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崩壊少女と無心少年 完全完結
日時: 2010/08/18 21:06
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&

illust_id=11801579



参照の後に、上のURLの続きを合体させてください。
この小説の表紙が開きます。


さじの様にお願いしました。





注意

設定上、グロ描写があります。
そこだけはよろしくです。


お客様

     使い魔の猫様  空様  月兎様 時雨様
     神無月様  白兎様  風水様
     スペシャル様  ミコト様  阿嘉狐様

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Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.206 )
日時: 2010/08/11 14:21
名前: 風水 (ID: STEmBwbT)

200、おめでとデスっ

どうか生きて帰ってきてください。

あかねぇぇぇっ

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.207 )
日時: 2010/08/12 07:14
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

さめはだ君、やっとキミにも春が来たんだよ
今まで弄られキャラであかねにろくに名前を覚えて
もらえなかったキミが……っ!!
>阿野次さん


200は絶対自分で押したいんです!!
自分で押したいのだぁぁぁっ!!笑
>神無月さん


ありがとっす☆
バッドエンドもあり、ハッピーエンドもありなのだよ
>風水さん

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.208 )
日時: 2010/08/12 08:34
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

.





あいつが危険だと、昔から知っていた。
どうして気づかなかったんだ。

あいつも、両親から虐待を受けていたと。

本人から直接聞いたわけじゃない。 だけど父親が随分前に逮捕されたのは光里さんから聞いた事がある。
あーくそっ。

焦りを感じる自分に驚きながら、ユウゴの家に行く。
走るとやっぱり遠いな。 あー、いーきーぎーれー。
あまり運動は得意じゃないんだけどなぁ。

というか、オレは誰のために走ってるんだよ。
ハルキのため? ユウゴのため? 一之瀬さんの……はありえないな。
やっぱり2択からすれば、ハルキかな。

曲がり角を曲がって、古いアパートの1階に急ぐ。
アパートは古い外装のせいか、まったくもって人が住んでいない。

あー、急げよちょっとは!

「ユウゴッ」

中に土足で入って、ああ鍵かけられてなくて良かったと思いながら、戸を開ける。

「あかね?」

やっぱりいた。 ハルキと、ユウゴと、何か超震えてる一之瀬さん。
ハルキは手にナイフ持ってて右腕から血が出てるし、ユウゴも包丁を片手に、もう片方で人工声帯の機械を持っている。

『あかねがどうして僕の家に居るわけ?』
「帰るぞ」

思わず、敬語を忘れてしまった。
ハルキの腕を掴む。 呆けた顔でオレを見上げ、コクリと頷いた。

「来てくれたんだ、あかね。 やっぱり友達だよっ」
「……そうですね」

能天気にへらっと笑って、簡単にナイフを捨てる。
この子は、本当にオレだけしか友達がいないんだな。

『どいてなよ、あかねっ』

一人、異議ありと包丁を振り回す。
人工声帯の音が震えて、鼓膜が痛い。

『なんであかねがその子の味方すんの? 最悪だよ!』
「どうしてあかねがお前の味方なんてしなきゃいけないの」

冷えた口調。 ハルキが虫を見るような目で、ユウゴを見る。
一之瀬さんは何故か上半身下着だけしか身に着けておらず、髪もボサボサで泣きじゃくっている。

『あかねは僕のだからっ! あかねを壊すのは僕で、お前を壊すのも僕! 破壊、破壊、破壊っ!』

持っていた包丁で勢いよく、何も入っていない水槽を叩きつける。 ヒビが入った。

『でも残念。 キミは昔の事、忘れてんだもん』
「気狂い」

ハルキはそう吐き捨てて、オレの腕にしがみつく。

「あかね、もう行こう。 帰ろう。 それでずっと一緒にいようよ」
「……うん、うん」

思わず、抱きしめてしまった。
何も考えずに。 

『気色悪いアバズレがっ! お前も僕も同じなんだよっ。 親から虐待されて殺したくせにっ!』

一瞬。
オレの腕を掴んでる手が、震えた。
ハルキが、少しだけ、

「ハルキ?」

肩を震わせて、

「うああああああああああああああああっ、あああああああああああああっああああああああああ? あああああああああああああああああっ」

発狂した。
思わず耳を塞ぎたくなる、ハルキの崩壊。
傷口から血でもない何かが溢れ、体が痙攣していく。
一之瀬さんが、化け物でも見るような目で、ハルキの見ている。

崩れ、床に突っ伏して嘔吐する。
胃液の、匂い。 何度も何度も、何を食べたんだと思うくらいの、ゲロ。
吐いて吐いて吐いて吐いて、吐き続けて。
そのまま、過去も吐いてしまえばいいのに。

「みんな、みんな………死んじゃえ」

小さく。 呟いて。
残す言葉は。

『父親の首何で切断したの〜? 包丁? ノコギリ? 僕は父親に喉掻き切られたけど、全然平気ッ! お間の父親も生き還ってさぁ、お前の事また犯しにくるんじゃな〜い??』

グルグルグルグルと。
ハルキの指が、自分の手首に導かれ。 ガリガリガリと、掻きむしる。

『かっわいそう! お前さ、僕に言ったんだよっ。 近寄るな、汚いからって! 一緒に苛められてたのに、なんでこっちを見下してんのさっ! うざいんだよそういうのっ』

手首を掻き切る寸前のハルキを、オレは思い切り腹部を蹴って、そっちに意識が集中するようにした。
ハルキが喘いでいる中、オレは、


「いい加減にしろよ、ユウゴ」


幼馴染を思い切り蹴り飛ばしていた。
肩がわなめく。 震える。 怒りで? 怒りでか。

「オレに心なんて無いのに」

怒鳴って、
ユウゴが起き上がる前にその上に馬乗りになって、
特に抵抗はしなかったから、そのまま。

『このまま、僕を壊す?』

こいつすげぇな。
あんだけ蹴られて、人工声帯機まだ持ってんだ。

「痛くないんですか?」
『痛いわけないじゃん。 気持ちいい』

痛みを快感にできるなんて、ある意味羨ましい。
こいつだから、喉切られても大丈夫だったんだろうな。

『このまま、僕の爪剥いでくれてもいいんだよ?』
「遠慮しておきます。 それより、聞きたい事があります」
『なにさ』
「一之瀬さん、どうしたんですか?」

チラと、後ろを振り向く。
一之瀬さんはまだ震えていた。 ちなみに、ハルキはピクリとも動かない。

『あいつは……僕の人形なんだよ。 昔から、僕は女の子の歪む顔が大好きでさ。 今でもよくあの子は自分から僕の所に来てくれてるの』

そしてきっと、一之瀬さんはユウゴを表面的には嫌いとしているけど、裏では少し屈折した愛情を持ってるんだろうな。

「なんでハルキを狙ったなですか」
『あいつ、知ってるよ。 あいつの父親と僕の両親、仲良かったしさぁ』

ああ、合点がいった。
つまりは、二人は親同士の趣味のために、幼い頃から顔は知っていたと。

『ねえ、あの子を壊すとあかねは怒るでしょう? だから、もっと怒って。 僕も壊して。 めちゃくちゃにしてよ』
「悪いけど、男をどうこうする趣味、ないから」

一瞬、ユウゴは泣きそうな顔になった。
オレの心はもう、幼馴染の泣き顔を見たからといって、どうこうできるものじゃない。

『ならさぁ』
「っ」

手首を掴まれ、切ってないユウゴの爪が食いこむ。
顔をしかめる。

『その顔すっごくクるんだよねぇ…。 イッちゃいそう…』
「この変態が」
『そうやって僕を罵倒してさぁ。 あかねは本当に煽ってんだよ』

もうダメだ。 ラチがあかない。
このまま、どうしてしまおうか。

けいた、  い、

『ぎゃああああああああああああああっ』
「!!」

振り返る。
ユウゴの足から、出血していた。 

「ハルキ、」

何時の間にいたのか、ハルキがナイフで貫通くらいの勢いでブッ刺してる。
慌ててユウゴから退く。 

『ああああああああああはははははははっっ』

笑い声、
足、刺されてるのに。

「ハルキっ」

オレの声なんか届かなくて。
ハルキは、確実に二度目の崩壊をした。

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.209 )
日時: 2010/08/12 09:34
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

.




1度目、ハルキは崩壊した時、無心で父親と母親を殺害した。
残忍な方法で。 18指定がつくほど、恐ろしい方法で。

あの時きっと、ハルキはこんなだったと思う。

何も考えられず、何も聞こえず、何も見えず。
理性は残っておらず、本能のまま、殺す。

自分を、守るために。

『冗談じゃない……、殺されるかっ!』

起き上がり、思い切りハルキに体当たりするユウゴ。 尻餅をしたハルキの上から圧し掛かり、殴りつける。
ここは男のユウゴの方が力が強いに決まってる。

ハルキは顔を連続で殴られ、唇から血を流しながら、ナイフを適当に振り回す。
ユウゴの顔にそれが掠り、少し怯んだすきにハルキが彼の胸を刺した。

真っ黒い服に血がまじって、綺麗だった。

「どっちなんだよ」

ハルキは、無表情だった。
返り血をあびながら、ユウゴをじっと見ている。

もうこれ以上、ハルキは人を殺しちゃいけないのに。

ユウゴが倒れ、ハルキに前からもたれかかった。
それを鬱陶しそうにハルキは押しのけて、オレを見る。

そこにはもう、ハルキだけしか残ってなかった。

「意味わかんない、意味わかんない、意味わかんない、意味わかんない」

必死でそう言い、頭をおさえる。
次々と浮かぶ、疑問符の嵐。

「え、何コレ。 今、どこなに、嘘。 嘘だ。 あかね? 私、わたし、ハルキ? ハルキは私、であれれ? 何これ、死体? 豚、豚だよ、コレ。 あはは」

笑い、茫然とする。
何に茫然としてるのか分からない。

「……ハルキ?」
「あかね、どーしよー。 トモダチ、壊しちゃ、た」

友達なのか、そいつは。
まあある意味同類ではあるかな。 同じ経歴持ってんだし。

「なお、るかな……」

ユウゴの髪を指にからめ、血に浸す。
やばい、吐きそう。

「にゃー。 猫、猫はさ、可愛いよね」
「……そうですね」
「にゃははっ。 わた、しも猫、猫になる」

オレの離れた所で、ハルキは。
崩壊から逃れる事を諦めた。

「もう……やめてくれ……」

一之瀬さんが、ユウゴの持っていた包丁を、持って。
ハルキの背後に立つ。
彼女は気付いてないみたいだ。

「はるき」

呼ばなかった。 

そのまま、刃がハルキの背中に、

































.

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.210 )
日時: 2010/08/12 09:44
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

※坂田 ユウゴ

     167cm 49kg 17歳 6月12日生まれ 男
   
ゴスロリ服を愛用している女装少年。 あかねの幼馴染。
痛みを快感に変えるドMで、父親に喉を切られ人工声帯で話す。
父親が虐待で逮捕されてもなお、母親による虐待が続き、ハルキの親と母親が仲が良かった。
その事もあり、ハルキとは幼い頃から知り合ってる。しかし、ハルキの当時の性格もあり、ユウゴは彼女を好いていない。
あかねが大好きで、歪んだ愛情をもつ。



※一之瀬 ウララ 

      163cm 52kg 16歳 4月4日生まれ 女

校則をキチンと守る完璧主義者。
あかねとは直接的関係はないが、ユウゴの幼馴染。
幼い頃からユウゴに玩具にされ、性悪な趣味に付き合わされていた。
それを嫌悪していたものの、ユウゴ自体は好き。
ユウゴを刺され、ハルキを殺害した。


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