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崩壊少女と無心少年 完全完結
日時: 2010/08/18 21:06
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&

illust_id=11801579



参照の後に、上のURLの続きを合体させてください。
この小説の表紙が開きます。


さじの様にお願いしました。





注意

設定上、グロ描写があります。
そこだけはよろしくです。


お客様

     使い魔の猫様  空様  月兎様 時雨様
     神無月様  白兎様  風水様
     スペシャル様  ミコト様  阿嘉狐様

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Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.186 )
日時: 2010/08/08 18:59
名前: 阿嘉狐 (ID: prO3xdH6)

いやいやwwアドバイス出来るほどの小説を私が書いているのかということでしょうかw?…そのとおりだった…。ゴスロリっ子登場!うほほい!

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.187 )
日時: 2010/08/09 08:44
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

「死にキリ。」ですね…もう放置しすぎて
作者自身がわけわかめ笑
>ミコトさん


ユウゴですね〜。 自分ユウゴ嫌いなんだよな〜
性格悪いし…
>神無月さん


自分、アドバイスなんて無理ッス汗
だってうまいんだもの、みんな小説スゲーだもの!!
>阿嘉狐さん

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.188 )
日時: 2010/08/09 15:33
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

.






学校がある事を忘れていて、気づけば2時間目が始まっている時間だった。
隣には、寝息もたてず人形のように眠るハルキ。

「……行くか」

サボりたいけど、姫里さんにぶち殺されるだろうし。 光里さんにも、迷惑かけるだろうから。
ハルキに置き手紙を置いて、病室から出る。
うむ、今日も晴天。




特に変わった事はなく、放課後。
さめはだ君と一緒に靴箱に向かっていた。

「秋空、性格すっげー変わったよな」
「だから言ったでしょう。 記憶メチャクチャだって。 まあ、嘘かもしれないけど」
「嘘?」
「知り合いが、ハルキが昔の事を言っていたのを聞いたらしいんですけど」

不知火さんは嘘をつかない。
ああいう場面で嘘がつけるほど、デキた人間じゃないから。

「じゃあ覚えてんじゃねぇの?」
「覚えてたら覚えてたで、ハルキの精神が危うい。 それに、なんであんな猫を被る必要があるんですか」
「……忘れたいからじゃねぇの?」

忘れたいから。
だからだとしても、ハルキはそんな子じゃない。
父親にしたように、自分にされた仕打ちは倍以上で返す。 そんな子だ。

「ハルキは……理性も知性も本能も普通じゃない。 だから、怖いんです」
「あかねLOVEだからな」

……これは決して自惚れてるわけじゃないけど。
もう一人、オレLOVEな人間がいる。

「嫉妬深いのは、生まれつきかな」
「誰の事だ?」
「ああ、こちらの話です。 ……」

さっきから、じっと見られていて困る。 
振り返ると、昨日一緒に資料室に行った女子がオレを三白眼で睨んでいた。

「あれ、一之瀬じゃん」
「……あ、そっか」
「お前、忘れてただろ」

一之瀬ウララだ。
その一之瀬さんが、さっきから一定の距離でオレ達の後をつけている。

「何のつもりですか?」
「私は靴箱に行く途中だから」

相変わらず、校則をキチリと守る奴。 さめはだ君をひと睨みして、一之瀬さんがオレらを追い越す。

「………」

首筋に、赤い痕が見えた。

「一之瀬、あまり喋んねーからビビッた。 つかあいつがどうかしたのかよ」
「……ちょっと待ってて下さい、さめはだ君」
「あ? あ、おいっ」

鞄を彼に持たせて、一之瀬さんを追いかける。
すぐに追いついて、彼女の腕を引っ張り、男子トイレの個室に連れ込んだ。

「……………あの、何のつもりですか」
「手荒な手段で申し訳ないんですけど、少し聞きたい事があって」
「なに」

坂田ユウゴの性格なら、オレが一番よく知ってる。
あいつの唯一の理解者は、オレだから。

「その噛みつくような赤い痕、なんですか」
「……っ」

一之瀬さんの表情が、一瞬揺らいで。 目が、泳ぐ。
それは本当に一瞬の事だけど。

「ユウゴ……ですか?」
「私が誰と何しようが、関係ないでしょっ」
「カンケー……ないですね」

ユウゴは昔から。
物を破壊するのが大好きな子だった。 痛みを、快楽に変える、快楽主義者だった。

「あなた、昨日からなに。 オレをずっと見ていて、正直気が気じゃありません」
「……気のせいです。 自惚れもいい加減にしてよ」
「自惚れて生きてるんです、オレ」

一之瀬さんの、睨むような表情。
ユウゴの好きそうな顔だ。

「ぶっちゃけ、一之瀬さんとユウゴがどういう関係だとか、知りもしないし、あてずっぽうだったんです。 一之瀬さんの首筋の痕が見えたのも、さっきで、偶然なんですよ」

だけど、オレは昔。
中学1年生の時、ユウゴと一之瀬さんが一緒に居た所を、見た事がある。
あまりに一之瀬さんが地味すぎて、今まで少ししか思い出せなかった。 

当時の一之瀬さんは、ユウゴと同じようなゴスロリの服ばかり着てたから。

「ユウゴ……、ハルキに何かするつもりらしいんです。 何か知ってますか?」
「知らない」
「嘘つきは嫌いだ。 どうせ、ユウゴとイイ事してるんでしょう?」
「セクハラ、止めて」

彼は、女にはサディストで男にはマゾヒズムだ。
悪趣味な性癖だと、幼馴染ながら思うけれど。

「あなたも、ユウゴの幼馴染なら分かるでしょ」
「……、アンタも綺麗なツラして……っ、腹黒いわね」
「よく言われるます。 が、それには否定します」

オレは、元々何も感じちゃいないし、考えてもいない。
これは、少し言い過ぎか?

「あなたとオレは、直接的な関係はなかった。 ユウゴから少し、“自分を理解してくれる人” としか、聞いていなかった」

だから今まで一之瀬さんに気付かなかった。
ユウゴの幼馴染であり、理解者であり、性欲の吐きだめであり、玩具であった事を。

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.189 )
日時: 2010/08/09 15:51
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

.





覚えているのは、祭りの夜。

光里さんと一緒に行ったわけだけど、綺麗な花火を見ても、それなりに美味しい焼きそばを食べても、何も思わなかったオレは。

光里さんと少し別れて、一人でプラプラ田んぼのあぜ道を歩いていた。
ゲタが、物凄く歩きにくかった。

花火の音や、人の歓声がだんだん遠のく所まで来てしまった。

「……………」

誰もいないから、気楽だ。
そう思って石階段に腰掛けて、ぼんやりしていたら。

物凄く小さいけど、ハッキリと悲鳴が聞こえた。

驚きもせず、焦りもしなかったのを、覚えてる。
そして。

「…………かはっ」

オレと同い年くらいの女の子が、幼馴染のユウゴに噛みつかれているのが見えた。
その光景は、吸血鬼を連想させた。 細い首筋に舌をズプリと突きたてる。
遠慮もクソもない。

ユウゴと、目が合う。

どこか、欲情に潤んだ目。
その女の子が痛みに堪えるように、唇を噛みしめているのがよく見えた。
二人とも、似たようなゴスロリの服を着て、抱きしめあっていた。

その噛みつかれていた女子は、一之瀬ウララだった。
なんで思い出せなかったんだ。 あのときに。

それで、
オレは、その後言われたんだ。
ユウゴに。


『あかねが僕に噛みついてくれたら、僕、感じちゃうかもねぇ』


その時は、オレもさすがに腹がたって。
忘れていた怒りが高ぶって、思い切りユウゴを殴った。 痛かったはずだ。
殴られたんだから。

だけどユウゴは、声をたてずに笑って、すごく恍惚そうな、醜悪な笑みを浮かべた。
興奮していたんだと思う。 
つくづく、変態で性悪だと思うけど。


「一之瀬、なんだって?」
「いや……なんでもないです」

田んぼだらけの道まで来て、さめはだ君が口を開いた。

「なんか、顔色悪いぞ? なんかあったろ」
「貧血です」

さめはだ君みたいな人間は、少し鬱陶しい。 放っておいてくれたらいいのに。

「お前……ちゃんとオレの事見てるかよ」
「え?」

確かに、さめはだ君はそこにいて。

「ちゃんと、オレを見てるかよ」
「…………」

見てる。 ちゃんと、分かってる。
ただ、オレが。
オレが、そこにいないだけなんだ。

ポッカリ開いた心。 オウカさん。
あの人の存在は、大きかった。 依存しすぎだと思う。 だって、あの人は、たった一人。
黙ってオレを置いてくれていた人だから。

「お前に何があったのかは、オレも知ってる」
「っ」

心が、砕けそうだったけど。 持ちこたえる。
少なくとも、さめはだ君はそういう奴じゃないって、信じてるから。

「その気持ちは、お前にしか分からないから。 オレは、お前の気持ちが分かる、なんて軽口もう言わないよ」

だけど。

さめはだ君が、泣きそうな顔で。 声で。

「少しは、頼ってくれよ」

そういえば。
前も、光里さんがオウカさんに言っていた。

頼れよ、ばか。

たぶん、あれは本気で怒ってた。
さめはだ君も、今は怒ってるのか?
ワカラナイ。
心を失くしたから、分からない。

いつの間にか、喜怒哀楽が分からなくなってしまった。
人のも、自分のも。 便利だと思ってた。
面倒くさい感情は一気におさらばで。 だけど同時に。

とても、空しくもあった。

「…………あかね?」
「……今、だけです。 今だけですから……」

泣きは、しない。
もう昔全ての涙を出し切った。 そっと、さめはだ君の胸にもたれかかる。

ああ、怖い。
心を失う時も怖かったけど、心を取り戻す事より、躊躇はしなかった。

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.190 )
日時: 2010/08/09 15:55
名前: ミコト (ID: 8hgpVngW)

ひぇ〜
大変ですね〜・・・
あかね、かわいすぐるww
ちょっ・・・お婿に欲しいです・・・

でも、それ言ったら
ハルキに殺されるな〜・・・


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