コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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翼と自転車【更新停止です。】
日時: 2016/03/06 22:04
名前: ビタミンB2 (ID: f/YDIc1r)

どこかの世界の、ある場所で。

少年は決めた。

死なない、と。戦う、と。

一人じゃないから、出来た決断。

隣に誰もいなくても、一人じゃない。


どうも! 初めましてのビタミンB2と申します。
まだ初心者で初めてなので、色々と駄作ですがよろしくお願いします!

コメントを下さった方々

詩織さん(キャラ:リーパス)
せいやさん
黒い月さん(キャラ:コルヴィス)
ジルさん
杏莉さん
てるてる522さん
cocoaさん
星飯 緋奈さん

どうぞこれからも、よろしくお願いします!

ぜひぜひ、翼たちの頑張りを見届けてやってほしいです!

第一章 ドラゴンの卵 >>1

第二章 昼と夜の王女 >>26

第三章 十二の天柱 >>35

第四章 学びの日々 >>100

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Re: 翼と自転車【1500達成ありがとう!】 ( No.123 )
日時: 2015/12/16 23:39
名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)





______国境付近より、エルローシュ村へ向かう影、二つ、あり。

ヒドラ回収に失敗し、追加の指令を達成しようとしている、兄妹。

その身からは、底知れぬ闇の気配が漂っていた_______



「お兄ちゃ〜ん、疲れた〜。」
「我慢しろ。少しは辛抱というものを覚えろ。」
森の中を進む二人は、黒いローブを纏い、鉄色の髪、瞳と、とてもよく似ていた。血の繋がりがあることが、一目瞭然である。

「というかさ〜、ヘラ様、きびしーよねぇ……千年樹の枝って……そもそもどこにあるの?」
兄と呼ばれた方は、ため息をつき、妹を振り返る。
「だから我慢しろって。祖国の為、ヘラ様の為だろ?」
「は〜い……」
妹のやる気は戻らず、だらだらした返事が返ってくる。

(だらだらモードのこいつに付き合うのも面倒だな……)
その直後、兄は、秘密兵器を持っていたことを思い出す。あまり好ましくないが、仕方ない。
「おい。」
「ん……? なに……?」
「……千年樹の枝、フォルティシュタインの奴も狙ってて、会敵の可能性が高……」
「……本当に?」
ぞくりとするような、低い声が発せられる。兄は、軽く驚いた。妹が、こんなに早くやる気……もとい、「殺る気」を見せるのは珍しい。
それだけ、フォルティシュタインの奴を好敵と認めているのだろう。

磨かれたようによく光る、鋭い双眸。
その奥には、確かに狂気が宿っている。
「……一応、捕獲優先だからな。」
「ふふふ、了解……! よし、アクイラお兄ちゃん、スピードあげて!」
「いきなりは無理だぞ、リラ……」

二つの影は、エルローシュ村まで進んでいく。

翼達もまた、目的地を同じとし、進む。

____出会いの時は近い。

Re: 翼と自転車【1500達成ありがとう!】 ( No.124 )
日時: 2016/01/11 12:17
名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)

みなさん!
申し訳ありませんでしたあああああああああああああああああ!

更新するとか言っておきながら、長々とすっぽかしてしまい……
「しょうがないなあ……今回だけだよ?」
と言ってくれる画面の前のあなたがいたら、もうありがとうございますしかないです。
そもそも私みたいなやつの小説を、読んでくださる読者様がいて下さるだけでありがたいです!
と、いうわけで(おい)今年もよろしくお願いいたします!

本文↓
「うーん……困ったな……」
「これは……」
翼達は、目の前の光景と地図を見比べて、立ち尽くしていた。
[この洞窟を通らなきゃいけないんだろ?]
「それはそうなんだけどね……」
コルヴィスが、ため息をつく。
翼達の前には、洞窟……の入り口に、ぎゅうぎゅうに詰まった岩石があった。
リーパスが、いかにも憤慨した感じで頬を膨らませる。
「何よ、これ! 完っ全に嫌がらせじゃない!」
「そうとも限らないよ、リーパス。」
「でも、自然にこーんな見事に岩が詰まると思うの?」
確かにそうだ。きっちり詰まった岩には、ある意味整然とした感じさえある。
「それに……」
何なのだろう、この、何かが潜んでいるような、気配は。

はっと、リーパスが顔を上げた。
「ねえ……何か、聞こえない?」
「え?」
辺りが静かになる。耳を澄ませてみても、なにも聞こえない。
リーパスが、すたすた岩まで歩いていき、長い耳をぴったり岩肌につけた。
「ほら、聞こえる……どくんどくん、て。」

____その刹那、強烈な殺気が、翼達を襲った。
「……う…っ!」
素人の翼にもはっきり分かるような、悪意。
「リーパス、離れて!」
つけていた耳を離し、跳びすざるリーパスだが、遅い。
岩石から、岩でできた腕が伸びてくる。そして、リーパスの胴をがっちり掴んだ。
「な、なにこいつ!?」 
どこからともなく、コルヴィスが大きな鎌を取り出して、腕に切りかかった。だが、固くて切れない。腕にはねとばされ、弧を描いて翼の頭上に落ちてくる。
「……!」
なんとかコルヴィスを受け止める。
「ちょ……大丈夫か、コルヴィス!」
「翼君……」
コルヴィスが起き上がりながら言った。
「逃げて。霧の精と出会った所ぐらいまで。」
「え?」
リーパスが、必死に抜け出そうともがいている。が、力が強すぎて抜け出せない。
コルヴィスが、赤い眼で、翼を見た。
「すぐに合流するから……おいで、カラス。」
間もなく、森の上に二羽の巨大なカラスがやって来た。大きな翼で、バサバサ羽ばたいている。
コルヴィスは、にっこり笑って言った。
「いくよ。リーパスを助けないと。」

Re: 翼と自転車【1500達成ありがとう!】 ( No.125 )
日時: 2016/01/11 21:24
名前: 詩織 (ID: 5fqeGTW2)

>>ビタミンB2さん

わーい(^^)お久しぶりです。
お待ちしてましたよ!

ひさしぶりの翼くんたちも何やらドキドキする展開ですね。
描写がすごくイキイキしてるので臨場感たっぷりで楽しいです。

続き、がんばってくださいねー。

今更ですが、一番最初の

『一人じゃないから、出来た決断
隣に誰もいなくても、一人じゃない』

これが大好きです。

Re: 翼と自転車【1500達成ありがとう!】 ( No.126 )
日時: 2016/01/14 05:31
名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)

詩織さん
あけましておめでとうございます!
お久しぶりです〜。お待たせしてすみません……

一番最初のアレは、ラストスパートあたりで出したい……ですね。楽しみにしていて下さいね!

本文↓
コルヴィスの後ろ姿を見ながら、翼は立ち尽くしていた。
いつの間にか、肩に乗っていたメテオが言う。
[……逃げるしかねえよ。お前、戦えねえんだろ?]
拳をぎゅっと握りしめる。悔しいが、メテオの言うことは凄く正しい。自分に出来ることは、足手まといにならないこと。
(俺は戦えないから。俺は戦えないから……ん?)


『使役は、自分に扱えないチカラを、他の誰かに借りる……そんな感じ。』


アリエスは、そんな事を言っていた。
(『俺は』戦えない。けど……!)
「メテオ。」
[ん?]
「お前、ドラゴンだよな? 火とか、吹けるよな?」
[い、一応やれる……って、まさか。」
翼の口角が上がった。

甘えっぱなしで、何が友達だ。
助け合ってこその、友達だろ?
「いくぞメテオ、指示通りに動けよッ!」

Re: 翼と自転車【1500達成ありがとう!】 ( No.127 )
日時: 2016/01/16 05:01
名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)

翼は、駆け出していた。
隣で、メテオが羽ばたく音が聞こえる。
今もなお、戦うコルヴィス、リーパスの元へと走った。
カラスの黒々とした羽の向こう側で、コルヴィスが振り返り、目を丸くした。
「……翼君。」
「翼! メテオ! 逃げないと!」
リーパスが、掴まれながら叫ぶ。
翼はそれを無視し、まだ暴れる岩の腕に向け、手をかざした。
「……行け!」
次の瞬間、翼の前にいるメテオが火を吹いた。
その小さな身体からは想像もつかないほど、火力は半端ない。熱い風が、翼の顔も火照らせる。
噴き出す炎は波となり、腕を襲った。腕が、驚いた様に、びくりと震える。
緩んだ指の隙間から、リーパスが抜け出してきた。
「リーパス!」
翼は、メテオに火炎放射を止めさせた。地面に着地したリーパスが、駆け寄ってくる。
「翼! あんた、いつから使役を使えるようになったの!?」
「……え?」
今のが使役、なのだろうか?
確かに、かざした手の指の先から何かが弾けたような気はした。
「気を付けて、まだ、終わってないよ……」
コルヴィスが、息切れしながら言った。翼とリーパスとメテオは、はっとして腕を見る。

腕は、自分の手のひらに、石を集め、巨大な塊を形成している。
「……! あれ、飛ばす気じゃないのか? 割らないと!」
コルヴィスが、首を横に振る。
「駄目だ。僕も試したけど、到底割れそうにない。ここは避けるしか……」
「待って。」
リーパスが、皆の前に立ちはだかる。そして、片脚を上げて構えた。
「ちょっ……何やってんだ!」
「みんな、私を助けるために頑張ってくれたから。今度は私の番!」
岩の手の中にある塊は、どんどん大きくなっていく。やがてギリギリのサイズになると、腕は塊を持ち直し、反動をつけ……投げた。

物凄い勢いで飛んでくる塊。リーパスは、その動きに合わせ、思いきり右足を振り抜いた。
「はあああああああっ!」
跳ね返った岩は、腕に向かってまっすぐ飛んでいき、腕に激突した。
耳が壊れそうな爆音が響く。砂煙がもうもうと立ち込める。


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