ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 崩壊少女と無心少年 完全完結
- 日時: 2010/08/18 21:06
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&
illust_id=11801579
参照の後に、上のURLの続きを合体させてください。
この小説の表紙が開きます。
さじの様にお願いしました。
注意
設定上、グロ描写があります。
そこだけはよろしくです。
お客様
使い魔の猫様 空様 月兎様 時雨様
神無月様 白兎様 風水様
スペシャル様 ミコト様 阿嘉狐様
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- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.45 )
- 日時: 2010/07/17 14:43
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
ハルキとあかねの関係が気になります。
私はあかねと光里さんが好きですー。
続きがんばって下さい。
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.46 )
- 日時: 2010/07/17 14:46
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
あかね人気だな〜(*^_^*)
そんな人気になるとは思ってなかった←おい。
>時雨さん
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.47 )
- 日時: 2010/07/17 16:50
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
.
少し、思い出話に付き合ってください。
オレの両親はオレが小学生の時にもう死んでいて。
なんでって……事故です。 ふつうの。
事故にふつうもへったくれも無いかもだけど、普通に飲酒運転してて死んじゃいました。
そんなもんなんです。 人生って。
オレはそれから、親戚の家をたらい回しにされたわけだけど、2年間オウカさんと住んで、分かったんです。
あー人間てこんなもんなんだって。
オウカさんの事があって、オレは光里さんに正式に養子として同居してるんですけど。
この田舎町に引っ越してきて、オレ、ある女の子に言われたんですよ。
私と、似てるって。
どこがどう似てるんだって聞いたら、目、と答えるんです。
そう、目。
死んでるくせに、生きたふりをしているオレの目を、その子は似ていると言ったんです。
驚きですよねー。
いや、そんな顔しないでください。
本当にその子はオレにそう言ったんです。
それから、なんだかその子の事が気になって。
教室で居る時もずっと目で追うようになったんです。
初恋、だったんでしょうか。
女の人はオウカさんで懲りてるので、よく分かりませんが、惚れていたんだと思います。
仲間を見つけた、と思ったんです。
オレと同じ物を見て、オレと同じ物を感じる。
その価値観は違うだろうけど、彼女ならそれをある程度は分かってくれるんじゃないかって。
少なくとも。
「少なくとも、普通の人よりかは」
何がふつうか分からないけど。
隣を見ると、チューと野菜ジュースを飲んでいたそいつが、少しだけ苦笑してオレを見ていた。
「お前、バカだよ」
オレはバカだと。
そいつは言ってくる。 バカでいいんだけど。
「そんな話して、オレにどうしてほしいの」
「…………聞いてもらいたかっただけです」
「オレを誰だと思ってんだよ」
「さめはだ君」
「ワザとだろテメー!! 」
シリアスな雰囲気から一転して、胸倉を掴んできた。
この人、本当に頭悪いな。 パターン化してるの分かってないのか。
「んで。 何でいきなりこんな話したんだよ」
「べっつに〜」
「お前、何か考えてそうで怖いんだよっ」
オレは人間が怖いよ。
「オレはっ。 お前の友達だって思って……なくもねぇよ!」
「どっちですカ」
思わず秒読みになってしまう。
正面からこういうふうに言ってくる人間、あまりいないからかな。
「秋色ハルキって知ってますよね」
「知ってるも何も……有名じゃんよ」
当然知ってるだろうなー。
「オレね。 今その子とオトモダチやってんですよ」
目が点になる。
そんな表現を知ってるけど、実際に見るのは初めてだった。
「………………秋色と?」
「はい。 病院で会っちゃいまして」
1年ぶりの、ハルキの目。
何も変わっちゃいなかった。
「別人でしたよ」
「………本当にお前の考えてる事わかんねー」
「それでいいですよ。 ……あ、昼休み終わっちゃいましたね」
生徒立ち入り禁止の屋上だから、先生にバレると怒られるかも。
「戻りましょうか。 さめはだ君」
「さだめだっ」
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.48 )
- 日時: 2010/07/18 08:40
- 名前: 風水 (ID: STEmBwbT)
微笑ましい光景ですねー
さだめ君とあかね君。
目が似てるって言ったの、もしかして……。
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.49 )
- 日時: 2010/07/18 09:12
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
放課後になって生徒が蟻のようにゾロゾロと帰る。
その人波に紛れて、普通のフリをして、オレも家に帰る。
「夕空さーん」
「…………………」
後ろから抱きつかれて、倒れるかと思った。
「ごめんなさいっ、夕空さんー」
「いえいいですケド………どしたんですか、貝原さん」
中学の校舎、向こう側なのに。
貝原さんはニヘラッと笑って、オレの腰から手を離す。
「夕空さんー、一緒に帰りましょうー」
「いいですけど、家こっちなんですか?」
「はいー。 お願いしまーす」
コンニャクみたいな喋り方で、貝原さんが隣を歩く。
ベチョーというか、ペトーというか。
顔は整ってるくせに、その仕草や喋り方のせいで、凄く不思議ちゃんに見える。
「夕空さーん、少しお話きかせてくださーい」
「なんですか」
「幸せですかー?」
なんでそんな事を聞くのかはさておき。
幸せか、ねぇ。
今なら光里さんもいて、姫里さんもいて。 マイナス要素しか吐き出さないけど、ハルキもいる。
さめはだ君もいて、オウカさんはいなくて。
ある程度満たされているはずなのに。
何故かポッカリ穴があいた感は否めない。
この感覚はなんだろう。
置き去りにされたような心の穴は放っておいて。
「幸せだと思う。 今は」
全然思わないデスけど。
「ぬぬー。 そーですかー」
貝原さんは頷いて、オレを見る。
どこか、オレに似ている目。
「幸せですかー。 それは良い事ですなー」
棒読みでそう言い、崩れそうになった表情を必死で止める。
ニッコリ笑い、オレの背中をばんっと叩いた。
「そっかー。 夕空さんは幸せなのかー」
「貝原さんは、幸せじゃないんですか」
分からないふりをして、聞いてみた。
「私はー、幸せなのかなーって。 思わなくもないですけどー、なんとなーく。 幸せが分かりません」
掴めないからかな。
幸せなんて、いくらでも。
壊れて生まれて崩れて再生して。
「何か分かりますか? 幸せ」
「曖昧だね」
そういえば。
昨日もバラバラ殺人事件が起きた。
カップル二人、ずったずた。
あの人たちは、死ぬ寸前までにも幸せを感じてたんだろうか。
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