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崩壊少女と無心少年 完全完結
日時: 2010/08/18 21:06
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&

illust_id=11801579



参照の後に、上のURLの続きを合体させてください。
この小説の表紙が開きます。


さじの様にお願いしました。





注意

設定上、グロ描写があります。
そこだけはよろしくです。


お客様

     使い魔の猫様  空様  月兎様 時雨様
     神無月様  白兎様  風水様
     スペシャル様  ミコト様  阿嘉狐様

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Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.80 )
日時: 2010/07/22 12:37
名前: 風水 (ID: STEmBwbT)

新キャラだ。 わーい^^

かなりクセの強いキャラですね、一尾。

さだめ君とあかね君は和みますな。

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.81 )
日時: 2010/07/22 16:07
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

不知火一尾登場デス。
さめはだ君も十分変だけど、一尾も変です
>空さん


新キャラです。 わーい笑
二人可愛いんです。 和むんです。
>風水さん

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.82 )
日時: 2010/07/22 18:39
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: S20ikyRd)

思うんですけど…
心? 心かな?
あの「死神の唄」っていうの書いてて、一年前くらいに。
あの……電脳探偵部書いてた元空雲 海やねんけど……心かな?

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.83 )
日時: 2010/07/23 07:28
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

心さんですか? 違いますけど……。
文章が似てるのかな??
一年前はまだこのサイトの事知らなかったからなー。
>空さん

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.85 )
日時: 2010/07/23 08:47
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

.





家に帰ると、前髪を結んでいる光里さんがカットの練習をしていた。

「おかえり」
「ただいま。 またしてるんですか」

人形の髪は茶色で、クルクルになっている。
光里さんは頷いて、また練習に没頭し出した。

「……うわ」
「言ってなかったな。 姫里いるから」

先に言ってくれ。
廊下でドッテーンとひっくり返り、何やら現実逃避しているらしい姫里さん。

「…………何がしたいんですか」
「旦那と喧嘩した〜」

そういえば、この人既婚者だった。
ありえない。

「それで、弟の所に逃げてきたんですか?」
「だって〜他に行くところないし〜。 光里メシ超旨いし〜」
「仲直りしてさっさと帰って下さいよ」
「ここ光里の家だぜー」
「オレの家でもあるんです」

姫里さんはゴロリと寝がえりをうって、深く溜息をついた。
そんなに悩むのなら、ゴメンナサイって言えばいいのに。 思ってなくても。

「今思うけどさ。 よく姫里って結婚できたよな」
「あ、それ思います。 世界の8不思議ですよね」
「お前ら私に殺されたいのかっ」

力なく萎れている姫里さんはあまり見た事ない。
いや、いつもがダラダラだからこうなのか?

「あかね〜肩もんで〜」
「だそうですよ、光里さん」
「ご指名されたのあかねだろうが」
「嫌です。 心からそう思います」





と、いうわけで。
昨日から、姫里さんが家に住みつき出しました。

さっさと家に帰ればいいのに。 だってもう大人なんだから。 
弟の光里さんに頼り過ぎじゃないのか。

今日もダラダラ平凡に一日は終わって。
カウンセリングの日だからハルキに会える。
いや、家でも出来るんだけど、そこは姫里さんにも重い腰を上げてもらう事にして。

「相変わらず、人気が少ないな」

一人でぼんやりしながら精神科に行く。
自動ドアが開かれて、今日は待合室にハルキはいない事を確認して。
名前が呼ばれるのを待って。

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

すぐに呼ばれた。
診察室に行くと、姫里さんが物抜けの殻だった。

「あの……早くしてくださいよ」
「もうね。 私は患者がキミで良かったよ。 ダラダラできるし」
「こっちは医者がアンタで嫌なんです。 終わらせて下さい」

的な話を最初にして、一言二言話して、絵をかいて、この絵はどう見える? みたいな事を聞かれて、普通に赤い火に見えますって答えて。

30分ほどで診察が終わった。

このまま帰ってもいいんだけど、ハルキに会う約束をしているので。
というか、入院中一回しかあってないから、約1ヵ月ほどご無沙汰しちゃっている。
どうしよう。 あかね君の妄想みちゃってたら。

ハルキの病室をノックして開けてみると、誰もいなかった。

「………………………………」

そのかわり。
病室の中がヤバイ事になっていた。
カーテンは破かれているし、引き出しは全部中身が放り投げ出されているし、人形はズタズタで、虫の死骸なんかがある。

「………………よし」

探さないとな。
ほら、一応女の子だからー。
心からそう思っているかは別にして。

病院は走っちゃいけないので、歩いて探索中。
そして、それはすぐに見つかった。

「………ハルキ」
「来るの、遅いよ」

秋空ハルキは苛立ちを含んだ目でオレを睨んでいた。
パジャマ姿で、手に包帯を巻いて、三白眼で。

「友達じゃないわけ?」
「ゴメン。 色々あったんです」

言い訳をしてみる。 無駄だなーと分かった。
ハルキの手に、ナイフが握られている。 

「一週間って言った」
「はい」
「それ破ったのあかねだから」
「はい」
「友達なのに」

でも、このまま刺されるわけにもいかないだろ。
オレはじっと立っているハルキを、
抱きしめた。

これくらいしか、できないから。

「……………………」
「……………………」

無言で抱きしめてると、相手も無言になった。
ナイフで応戦してくるわけでもなく。
ただ、じっとオレに抱きしめられていた。

後ろで、何かが落ちる音がして。

振り返る。

「………っ」

相手が、息を呑んだ。

乙羽 千尋だった。

どうして乙羽さんが精神科に居るのとか、そう言う事はどっちてもいいけど。

「………あれ?」

ハルキが、不思議そうに首を傾げる。
薄く伸ばされた記憶を、振り返る。 ボロボロなのに。

「ハルキ、病室に戻りましょう」
「………うん? うんっ。 手術ごっこしようっ」
「はい。 楽しみですね」

それ以上は乙羽さんを見ずに、ハルキの手を握って病室に戻った。


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