二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- CLAYMORE 運命の道筋
- 日時: 2012/08/14 21:07
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
プロローグ
「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
そう、その男は静かにゆっくりと語った……
一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
彼の纏う気迫と眼差しには、
それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
凄みというものが有った。
とうに過ぎ去った時間の中で、
焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
そして、懐かしい思い出でもあった。
全てを失った男は大剣を取った。
それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
己が生き長らえるが為に……
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- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.127 )
- 日時: 2012/12/18 03:18
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
↑書き間違い・忘れました。
ミーシャはロシアの男性名「ミハイル」の愛称。
勿論、彼の本名もミハイルであり。 アンリ等の友人がそう呼ぶんでいるが、
シモンにとっては単なる「友達の友達」の為、本名で呼んでいた。
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.130 )
- 日時: 2012/12/23 04:29
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: M22.tfSC)
※もし、イースレイが深淵喰いにやられなかったら……のお話。
IF番外編 醜悪なる者ども
「まったく…
頭の先から足の先まで
醜い奴らだ… 」
終焉だ……
そう、悟ったイースレイは。
まるで汚物を見るような眼差しで、
その醜悪な大柄の女性の姿をした異形 “深淵喰い”を見やる。
そして、自らの人生を振り返った。
最初は興味本位だった少年や
自分を軽く超える最強の覚醒者を利用するつもりが……
遠く忘れていたはずの人間のとしての暖かさを思い出し、
いつしか、僅かな食事で事足りる事に気づいた事。
もっと、三人と一緒にいたかった。
もっと、その温もりを噛み締めていたかった…と心の中で呟く。
ドガガガっ!!
ヒュア!!
(!?
忌々しい深淵喰い共が殲滅されただと……!
そして、この妖気は……!? )
「よお、一世紀来だな。
“白銀の王”イースレイさんよぉ? 」
街に現れた気配の主は周囲を気にもとめず。
軽く飄々とした雰囲気と口調で、イースレイを懐かしむように挨拶をする。
「は、八番か……。
これは、お前が…否、お前達が倒したのか……? 」
以外な者達が来たものだ、とイースレイが言うと。
一人は面白くなさそうに舌打ちをし、
一人は、珍しく溜め息まじりに言ノ葉を返す。
「…………せっかく大昔のよしみで…。
助けてやったにもかかわらず礼の一つも言わないのか…イースレイ? 」
「いや、あまりの予想外に…驚いたんだ…。
この好機に乗じて、殺りに来たとしか思えなくてな…… 」
七年前の戦乱。
かつてのナンバー3ダフと同じ深淵の者リフルが、
ルシエラとの戦いで力を消耗し、覚醒体を維持出来なくなった
その好機を狙ったときのように、この二人も乗じるはずが。
何故、とどめを刺さずにいるのかイースレイには不思議でならなかった。
「ちっ!
やっぱ、コイツを助けんじゃなかったぜ。
なあ、弟よぉ? 」
「………… 」
「クククっ……相変わらず。
お前達兄弟は素っ気ないな…昔と何一つ変わって無い 」
恐らくは気紛れ。
そう、結論付けたイースレイは人間形態に戻り周囲を見回す。
虚をついたのだろうが、
あれほど手を焼いた深淵喰いらは見事に八つ裂にされて
るいるいと無惨な骸をさらしている。
「……成る程、そういう訳か。
こいつらに動きを知られない且つ視認可能な距離からの攻撃で
この醜い悪魔…深淵喰いを殺したのか? 」
続く
後書き
しもやけでございまする。
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.131 )
- 日時: 2012/12/26 04:03
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: M22.tfSC)
IF番外編 醜悪なる者ども2
SIDEイースレイ
それは、あまりに意外だった。
目の前にいる二人は記憶にある限りでは、
片や訓練生の頃から、自分を嫌悪していた元一桁ナンバーの兄。
片や自分に一歩及ばないもののリカルドを凌ぎ、
ナンバー5に止まっていた弟。
確か弟の方は、模擬剣での訓練生同士の戦いにて。
それまで無敗だった奴…後の“殲滅の”レーヴァントを
あと一歩のところで打ち破ったのは、他ならぬ私だった。
その当時の、敗れた事への屈辱に満ちた目は良く覚えている。
いずれにしても、親しくも何ともなく。
むしろ、好戦的である二人の性格やその過去故、
私を殺す機会を虎視眈々と狙っていてもおかしくはない。
にもかかわらず………
あの忌まわしき深淵喰い共に反応されずに殲滅せしめて、
この私を生かすだと……?
「ちっ!
やっぱ、コイツを助けんじゃなかったぜ。
なあ、弟よぉ? 」
「………… 」
クククっ……やはりな。
相変わらず私に対して敵意剥き出し……
そして、奴程にないにしても。
実に素っ気ない……
恐らくは単純に気紛れか、
あるいは、何らかの魂胆や裏があると見た。
それにしても…………
速い動きに全て反応する深淵喰いをこうもあっさりと細切れにするとは……。
「ーー この醜い悪魔…深淵喰いを殺したのか?
八…いや…血濡れのランドルフ、殲滅のレーヴァント。
そして……
かつての組織の目…“千里眼の”ゲオルギウス? 」
殆ど気配は無いが……
この微弱な妖気の主は…必ずこの近くのどこかに居る事だろう。
「おや?
上手く妖気を隠秘していたつもりでしたが、
流石にイースレイさん相手では、気づかれてしまいましたか……? 」
森の奥深くから、非常に残念そうな声と共に
案の定、予想を裏切らずに奴は現れた……
「いや。 妖気読みに長けて無い者にしてみれば、
恐ろしく厄介に巧妙に妖気を隠せていた……
だが、リカルドやダフを騙せても。
この私相手では、あくまでも騙し技に過ぎない 」
「そうですか……実に残念です 」
続く
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.132 )
- 日時: 2012/12/27 00:00
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: M22.tfSC)
「そうですか……実に残念です 」
ゲオルギウスは「流石、元ナンバー1ですね 」と苦笑まじりに肩をすくめる。
IF番外編 醜悪なる者ども3
「……それで何故、どの様な交渉で。
この二人を西…ロートレクから誘い出した?
そして、何を企んでいる………?! 」
覚醒体を維持出来ないとは言えど。
たかが、元一桁ナンバー程度にやられはしないといわんばかりに、
イースレイは、右腕のみを覚醒体にして牽制する。
「え? ちょっ!
あ、危ないではないですか!? 」
「……言え 」
SIDEゲオルギウス
うーん……
上手く隠し通していたつもりだったのですが、
やはり、ナンバー1相手では通用しないのか……
曰わく。
普通の、妖気読みに特化していない者には有効性はあるものの。
妖気読みに長けた者や自分には通用しないらしく
この技を作った側としては、少し残念です。
「言え…と問われましても。
……ええと、強いて言いますと。
あらゆる世界から隔絶した殻の中にいる
恐怖と絶望を孕んだ不安が、あの“女帝の”リフルさんの手元にある事。
そして今、あのお嬢さんが……。
それのくびきを外そうと、妖気読みに長けた戦士を探すのに躍起になっている事ですね…… 」
「え?
つまり、どういう事なんだ? 」
…………
えっと、ランドルフさん?
今の話しを…訊いておられなかったのですか?
「…………とどのつまり。
七年前の“あれら”なれの果ての事か? 」
漸く口を開きましたか……
まあ、それはさて置き。
「……多分。
しかし、遥かこの南…ミュシャから見た限りであるが故、
何分、はっきりとはしておりませんが……。
あれは彼女達でありながら、彼女達ではない事だけは確信しました 」
遠くから探った限りでは、はっきりしないものの。
あれは生き物でありながら、殆ど物や虚無に等しいナニカでした。
「…………そうか。
だが、千里眼の……
基方ならば、興味本意であれに近づき。 そのかろうじて残った中身を見ようとは思わなかったのか? 」
「ごもっともですが、リスクが大きい以上は…… 」
そう、あれをもっと近くで……。
もっと、詳しく見たい好奇心はあったけれども。
下手に触れて何が出て来るかは、分からない以上。
深い所を覗く行為すら、
“あれ”を起こしかねない危険な行為だと。
遠くから見ただけで長年のカンが、そう告げた……
「西のリフル……彼女達……。
まさか!? 」
続く
後書き
寒くて少ししか進まなくてすみません。
よもや、ストーブがお亡くなりになっているとは予想外……!
どうしましょう。
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.133 )
- 日時: 2012/12/30 21:34
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: M22.tfSC)
IF番外編 醜悪なる者ども4
「そう、そのまさかです。
七年前、この南で敗走した彼女……
ルシエラさんは妹であるラファエラさんによって
生かされつつも殺され…つまり融合体となり。
現在、リフルさんの“所有物”として手元にある事。
それは、あらゆる意味で危険を孕んでおります 」
ゲオルギウスは七年前……
イースレイとルシエラ両方に自らの妖気を感知されず。
戦いに巻き込まれない遥か遠くの山にて、二人を傍観していた事。
そして、最近。
西の地と南の地の境界線ギリギリの位置で、
見知った限りの全てを、まるでこの世の終わりのように青ざめた表情で告げる。
「成る程……。
よしんば、妖力感知に優れた戦士に融合体のくびきを外させたとしても
それが、リフルにとって都合良く戦力が肉薄になるどころではないな…… 」
恐らくは、それ以上のナニカ。
仮に総合能力が自分ら深淵より弱いにしても。
これまで、他の覚醒者との関わりを絶っていたゲオルギウスが、
下手をすれば、殺される可能性があったにも関わらず。
それぞれの縄張りに入り込み、
協力と同盟を交渉しにいった程、恐ろしい存在なのだろう。
そう、予想したイースレイは軽く頷き懸念の表情を浮かべる。
「……恐らくは、リフルとダフを止めるが故の同盟と協力の申し入れ。
つまり、そういう事か……? 」
「はい、御明答です 」
続く
後書き
今回は、大掃除の為に前より短めです。
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