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- 崩壊少女と無心少年 完全完結
- 日時: 2010/08/18 21:06
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&
illust_id=11801579
参照の後に、上のURLの続きを合体させてください。
この小説の表紙が開きます。
さじの様にお願いしました。
注意
設定上、グロ描写があります。
そこだけはよろしくです。
お客様
使い魔の猫様 空様 月兎様 時雨様
神無月様 白兎様 風水様
スペシャル様 ミコト様 阿嘉狐様
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- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.141 )
- 日時: 2010/07/31 14:07
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
鬼太郎…((やめい))。
あかね君は、あまり人と接したくない割に、人と接する機会がかなりあると思うんです。
ただし。
少しだけ異常な人と。
>神無月さん
光里さんは少し変な冗談を言ってるようですが、
安心して下さい!!
本気ですからっ。
>風水さん
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.142 )
- 日時: 2010/07/31 14:28
- 名前: 白兎 (ID: QCkuis7p)
あかね君はやっぱりイケメンだー♪
イケメンが右目隠すとかもはや犯罪だわ←
来たのは誰なんでしょー?
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.143 )
- 日時: 2010/07/31 15:02
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
.
「今日はゴメン。 なんか、頭打ってたみたいで……し、死んでなくてよかった……」
乙羽さんが髪の毛をクルクル弄りながら、なんか顔真っ赤にさせて正座している。
光里さんがなんか、凄く怪訝そうに見ているからか、乙羽さんも何だコイツ的な目で光里さんを見ている。
「おいあかね。 お前モテてたんだな」
「死んでないから、安心してください」
スルーして一先ずそう言うと、乙羽さんが少し怒った表情で、
「別に心配なんかしてない。 謝りに来ただけ。 それだけ」
「おい、なんだこのアバズレ。ツンデレか? ツンデレなのか?」
光里さんうるさいな。
「でも、女性がこんな夜遅くに一人で男の家来たって事は、何かあったんでしょう。 乙羽さん、くだらないプライドだけは高いですから」
「死ねっ、夕空!」
光里さんが居る事も忘れて、保護者の前でオレを罵倒する乙羽さん。
ああ、そうか。 光里さんがいるから顔赤いのか。 この人、顔いいからモテるんだよな。 何でなのかは全く理解できないけど。
「……で、何ですか」
「前に、精神科病院で……アンタに、会ったでしょ」
「2回、お会いしましたね」
一回目は、オレがハルキを抱きしめていた時。
二回目は、オレが精神科から帰ろうとした時。
「……その、一回目の……時にさ」
「はい。 ハルキも居た時ですね」
ビンゴ。
微細に、乙羽さんの瞼が揺れ動いた。 握りしめた拳が、微かに震えた。
「……あのあと、あいつ……なんか、言ってた?」
「特に」
「本当に? 私の事とか……」
「いえ」
ホッとしたのか、こもっていた拳の力が、緩んだ。
「ハルキがどーかしたのか」
「光里さん、少しうるさいです」
「女とイチャつこうってか。 やるねー高校生」
無視。
「なんでそこまで気にするんですか?」
理由は、一つ。
「ハルキに、何か後ろめたい事でもあるんですか?」
ハルキの存在が、乙羽さんにとって。
「たとえば……イジメ、とか」
恐怖にしかないから。
「………………」
乙羽さんの表情が、強張る、というより崩壊した。
泣いているのか笑っているのか、よく分からない。
薄っぺらの、表情。 何もない。
「……知ってたの?」
「いえ。 今、乙羽さんの様子で分かりました」
「……ハメたってわけ。 卑怯者」
「そうですね」
ハルキのイジメが始まった原因。 それは、乙羽千尋だ。
乙羽千尋により、ハルキへのイジメが始まり、内面からハルキは壊れていった。
「乙羽さんが、ハルキが虐待されてる噂を流したんですよね。 まぁ、噂といっても、真実でしたが」
中学生の頃、ハルキの性格はかなり悪かった。
ひねくれていたというか、自分中心というか。
顔が良かった分、女子の反感を買っていたのかもしれない。
そんな時、噂が回ってきた。
他人との拒絶をさめはだ君だけにしていたオレの耳にも飛び込んでくるほど。
噂の内容が、『ハルキは父親に性的虐待を受けている』 といったものだった。
噂というものは、信憑性が全くないが、ハルキの場合、背中に痣があった事や、アダルドサイトでハルキに似た少女が映されていたのがあって、ますます噂が広まった。
その噂を広めたのが、乙羽さん。
「なんで……私だって、知ってたの……」
「今、自殺者が二人学校で出てますよね。 だからかと」
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.144 )
- 日時: 2010/07/31 16:14
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
たとえばっ!!
working!! の佐藤さん。
銀魂 の高杉さん。
ディーグレイマン のラビ。
戦国バサラ の伊達正宗。
化物語 の暦。
イケメン揃いですが、全員片目が無い、もしくは隠れてるんですよ☆
なんかこう……ドキドキしませんッ??笑
>白兎さん
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.145 )
- 日時: 2010/07/31 17:27
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
.
説明を言わず、完結だけ述べると、乙羽さんが不満そうな顔になった。
「ちゃんと説明、してみてよ……。 アンタが正解がどうか、聞いてあげるから」
乙羽さんが解答する権利はない。 あるのは、違う人。
「最初に自殺したのは、3年生の前田っていう人ですよね。 さめはだ君から、イジメが理由だと聞いて、オレはその被害者が前田さんだと思ってたんです。 でも、それは違った」
オレは知ってる。
追い込まれた時、人に亀裂が入るんだと。
「“苛めていたのは、前田先輩だった”。 直接聞いたわけでもありませんが、ココは勘です」
「……栗原さんはどうなのよ」
それも、同じだ。
「その栗原って子も、苛めか何かしてたんだろ。 だから、自殺した」
「説明足りてないじゃねーか。 何で苛めてた奴が自殺すんだよ。 普通逆だろ」
光里さんが最もな事を言った。
たまにはまともな意見が言えるのに、どうしていつもああなんだろう。
「普通は、ですけど」
「私の所にも、来たの」
震える声。
歪曲した、罪滅ぼし。
「昔、秋色ハルキを苛めてただろって。 靴箱に、手紙があって……前田先輩が、死んだ前に……」
忘れていた自分の罪を、他人の手によってぶり返される。
「最初、イタズラだって思ってたけど……。 怖くなって……だって栗原さんも死んだからっ。 今度は私の番だって……っ」
「誰が言ったんですか。 そんな事」
「分かってたらシメるわよっ。 分かってないから焦ってんじゃないっ」
逆ギレは止めようよ。
「手紙が靴箱に入れられて、秋色は私を恨んでるって書いてて……。 今度はお前の首を撥ねるかもねって……っ。 お前みたいな奴が死なないで誰が死ぬんだって」
「だんだん、精神が傾き始めた。 だから、精神科に通ってカウンセラーしてたって事ですか?」
首を上下に振ったって事は、肯定してるって意味か。
「人間は死に方を知ってるんだから死ねとか……、酷い時には差出人不明の郵便物の中に、気持ち悪い絵とか入れられてて」
「……なんでオレに言いに来たんですか」
「秋色が犯人だって思ってるからよ」
やっぱり。
だから、ハルキと一緒にいたオレに会いに来たのか。
「あのですね、ハルキは昔の記憶がほとんどないんです。 自分がどういった存在なのかすら忘れて、楽しくやってますよ。 なんで今更乙羽さんに嫌がらせするんですか」
それに、その手紙の差出人はハルキじゃない。
「なんか、差出人分かってるって感じなんだけど」
「分かってません。 サッパリですよ。 心からそう思ってます」
光里さんが、少し目を細めたのが分かった。
「………もう9時くる。 帰んな、女」
「女性一人では危ないですよ。 送りましょうか?」
「いい。 親呼ぶから」
乙羽さんがピンクの携帯を弄り始める。
……にしてもさ。
差出人は何を考えてるのか、サッパリ分からない。
これだからあの人は嫌なんだ。 マイナス要素だけしか吐き出さない。 いや、あの人自体がマイナスなのか。
「おい、あかね」
乙羽さんが親と何か喋っている間、光里さんが小声で話しかけてきた。
「お前、差出人知ってるだろ」
「いいえ」
「嘘つけ」
「嘘なんてついてません」
「それ自体が嘘だろ。 どやすぞ」
これだから光里さんは嫌なんだ。
オレは謎めいた影の支配者キャラを演じていたかったのに。
「あんま変な事すんなよ。 次病院送りにでもなってみろ。 治療費誰が払うと思ってんだ」
「光里さんですね」
「いっぺんしばき倒すぞ。 てか髪切れ」
「けっきょくソコなんですね」
乙羽さんが携帯を切った。
振り向いて。
「……言っとくけど、私は夕空が嫌いだから。 あと、秋色も」
「分かってますよ」
「でも、私はなにも、秋色を苛めてた事を忘れたわけじゃないから」
……やっべー惚れそうになったわ。←(※嘘)
オレはどうやら、ギャップ萌えに弱いらしい。
「あいつは……私らを嘲笑してたんだよ。 汚い虫を見るような目で。 最低なのは、あいつ」
だけどオレは、そんな昔のハルキにベタ惚れだったわけだ。
つくづく変な奴だな、自分。
「教室で自殺未遂した時も、あいつは笑ってた。 手首切って笑ってたんだよ」
「知ってます」
性格の悪いハルキの心が、芋虫をグチャグチャにしたみたいな塊だった事も。
父親の前では感情すら壊死していた事も。
クラスの苛めなんて、全然マシだった事も。
知っていた。
でも、分からないのは。
今のハルキの在り方全て。
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