二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- CLAYMORE 運命の道筋
- 日時: 2012/08/14 21:07
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
プロローグ
「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
そう、その男は静かにゆっくりと語った……
一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
彼の纏う気迫と眼差しには、
それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
凄みというものが有った。
とうに過ぎ去った時間の中で、
焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
そして、懐かしい思い出でもあった。
全てを失った男は大剣を取った。
それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
己が生き長らえるが為に……
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- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.159 )
- 日時: 2013/02/16 05:39
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: IYQ2IBUX)
オレの髪はかつて、赤く燃える炎に例えられる程鮮やかな赤毛だった。
それは、妾だった亡きお袋曰わく。
出身である流民の血で……
オレと双子の妹は半純血で明るい色だが、純血の男の髪は鮮やかな真紅 女は紅の髪で、
瞳は、その赤と相反するような深い泉の蒼らしい。
お袋も見事な紅髪と蒼い瞳だった。
Scene24 惨殺の翼3
ただ…親父の事は、あんまし覚えちゃいねぇ。
ガキん時の記憶にあるのは厳格で孤高な……
血族特有の性質に、無口と無愛想さを持った父親だった事。
そして、遺言になっちまった約束と初めて見せた
無理やり浮かべた慣れねぇ笑顔だけだ。
そして、現在……
忌まわしい傷と大剣と共に、
妖魔共を斬り刻む感触を、骨を砕く音と断末魔を…
その度に吹き出る血潮とその、普通ならむせかえっちまう臭いを。
…相手の命を奪う事で心を満たし、自分の存在を確かめるだけ。
それ以外に何の楽しみも、生き甲斐も無く。
オレ達、兄弟は先祖らがそうして来たように、
冷酷な殺戮を繰り返す ーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なんだよ……お前? 」
「お前じゃない……
ボ…オレには、親に貰ったランドルフと言う名があるんだ 」
組織に集められた最初に知り合ったのは二人。
一人は、てめぇの生存以外は興味を示さない無関心野郎……
一人は目の前の殺意が湧いてくるコイツ。
コイツに何があったかは知らんが、
同年齢の奴より頭一つ小柄で、コオロギみてぇに酷く痩せてて……
野生の生物のように人一倍、警戒心が強くてな。
連れて来た黒服どもすら手に負えないクソガキで、
流石に奴らも匙を投げかけてたらしい。
だが…そんなの、オレら兄弟にとって「興味がねぇ」事だと聞き流すだけだった。
所詮、顔も知らねぇ他人同士……
オレらには、誰が死のうとどうでも良かった。
規律を守れずに大剣を取れねぇんなら、
いっそ、殺されて死んだほうが楽だしよ……
だが、コイツは生き延びた。
そして、次に会った時には……
半分化け物になったばっかしん時の激痛に耐え。
体力が回復し、妖魔の血肉が漸く馴染んですぐ
戦士としての基礎訓練が始まった頃だった。
「……ゲオルギウス。
それが、僕の名前だ 」
後から黒服から聞いた話しだが、
この天然野郎は妖魔に家族を殺されて、
唯一の身寄りである父方の伯母に引き取られたものの
てめぇの子より優秀な甥っ子に嫉妬した伯母に、
そのダンナに虐待されてたらしい。
そして床下に三日間監禁されている間に、
その一家が数匹の妖魔に喰われて
孤児になったところを組織に連れて来た、とな……。
続く
後書き
眠い。
拙いコメントで、すみません……
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.165 )
- 日時: 2013/02/17 00:32
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: IYQ2IBUX)
外伝 過去との対話
「はあ?
ダーヴィットの街から依頼だとぉ?! 」
ウルフカットの双剣の戦士もとい、
ランドルフは珍しく依頼先に食いつき尋ねる。
「その街がどうかしたのか?
ああ。
その街は確か、お前の生まれ故郷だったな…… 」
記憶にある凄惨な光景を思い出したランドルフは、
その忌まわしい記憶を思い出し震える手をギュッと握り締める。
「……話しを戻すが良いか? 」
「ああ…… 」
「今からひと月前。
領主の城に仕える庭師が中庭で死んでいるのを執事が発見。
そして、数日後には門番が二人も犠牲になった事から
妖魔の仕業だと領主は判断したわけだ……。
ただ、今回の件で領主が妖魔と思しいものは排斥しているらしい
故に、今回は潜入捜査になるが酔いしれてか? 」
「……ああ、かまわねぇよ。
それに、妹達の行方も探してぇしよ 」
「そうか、それなら行くがいい 」
SIDEランドルフ
まさか、こんな形で里帰りするとはな……
偶然か、必然かは知らねぇが。
帰ってみようじゃねぇか……?
ー 宿屋兼酒場 ー
うーん……
流石は老舗、すんげぇボロいな……
よく倒壊しねぇな……
「お、客か? 」
「んー、そんなところだ。
それで、部屋は開いてんのか? 」
「そうかい、そうかい!
マギー! 客だ、案内しろ!!
……それで、傭兵の兄ちゃんは何故。
この城下街に来たんだい? 」
「人探しと仕事探しだ。
つか、何でオレが傭兵だとわかったんだ? 」
今、いつもの装備では無い。
ごく一般の傭兵を装う為、鎖かたびらとレザーアーマーを纏い。
見ただけで判断されないように、
妖気を消す薬を服用していて、元の深い緑の瞳に戻っている。
「ここいらでは見ない形の装備だしな……。
それに長い事宿屋をやってれば、すぐにわかるんだよ 」
ふぅん……
「何、あんた?
あら、久しぶりのお客様!?
それも、すっごく格好いい子じゃないの!! 」
な、なんだ!
このやたら元気な婆ぁは!?
つか、あんまりジロジロみんな!
「むぅ…… 」
「あらやだ、焼いてんの!
あんたのほうが百倍、良い男だよ! ねっ! 」
続く
後書き
電波?の調子が悪い。
もしかしたら……また。
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.166 )
- 日時: 2013/02/17 17:36
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: IYQ2IBUX)
書き間違い箇所の報告
>>酔いしれてか?×
>>良いのか?○
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.167 )
- 日時: 2013/02/18 06:24
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: IYQ2IBUX)
前書き
原作前の未来編です。
外伝 厭世の兵
北の地アルフォンスに有る
その小屋は、あらゆる街や村からも遠く
離れた人が暮らすのには過酷な谷に人気を避けて建てられていた。
そんな寂しい土地にある小屋になど、
誰も訪ねる酔狂はいない。
いないはずであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
息も凍てつく北の大地に漸く訪れた春の日差しは、
時に忘れられた深い谷を明るく照らし。
その光を浴びて溶けた雪の下からは黄色や白の可愛らしい高山の花が顔を出している。
ただ、影になっている場所は未だ雪が残っていて
時々、ドサリと木々の枝から落ちてくるのだ。
そんな、春の訪れに小鳥達のような感慨は無い眼差しで、
小屋の主はジィと外を見つめると、そのまま後ろに振り返り。
ゆっくりと寝床をどかして隠していたものを右手に携え
ドアを二つくぐり抜け久し振りの外へと向かう。
(冬の間に衰えていなければ良いんだが…… )
そう小屋の主は心の中で呟きながら、
すうっと息を吸い込み。
ゆっくりと右手に携えたもの…
大剣を構えながら瞼を静かに閉じ、
次の瞬間 カッと瞼を開き虚空を斬る。
上段からの攻撃に続けざまに下段からの攻撃、横への薙ぎ払い。
一見、単純に見える動作から始まったソレは、
徐々に速度が、手数が増してゆき。
途中からはあたかも、その場に対象が居るかのように。
イメージした相手の攻撃を受け流し、自らも攻撃する一連流れで捌き。
また、攻撃を受け流して攻撃してゆく。
ドガァァアアアっ!!
「ふぅ……
(まだまだだな……
やはり、防御型は再生や回復に特化している分。
力は攻撃型に劣り、伸び代も少ないのか……) 」
防御型になった事には、別に後悔などしてはいない。
半人半妖に、正式に戦士なった後の出来事からしたら。
ただ、生き延びたい一心での覚悟を決めた選択も
がむしゃらに修練に打ち込んだ日々も、
あながち間違いではなかったのだから。
ガチャ……
「近くを通りがかったから、
とりあえず様子を見に来たのだが……。 お前は、相変わらのようだな……? 」
金属がこすれる音と共に懐かしい気配を感じ取った小屋の主は、
それまで修練に打ち込んでいた手を止めて、
良く見知った気配のする方へ振り向き。
その人物をゆっくりと見やる。
「……ラファエラか? 」
「この辺境へ訪ねて来る者など、私と黒服の他に誰がいる? 」
「それは、判っている。
ただ、お前が訪ねて来るなど思いもしなかったのでな…… 」
歓迎しているのか、いないのか。
懐かしむ様子は有れども、素っ気ない態度で返答する小屋の主。
それに対して、ラファエラと呼ばれた女性は「そうか 」と手短に答え
無表情だったが、口元が緩み微笑んだ。
「(お前に、そんな表情があったのだな……。
まあ、俺も人の事は言えんが…… )
……それで、この俺に何の用事だ?
妖力は未だ消えたままだが、その装備はどうしたというのだ?
まさか、復帰したのか? 」
「……疾風のノエル、膂力のソフィア
そして、高速剣のイレーネは知っているな? 」
「あぁ、今の上位戦士だろう?
それが、お前の復帰とどう関係するのだ? 」
通常、いずれかが限界を迎えて覚醒したしても。
黒の書を誰かに送り死んだにしても。
上位……
ナンバーのそれに見合う人材が育つまでは、その座は空いたままのはず。
そして、ラファエラがナンバーを廃された理由を知っている。
小屋の主は、ふと疑問の声を漏らす。
「その様子だと。
まだ、お前には例の事件は伝わっていないようだな 」
「数日前まで、
雪に閉じ込められていたからな…… 」
「……事の発端はテレサが人を殺めた事。
テレサは粛清の場で仲間戦士を斬り伏せ、幼い少女を連れて逃走した。
その追手として組織は、その三名と……
いずれ、テレサを超えるといわれ
ナンバー2を予定していた戦士プリシラがさしむけられた。
だが……。
その最中、プリシラは限界を見誤って覚醒。
そして、四人を殺害した結果がコレだ…… 」
小屋の主にあったのは驚愕。
ましてや、あのイースレイすら軽く上回る。
組織史上最強とされるテレサが離反し、
こうもあっさりと死ぬるなど、荒唐無稽な話しだと小屋の主は言う。
「人を食ったような顔をしていたアレが、
こうも、あっさりと死ぬとはな。
心外にも程がある…… 」
続く?
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.168 )
- 日時: 2013/02/22 05:22
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: IYQ2IBUX)
両親と死別したのが幼い頃故に、
もはや、顔すら思い出せぬ程に酷く曖昧で
ただ、有るのは……
物心付く頃には父上の指導の下に、
折檻に等しい剣の修練と鍛練をしていた事、母上の優しさと手の暖かさのみだ。
……それ以外の思い出は一切無い。
兄上、曰わく。
私は父上に良く似た性格で、顔立ちは母上譲りらしいがな……
外伝 月下の死神
その戦士が漸く依頼のあった街に辿り着いた頃には、
既に満月は星と共に暗い夜空を淡い光で飾りつけていた。
だが、その明るさと反対に街はどこかしら不穏な闇を孕んでいるようにも見える。
そして、街の中心で一旦
ほぼ無音といえる歩みを止めて夜空を仰ぐ。
(……外から感じた妖気は3
いずれも、並み程度の妖魔だな…… )
要は単なる雑魚しかいないと結論付けたレーヴァントは、
一切、感情がこもっていない面持ちで最も近い妖気の方角を見やる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
トントン……
真夜中という事を考慮しているのか。
静かにドアを叩く音は、
まどろみの中の、他の家主を起こすのには不十分な微かなものだ。
だが、その小さな音に気付いた者は確かにいる。
「(これで、待ち構えているつもりか?
くだらん…… )
……旅の者だが、暖炉すみか馬小屋を提供してくれないかね? 」
「あ、はい。
今、開けます…… 」
カチャ、キィ……
「!? 」
ドガッア!!
家主もとい。
妖魔が自分達を殺しに来た死神を、作戦通りに上手く爪で貫き、
「思っていたより弱かったな」と思いかけた瞬間。
視界が。
まるで頁の抜け落ちて内容がとんだ本のように一瞬、途切れたかと思いきや。
いつの間にか自らの体を二つに斬られていて、
そのまま、地面に叩きつけられ。
そして妖魔は一体、自分の身に何が起こったのかを、
状況を理解する事なく息絶えた。
(次は西か…… )
ー 翌日の朝 ー
「妖魔が三匹も…!
それも、一匹は我々が気づかない内にとは…… 」
「すげぇなコレ 」
「だけど、半分は妖魔よ。
見た目に対して、恐ろしい力だわねぇ…… 」
一体目は民家を、二体目は裏路地を
そして、最後の一体は広場の噴水を血で染めあげ
いずれも、一刀のもとで命を刈り取らていた。
まるで、本物の死神に出会ったかのように。
「それで、そいつは……
クレイモアはどこへ……? 」
「ああ、あの銀髪銀眼の無表情な男だろう?
あいつなら、報酬金の事で町長の家に行ったらしいぞ…… 」
続く?
あとがき
途中で、はしょりました。
……ね、眠い。
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