その代わり三人には、今度食堂で特大桃プリン奢ってもらうわよ。」
「なんでだよ……」
アリエスは、銀の笛を取り出した。そして、静かに、長く吹き始める。すると、どこからともなく、羽が生えた、小さな青い生き物が降りてきた。アリエスの口が動く。
「お願い、飲み干して……水のニンフ。」
ニンフと呼ばれた生き物は、嬉しそうにあたりを飛ぶと、そばにある大きな葉っぱをちぎった。葉っぱが大きくて、ニンフが葉っぱを持っているのか、葉っぱがニンフを持っているのか分からない。
ニンフは、縦に葉っぱをかかげた。
その瞬間、轟音と共に、雨が全て葉っぱの上に集まっていった。重力に逆らい、凝縮され、歪んで、雨の玉は大きくなっていく。
「……すっげ。」
雨の玉がニンフの頭の大きさに達する。ニンフは、葉っぱの角度を傾け、雨水を美味しそうに飲んだ。
その頃には、もう雨なんて一滴も落ちてきてはいなかった。
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