コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 翼と自転車【更新停止です。】
- 日時: 2016/03/06 22:04
- 名前: ビタミンB2 (ID: f/YDIc1r)
どこかの世界の、ある場所で。
少年は決めた。
死なない、と。戦う、と。
一人じゃないから、出来た決断。
隣に誰もいなくても、一人じゃない。
どうも! 初めましてのビタミンB2と申します。
まだ初心者で初めてなので、色々と駄作ですがよろしくお願いします!
コメントを下さった方々
詩織さん(キャラ:リーパス)
せいやさん
黒い月さん(キャラ:コルヴィス)
ジルさん
杏莉さん
てるてる522さん
cocoaさん
星飯 緋奈さん
どうぞこれからも、よろしくお願いします!
ぜひぜひ、翼たちの頑張りを見届けてやってほしいです!
第一章 ドラゴンの卵 >>1
第二章 昼と夜の王女 >>26
第三章 十二の天柱 >>35
第四章 学びの日々 >>100
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- Re: 翼と自転車 ( No.4 )
- 日時: 2015/02/03 23:54
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
「ストップ、ストップーーー! 何が起きたんだ!? 説明しろ!」
「あー……えーと、詳しくはWEBで!」
「おい!!!」
怒鳴り散らす翼を丸い目で見ていたドラゴンは、「まあまあ落ち着けよ」とでも言うように、翼の肩に乗る。
「うわ!」
そして、自分の頭を翼の頭にすり付けた。隣で配達員の青年が言う。
「簡単に言うとさ、まぁ……何て言うか……お前がそのドラゴンに選ばれた的な? 中二っぽいけど。」
「めちゃくちゃファンタジックな事をさらっと言ってくれるな……」
翼は、そう言いながら自分を見直してみた。ボサボサの黒い髪。睡眠時間14時間なのでクマは無い。中三の冬から高一の夏にかけ、現在進行型で絶賛引きこもり中だ。引きこもり歴はまだ半年なので、かろうじてコミュ障にはなっていない。
「何でこんな俺が選ばれるんだ……?」
ドッキリかと思ってカメラを探してみたりするが、カメラは見つからない。
それに、このドラゴンも本物だ。抱き上げると、微かにあたたかい。
- Re: 翼と自転車 ( No.5 )
- 日時: 2015/02/06 23:14
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
「何だかわかんねえけど、めんどくさいってことだけは理解出来た。で、どうすればこの状況を打破出来るんだ?」
「俺についてこい。そーすれば、全部わかるはずだ。」
翼は青年とドラゴンを交互に見て、溜め息をついた。
「お前が誘拐犯っていう可能性もあるだろ。」
「普通の誘拐犯がドラゴン連れて現れるかよ。」
「普通の誘拐犯っていう表現は何かおかしいぞ。」
ツッコミを入れた後、翼は目を閉じ、下を向いて考えた。ドラゴンと青年は、それぞれ柔らかい表情で翼の答えを待っている。
(この人と一緒に行ったら、同じような日々を抜け出せるかもしれない……)
親にも腫れ物扱いされ、居場所があるとしたら自分の部屋しか思い浮かばない。
(もし、俺の部屋以外の居場所をみつけられるなら。)
翼は目を開けた。
- Re: 翼と自転車 ( No.6 )
- 日時: 2015/02/07 23:06
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
「……行く先が何処だろうと、ここを抜け出せるなら何でもする。」
正直な言葉が、口から出た。
「うおしっ! やりぃ!」
青年はガッツポーズをとった。その横で、ドラゴンも嬉しそうに鳴いている。
「そうと決まれば早速いくぞ。ついてこい!」
そう言って、青年は玄関を飛び出していった。
「すげえ喜んでるなあ……。そんなに嬉しいのかな?」
ドラゴンが、せかすように翼のズボンの裾をくわえて引っ張る。
「……楽しいとこだといいな。」
靴紐をいつもよりきつめに締めて、翼は半年ぶりに直接日の光を浴びた。
- Re: 翼と自転車 ( No.7 )
- 日時: 2015/02/08 22:52
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
「うはぁ……暑い……蝉うるせえ……」
ギッラギラの直射日光がキツイ。その暑さを引き立てるような蝉の大合唱に、翼は発狂しそうだった。
「さっきまで格好いいセリフ言ってたくせにもうへばってんのか〜」
「黙れ……あれはその場のノリっていうやつがだな……」
いじってくる言葉に反応するのも辛い。
「まあどーでもいいから早くこいよ!」
青年を見ると、青い自転車にまたがり親指で「乗れ」とばかりに自分の後ろを指している。ドラゴンはちょこんとカゴの中に収まっていた。
「男と二人乗りかよ……暑苦しい……」
「しょーがねーだろ! 早く乗れ!」
翼はしぶしぶ、後ろにまたがる。
「よっし! 出発進行!」
「おー……?」
掛け声に答えるように、カゴの中のドラゴンもキューッ、と鳴いた。
- Re: 翼と自転車 ( No.8 )
- 日時: 2015/02/10 22:55
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
翼の家のすぐ脇には、長く、急な坂がある。「心臓破りの坂」という名前らしい(近所の小学生命名)。そこを自転車で一気にかけ降りるなど自殺行為に等しい。バランスが取れなくなり、大惨事となってしまう。その自殺行為を、翼たちはやろうとしていた。
「ま、待て……! 早まるな、命を大事にした方がいいぞ。」
「何いってんだ、ここを思いっきりいかねえといけねえんだよ!」
青年は今にも飛び出さんとしている。そしていきなり、翼の方を向いて、真面目な顔で言った。
「お前、何か言い残すことはあるか?」
「そういうこというなよ、アホっ!」
「ははははは! わりぃわりぃ!」
ひとしきり笑った後、再び前を向き
「よっしゃ、行くぜ!」
そう言って、ペダルを思いっきり踏んだ。
「うわああああああ! 無理無理! 止まれ!」
翼が絶叫して、青年に回した腕に力を入れた。青年はというと、楽しそうに笑いながらぐんぐん加速を促している。50度ぐらいの傾斜を疾走する青い自転車は、流星のようだった。
「いいか、これからだぞ! しっかり見とけよ!」
青年は、一生懸命ペダルをこいだ。すると、自転車の前輪が少し浮いた。
「え……?」
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