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崩壊少女と無心少年 完全完結
日時: 2010/08/18 21:06
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&

illust_id=11801579



参照の後に、上のURLの続きを合体させてください。
この小説の表紙が開きます。


さじの様にお願いしました。





注意

設定上、グロ描写があります。
そこだけはよろしくです。


お客様

     使い魔の猫様  空様  月兎様 時雨様
     神無月様  白兎様  風水様
     スペシャル様  ミコト様  阿嘉狐様

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Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.25 )
日時: 2010/07/14 18:39
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

.





「お前、遅いんだよ。 どんだけ飯待たせるつもりだコノヤロ。 餓死しかけだったじゃねぇか」
「安心してください。 目が死にかけてるのは、いつもの事ですから」

ガシッと頭を掴まれ、ワシャワシャと髪に触られる。

「この邪魔くせー髪、切りたいんだけど」
「いやですよ。 てか人の寝込み襲うなんて本当に変態ですね」
「意味違って聞こえんだろオイ。 女々しい髪切ってやっただけじゃねぇか」

だからって、人の寝ている所を狙うな。
マジで焦ったんだぞ。

「それに、そんな変わってねーじゃん」
「いえ、重大な事なんでス。 オレにとっては」
「お前は女子高生か」

凄く変な目で見られた。
オレより何個分高い背で、追い抜いて行く。

「飯、食うぞ」
「………はい」






その日の夜も、近所でバラバラ殺人が行われたらしい。
現場が家から近かったので、光里さんが鍵を閉めたかチェックしていた。

「念には念を、って言うだろうが」

とか言ってた。

そして、殺されたのはオレの高校の1年生らしい。
名前も聞いたけど、全然知らない。 忘れた。
しかも同じクラスの女子だったらしく、クラス中がざわついている。

「あのさ、夕空」

乙羽さんが、すっごい凶悪犯を見るような目でオレを見てきた。

「なんですか?」
「アンタさ、昨日の夜……プラプラしてたじゃん。 何してたわけ?」

なんだよ、この取り調べみたいなの。
そういえば、財布早く返さないとなー。

「別に。 乙羽さんは? 何してたんですか?」
「フツーに塾帰りだけど」

だから潔白です、てか?
腹の底が見え見えで、少し気持ち悪いな、この子。

「オレもフツーに友達に会ってただけです。 言ったでしょう、昨日」
「……それ、嘘要素何パーよ」

4対6の割合、かな。

「乙羽さんが気にする事じゃないですよ」
「アンタが殺ったんじゃないの?」

単刀直入にきやがったな、こいつ。
でも、その目はアレだ。 百パーオレを犯人として満ちない目。

「安心してください、オレじゃないですから」
「……………」
「第一、面識ないですし。 何のメリットもないし」

動機が無いし。
乙羽さんはオレを睨みつけて、友達の輪に入ってしまった。
まぁ、別にいいんだけど。



Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.26 )
日時: 2010/07/14 18:41
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

サクはセイに惚れてた……んだと思います(^^ゞ
セイの人格カモンですよ、ええ本当に。

いつもコメ有り難いです(^◇^)
頑張ります。
>空さん

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.27 )
日時: 2010/07/14 18:54
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

「なあ、乙羽、何て言ってた?」
「犯人に仕立てられましたけど」
「……サイテーだな、あいつ」

乙羽さんを睨む…………、誰だっけ。

「……………」
「………………………」
「………………………………」
「いや、だから聖さだめだって!! 」

ああ、そうだ。 さめはだ。

「お前、本当に覚えらんねーの?」
「昔っから、あまり人と関わってないんで、どーにも苦手でして」

人に感情を移入したらダメだと知ったあの日から。
オレのありとあらゆる感情思考がストップしている。

「ふ〜ん。 で、オレの名前は?」
「……………………………………………」
「お前、マジでイラつくな」

なら一緒に居なきゃいいのになー。
他人事のように思う。 この人、クラスからかなり頼りにされてるクセに。

「まあ、嫌いじゃないけど」
「はい。 オレも、キミは嫌いではありません」

かといって。
好きでもないけど。


Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.28 )
日時: 2010/07/14 19:17
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

.





一週間が経ち、カウセリングの日になった。
定期健診なんて、もうやらんでいーです。
そう言うと、姫里さんはペシッと頭をはたいて、

「アタシはお金が欲しーんだ」

などど大人として最低な一言を言っていた。
精神科なんて、あまりウキウキしていくような場所じゃない。
家と反対方向の病院に足を踏み入れると。

「あっかねー♪」
「どばすっ」

前からハルキが飛びついてきた。
そのまま自動ドアの間で尻餅をつく。

「なんであれから来てくれなかったんだよっ。 退屈だったんだからっ」
「あー、ゴメン」

そういえば、そうだ。
ハルキと友達になってたんだ、オレ。

「約束破ったので、お仕置きデス」

言ったかと思うと、思い切り鉛筆を手の平に刺してきやがった。

「つっ………」

かなり、痛い。
うーわー、何だコレ。 手に開いた穴って、こんなに痛いっけ?

「はいっ。 これで私もあかねを許しまーす」
「ど、どうも……」

ここじゃ他の患者さんに迷惑だろうな。
なんとか悲鳴こらえれて良かった。 

「とりあえず、部屋行こうか」
「うん、いこーいこー」

まだ検診まで時間あるし。 
鉛筆はそのまま穴に突っ込んでおいて (R指定は得にないんですが)、開いてない方の手を握ってハルキが走る。

「きゃっほー! 久しぶりのお友達っ」
「………………」

二重に驚いた。 何がしたいんだろ、この子。
ベッドの上に、黒くてサラサラっぽいゴミがある。 よく見ると、それはセミの死骸だった。

「…………ハルキ、これ何」
「友達。 みんな壊れちゃったけどね」

今9月なのに、なんでセミが居るんだろ。
ふと、机の上を見ると、虫籠にギッシリとセミの死骸があった。 まだ形がある。

「友達だから、虫籠に入れてたんだけどねー。 今じゃピクリとも動かないんだよ。 粉々にしても、動かない」

知性や理性も吹き飛んでいるのか、常識的な知識も身につけていない。
ハルキは誇らしげに、セミの死骸のカスを見せつけてくる。

「友達殺して……ハルキは最低ですね」
「サイテーでもいいよ。 私は、あかねさえ居てくれたらいいし」

なんでそんなにオレ限定なんだろ。

「ここにいる人間さ、みーんな私と友達になってくれないし。 つまらーん。 なーんでじゃー」

たぶん、その異常さに他の患者さん方も何か察することがあったんだろうなぁ。

「あっ。 でもでも、友達は外にいるよ」
「ん?」
「名前はねー、秘密だけどいるよ。 私の嫌いな子みーんな消してくれるんだよ」

鉛筆を抜き取ってみる。 うはー、血が。

「それはいい友達ですね」
「でしょ? ズッタズタにしてくれるから面白いよね」
「その人たちに何されちゃったんですカ?」
「苛められたんだよ」

穴を凝視し、次にハルキを見る。
ハルキは何とも思ってない表情で、笑っていた。

「みーんな大嫌い。 何考えてるのか全然わっかりませーん。 だから嫌い、あかねとその子は別だけど」

ちょっと意外だった。
苛められた事を覚えているんなら、じゃあ、




父親の首を切り取って学校に持ってきたのは、覚えてるのかなーて。
心からそう思います。

Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.29 )
日時: 2010/07/14 20:59
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

父親の首を切り取ったのですか!?

頭の中で想像しちゃって・・・・・・・・・。

続き楽しみにしてます。


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