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- 翼と自転車【更新停止です。】
- 日時: 2016/03/06 22:04
- 名前: ビタミンB2 (ID: f/YDIc1r)
どこかの世界の、ある場所で。
少年は決めた。
死なない、と。戦う、と。
一人じゃないから、出来た決断。
隣に誰もいなくても、一人じゃない。
どうも! 初めましてのビタミンB2と申します。
まだ初心者で初めてなので、色々と駄作ですがよろしくお願いします!
コメントを下さった方々
詩織さん(キャラ:リーパス)
せいやさん
黒い月さん(キャラ:コルヴィス)
ジルさん
杏莉さん
てるてる522さん
cocoaさん
星飯 緋奈さん
どうぞこれからも、よろしくお願いします!
ぜひぜひ、翼たちの頑張りを見届けてやってほしいです!
第一章 ドラゴンの卵 >>1
第二章 昼と夜の王女 >>26
第三章 十二の天柱 >>35
第四章 学びの日々 >>100
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- Re: 翼と自転車 ( No.29 )
- 日時: 2015/03/27 21:20
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
「じゃあ……よろしく……」
「はい! よろしくお願いします!」
クリュテムストラが翼の手を握ってくる。女子に免疫の無い翼は、少しどぎまぎした。
「それでは本題に入りましょうか。」
「ああ。」
「あまり難しい話は無しですわよ、クリュテムストラ!」
クリュテムストラはにこっと笑い、口を開く。
翼さんがこの世界に飛んで来るとき、白く輝く光の粒が無数にある光景を見ませんでしたか? 私たちは、その粒の1つ1つが『世界』と考えているのです。
無数にある世界の中の1つ、その中の1つの王国がここ…………フォルティシュタイン王国というわけです。
訳がわからない、という顔ですね。
それでいいんですよ? 実際私も分かりませんし。
今度はこの国の事についてお話します。この国は、少し変わった国家です。
- Re: 翼と自転車 ( No.30 )
- 日時: 2015/03/27 22:21
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
まず頂点に私とお姉様……2人の王女がいます。その1つ下には、大臣でも、宰相でもなくて、『十二の天柱』という組織が存在します。サジタリウスさんから聞きましたよね? 彼らは、大きな功績を残した者や先代の弟子である場合が多いんですよ。だから、翼さんも頑張れば『十二の天柱』の1人になれるかもしれませんね。
弟子の事はサジタリウス様から聞きましたね? ……えっ? 何をするのか聞いていないと。きっと弟子が出来て嬉しくて話すのを忘れてしまったんでしょうね。
弟子、というのは、師匠に学び、師匠のそばにいて助ける……つまり、師匠に戦い方、礼儀などを教えてもらい、師匠の支えになる……というような感じですね。
そうです。戦うこともありますよ。
そして、弟子を探すため、サジタリウス様は翼さんの世界にやって来たのです。私は、サジタリウス様に特殊なドラゴンの卵を預けました。詳しくはまた別ですけど、このドラゴンは才能ある者の手に渡らないと産まれないのです。
そうやって選ばれたのが、翼さん、あなたです。
- Re: 翼と自転車 ( No.31 )
- 日時: 2015/03/30 12:22
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
「へえ……」
話が大きすぎて、これぐらいのことしか言えない。ヘレンは既に寝ている。メテオが
[自分スゴいだろ!]
と言うように胸をはって……ん?
「喋った……のか……?」
「あ、声が聞こえました?」
クリュテムストラは微笑むと、
「良かったですね! 第1段階クリアです! やっぱり翼さん、才能あるんですよ。」
「人の言葉を話すのか……?」
「いえ、そのドラゴン……メテオの思いが翼さんに伝わったんですよ!」
メテオは、黄色い目で翼を見据える。
[お前、ネーミングセンスねえな。もう少しマシな名前をつけてくれよ。]
「可愛い見た目で意外と毒舌っ……!」
ギャップの相乗効果により、翼ががっつりダメージを受けていると、クリュテムストラが聞き捨てならないことを言ってくれた。
「あ、翼さんが修行を積んでその子に力を注ぐと、ドラゴンから人間になれますよ。」
「……!?!?!?」
- Re: 翼と自転車 ( No.32 )
- 日時: 2015/03/30 23:51
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
「はあ!? んなこと出来んの!?」
敬語を使わない気まずさなんてそっちのけ。翼は大声で絶叫した。
「はい、一時的にですけどね。」
「マジか!」
「何やらうるさいですわねえ……ふああ」
翼の大声でヘレンが起きてしまった。メテオも文句を言ってくる。
[うるせえなあ、それよりさっさと修行してオレを人の姿にしてくれよ]
「修行?」
[ああ。師匠からでも誰からでもいい。とにかく体の中の魔力を丈夫にしろ。]
ちんまりとした外見でも、飛んでくる言葉は相変わらず辛辣だ。
「あ、修行の話をしてますか? 修行なら十二の天柱の皆さんにどーんとお任せして下さい!」
「なんか暑苦しい話になってきたぞ……?」
「まあ、まずは十二の天柱の皆さんにご挨拶ですわね。」
いつの間にかヘレンも話に加わってきた。クリュテムストラが続ける。
「そうですね。ここらへんで話は打ち切りましょうか。この世界についてはもっと詳しい人を紹介します。色んなことを聞いて、学んで下さいね。」
「ああ、それじゃ……」
翼は後ろを向きかけた。だが、背後から
「あ、聞き忘れてました!」
と言う声が聞こえて足を止める。振り向くと、クリュテムストラが生真面目な表情で翼を見ていた。
- Re: 翼と自転車 ( No.33 )
- 日時: 2015/03/31 16:22
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
「……実は、この世界は翼さんの住んでいた世界より時間の進みがかなり遅いんです。あなたがここに来てからの1時間で、あっちはもう1ヶ月経っています。」
「……? それがどうかしたのか?」
クリュテムストラは少し考えると、上を向き、翼を見上げた。
「この世界で生きていく覚悟はありますか? 帰りたいなら、今帰らないと……時間のズレが、取り返しのつかない事になりますよ。」
翼はしばらく黙っていたが、おもむろに笑みを浮かべた。
「いいんだ、帰らなくて。……未練とか無いし。」
「……え」
そして、そのまま去っていく。クリュテムストラは、目を見開いていた。
「どうして……未練がないの……?」
ヘレンは、いつの間に入れていたのか分からない紅茶を飲み干す。
「寂しいですわね。でも、未練が無くても仕方ない理由があるんじゃなくて?」
「でも……家族とか……友人の方とか……!」
ヘレンがため息をつき、カップを置いて立ち上がる。
「クリュテムストラは意外と鈍感ですから、彼の胸の内に気づかなくてもしょうがないですわね。あと紅茶が苦いですわ。」
ヘレンも部屋から出ていく。クリュテムストラは、しばらく棒のようにつったっていたが、顔を引き締めると机に向かい、手紙を書き始めた。
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