ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 崩壊少女と無心少年 完全完結
- 日時: 2010/08/18 21:06
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&
illust_id=11801579
参照の後に、上のURLの続きを合体させてください。
この小説の表紙が開きます。
さじの様にお願いしました。
注意
設定上、グロ描写があります。
そこだけはよろしくです。
お客様
使い魔の猫様 空様 月兎様 時雨様
神無月様 白兎様 風水様
スペシャル様 ミコト様 阿嘉狐様
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- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.121 )
- 日時: 2010/07/28 07:44
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
なおよろし、ベリグッ!!
もうね、さめはだ君でいいだろ、さだめ君って思ってんだけどね。
譲らないみたいですねー大人気ないですねー恥ずかしいですねー☆笑
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.122 )
- 日時: 2010/07/28 09:02
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
.
昼休みがもう終わる。 弁当を片づけてると、悲鳴が聞こえた。
素知らぬ顔で外を見て、もう10月か〜なんて思う。
秋って、それが名字にあるハルキが浮かんで空しいんだけどな。
「全員教室から出ないようにッ」
うるさいな、担任。
どうせ自殺者が出たんだろ?
そしてそれに一々反応するクラスメイトに、どうしてそこまでオーバーなリアクションが出来るのか、不思議だった。
「なにかあったんか」
「オレは早く帰りたいですね」
「ノーテンキな」
さめはだ君の目が、好奇心で疼いてる。
これが、普通の人間の在り方。 事故が起こってそこに人が群がるみたいに。
まるで、虫のように。
予想通り、先ほどの悲鳴は遺体の第一発見者である女子生徒のものだった。
トイレに行くと、静動脈をズパッと切っている女子が血だらけで即死だったと言う。
立て続けに自殺者が現れたため、学校は一時休校という形になった。
生徒の間では、呪われてるだの何だの色々噂されているけど。
「あかねっ」 「ハルキ」
オレにとっては、どうでもいい事で。
その日、授業が無くなったから、オレは病院にいた。
もちろん、ハルキに会いに。
ハルキを抱きしめると、柔らかい匂いがした。
「なーんか最近あかねの夢ばっか見る」
「それはよかったです」
「友達もっと増やしたいけど、みんな壊れるからね、凄く寂しいんだ」
手術ごっこやるなよ。
ハルキの長い黒髪を撫で、病室に行く。
破けていたカーテンは元に戻り、ぬいぐるみは相変わらず腹を裂かれてるけど、御健在だ。
テレビをつけて、ハルキと一緒にベッドに座る。
「あのねー、私嫌いなしいたけ食べれるようになったんだけど、そのかわりにね、豆腐が嫌いになったー」
麻婆豆腐でしいたけばっか食べてたのか?
「豆腐って、すぐ崩れるじゃん。 そんなのダメなんだよ。 ……………あかね?」
……一瞬、意識がとびかけた。
ちょうどテレビにはお昼のニュースがかかってあり、そこにはオレの通う学校が映し出されていた。
そこまでは、いい。
だけど。
「………」
立て続けに起こった自殺者と、1年前にも起きた自殺未遂を関連づけて、司会者や評論家が話してる。
「あかね?」
1年前の、自殺未遂事件。
ハルキの事だ。
「あかね、聞いてるの」
聞こえてる。
「あかね?」
聞こえてます。
「あかっ、」
何が、こういうふうに。 どうして。
ハルキがテレビを見ないように、抱きしめた。
視線が、自然とハルキの左手に映る。 包帯を巻かれた、痛々しい傷。
「……あかね、甘えん坊さんだな」
ハルキは、人を殺したけど。
もう十分傷ついたわけで。
だから、
もう罰は与えないで。
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.123 )
- 日時: 2010/07/28 13:34
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
.
「むふふふ」
「…………なに」
「あかね、甘えん坊だから私、お姉さんみたい」
ハルキ、君はお姉さんだったんだ。 貝原の。
あの子は君の為に殺人を犯したけど、君は何一つ理解しないだろうね。
「ねえ、あかね。 あかねさ、私の子になっちゃえばいいよ」
「………はい?」
子? ハルキの子供?
「私の事、ママって呼んでみな。 ママは子供を守るから」
「いや、ハルキ。 オレはその……そういう羞恥プレイはちょっと」
「ぬ。 そうなんだ」
羞恥プレイの意味、分かるんだ。 意外にそういう常識はあるのか?
ハルキはオレの頭を撫でて、強く抱きしめた。
どっちが守られてんだか。
「あかね、私の事好きにならないでよ」
「え」
「好きになったら、恋人になるでしょ。 私が好きなのは友達だもん」
「………」
初恋は、ハルキだった。
「好きになっちゃ、やだから。 いつかは、嫌われるから」
抱きしめていた腕に、力がこもる。
「嫌われるの、嫌だから。 あかねには。 あかね、私の事好きにならないでね。 約束ね」
「……でも、友達ですよね」
確認するように尋ねると、ハルキが笑った。
そんなの、当然だというふうに。
「うん。 友達」
「友達としても、好きになっちゃダメですか」
「ダメ」
即答し、ハルキは笑顔をオレに向けた。
「友達だけど、あかねは私が嫌い。 私も、みんな嫌い。 友達だけど」
好かれると、いつかは嫌われる。
ハルキの父親は、近所の人から見ればとても優しく、ハルキもよく懐いていたらしい。
好きだったから。
ハルキの父親は、ハルキに暴行と性的虐待を与えて、彼女を確実に壊していった。
嫌いになったから。
いや、違う。 嫌いになったんじゃない。 好きではあった。
ただし、ハルキではなく、ハルキの体が。 悲鳴が。 強張る表情が。 うめき声が。
『好き』 の対象が、変わっただけ。
それだけ。
「それだけ〜」
「……手術ごっこ、しましょうか」
「おっ。 今日のあかねはサービス効いてるな」
どす黒い液体と感情がハルキを犯したと考えると。
吐き気がするだけだよ。
2時間ハルキと遊べば、彼女は絶対眠くなる。
しばらく頭を撫でていたら、すぐに人形のように眠った。 寝息もたてず、肩も動かないので、死んでるようにも見える。
電気は消さずに、テレビも点けっぱなしで病院から出る。
夕方と言うには少し早い時間。
光里さん、今頃ブツブツ言いながら髪を切ってるんだろうか。
「っ」
何かが後ろからぶつかってきた。
倒れそうになるのを踏ん張り、振り返る。
「また自殺者が出たんでしょっ」
「……痛い」
素直に感想を言うと、乙羽さんが離れた。
学校休んでたくせに、制服姿。 その目は充血しており、泣いていたように見える。
「ニュースで見たんですか?」
「自殺者が出た! 女生徒。 違う?」
「……そうですけど」
「隣のクラスの子じゃない?」
「そこまでは聞いてませんけど」
「絶対……そうだ……」
震える口調で言い、乙羽さんが染めた髪をくしゃくしゃにする。
「絶対、そうだよね……。 あいつの、せいだ。 だから嫌いなの。 アンタも、秋色もっ」
え、
意味が分からなくて、何か聞こうとしたけど。
乙羽さんが思い切りオレを突き飛ばした。
あ?
「だから嫌い。 私が言いたいのは、それだけ」
「ちょい」
ちょい待ち。
頭が石にぶつかって、かなり痛いんですけど。
なんか、血出てない? 気のせい?
乙羽さん、いないけど。
あれ? あれれ?
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.124 )
- 日時: 2010/07/28 15:25
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
ありゃ、あかね君ピンチ
自殺者がハルキとあかねのせい、ですか・・
むぅ・・・被害妄想激しすぎません?いや、何かのせいにしないとダメなのか・・・
というよりあかね君!!死んじゃったら物語終わっちゃいますよね(汗
続きが気になる!!
- Re: 崩壊少女と無心少年 ( No.125 )
- 日時: 2010/07/28 17:01
- 名前: 風水 (ID: STEmBwbT)
ハルキ……私はハルキ好きだよっ
ハルキは随分独特な考えを持ってるようですね。
ハルキを抱きしめたあかね君…か、かわいいです
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