二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- CLAYMORE 運命の道筋
- 日時: 2012/08/14 21:07
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
プロローグ
「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
そう、その男は静かにゆっくりと語った……
一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
彼の纏う気迫と眼差しには、
それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
凄みというものが有った。
とうに過ぎ去った時間の中で、
焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
そして、懐かしい思い出でもあった。
全てを失った男は大剣を取った。
それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
己が生き長らえるが為に……
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- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.9 )
- 日時: 2012/08/26 03:06
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tA56XhER)
「かはっ……!
何…故、こ…う…なっ…た?
死に…た…く……な…い…… 」
「……お前が招いた結果だ。
諦めて安らかに眠るが良い……トマーゾ 」
Scene5 逆光の追憶3
もし、トマーゾが此の残酷で血塗られた運命を受け入れ
友や仲間をつくっていさえすれば、
運命は違え(たがえ)、恐らく今も生きていた事だろう。
だが、あいつは最期まで過去の栄華にとらわれて、
他人を底辺はいずりまわる虫の如く見下していた。
傲慢で嫉妬深く、哀れな愚者だった。
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「「「キシャアアア!! 」」」
最初こそ、
時間をくった複数の妖魔討伐が最近では、
もはや、何十匹いようと関係なく瞬殺出来る。
「き…貴様……!? 」
「ば…かな…… 」
「こん…な…奴…に…… 」
ヒュン
「仕事を成した。
報酬金は、後から来る手はずの黒服男に渡すと良い 」
いつもの馴れた仕事達成の一言。
ただ、それだけだ……
誰一人、俺達を感謝する者などない……
「あれが、半分妖魔の……? 」
「半分人間とはいっても、やっぱり化け物だな…… 」
一般人からすれば、俺達も妖魔と同一にしか思えないのだろうな。
まあ、たまに興味本意で名を訊いてくる奴もいるが、
どうせ、すぐに忘れられるのだ……
故に、俺の名を教えた事など一度も無い。
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「それで、あの街から追加の報酬金は取れたのか? 」
「あぁ、いつも通り問題なしだ。
ウィルフレド…… 」
俺の担当である黒服レオナルは、
報酬金が入った麻袋を見せ、不気味に笑っていた。
「そうか……。
それで、さっきの知らせとは? 」
「そうだったな…忘れてた。
ナンバーの引き上げだ…… 」
「またか? 」
「相変わらず無関心なのだな……
……新しいナンバーは7。
お前は、めでたく一桁ナンバーの仲間入りだ 」
続く
後書き
今回は短めです。
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.10 )
- 日時: 2012/08/26 16:18
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tA56XhER)
番外編 違えた歯車
神が僕に与えた運命は、あまりに残酷すぎた。
ある寒い夜、勉強をしている最中だった……
何やらリビングが騒がしい事に気がついて、
そのリビングへいくと、敬愛する母上が妖魔になり
父上や姉上、そして弟の内臓を食べていたんだ。
その妖魔は僕を見つけるやいなや、
奇声をあげながら、窓を壊して逃げていった。
そして、僕を残した一家全員が化け物に喰い殺されたという
忌まわしい僕の家は取りつぶされた。
そして、気がつけば体を切り裂かれ……
母上譲りの栗色だった髪と榛色の瞳は無くなって、
まるで年寄りような白髪と不気味に光る銀の瞳が残った。
この時からだ…僕は運命を呪い。
僕からあらゆるものを奪い取り、
僕より幸せの奴を、神を許せなくなったのは ーー
ビュン
大剣に付いた妖魔の血を振るい落とし背中に戻す。
「仕事を達成した。
報酬は、後からくる怪しい黒服の者に渡してくれたまえ 」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「今、何ていったレオナル?
この僕が、ナンバー16に降格だと!? 」
「上の決定だ。 諦めろトマーゾ……
今回は、すでに名をあげていたキース、ゲオルギウス、ウィルフレド、ヨハン、ベンジャミン…
そして、ジェイクの6名はそれぞれ。
17、15、14、13、12、11にナンバーを引き上げられた 」
「くっ……!
(何故だ……。
何故、僕は並の実力しかないのに……
平民のあいつらだけ強くなって、昇格出来るんだよ!?
悔しい……
僕から家族を奪った妖魔を根絶やしにしてやる為に、
力が、ナンバーが欲しいというのに……!!! ) 」
トマーゾは唇をぎゅっ、と噛み締めると
その唇から赤い血が、つぅと流れ出た。
(気に入らない……。
とくに、あの鉄仮面と傭兵の息子は!!!! )
おわり
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.11 )
- 日時: 2012/08/27 01:07
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tA56XhER)
(ホワイトアウトか…… )
Scene6 赤き吹雪
それは酷い吹雪であった。
視界にうつるは全て白一色のみで、
建物や足下はおろか太陽や1m先さえも見えず
並みの者ならば、立っていられない程の強い風が叩きつけるさなか。
当人は平然と顔色一つ変えずに妖気のする方角を眺めている。
(恐らく俺の妖気に気付いてはいるだろうが、
妖魔自ら動く気配は無し
……いや、13匹全てが漸く気付いて動き出した…… )
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「 てめぇが、噂のクレイモアなのか? 」
白い世界で聴こえるのは、吹雪と13のしゃがれた妖魔の声。
その言葉の中に聞きなれ無い呼び名が一つ。
「あぁ、この街からの依頼でな……
お前達、13匹を殺しに来た。
ところで、その呼び名は何だ? 」
「ケケケっ…… 」
「(答える気は無しか…… )
…………いいだろう。
随分と強気でいるようだが、無駄だ…… 」
「ケケケっ……!
殺れるものなら、殺って見せろよコノ半端野郎!! 」
「「「「ギシャアアアアアアアア!! 」」」」
3匹の妖魔による爪攻撃をものともせず。
ウィルフレドはよける間際、その妖魔達と側にいた6匹を斬り捨て、
ただの一蹴りで、宙に飛び上がると。
空からの奇襲を狙っていた3匹の羽根つきを同様に切り刻む。
「一つだけ教えてやる。
何故、貴様らがそう呼ぶのかは理解出来無いが、
我々組織や戦士には、具体的な名は存在しない…… 」
「グハッ………!! 」
空中で八つ裂きにされた妖魔の体は、
その青紫の血も凍てつき瞬く間に、雪へと落ち凍てつく。
「化け物め……!! 」
そう、最後の妖魔が呟いた瞬間。
ゴウッ、と妖魔の横を突風が吹き抜け視界が左右、上下にずれていく。
「ち…く…しょ…う…… 」
続く
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.12 )
- 日時: 2012/08/27 16:12
- 名前: カササギ ◆IvLphlq4Fk (ID: tA56XhER)
「ち…く…しょ…う…… 」
Scene7 赤き吹雪2
最後の妖魔が息絶えて間もなく、
それまで、1m先でさえ見えない吹雪が止み徐々に晴れてゆく。
まるで、戦いの幕を下ろすようにも思える程に……
「漸く、止んだか……。
さて、市長の家は街の東だったな 」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あんな吹雪の中で、よくぞ妖魔を倒していただき……
あ、あの…報酬金は……? 」
吹雪が止んでまもなく訪れた訪問者に初老の市長は、
テーブル越しの前に座る銀眼の戦士に内心ビクビクしながら尋ねる。
「別に、視覚に頼らなくとも妖力を感じる能力さえあれば問題無い。
報酬金は、後から来る手はずの黒服男に渡すと良い…… 」
「黒服の男……?
それ以外の特長は、ないのでしょうか? 」
「如何にも怪しい風貌からすぐわかるだろう。
仮に間違えて別の奴に渡したとしても、
この依頼は無かった事になるだけだ 」
銀眼の戦士ウィルフレドは素っ気なく答えると、
もてなしで出された体を温める為に度の強い蒸留酒を口にする。
彼ら半人半妖は、
アルコールを含む毒物を自由にはじき、取り込む事が出来る能力を持つが、
彼自身は元々、酒に強い家系の為。
多少、血中にアルコールを入れても変わらずしらふのままだ。
「……あの、酒のお味の程は……? 」
「ああ、良い酒だな…… 」
市長はウィルフレド達半人半妖の戦士は、
酒に酔う事は無いのかと、疑問に思い尋ねてみたい気もするが、
そんな事を訊いてしまえば機嫌を損ねて、
妖魔のように殺されてしまう気がして言い出せない。
「……………少しも酔わないのが不思議か? 」
「え? 」
「顔に出ている。
そうだな…いいだろう教えてやろう。
俺達半人半妖は、血中へ自由にアルコール等の毒をはじき、入れる事が出来る。 だが、俺は元々酒にやたら強い血筋でな……
こうやって、血中にアルコールを入れても酔いづらい体質なのだよ 」
続く
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.13 )
- 日時: 2012/08/27 22:12
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tA56XhER)
人物設定
レオナル
「そう思うのは、お前だけだ。
普通は、それを誇りに思うのだが……? 」
性別:男
年齢:48歳
容姿/身長/服装:灰色の長いオールバック。
瞳は焦げ茶、左目は病で失った隻眼。
顔つきはウィルフレド曰わく老けた狐/
162cm/漆黒のローブの下にベルトだらけの黒服。
設定:主に報酬金の回収や戦士に指令をする組織の連絡員。
昔。 ウィルフレド達孤児を拾い、
組織入りさせた経緯から担当者に選ばれた。
その他:名前の由来は、かのレオナルド・ダヴィンチ。
トマーゾ
「うるさい!!
ただの傭兵の息子が何をほざく!? 」
性別:男
No.16(元13)
属性:攻撃型
利き手:左
異名:無し
容姿/身長:七三分けの短い白髪、銀眼で垂れ目。
顔立ちはそこそこ整ってはいた/180cm
設定:故人。 妖魔を絶滅させる事に固執し、
過去を忘れられず自分より幸せな者を憎悪していた為、
高慢且つ嫉妬深く常に他人を見下していた。
その為、組織を始め戦士からも煙たがられ、
その結果、常に孤立していた。
ナンバーの降格に抗議したものの却下され。
それからまもなく。
本人も想像していなかった不慮の事故によって、
人間を殺してはならないという掟を犯してしまい。
パブロ山にて、ウィルフレドら6名の戦士による粛清で生涯に幕をおろした。
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