二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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CLAYMORE 運命の道筋
日時: 2012/08/14 21:07
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)  

プロローグ

「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
そう、その男は静かにゆっくりと語った……
一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
彼の纏う気迫と眼差しには、
それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
凄みというものが有った。

とうに過ぎ去った時間の中で、
焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
そして、懐かしい思い出でもあった。

全てを失った男は大剣クレイモアを取った。
それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
己が生き長らえるが為に……

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Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.174 )
日時: 2013/03/05 03:54
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: Kw9a5dyG)  

「それに、彼女達は僕達と同じなんです。
 発狂していてもよい程の陰惨な過去を持ち……
 その上、人生を組織に狂わされた哀れな犠牲者。
 だから…もう……
 この悪い夢を終わらせて差し上げるべきだと思うんですよ 」

それが利己的だとも。
独りよがりだとも、言わなくともわかっている。
それでも今、融合体の生を……
二人の生を絶たなくては、
彼女達はリフルさん…あるいは組織に、
その尊厳を踏みにじられてしまう事でしょう。
だから……
せめて、僕達の手で介錯と引導を渡して差し上げましょう……

IF番外編 醜悪なる者ども 幕間 「最古と最新3 」

SIDEルネ

「ーー せめてもの慈悲として 」

恐らくは本音だろう……。
何しろ戦士時代のこいつは、
嘘をつけないたちだったと聞くからな…
覚醒したとは言えども、根本は大して変わらんだろうし。

「……もとより覚悟のうえか? 」

「……はい。
 それが真に正しいとは言えないでしょうが。
 一度、決めた以上は先達…
 いや、戦士としての誇りを賭けて
 一歩も引く訳にはゆかないのですよ…お嬢さん? 」

あの妖魔を殺した人間に似ている……。
多分、自分は死ぬかもしれんのに敢えて……
その道へと向かおうとする頑なな意志。
足がすくむ程の異形を前に怯えもせず
垢抜けた顔で笑うところが。

それにしても……
こいつは……。
!?

SIDEランドルフ
それはあまりに唐突だった。
突然、戦士の妖気がクソ生意気なジャリ…
いや、西の深淵リフルの寝城から生じた。

「これって、あの女だよな……? 」
んーっ……
他に探知出来んのは、あの隠遁してた陰気野郎の妖気と……
あと四人、戦士の妖気を感じるが。
ソイツらは、別にどうでもいい……。

問題は……
確か凶戦士…オフィーリアっつたけ?
やって良い事と悪い事の分別もつかねぇ、
あの、たち悪ぃ酷薄クソ女と対峙してた。
凄く小さな妖気の戦士が居る事と何をしたかだ。
何故ここに、てめぇが居んだーー
!?

「ちぃっ!
 おい、ウスノロ! この戦いは一旦止めだ!! 」

「んあ?
 なにをふざけたことをいって「そんなん どうでもいいから、
 あのジャリんとこに行きやがれって言ってんだよ!? 」 え? 」

畜生!
一体、何の為に来たんだか……!!
これじゃ、アイツの予測通りになっちまうじゃねぇかよ!!

続く?


後書き

ゲオルギウスは、嘘をつかない主義。
つくにしても、天然ですから無理でしょう。
理由は…ご察し下さい。

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.175 )
日時: 2013/03/05 18:34
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: Kw9a5dyG)  

IF番外編 醜悪なる者ども 幕間 「研鑚と間合いと…… 」

SIDE???

アルフォンスのものとは、また違う。
ひゅう、と植物や土の匂いが入り混じった命の息吹を感じる
風が頬をなぜる感触が酷く懐かしく気持ちが良い。

「……やれやれ。
 悠長に食事をしてたら、すっかり出遅れてしまったな…… 」

視線の先にあるのは、
この少し離れた丘からでもわかる規模の旧知達の戦い。

(片や西の深淵と元ナンバー2
 片や元ナンバー3と元ナンバー6
 いずれも、人間体では無く覚醒体か…… )

まずは……
ダフは…流石は元ナンバー3
膂力と妖気だけならランドルフに勝っているか……。

だが、逆に言えば……
相変わらず力だけを頼りにし過ぎて、
頭を使う事も工夫をしていない事は明らかだな。

「元々、筋肉以外を動かすと自爆する
 阿呆だとは思っていたが…これは酷いな…… 」

腕を振るう手の範囲。
身体を入れる胴の範囲。
踏み込む足の範囲。
そして、走り込む歩の範囲…。
その、一連の攻防の捌き方や足の運びや身のこなしから成る
己の間合いと相手の間合いの見極め…。

相手の攻撃線を外し、己の攻撃線を通す
その身体の捌きが歩法。

「そんな、基礎の基礎と計算程度…
 訓練生の頃に叩き込まれただろうが…… 」

周囲への注意力にしても、
攻防の切り替えでの妖気の流れと制御にしても……
どれをとっても、一桁ナンバーにしては荒削り過ぎだ。

むしろ……。
組織で叩き込まれた剣技を反芻出来ている事や
俊敏さと捌き方の面ではランドルフの方が、
ダフのそれより遥かに勝っている。

「……よくもまあ、
 それで上位ナンバーになれたものだ…。
 当時の組織の人選力は、余程悪かったのだな 」

だから、組織は足元をすくわれるのだよ。
だろう? 先に神々の城へ行った戦士達よ……?

続く?

後書き

剣技に関しては、専門の本から引用しました。
あと、某不定期連載漫画からも。
クレイモア7巻や8巻で、
リフルに言わるまで、力の使い方に気づいてなかった事から。
恐らくは戦士時代もゴリ押しタイプだったのでは?
そう思い。 執筆させていただきました。

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.176 )
日時: 2013/03/05 21:34
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: Kw9a5dyG)  

IF番外編 醜悪なる者ども 幕間 「赤き衣 」

SIDEオルセ

「尤も、そのテレサは死んだがな…… 」

今も、あの人を食べたような微笑は良く覚えている。

あの女は決して顔が歪ませる事も妖力解放もする事無く、
妖魔に一切、何もさせずに淡々と斬り殺し…。
大抵の覚醒者も難なく命を奪った程、
あまりに強く。 あまりに孤高だった。

だが、そのテレサは……
「人を殺してはならない 」という掟を只、一人の少女を盗賊から救う為に破ったうえ。
あの日、粛精の場で仲間を斬り伏せ逃亡した時の
今まで見せた事のない笑顔を。

「そう言えば、その血肉を受け継いだ戦士がいたな?
 ナンバー47 名は確かクレアといったか……。
 あれは、どうなった? 」

「……あの戦乱で惜しくも命を落とした。
 あれは、あれで気に入ってたんですがな…… 」

「そうか……。
 それはざん「相変わらず…お前ら組織はえげつない……。
 今も、戦士の命を軽視している事が良くわかった 」!? 」

SIDE???

「「!? 」」

ある意味、神々しい頭のサングラスの奴と
フードつきの外装の奥に顔が隠れている奴。
どちらも、知らぬ顔だな……
だが……
何か引っかかるな。

「お、お前は、悲壮のウィルフレドか!? 」

……質問を質問で返すのは、どうかと思うぞ?
まあ、良いか……
「あぁ…如何にも、そうだが? 」

「今更、何をしに来た? 」

「アイツ…千里眼のゲオルギウスに、
 あれを…例の融合体を潰さないか、と誘われてな。
 どの道、特に何もする事が無かったから…
 暇つぶしに北から出て来たんだが? 」

白と灰色、短い春と夏の草花の色以外は、
何一つ変わり映えしない退屈な雪と白銀の世界。

少し前なら、暇さえあれば人間の街を見て周り
普通に本や生活用品等を買い物をするなり、空腹を覚えれば喰らったものだが……。

あの戦乱のおかげで、北には人間は居なくなり。
今は食事すら欠く事が多く、
唯一の楽しみすらなく、退屈な日々を送るだけだったのだからな。

「暇つぶしでだ…と……? 」

「……少し寄り道をして来たがな。
 それで…今のお前達、組織にとって、
 戦士の命は虫ケラ以下の存在なのかと言っているのだが…答えは…? 」

続く?

後書き

一挙に出したので、今回は短めです。

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.177 )
日時: 2013/03/07 01:34
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: Kw9a5dyG)  

SIDEウィルフレド

あの戦乱に参加しなかった俺は、
そのまま、無人化したアルフォンスに留まり続け。
この七年間、退屈な日々を過ごすだけで……
何の楽しみも、変化すらもなかったーー

IF番外編 醜悪なる者ども 幕間「赤き衣2 」

「それで……
 お前達は、此の俺に何の用事だ? 」

「……先程、述べた通りで御座います。
 七年前、例のあれを……
 そのお二人の融合体がリフルさんが拾い。
 南のイースレイさんとの争いを有利にする為、
 何とか目覚めさせようとなさっているので ーー 」

七年前に頓挫したという例の計画を。
まだ、諦めていなかったのか…奴は……!?
ふむ。 たしかに、それは危ういな……。
仮にリフルよりもやや弱いのならば。
それに越したことはないだろうが、
千里眼のゲオルギウス……
こいつが言う通りに、微笑のテレサを殺した女の再現になるかもしれんな。

「ーー わかった協力はする……。
 だが、この身体でまともに戦えるとでも思うのか?
 千里眼の…ゲオルギウス? 」

「あ 」

あ、では無いだろう。
稀に訪れる盗賊を餌食にしていたのは、
既に三年前の話しだ……
最近のアルフォンスは、もはや訪れる人間は皆無。
その為、ここ三年間は身体からだが縮む一方で
一見すると、十代始めの子供にしか見えない。
無論。
ランドルフは、この姿を見た途端に……
吹き出し、大爆笑したのは言うまでもなく。

「ーークククっ……ハハハハハッハハ!!
 面白いなぁ、そのナリはよぉ!? 」

と、この通りである。

「……とにかく、だ。
 妖魔や並み程度の覚醒者ならば、
 此の妖気が痩せ衰え、縮んだ身体でも問題なしに戦える。
 ……だが、同じ一桁ナンバーとなると。
 本来の力を出せない今の状態では、
 ルシエラとラファエラの融合体を八裂きにするどころか……
 お前達の足を引っ張るのが関の山だろう。
 それでも、良いのなら参加するが? 」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「さあな……
 人間同士でも命のやり取りはするだろう?
 故に戦士も各々の命は、己自身で守るのが当然の事……
 それが出来なくて死ぬ戦士は、そこまでの器だったというわけだが。
 それを何故、命を軽視している事とつながるんだ? 」

この外道共がっ……!!
よくも、このごに及んでぬけぬけと綺麗事を……!

「……空言は止めろ!
 なら、何故。 いつだったか……
 ある街を襲った覚醒者達は、いずれも知らん顔ぶれで……
 自分が最近まで、単なる人間だったと証言をしたんだ? 」

「「!? 」」

続く

後書き

すみません 途中で切ります!

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.179 )
日時: 2013/03/12 02:22
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: Kw9a5dyG)  

あの激痛に耐え抜き、半人半妖になって間もない頃。
自分はある事に気付いた……
人一倍、弱い視力を補う為なのか。
はたまた、天佑なのか……
自分の素質は他の誰よりも、頭一つ飛びぬけていた。

本編 幕間 疎まれた目

両親を、兄妹を、隣人に化けた妖魔に惨殺された後。
それから、組織に連れて来られる迄の二年の間。
どこで……
どの様にして過ごしていたは、殆ど曖昧にしか、覚えていない。

ただ、記憶にあるのは……
馬車馬のように働かされているにもかかわらず
いつも、残飯しか口にしていなかった事。
凍える中でも、辛うじて服といえる薄着のみで
寝床も似たようなものだった事。
いつも、耳に入ってくるのは誰かの罵声と怒号。
そして、絶え間ない暴力があった事だけ……


……それは、何の記憶なのかさえも。
何故、記憶の人物が自分を疎んでいたのか。
何故、思い出そうにも思い出せないのか……
それすら、わからない程に曖昧な記憶。

多分、それ程にも忌まわしいものに違いないなさそうですしね……

続く


後書き

25話の修正は……
えぇ、出来ておりませぬ。


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