コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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翼と自転車【更新停止です。】
日時: 2016/03/06 22:04
名前: ビタミンB2 (ID: f/YDIc1r)

どこかの世界の、ある場所で。

少年は決めた。

死なない、と。戦う、と。

一人じゃないから、出来た決断。

隣に誰もいなくても、一人じゃない。


どうも! 初めましてのビタミンB2と申します。
まだ初心者で初めてなので、色々と駄作ですがよろしくお願いします!

コメントを下さった方々

詩織さん(キャラ:リーパス)
せいやさん
黒い月さん(キャラ:コルヴィス)
ジルさん
杏莉さん
てるてる522さん
cocoaさん
星飯 緋奈さん

どうぞこれからも、よろしくお願いします!

ぜひぜひ、翼たちの頑張りを見届けてやってほしいです!

第一章 ドラゴンの卵 >>1

第二章 昼と夜の王女 >>26

第三章 十二の天柱 >>35

第四章 学びの日々 >>100

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Re: 【700突破! 感想、アドバイス下さい!】翼と自転車 ( No.78 )
日時: 2015/06/29 22:15
名前: ビタミンB2 (ID: 7UgwjZ6c)

「は!? 96!?」
「フェアリーはとっても長生きっすからね〜」
わいわい話していると、緊張や驚きが薄れていくのを感じた。
しばらく雑談に興じたあと、翼は気になっていることを聞いた。
「なんでお茶漬けがこっちにあるんだ?」
「それはな、俺が伝えたんだよ。」
サジタリウスが胸を張る。
「まああっちの世界風にいうと、フランシスコ・ザビエルあたり?」
「何故そこでザビエル!?」
(せめてペリーに……ってあんま変わらんか。)
「ねえねえ、そう言えばさ」
耳をぴょこぴょこさせながら、リーパスが話しかけてくる。目がすこしばかり輝いているように見えた。
「午後から、キャッスルストリート巡りしない? 翼!」
「ああ、それはいいかもな。」
「ですよね! サジタリウスさん!」
意味が分からず、困惑していると、レオが説明してくれた。
「キャッスルストリートは、城の下の大通りのことや。何本か見えるやろ、窓から……強引ですまんな。」
リーパスは、翼を引っ張って立たせると、そのまま窓際まで引きずっていった。
「キャッスルストリート巡りは分かったけど、まさか……」
リーパスは明るい顔で笑うと、翼をいきなり背負った。
「ちょっと待て、これはヤバいって……」
窓枠に足をかけ、リーパスは
「いってきま〜すっ!」
と叫び……そのまま空中に跳び出した。

「わああああっ! STOP! ストップ!」
びゅんびゅん落ちていく。このまま地面に激突したら人生が終わる。
「大丈夫だって! 任せて!」
そういうなりリーパスは、城の壁を蹴った。
「ホップ!」
驚異のジャンプ力によって、今度はぐんぐん斜め上へ昇っていく。
「ステップ!」
さらに、城の隣の大きな時計塔の壁を蹴った。スピードはとどまるところを知らず、横で吹き荒れる風も凄い。リーパスのサイドテールがビシバシ体に当たるのは、勘弁してほしい。
「ジャーンプっ!」
最後に、時計塔の屋根を蹴り、城下町の真ん中、広場の上空に跳んだ。
「どお? これが私達の王都。綺麗だと思わない?」
「ああ……すっごく綺麗だ。」
広場の真ん中で水を吹き上げている噴水も、鮮やかなレンガの店や住居も、西の方に広がる森も全て。翼は、こんな綺麗な景色を見たことが無かった。
 その時
西の森の中から、銀に光る鋭いものが飛んできた。どうやらガラスの破片のようだ。破片は、ぎりぎりリーパスの腹をかすめた。
「マズい……!」
驚いて体制を崩したリーパスは、跳ぶ力を失い、翼とともにまっ逆さまに落ちていった。
「このままじゃ……」
下にいる人たちにぶつかってしまうかもしれない。どちらにせよ、死ぬのは確かだ。
もうだめだ。諦めかけた瞬間、視界の端に黒いものが映ったかと思うと、翼とリーパスの体は再び浮いた。

Re: 【700突破! 感想、アドバイス下さい!】翼と自転車 ( No.79 )
日時: 2015/07/01 01:57
名前: ビタミンB2 (ID: 7UgwjZ6c)

どうやら襟の後ろを掴まれているらしい。上から、バサバサと音が聞こえる。リーパスは一瞬、怪訝そうな顔をしたものの、すぐに納得した顔になった。
「さっすがコルヴィス、ナイスタイミング!」
下に向かって叫んでいる彼女の目線を追う。すると、眩しそうに目の上に手をかざす、白髪の少年がいた。
ゆっくりと無事に広場に降りたつ。翼は、自分を救ってくれた物に目を向けた。
「……!?」
翼はぎょっとして後すざった。
そこには、通常の4〜5倍ほどありそうな、巨大なカラスがいた。こちらを気に留める様子もなく、丸い目できょろきょろ首を動かしている。
「お、おい、これ……!」
「大丈夫……凶暴性は無いから、心配しないで。」
答えてくれたのは、さっきの白髪の少年。黒いメガネをかけていた。赤い目が、興味深さからなのか、こちらをじっと見ている。
「あ、翼。こいつ、コルヴィスっていってね、バーゴさんの弟子なんだよ。」
「バーゴの弟子か……」
(バーゴ師匠って感じしねえな…… ラフで。いや暴走族っぽくて。)
そのとたん、翼の背中を悪寒が駆け抜けた。ぞわっと鳥肌が立っている。
「ん? どうしたの?」
「いや何でも」

フォルティシュタイン王城にて

「なあ、サジッタ。」
「その略し方やめろって乙女……痛い痛い痛い! ごめん!」
「なんかどっかで悪口言われてる気がするんだが、気のせいか?」
「気のせいじゃね? いちおー殺気、出しとけば?」
「それもそうだな。」

肩をびくつかせた翼を見て、コルヴィスは少し笑った。

Re: 【700突破! 感想、アドバイス下さい!】翼と自転車 ( No.80 )
日時: 2015/07/06 01:36
名前: ビタミンB2 (ID: 7UgwjZ6c)

リーパスが、コルヴィスを誘う。
「コルヴィスも、一緒に大通り見に行かない?」
「うん、分かった。……でも、ペースが少し遅くなるかもしれないよ。」
「それでもいいって!」
「じゃあ、カラスを帰らせるから、ちょっと待ってて。」
そう言うと、コルヴィスは、二羽のカラスの元へ歩いていった。
どうしてペースが遅くなるのか、翼はリーパスに聞いてみた。すると、リーパスは、翼の耳に口を寄せる。
「コルヴィスは、体が弱いから無理できないの。」
なるほど、と、翼は納得する。どうりで引きこもりの自分よりも線が細い訳だ。
リーパスも、大声でそれを言わない所を見ると、しっかりとコルヴィスに気を使っているらしい。
「ただうるさいだけじゃ無いんだな……」
「ん? なんか言った?」
満面の笑みでこっちを見るリーパス。さすが獅子の弟子、殺気を放つことは出来ている。
「ウサギのくせに……」
「ウサギだって殺気ぐらい出せるわよ!」
喧嘩腰で睨み合う二人に、小さな声がかけられた。
「お待たせ……」

Re: 【700突破! 感想、アドバイス下さい!】翼と自転車 ( No.81 )
日時: 2015/07/20 19:01
名前: ビタミンB2 (ID: 7UgwjZ6c)

ご無沙汰です。
いや〜部活キツいな〜。まだ読んでくれてる人居るのか……?


本文↓
「お、おう!」
何だか子供っぽい所を見られた気がして、照れくさくなった翼は、別の話題を振った。
「さっきのアレ、何だったんだろうな……」
「あー、それ気になる。」
「西の森から……飛んできたよね。僕は、意図的にしたとしか思えないんだけど。」
ふと気がつくと、広場にいた人達が、怪訝そうな目で三人を見ていた。
「「「…………」」」
一行はそそくさとその場から退散した。

賑やかな大通りを歩きながら、リーパスが言う。
「ちょっとお茶でも飲みながら話さない? 翼のこと、もっと知りたいし。」
「それは賛成。」
「うん、僕も。」
そして、三人は、大通りを少し歩くとあるという、カフェのような場所に向かった。





その頃。西の森の中の、どこか。

小屋の屋根の上で、誰かが呟いた。

「外れ、か。まあいいか。」

呟いた人物の腕に、一羽の鳥が舞い降りる。

鳥がくわえている封筒には、「アトラスへ」「クリュテムストラより」とある。

「どうせあいつの事だろ。……ありがとう、帰っていいぞ。」

人物の腕から鳥が飛び立った。鳥は、木々の間をすり抜けて、空へと消えていった。

Re: 【700突破! 感想、アドバイス下さい!】翼と自転車 ( No.82 )
日時: 2015/07/21 17:37
名前: ビタミンB2 (ID: 7UgwjZ6c)

カフェに入り、席に着くなり、リーパスは何かを注文し、晴れやかな笑みを翼に向けた。
「さて、いっぱい話そ?」
「お手柔らかに頼む。」
翼にとって、この店は雰囲気が良いが、あまり長居したくなかった。いかんせん甘い匂いが充満し過ぎている。でも、年頃の女子は好きそうな店だなと、翼は思った。
「……まず、私達のことから話そっか。その方が、翼も話しやすいかもしれないし。」
「うん、そうだね。翼君に知っておいてほしいこともあるし。」
「ああ、分かった。」
リーパスがゆっくり口を開いた。


 ……私はね、師匠と同じ世界から来たの。その世界は、獣でいっぱいだった。種類は違っても、みんな仲が良かった。私も、本来なら、ちゃんとしたウサギに生まれるはずだった。
 でも、その世界に、ある日人間がやって来たの。十数人ぐらいだったらしい。もちろん獣たちは、人間を快く思わなかった。そりゃそうよね。獣は、人間たちを追い出そうとした。でも、人間は元の世界には戻れず、獣も渋々ながら、人間たちをこの世界の住人にした。当然、住む場所は離したけど。
人間と関わることも、獣の間では禁忌とされた。
……それを破っちゃったのが、レオ師匠の父親。人間は、高い繁殖力を持つでしょ。ある事件を起こして、獅子族から追放された師匠の父親は、代々優秀な獅子を生み出した家系の末裔だったんだって。どうしてもその血を残したかった師匠の父親は、その高いプライドを捨て、人間とつがったの。

……え? 人間の相手は承諾してくれたのかって? ……何だか、獣に触れてみたくて仕方がない性格の女性だったそうだよ。それならOKだよね。
……けもなー? 何それ?

まあ、そうして生まれたのが師匠ってわけ。師匠は、そんな父親とそこから生まれてきた自分が大嫌いで、自殺しようとしたの。そこを救ったのが、レオ師匠の師匠。こっちの世界から、弟子を探してて、レオ師匠は、そのまま弟子になったそうよ。
……私? 私も、師匠と全く同じ。獣の世界に来ていた師匠に救われた……なんか、運命的だと思わない?


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