二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

CLAYMORE 運命の道筋
日時: 2012/08/14 21:07
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)  

プロローグ

「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
そう、その男は静かにゆっくりと語った……
一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
彼の纏う気迫と眼差しには、
それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
凄みというものが有った。

とうに過ぎ去った時間の中で、
焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
そして、懐かしい思い出でもあった。

全てを失った男は大剣クレイモアを取った。
それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
己が生き長らえるが為に……

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41



Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.207 )
日時: 2013/04/11 03:30
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: NTjRWWeg)  

人物設定9

デイビット

「死んだら楽になれるかもしれない。
 でも、それは卑怯者の逃げ道でしか無いんだと思う……
 だから、嫌々でも戦うしか無いんだよ 」

性別:男

ナンバー34

属性:防御型

利き手:右

性格:臆病で小心者、優柔不断、おっとりとしている

容姿/身長:短く切り揃えた薄い小麦色の髪で、後ろの襟足のところは刈りこんである。
      瞳は銀、肌は白く幼さを残す平均的な顔立ち。
      体格は普通より良いくらい/185cm

設定:新たに印を受けた第2期目の下位戦士。
   思考や実年齢は外見のそれである少年のものでしかなく、
   生来の気の小ささと過去のトラウマから常におどおどしている。
   当人は過去も、いきさつも全て仕方ない
 諦めたで済ましている為、尚更それに拍車をかけている。
    その為、ランドルフから「腰抜け」と
 全く有り難く無い。何とも皮肉なあだ名を付けられてしまった。


キュルケー

「ば、馬鹿な…!?
 …あなた…な…に…ものよ……?
 ……化け…も…の…… 」

性別:女

ナンバー3(元)

異名:色欲の〜

属性:攻撃型

利き手:右

性格:高慢ちきで自己中心的、冷酷、自尊心が高く短気。

容姿/身長:(人間体)肩まで伸ばした栗色の緩い巻き毛、
      瞳はアンバー、肌は白の妖艶な雰囲気をした豊満な体の妙齢の美女。
      /175cm
      (覚醒体)上半身は人間、下半身は様々な獣という怪物。 大きさは12mくらい

設定:美しい容姿さながら、妖艶さと怪しさを有した事から
   色欲の異名を取った元ナンバー3の覚醒者。
   元々は純朴でほがらかな少女だったが、
   母親になりすました妖魔に父親や弟妹を喰い殺されたばかりか。
   彼女を妖魔と思い込んだ親戚によって放逐され、
   裏切られた事へのショックから、性格がねじ曲がってしまう。
   後に組織の構成員に拾われ半人半妖になるが、
 訓練生時点でも今一、協調性が無く。 印を受けてからも大差はなかった。
   覚醒者となって以降は、派手で露出の高い服を好み。
   見かけに騙されて、言い寄ってくる人間を餌としていた模様。
   しかし、最後の犠牲者が街の有力者で目撃者がいたが為に依頼を出される。
   戦士時代の強さは平均的なナンバー3のそれだった為、
   上位に引き上げられて間もない頃のラファエラらを圧倒してみせた。
   しかし、その慢心があだと油断の元となり。
   レーヴァントとの戦いにて、成す術も無く細切れに惨殺された。
その他:多分、ロクサーヌ達の前後の時代の戦士。
   生きていれば、聖都に向かったかは不明

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.208 )
日時: 2013/04/11 18:09
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: NTjRWWeg)  

「ギギギ!?
 何だ、お前は!!? 」

「んー、何だろう?
 ま。 ぶっちゃけて言えば、てめぇら敵だな…
 てめぇら妖魔を憎みながら、その血肉を身に取り込んだ…な…… 」

幕間 凶戦士の怨嗟べるせるくのえんさ

もし、そうなら。 もし、過去に戻れれば。
ガキの頃に何度、それを願い……
何度、夢に見た事か……。

だが、現実は非情だ。
何の思慮も、慈悲も無く不条理に持っていっちまう。
そんな残酷過ぎる真理に気付いた
その日からオレは、それまでの甘ったるい蜂蜜のような思想を捨てた。

何の覚悟も、目標も、標的も無い。
ただ、夢を見るだけの思考は、殼は。
現実主義者には、戦士には要らねぇと……。

ただ、あるのは復讐の焔とそれを為す牙。
そして…後も、先も無い。 現在いまだけだ。

「……喰う側のてめぇらは知らねぇだろう?
 喰われる立場の者の恐怖を、痛みを、断末魔をな……っ!! 」

SIDE妖魔

こいつは化け物か!!

最初は……
最近、調子に乗っていると噂される半端者が二人いる事に気づいたんだ。
だから、「暇つぶしには丁度いいか」と
おれと同じたかを括った他の奴らと共に、夜の休憩を狙い先制攻撃をしかけたんだが……

「ちっ! 」

「ケケケケっ、残念だったな。
 死ね!! 」

ガラが悪い同じ印が刻まれた二本の大剣を持つ半端者は、
割りとすぐに気づき、しかめた面で舌打ちをした。 次の瞬間。
最初に飛びかかった羽付きの奴を含む三人が
突然、細切れの血と肉片の塊と化した。

「!? 」


「へぇ……
 羽付きが上からの先制攻撃、残りの二匹が左右の横から爪で攻撃する…か。
 妖魔にしちゃあ良く出来た作戦だな 」

そいつは、危機的状況にもかかわらず喉の奥で笑った。

「せ、せ、せ、先輩!?
 こ、これは!!? 」

「……どもり過ぎだ。
 そんなん、見りゃわかるだろう?
 命知らずの馬鹿妖魔どもの奇襲だ 」

ギギギ?
ニ刀流のこいつに緊張感は無いのか?

「つまり…
 楽しい、楽しい戦いの始まりって事だ。 腰抜け 」

まるで貴族が遠足に行くような軽い感じで、
二刀流のそいつは、獲物の方からやってきたと言わんばかりに。
戦える事に、おれ等を殺せる事に歓喜していやがったんだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「人間を喰う時…こう、言ったんだろう?
 「じゃあ、一度でも命請いをする家畜の声を聴いてやったのか」と。
 クククっ……皮肉だな。
 よもや、その立場が逆転して……
 てめぇら妖魔が殺される順番がやって来るとは、
 微塵も思わなかっただろう? クソ野郎? 」

「ギ、ギィアアア!!! 」

今になって、はっきりと理解した。
こいつはおれ等よりも強い!!
力、スピード、その他諸々が絶望的に思える程の身体能力の差が。
そして、比べ物にならない強い妖力が。
そう悟らせ、奴の後ろには今にも鼠に襲いかからん鷹の幻が見えた。

(ヤバい!
 全てがおれ等を圧倒してて、何人いようと関係ないくらい強い!!
 だが、逃げても……
 !? そうだ、良い事を思いついた!! )


「へっ? 」


続く


後書き

そういえば、エンジェル伝説の北野君
驚く程、妖魔にそっくり。
奇声も、顔も。

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.211 )
日時: 2013/04/11 22:35
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: NTjRWWeg)  

大剣クレイモアを構えたまでは良かった。
だけど…
どうしても、拭い切れない過去の恐怖や試験での光景が脳裏に浮かび上がり。
たちまち青ざめ、足がくすみあがり動け無くなった。

「ひ、ひぃぃい! 」

幕間 弱者の諦め

「けっ! この役立たずめ!! 」

「「「キシャアアア!!! 」」」

それは、一方的な虐殺だった。
人間ならば、生半可な実力の者では大剣に振り回され、
例えそれを使いこなせる歴戦の者であってたとしても、
片腕で大剣を振り回せる膂力を有する者は皆無だ。

自分達、半人半妖は妖魔の血肉を取り込んだ事で、
例え子供であっても、訓練に差し支え無い程度は動ける力を得ている。

しかし、彼らは基本的に一刀流であり。
デイビットの記憶では訓練生の時も、印を受けた同期にも
ただの一人として二刀流はいない。

(これが、一桁ナンバーの実力か……。
 噂では。
 上位勢は、その一桁ナンバーよりも遥かに強いと聞いているし。
 ……考えていると、何だか空しくなってきたな
 自分の無能さと弱さに…… )

寧ろ、自分より下のナンバーの方がまともに戦えるのではないか。
何故、グズの自分が辛勝して
戦士への昇格試験に合格出来たのか。
その試験で死んでいった仲間には、
自分より優秀な訓練生がいたのにと、自虐的になるデイビット。
彼には自分の不甲斐なさに、
弱さに悲しみつつも、どこかしら諦めついたの雰囲気もあった。

(戦え無い奴は死ね。か……
 正に、その通りかもしれない…… )

戦え無い戦士は死ぬしか無い。
その辛辣な言葉はあまりに酷薄過ぎるが、
それに反発する勇気はデイビットには無い。
ましてや、自分より遥かに強い者に対しては。

(カス、役立たず、腰抜け、死ね……
 あれだけの暴言を言われるくらい無能な奴は死んだ方が……。
 !? )

SIDE妖魔


「は? 」

いくら、化け物とは言っても半分は下等種である人間だ。
そうである以上、仲間を見捨てる事はできまい。

「何だ、それは……? 」

「……人質さ。
 正面から立ち向かっても、不意打ちしよとも勝機は無く。
 かと言って逃走しところで、お前から逃げ切れる見込みも無いだろう。
 だからーー 」

「人質をとって、助かろうって魂胆か。
 フーン……
 別に、構わねぇが。 それが、どうかしたのか? 」

!?

「そいつが生きようが、死のうがオレは知ったこっちゃねぇ。
 ただ、厄介なお荷物がいなくなる。
 ……それだけだぜ? オレにとっては 」

なん……だと?
まさか、仲間を見捨てる気か?

「てめぇら妖魔を超える力を持ちながら、
 それを生かせずに、腐らせる役立たずなんぞ
 今でなくても、そう遠からず死ぬる運命なら。
 それが、こいつがその程度の器だったって事だ 」

「ち、ちょっと待て…!!
 お、お願い…だ 殺さないでくれ! 」

そ、そうだ!
こいつと手をくめ ーーー

「知るかボケぇ!! 」

視界が二つに分断さ…れ……?
え? マジ?!

「あばよ、ゴミクズ。
 今度はもっと頭を使う事だな……
 ま、その今度は無ぇがな…… 」


続く


後書き

この後、ランドルフの怒号という雷が発生しました。
顔面パンチと共に。

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.214 )
日時: 2013/04/12 04:41
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: NTjRWWeg)  

前書き

もし、オフィーリアからクレアを救った人物が
イレーネだけではなかったら……

IF番外編 銀雨のもののふ 上

ザアザアと、まるで滝のように灰色の空から降り注ぐ銀の糸。
その下の深き森では、どこか雨宿りをする場所が無いかと途方にくれていた。

「!?
 (山一つ向こうで、戦士が一人覚醒した……? ) 」

人としての限界を向かえたのか、と言う。
考えが其の人物の脳裏によぎるが、
それにしては、あまりに唐突過ぎるような気がする。
寧ろ、自分の意思のそれに近い感じだと感じ取れるが、
その人物は妖気読みには特化していない為。
そう言う細かい部分は今一つ、掴みとり辛いと歯噛みする。

(さしずめ。
 混濁した意識の中での無理な妖力解放といったところか……? )

もう少し近づけば、何かわかるかもしれないが
場合によっては、その覚醒者が襲って来ないとも限らない。
それは、死人として放浪する自分にとってリスクが高い。

「(数日前。
 現れた小さい妖気と突然、現れた大きい妖気は…… )
 ……!? 」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから、数日後。
覚醒した戦士オフィーリアとイレーネの右腕を受け継いだ戦士クレアは、
何の因果か、再びあいまみえる事となった。

オフィーリアは理由は定かではないが、何だか肉…
強いて言えば、内臓を食べたいと言う。

そして、ひとまず人間に近いクレアを捕食しようとするが
何とかクレアはその攻撃を受け止めてよける。
それでも、元々の力の差もあって徐々に劣勢を強いられ、
オフィーリアの猛攻を凌ぎ切れず池に放り出された。
そして、オフィーリアは水面にうつった自分とかいこうする……

「なによ これ…
なによ、これ。 なによ、これ。 なによ、これ。
 なによ、これ。 なによ、これ。
 だれよ こいつ!! 」

まさか、そんなはずがない。
これは、きっと何かの間違いだと水中に顔を突っ込み
非情な現実を知る。
悲痛な叫びと慟哭。

ただ、兄の敵をうちたかった。
自分から兄を奪った覚醒者に復讐をしたかったのだと、
にもかかわらず憎い一本角の化け物と同じ覚醒者になるなど。 あり得ないと。


彼女達から少し離れた丘にて、
その光景をを傍観してる者がいた。

(……あれは、キースと同系統の技?
 いや、単に右腕のみの妖力解放なだけか。
 手を離さない事で精一杯で、正確さと威力は奴とは程遠いな )

小さな妖力の剣の速度や威力、正確性や持続性。
いずれにしても、自分が知る戦士のものと比較すると
恐らくは全てが半分どころかそれ以下で、正確性は皆無だろう。
そう、思った矢先

(!? 不味いな…… )


「く…
 (限界点を見落とした?
 違う…
イレーネの腕が、まだ完全に馴染んでないんだ ) 」

「そっか…
 それって借り物なんだ
 どっかで見たことあると思ったのよね…… 」

記憶にあるのは、戦いを楽しんでいる最中に
突然、現れた隻腕の戦士。
オフィーリアは、その右腕の恩恵で短期間で強くなれたのだと確信する。

「そうか……。
 どこかで見たと思えば、
 あの高速剣のイレーネのものだったのか……
 漸く得心がいった 」

「「!? 」」
これまた唐突に現れた人物の登場に、
二人は思わず声の方向を見やった。

「あんた、誰よ……?
 まさかとは思うけれど、声からして男よね…… 」

古ぼけた外装で顔を隠しているが、
低い声や骨格と体格からして女性では無い事は明確。
そして、彼は些か煩わしそうに言う。

「君らこそ、何なのだね?
 片やは、覚醒した事に気づけなかった覚醒者を
 片やは昔の知人の気配を持つ下位戦士が切り刻む。
 実力からして普通、そのような事は限り無くありえん事なのだが…… 」

「普通は、ね。
 それにしても、あんた…
 美味しそうな感じが全然しないわね?
 というか、不味そう 」

何故だろう。
何か頭に引っかかり、喉元まで出かかっているが思い出せない。

「……だろうな。
 尤も、喰われるつもりは微塵もないがな……
 自称、さざ波のオフィーリア? 」

「フーン……
 よくわからないけれど、あたしを知っているんだ。
 それで……あんたの名前は? 」

「……テーオドルだ。
 良く頭に刻み、覚えておきたまえ 」

続く?


後書き

他のIFが終わって無いのに…
あと、バグが……

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.215 )
日時: 2013/04/13 01:47
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: NTjRWWeg)  

幕間3 順位

「あ 」

分厚く、細かい文字で難解な内容が書かれた。
書物を読んでいたゲオルギウスが、何かを思い出したらしく声をもらす。

「どうした…11番? 」

「最近、ナンバーを引き上げられた事を
 つい、うっかり忘れてました 」


特に悪びれる様子も無く、
喉に刺さった魚の小骨が取れたかのような。
すっきりとした表情で両手を叩き。
その常人の少し斜め上をいくゲオルギウスの思考回路に、
呆れかえった今回のチームリーダーは感嘆の溜め息をつく。

「……およそ、戦士にあるまじき事だな。
 普通、自己証明たるナンバーを…
 しかも、引き上げられた事を忘れるか? 」

「他の方々にも、よく言われます 」

「それで、新しいナンバーは? 」

あまり口をきいた訳では無いが、
その眠たそうでとぼけた雰囲気と、
今の言動から他の連中とは別の意味で厄介だと察したリカルドは。
この人物の行動や思考を深く考える事
詰問するだけ無駄だと瞬時に判断し問う。

「新たなナンバーは9。
 理由は、確か戦闘力では無く……
 技術力と妖気の探知能力の向上が評価されたようです 」

尤も組織の目としてだが、本人はその自覚は無い。

「………… 」


続く


後書き

先日の報告とお詫びの続きです。
漸く、執筆いたしました。 漸く。

……今回のお話にかんしては。
これが、ランドルフなら
はりたおすどころか、激怒した上での渾身の拳で殴りつけてますね。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41