ダーク・ファンタジー小説
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- リアルゲーム
- 日時: 2017/06/21 00:50
- 名前: 電波 (ID: iruYO3tg)
皆さん初めまして、電波と申します!
ここで投稿するのは初めてなので少し緊張しているのですが、よろしくお願いします。
また、文才ないのでうまく書けないかもしれませんがご了承ください!
それとそれと!
この作品には過度な暴力表現とグロテスクな描写が(たまに性的描写も)あります。それがダメな人は回れ右してください!
・注意事項
暴言や荒らしなどの行為はやめてください。
以上です。
・ゲームのルール
1.『全校生徒で殺し合いをする』
2.『期間は7日間。それまでに校内の生存者は2人にしておくこと。また、期間内に規定の人数に到達しなかった場合、全員失格。死刑になる』
3.『ゲーム途中に校外へと出た者は罪(ペナルティ)となり、失格となる』
4.『全校生徒にはそれぞれ戦うための異能(スキル)が配布される』
5.『殺し方や戦い方に縛りはない』
6.『校舎内に『鈴木さん』が徘徊する』
7.『クリア条件は2種類。1つ目は7日間以内に生存者を2人にすること。2つ目は校舎を徘徊する『鈴木さん』を殺すこと。その場合は、生存者の数に関係なくゲームがクリアとなる』
- Re: リアルゲーム ( No.80 )
- 日時: 2015/06/19 23:23
- 名前: 電波 (ID: HijqWNdI)
男子生徒、伊勢凪 高貴(いせなぎ こうき)は機会をずっと伺っていた。
相手は触れた物を何でも溶かす能力を持っている。神居が触れたコンクリートの壁をもそれは泥のように溶かし尽くしたのだ。
それにスキルの発動条件は直接彼に触れることだ。皮膚に当たるだけでその物質は一気に液体に変えられてしまう。さらにタチの悪いことにそれは手からでもなくても顔や首、背中などと言った皮膚でも発動できることが先程の戦いで実証された。
伊勢凪はチッと舌打ちしたくなる気持ちを抑え、天井から神居を見下ろしていた。
以上のことを踏まえて伊勢凪が導き出した答えは、
(殺るなら今だ!)
天井から落下し神居を奇襲することだ。
幸運なことに神居は伊勢凪の攻撃に気づく様子はない。
伊勢凪は敢えて何も手に持たず、体全体を使っての一撃を試みた。
伊勢凪のスキルは『埋没者(ハーフ・キル)』。物体の中に潜り込むスキルである。自由に辺りを行き来することができ、攻撃をかわすことも可能。
ただし生物への侵入は不可能である。
だがこれだけあれば十分強力な能力になるはずだった。
ゴンッ
「ッ!?」
伊勢凪の視界がグラつき、そして気づいた時には自分は地面を転がっていた。
一瞬、伊勢凪の視界で見えた神居は確かに笑っていた。そして、片手に持っていたのは奇妙な形をした石だった。
「テメェ……なんで場所が……」
意識が朦朧としながら伊勢凪は神居に言う。しかし、その疑問はすぐに解決された。
それは床に広がる無数のガラスの破片。三毛門がスキルを何度も連発し、その爆風によって窓ガラスが割れ床に散乱したのだ。
「どこかの誰かが好き勝手やってくれたおかげだよ」
倒れている三毛門に目を配らせる神居。それに対し不快感を感じるように三毛門は目をそらす。
そして、神居は視線を伊勢凪に移した。
「さぁ、立ちなよ。まだ戦えるでしょ?」
片手に持った石を投げ捨て、神居は穏やかな歩調で伊勢凪に歩み寄る。一方の伊勢凪もよろよろと立ち上がる。
伊勢凪の頭部から流れ落ちる血が額を伝って流れ落ちる。
伊勢凪は自分がこれほどまで追い詰められるとは思わなかった。自分のスキルがあればこのゲームに生き残れる、そう思っていた。
しかし、目の前の絶望を見た瞬間その考えが甘かったことを実感した。
(クソが……こんなデタラメな奴があるかよ……)
伊勢凪はナイフを制服の裏から取り出し、足を前に出す。
この時、彼は神居に勝つことはできないと察した。伊勢凪のスキルは器用に使い分けることができない。能力を使用する際、手に物を持っている状態ではそのまま物が手からすり抜けていくことになる。
この状況ならナイフよりスキルを使った方が良い、そんな意見があるだろうがそれができたら伊勢凪はとっくにやっていた。
(視界が朦朧として………スキルが………)
さっきの一撃。神居からもらった頭部への一撃は予想以上に伊勢凪の行動を制限していた。
だから伊勢凪は走り始める。
ーー最後に抵抗してやるために。
だから伊勢凪はナイフを振り上げる。
ーー最期に悔いを残さないように。
だから伊勢凪は笑みを浮かべる。
ーーだから………。
「だから?」
神居は嫌な笑みを浮かべながら、自分の手を彼の胸へと貫いていた。
胸の傷口から煙に混ざって、ポタ……ポタ……彼の胸から流れていく赤色の水滴が一滴一滴テンポ良く床に落ちていく。
伊勢凪の振り上げられていた手はだらりと落ち、ナイフは神居を傷つけることはなく床に落ちた。
神居は彼から手を引き抜く。
そして、伊勢凪の体はゆっくり傾いていき、神居を横切るように倒れた。
倒れた伊勢凪に視線を向けると、ハァとつまらなそうに伊勢凪の死体を見つめた。
「やっぱり死んだらつまんないや」
そう言いつつ、何かを手にした神居はそのまま自分の口へと運んだ。
真っ赤に染まる口元。グチャグチャと鳴るついさっきまで動いていた臓物。
ゴクン、喉を通った後に口の中に広がる血の味が虚しく感じた。
「さて、そこの君」
「ッ!!」
しかし、テンションはすぐに元どおりになり、次に視界に捕らえたのは三毛門だった。
三毛門自身こんなところを見てしまってはまともにこの男を信じることはできない。
かと言って抵抗する力もない。
三毛門に緊張が走る。
鉄の臭いが廊下内を漂う中、神居は親しげにまるで身内に話しかけるよう彼女にこう切り出した。
「ねぇ、僕と友達になってくれない?」
- Re: リアルゲーム ( No.81 )
- 日時: 2015/06/19 23:26
- 名前: 電波 (ID: HijqWNdI)
佐賀馬原さんへ
コメントありがとうございます!
更新は頑張ってしたいところですが個人的な事情で遅れます。
すみません!
- Re: リアルゲーム ( No.82 )
- 日時: 2016/02/06 18:11
- 名前: 電波 (ID: JIRis42C)
ゲーム開始から二日目の午前4時。
体育館の一室にて生徒会メンバーが一つの場所に集合していた。彼女たちがこれから行うのは会長、桐ケ谷 綺麗が目的とする作戦を決行する為のミーティングだ。このミーティングが終わったと同時に彼女たちの作戦は開始される。緊張のためかその重圧が彼女たちに重くのしかかり口を開く者は誰一人いない。
かに思われた。
「作戦準備は大体整いましたぁ。後はこの作戦がスムーズにいくかどうかでーす」
桜山がのんびりとした口調で言葉を発す。それを見てる限り彼女に緊張の二文字はないのかと突っ込みたくなる程にほのぼの加減である。
「ご苦労様。しばらく休んでて良いわよ」
「はぁい」
桐ケ谷は腕を組んで目線を変える。
「じゃあ、柏崎さんは周囲の警戒を行ってちょうだい」
冷静な表情で桐ケ谷は目線を桜山の後ろに佇む柏崎へと向ける。そんな柏崎は不服そうに桐ケ谷から目を逸らすと、
「分かってますよ。邪魔者は排除ですよね?」
すると桐ケ谷は当然の如く返答する。
「ええ、ただし加減を気を付けなさい。あなた、案外抜けてるから」
「……ッ!」
挑発なのかそれとも本音なのかは分からないところではあるが彼女のやる気を出させるには充分だった。そして、と付け加えながら彼女は桜山の横でおどおどしている金谷へと向けられた。
「金谷さん、あなたは柏崎さんのバックアップを任せるわ。もし柏崎さんが暴走したら止めてちょうだい」
「わ、分かりました!」
「……ッ!!」
何か反論しろよ!と金谷に睨みをきかせる柏崎だが金谷自身その本心に気が付くことなくただなぜ自分が睨まれているのか訳が分からない様子だった。金谷まで大体の割り振りをした桐ケ谷だったが、一旦ここで溜め息を吐き、目を細めて自分の横に座る人物を見下ろす。
そこにいたのは両手を後ろに組んだ状態で椅子に座る村上だった。
「もう気は済んだかしら?そろそろ始めたいのだけれど」
村上がなぜこのような体勢にあるかと言うと、昨日の夜に勝平に情報をうっかり漏らしそうになり、周りからの信頼(特に会長)を失ったのではと思った彼女は自分から勝平と同じ状態になり数時間この状態にいるのである。
「すみません会長。今後あのようなことはしませんので……」
「その台詞は聞き飽きたわ。あなたがどうしても汚名返上をしたいなら次の作戦できっちり成功させなさい」
「は、はい!」
村上がやる気に満ち溢れて立ち上がった。これでようやく作戦に入ることが出来る。今回の桐ケ谷の作戦で大きなカギとなるのが村上の存在である。村上は支配権を行使するスキル『武力弾圧(オール・スルー)』の保持者である。このスキルがあれば意識のない生物を複数操ることが出来る。人間は勿論、虫や動物なども応用は可能。
一見能力が周りと段違いに強いと思われるが当然穴はある。
一つは、操る対象が生きていること。
もう一つは相手の意識をなくすことにある。
以上の弱点を踏まえて桐ケ谷が考えたのは、
「恐怖を持たない兵団」
突如としてこの空間に間が空いた。
今の一言はこの場にいる生徒会メンバーが発したものではない。誰もが口を開けてそこを見つめている。桐ケ谷を除いてだが。
「あら、いつの間にいたのかしら?少し見ない間に随分と存在感が薄くなったものね…いえ、なくなったと捉えるべきかしら?」
桐ケ谷が片目を閉じて見つめる先にはつい先日見逃したはずの少年が立っていた。そして、その横には見慣れない男子生徒がもう一人。
数秒遅れて生徒会メンバーは彼ら二人の存在を認識し、臨戦態勢に入る。
「会長、下がってください!」
村上が桐ケ谷の前に出るが桐ケ谷は村上の忠告を聞かずさらに前に出た。
「大丈夫よ」
後ろのメンバーを安心させるように言うと、余裕たっぷりにこう言った。
「今度はお友達も一緒?」
すると、伊吹が口を開いた。
「こいつの先輩だ。間違えんな桐ケ谷」
両者互いに視線がぶつかり合う中、数秒経ったあと桐ケ谷から口を開き始めた。
「何の用かしら?もしかして一度見逃してあげたのにそれをむざむざ投げ捨てに来たの?」
「いいや、違う」
すると、今度は勝平が口を開いた。
「あら、じゃあ何しに来たのかしら?」
その質問に勝平は少し覚悟を決めたかのように溜めるとこう切り出した。
「お前らの計画を協力しに来た」
- Re: リアルゲーム ( No.83 )
- 日時: 2015/07/25 17:15
- 名前: 電波 (ID: oYpakyoC)
勝平の言葉に生徒会メンバーは桐ケ谷を除いて戸惑いをみせた。それもそのはずだ。ここに来て一日の男が彼女達が画策した計画が分かるはずがないのだから。
このゲームが開始されてそう時間が経たない頃に、その応用力と知識を最大限に活用した桐ケ谷 綺麗の計画は狂いはなくシュミレーション通りにうまくいった。
計画の全ては生徒会役員に全て伝えており、それ以外の者には伝えていない。生徒会の指示の下で動いている生徒にも極秘に進められていた。
が、それなのに情報が漏れていたと言うことは以下の事が考えられた。
1つ目がスキルによるもの。
まだ開始されたばかりのこのゲームでは誰にどんな能力が配られているのかまだ把握できていない。情報収集を主とする能力があるのかもしれないことが考えられた。
2つ目が生徒会役員の中に裏切り者がいることである。計画の全てを伝えたのは役員のメンバーだけ。もし相手側に買収されたとするならば話している可能性がある。
しかし、ここで桐ケ谷の選択肢から『裏切り』が排除された。
犯人が役員のメンバーの一人とするならば、ここの情報をあっさり漏らした瞬間疑いがこちらに回ってくることぐらい分かるはずだ。それを承知で相手に情報を渡すのは桐ケ谷からの視点では考えにくかった。
それに彼女からもそれとなく情報を漏らした時のことを踏まえてのペナルティを用意し、役員全員の口封じをしておいた。
残る選択肢も確証はないがどちらにしろ、見逃したはずの標的がまた出てきたのなら桐ケ谷の考えることは一つだった。
「協力なんて結構よ。だって、これからあなた達を排除するのだから」
言葉を言い終えると彼女を中心に冷気が広がった。シルクのカーテンのようにユラユラと波立たせながら、桐ケ谷の目には冷たい殺意を宿らせ、対象を補足する。
近くにいた役員全員も桐ケ谷の様子に大体が察し、恐れ、少し距離を取った。
「女って奴はこれだから……」
そんな時、不満そうに伊吹 和麻はぼやいた。
「アンタらがどれだけの思想を抱いてるか分からんが、それに他人を巻き込むのは間違ってる」
伊吹の言葉を桐ケ谷は鼻で笑った。
「滑稽ね。この状況で誰かがその思想を持たない限り、誰も救われないわよ」
その言葉は確かに正当性はあった。一つの集団に目的も目標もなかったらその集団にまとまりはないし、方向性がバラバラになる。その中で目的を作ることで集団の意思を一つにする、それはどの人間社会でも同じことがいえる。
しかし、
「お前の思想は狂ってる」
唯腹 勝平は彼女の言葉を切り伏せた。
「心外だわ。どこが狂ってるのかしら?私は彼ら彼女らを代表して一つの目標を掲げたに過ぎないわ」
彼女の考え方にますます納得のいかない勝平はすぐに口を開いた。
「誰かの意見も聞かずに勝手に他の皆を人形のように扱うのが何が代表だ。お前のやっていることは皆のためじゃない。生徒会長の権力を利用したただの独裁者だ」
以前にここへ来た時のリスクを述べたことを覚えているだろうか。
一つは、衛生問題。
もう一つは、人間関係。
そして最後。
それは『指導者の思想』である。
歴史の偉人たちもそれぞれが思い描く思想を胸に抱き、世界を動かしてきた。ある者は世界的な発明をし、ある者は世界的な革命を起こし、ある者は国を創った。
しかし、それは良い思想を持ったものがいたからこそである。反対にある者は様々な場所に戦争を仕掛け、またある者は兵器を生み出し、またある者は弱き者を徹底的に蹂躙していた。
つまり、指導者の考え方によってその集団は大きく運命を左右されるということだ。
このゲームもそれとなんら変わらない。
学校と言う名の孤立した世界で誰かがまとめ、それを指示していく。ただそれがその人物の思想によって救いがあれば破滅がある。
勝平が懸念していたのは悪い方であったが、見事にそれは現実のものとなってしまった。
指導者は生徒会長であることは予想していたが、彼自身あそこまで桐ケ谷の頭のネジが飛んでるとは予想もしていなかった。
「さて、無駄話はこの辺にしておきましょうか」
唐突に桐ケ谷はそう言った。瞬間、全体の空気は徐々に凍り付き、気づけば壁や天井に霜が張り付いていた。
「村上さん、あなたは例の場所に移動しなさい。柏崎さんは伊吹 和麻、左の男を相手してちょうだい。そのバックアップに金谷さんもお願い。桜山さん、悪いけどもう少し仕事してもらうわよ」
「か、会長はどうなさるおつもりですか?」
戸惑いながら話す村上に桐ケ谷は初めての笑みを浮かべる。
「もう片方の男を相手にするわ」
- Re: リアルゲーム ( No.84 )
- 日時: 2015/12/13 21:51
- 名前: 電波 (ID: JIRis42C)
体育倉庫の勢いよく開かれた。いや、と言うより吹っ飛んだと言うべきなのだろうか。
固く閉じられた両扉は中からの衝撃に耐えきれずにその形状を変え、宙高くに舞った後床に叩きつけられた。
倉庫からは白い煙が床を這い、流れていく。
そんな中複数の影が倉庫から飛び出した。
多数の影はそれぞれの場所へと向かっていく中、二つの影が倉庫の前で止まった。
「おかしいわね」
一言、影の一つである桐ケ谷が目を凝らす。
「ったく、慣れないもんだな…」
それに相対するように勝平が佇み、自分の右手を握ったり開いたりしていた。
「まぁ良いわ。どちらにしろ次で分かる」
ゾゾッと、勝平の背筋がさか撫でられた。
瞬間、どこから用意したのか鋭利に尖った氷の柱が何本も空中から勝平の元へと落下した。
————途中までで、すみません。
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